~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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珍しい左右対称の構図 『内藤 克人版画展』

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 「YOSAKOI」をモチーフに鏡刷りという技法で作用大賞の作品を発表している。「この技法では初めてです」。モノクロ調の濃淡で躍動感あふれる女性ダンサーを画面いっぱいに描いた横1・80㍍×縦70㌢の大作7点を中心に11点を発表。2011年以来4回目の個展。
 本道では数少ないリトグラフ(石版画)の作品。薄く透明の雁皮紙を使用、一色一版で仕上げた作品は左右対称の構図になっているのが特徴。しかも大作。
 『街・路・舞』のシリーズ、シャープな線の走りで大勢のダンサーが、空中に舞うように生き生きと描かれている。「リトグラフで鏡刷りの手法による作品を発表する作家は、本道では他にいません」。左右対称でリズミカルな表現。踊るダンサーの気迫、喜びがあふれている。

 札幌市中央区北1西28、ギャラリーレタラで4月9日まで。

 ◆写真は『街・路・舞』シリーズの大作


 P1070705_convert_20170324101518.jpg  内藤 克人(ないとう・かつひと)さん
 「YOSAKOIの大作をいずれ発表したいと思っていた。刷りに入るまでが大変でした」。会場で制作の工程をビデオで見せている。道展で新人賞、佳作賞、会友賞、国展で新人賞、準会員優秀賞、2001年には北広島市文化奨励賞を受賞。道都大学教授だったが、現在は非常勤講師。国画会、道展会員。1957年札幌市生まれ。北広島市在住。

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発会を祝い38点 『グルッペ空展』


 「楽しく豊かな創作活動を」と、新たに発足したグループの第1回展。18人が油彩、水彩画を中心に陶芸を含め、一人1点から4点合わせて38点を展示、スタートを飾っている。
 「大空に高くどこまでも広がっていきたい」という願いを込めてグループ名を「空」に。メンバーは札幌市在住を中心に登別、室蘭、夕張市からも。
 絵画は50号以下。具象を基調に風景、花、人物など多彩。それぞれが個性を発揮しており道内、本州の公募展で活躍している人も。26日には批評会と実技研修会も開かれる。
 日下康夫代表は「個々の作品を尊重し、学び合い、信頼関係を深めながら新たな創造性を追究していきたい」と語っている。第2回展は1年後に予定されている。

 札幌市中央区南2西1、山口中央ビル・アートスペースで28日まで。

 ◆写真は展示されている作品の一部

 

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大自然を大きなスケールで 『柴崎 康男展』



 上から見下ろすような、あるいは見上げるような大きなスケールで海と山を画面いっぱいに描いた油彩15点を発表。道内と海外の風景。空気感に富み、描く気迫が伝わってくる。サムホールから20号。連続6回目の個展。
 「若い時に道内を回り、海外にもよく行った」。道東の浜中町の霧多布岬、室蘭のトッカリショなどを始め、海外はギリシャ、スイス、ドイツなどの海と山の風景を一体化するように展開している。
 基調はブルーの濃淡。ペインティングナイフでぐいぐい描き込み迫力がある。画面の半分以上が海、あるいはその逆で半分以上が山…という思い切った構図。重厚なマチエールも特徴。大自然の呼吸が広がっている。

 札幌市厚別区中央2条5丁目、デュオ2 5階・新さっぽろギャラリーで20日まで。

 ◆写真はギリシャの風景を描いた油彩『青い壁』(20号)



 P1070696_convert_20170316101220.jpg  柴崎 康男(しばさき・やすお)さん
 20歳代に画家の故熊谷善正氏に師事。「熊谷先生無くしては、今の私はない」。二科展で1991年特選、93年会友、新道展で2005年佳作賞、06年会友、08年会員、09年伊達市芸術文化賞受賞。4月に札幌で二科北海道支部展、9月に新道展がある。1952年室蘭市生まれ。伊達市在住。

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多彩な独自のアート 『内海 眞治個展』

 
 「作品をどのように作るかを考えるのが楽しい」―。『童夢の世界』をタイトルに楽しく、夢のある作品を会場いっぱいに展示、独得の感性を発揮している。展示総数約150点。毎年札幌を中心に個展を続けている。
 陶芸家だが素材は粘土とは限らない。もちろん粘土による器などの家庭用品もあるが発泡スチロール、ガラス、鉄、れんが…廃材も活用するなど素材は多彩。
 発泡スチロールで形を作り、アクリル絵の具で彩色したマリオネット、鉄とガラスを組み合わせた鳥、れんがを活用した家、ガラスをデザインした飾り物…アイディア作品かいっぱい。首や腕が動く作品も。
 全体にカラフル。デザインも独得。「作る前にデッサンはしない」―。自由奔放に楽しく制作しているという印象を受ける独自のアートである。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで19日まで。

 ◆写真は発泡スチロールによる作品 マリオネットなど


 P1070686_convert_20170316101022.jpg  内海 眞治(うつみ・しんじ)さん
 毎年テーマを決めて発表。広告代理店に勤めていたが、1989年に39歳11ヶ月で退職、独学で陶芸の世界へ。90年、札幌から砂川市に転居「浮浪工房」を開窯して独立。レストランも開いている。明治大学文学部卒。1948年宮城県石巻市生まれ。砂川市在住。

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80歳の記念展 『鈴木 喜景展』

 
 「私の絵は線描が特徴です」。人物、風景を中心に花を力強い筆勢と色彩豊かに描いた油彩20点、木版画60点を発表。80歳を迎えた記念展で7年振りの個展。
 「色々考えて非現実的なものを描いた」。美しい風景や人物(主に女性像)ではない。牛と裸婦、カラスの口の中にサクランボ、トンネルを中心に海や山、魚の目と裸婦…独特の組み合わせでストーリーを込めて描き上げている。発想が豊か。
 線の走りが独得、油彩は削るなどして深いマチエール。絵の具も独自に工夫しているという。木版画はモノクロ調が1点だけある以外は、水彩絵の具も使った手彩色。独自の取り組み。
 個性豊かな作品群の中に、小学校2年生のお孫さん・那乃花ちゃんの油絵も。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で12日まで。

 ◆写真は、海を描えた木版画4点


 P1070680_convert_20170309100731.jpg  鈴木 喜景(すずき・よしかげ)さん
 絵は20歳代から殆ど独学で始めた。東京から勤めていた会社の転勤で札幌に住んで52年。1997年、定年退職した年に初個展。白日会準会員だったが現在は無所属。1937年群馬県伊勢崎市生まれ。札幌市西区在住。

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自然の光景を神秘的に 『石垣 渉水彩画の世界展』

 

 「太陽のある風景」をタイトルに広々とした大地や雪原の向こうから太陽が昇る光景を情緒豊かに描いた水彩画16点を発表。きれいなマチエールと美しい色彩が魅力。4号から150号。通算28回目の個展。
 「昇る朝日が好きで…」。一部ホワイト不透明水彩も使うが透明水彩で『朝の牧場』『日の出』『大地』といった作品を大きな自然のスケールとすっきりとした空気感で描き上げている。入念な描写力。人影のない自然の情景を、神秘的とも言える美しさで展開している。
 150号の大作『分岐点』は、広大な雪原に車輪の跡が何本も走り、ドラマを作り出している。「写真ですかと聞かれる」と言うほどリアルな水彩画の美である。

 札幌市中央区大通西4、道銀本店ビル・らいらっくぎゃらりぃで5日まで。

 ◆写真は大きなスケールの水彩『分岐点』(150号)



 P1070612_convert_20170301094412.jpg  石垣 渉(いしがき・わたる)さん
 初個展は2002年。6月に東京でも。11年に約3ヶ月をかけ地球一周の船旅で18ヵ国を回った。道展で15年新人賞、16年佳作賞。16年には水彩連盟展で水彩連盟賞。日本イラスト協会、日本透明水彩会、水彩連盟道支部、サッポロ未来展会員。水彩画教室「蒼の会」主宰。札幌大学卒。1979年北見市生まれ。札幌市豊平区在住。

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個性豊かな造形美 『陶3人展』


 北海道陶芸展で2014年以来入賞、入選を続けている井川ゆきな、金子しおり、若山翔子さん(札幌市)の初の3人展。「終わらないかたち」をタイトルに、それぞれが個性豊かな立体造形作品を発表。1人3~5点。
 いずれも20歳代。師は陶芸家で北海道陶芸展実行委員長の下沢敏也氏。「これから先、未来を感じてもらえるような作品を」と、取り組んだ。
 井川さんは「生命の根源は何か」をテーマに女体を思わせる曲線の美を強調、金子さんは「劣化が始まり変化しながら生きる姿を」と、白い壁が、はがれ落ちそうな造形美。ラテン語で「兆し」を意味する「SIGNA」のシリーズ。
 若山さんは「溶ける粘土を使った」とのことで粘土が流れているような造形。天に向かって大きな口をあけたような作品『海鳴り』は生命感を思わせる。三者三様の取り組みである。

 札幌市中央区南9西6、GALLERY創で5日まで。

 ◆写真は金子しおりさんの作品

 

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風景、バラ中心に60点 『酒井 芳元水彩画展』

 
 毎年精力的な取り組みを続けており、今回もA、B2室に60点を発表。季節感あふれる風景、花を中心に透明感に富む色彩で描き上げ、会場に気品が広がっている。サムホールから20号。
 風景は道内各地を始め『雪の嵐山』『雪の京都』など本州、さらに『ローマの街角』など海外を描いた作品など広範囲。花は『連なるピンクの薔薇』などバラが中心。
 いずれも澄んだ明るい色彩。風景はスケールが大きく、しかも光と影を入念に描きコントラスト豊か。同時に空気感が広がっている。
 画面いっぱいに描き上げているバラの花はソフトな色彩で表情豊か。思わず手で触ってみたくなる。
 達者な具象絵画の美である。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで26日まで。

 ◆写真は江別市の風景を描いた『道端の白樺』(4号)



 P1070579_convert_20170223101108.jpg  酒井 芳元(さかい・よしもと)さん
 「昨年暮れの30日から無休で100点描いた」。定山渓温泉のぬくもりの宿ふる川の他、もう一ヶ所でも発表している。高校2年で三軌会展に入選。同展で1988年安田火災美術財団奨励賞、92年奨励賞。個展、グループ展は東京、大阪、京都でも。絵画教室「かおり」主宰。東海大学芸術学科美術課程卒。1960年後志管内倶知安町生まれ。札幌市西区在住。

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72人が個性豊かに 『道彩会会員会友展』

 
 北海道水彩画会(小堀清純代表)の第36回展。会員56人、会友16人の72人が新作を発表、水彩画の魅力を競っている。
 今年9月に開かれる公募の本展のいわば前哨戦。30歳代から90歳代の会員、会友が10号から40号の風景、花など具象を中心に心象、抽象構成の多彩な作品を発表。
 道内の公募展で活躍しているメンバーも。工藤和子・路子さん(札幌)親子、勇内山和子・寺岡弘子さん(函館)姉妹も。昨年9月の本展で新会員になった4人、新会友の3人も加わり感性豊かな作品が個性をアピールしている。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で26日まで。

 ◆写真は小堀清純さんの『かぼちゃのある静物』(左)と辺見富美子さんの『夜空』(右)

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自然の生命賛歌を全館に 『柿崎 熙展・森の奥底』

 
 「森に触発されながら“生“を問う作業をしている」―。自然の生命力、神秘感、美しさを基調にした2001年からの『林緑から』の造形作品を中心に1970年からの油彩、版画、鋭筆画など約60点を展示。札幌美術展と銘打ち全館に柿崎ワールドの美を展開している。
 「森の奥底は遠いが、さまよいながら歩くのは楽しい」。森の中で種子が飛び、次への生命を伝えて行く光景を見て感動し取り組んでいる『林緑から』のシリーズは、広い壁面に白い種子が飛び交い、床面から大小の芽がすくすく伸びている。そこには心地よいリズム感と生命力が秘められている。
 カツラの木を彫りアクリル絵の具で白く彩色した造形美。白い種子が風に舞い楽しそうに見える。赤やブルーなどの羽をつけたような種子も。心地よい響きと生命賛歌が広がっている。
 初日の1月28日、130人が出席、祝う会も開かれた。

 札幌市南区芸術の森2、札幌芸術の森美術館で3月26日まで(日曜休館)

 ◆写真は床面と壁面に展示されている『林緑から』の作品


 P1070523_convert_20170218140943.jpg  柿崎 熙(かきざき・ひろし)さん
 バードウオッチングで自然観察を続け『林緑から』のシリーズに。作品は特定の種子、葉、花ではない。1973年以来個展は数多く、北海道立体表現展、水脈の肖像画など多数に出品。2009年道文化奨励賞受賞。道教育大学札幌校特美卒。1946年留萌市生まれ。石狩市在住。



 
プロフィール

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