~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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在りし日をしのび72点 『竹田 博自画像展』

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 画家、デザイナーとして活躍していたが、2007年11月28日、66歳の生涯を終えて10年―。在りし日をしのび描き残した自画像を中心に72点が展示され、思いを新たにしている。
 竹田さんは、札幌商業高校を卒業後広告会社に入社、その後デザイン事務所を設立、1982年にはギャラリーたぴおを開設、自らも絵を描き個展、グループ展で発表、アートひと筋に歩んでいた。
 展示されている自画像は、1962年の22歳から亡くなる2年前の64歳までに描いた油彩を中心にスケッチも。中には両親や理美子夫人を描いたのもあるが大半は自身の表情。
 食事をしている時の光景もあるが、多くはじっと前方を見つめている表情。その目は鋭く何かを求め、訴えているよう。
 企画したボレアスジャパン代表のM・ババッチさんは「独自の美学やスタイルにこだわりを持っていたが66歳で力尽きた。これほど多くの自画像をさろえた作品展は他にないと思う」と語っている。作品集も発刊された。

 札幌市中央区南2西1、山口中央ビル・アートスペース201で21日まで。


 ◆写真は展示されている数々の自画像
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東日本大震災テーマに 『大地康雄の油絵展』

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 「東日本大震災で被害にあった方々を精神的に支援したい」―。角状のキャンバスではなく、ダイヤ型の大作『大震災の象徴』シリーズを中心に風景の油彩も含み24点を発表。サムホールから200号。1965年の初個展以来49回目。
 独特の世界。これまで扇型の構図だったが「緊張感がない」と、昨年からダイヤ型に。その中に扇図を描き、その中心に白い人体を浮き立たせている。
 それは女神。「被害者を救う救世主として表現した」と語り、その周囲に海や山など自然を描き込んでいる。「人命を救いたい」というストーリーが込められている。
 石こうの粉末、塗料なども使い重厚なマチエール。画面の扇型を赤色で浮かせているのも印象的。風景の『洞爺湖畔』などはモザイク的な描き方なども特徴。ダイヤ型のキャンバスは作者自身が製作した。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで19日まで。

 DSC01408_convert_20171117150541.jpg  大地 康雄(おおち・やすお)さん
 東日本大震災への取り組みは、発生した翌年の2012年から。「人命を救いたいという思いから生涯のテーマにしたい」。来年は80歳で50回記念展に。全道展で奨励賞、独立展で奨励賞、独立賞、道教職員美術展で特選など。全道展、独立展会員。岩手大学学芸部卒。1938年岩内町生まれ。札幌市手稲区在住。


 ◆写真は油彩の『大震災の象徴』(200号)

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31人が個性豊かに 『北海道陶芸会展』


 
 1968年に陶芸家16人で発足した北海道陶芸会(中村裕会長)の第49回展。会員30人と相談役小山耕一さん(東京)が個性豊かな多彩な作品を発表、陶芸の魅力を発信している。
 会員は、30歳代から84歳の中村照子(札幌)まで幅広く札幌を始め釧路、旭川、十勝管内鹿追町、網走管内美幌町など各地で作陶を続けているリーダー的な方ばかり。
 大小のつぼ、皿、花器、水指など一人7種類までを出展。堂々とした風格の焼き締め、美しい釉薬による気品、青磁や白磁…高度な技術によるバラエティーに富んだ作品が並び、本道陶芸界のレベルの高さを示している。
 11日午後2時から日本酒を用意した月見の宴も開かれる。
 来年は創立50周年を迎え、6月に札幌芸術の森美術館で米・オレゴン陶芸家協会会員を招き、記念展を予定している。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で12日まで。

 ◆写真は展示されている多彩な作品

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リズミカルな抽象絵画 『高橋 佳乃子個展』

 

 抽象絵画に取り組んで35年―。明るいブルー系を基調にリズミカルな表現力の100号、120号の大作3点を中心に9点を出品。すべて今年の新作。2015年に次いで5回目の個展。
 「色彩は、自然環境にかかわりがあるかも…」。高校までオホーツク海に近い道東で、現在は田園風景が広がる空知で生活、そうした環境が色彩や空気感となってキャンバスに。
 絵筆は使わない。ローラーで地塗りしたキャンバスむに絵の具を流しながら制作していく。タイトルは『ブルーグレー』『グリーンライト』など色彩。ブルー調の大画面に赤やピンク系のラインでいくつもの“窓枠”が表現され、そこから向こうの景色が見えるような、しかもリズミカルに描かれている。
 心地よい響きを感じさせる。色彩が明るく透明感に富んでいるのも魅力。楽しいメロディーさえも感じさせる。

 札幌市中央区南5西20、ギャラリーミヤシタで12日まで。



 DSC01392_convert_20171103141323.jpg  高橋 佳乃子(たかはし・かのこ)さん
 キャンバスを床面に置いて描く。「好きな色にひかれます」。元々は具象だった。道展で1980年新人賞、81年佳作賞、85年会友賞。初個展は99年。道展会員。ご主人の博昭氏も道展会員。道女子短大工芸美術科卒。網走管内女満別町(現大空町)生まれ。岩見沢市在住。

 ◆写真は油彩の『ブルーグレー』(100号)

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明るくさわやかに 三明 伸水彩画展

 

 「いかにしてきれいに仕上げるかです」―。風景を中心に明るく澄んだ色彩で描いた水彩画35点を発表。さわやかな空気感が広がっている。2001年の初個展以来毎年のように発表「数え切れません」。サムホールから0号。
 透明水彩で丁寧に情緒豊かに描いている。雲などホワイトは、画用紙の白を生かす手法。
 札幌、千歳、小樽市を始め道内各地と郷里・仙台の風景やボタン、キキョウなど花を透明感に富みすがすがしく描いている。風景は快晴の光景。
 作品『花とサイロ』『こもれび(道庁)』など風景は、建物を中心にグリーンの広がりが心地良い。奥行きのある構図と共に空気感が広がっている。
 指導しているザ・ザップグリーン教室展も同時開催している。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で5日まで。


 DSC01398_convert_20171103141222.jpg  三明 伸(みあけ・しん)さん
 2001年6月、44年間のサラリーマン生活を終える前から水彩画を描いていた。個展は東京、仙台、函館などでも。スケッチで英国、オランダ、ドイツなどへ。さっぽろ窓辺展で03年札幌市民賞、04年札幌市長賞。11年に書家の靖子さんと2人展を開いた。1938年宮城県名取市生まれ。札幌市在住。

 ◆写真は『ガラスの美術館(箱根)』(6号)

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清そで上品に 『金子 しおり陶展』

 

 「秋の気候のようにさわやかで澄んだ空気感のような作品を」―。白を基調にした数々の家庭用食器を中心に55点を出品。清そで気品に富んでいる。初個展。
 公募展への出品作はオブジェが中心だが、今回は大小のカップ類、ボウル、茶わんなどからブローチまで多彩。いずれも白地にグリーン、ブルー系の釉薬を吹きつける手法で作陶、明るくさわやか。
 信楽町(滋賀県)産の白粘土を使い電気窯で1240度まで上げて焼成する。「ここ2ヶ月程で仕上げました」。グリーン、ブルーの淡い色合いが基調の白と調和、上品な作品に。思わず手に取ってみたくなるような澄んだ美しさである。

 札幌市中央区大通西23、ギャラリー円山で31日まで。


 DSC01384_convert_20171028150947.jpg  金子 しおり(かねこ・しおり)さん
 中学校時代はデザイナーを目指して札幌の専門学校に入学後陶芸の道へ。2013年から陶芸の講師に。15年道展U21で優秀賞、北海道陶芸展で道火災共済組合賞、16年中西印刷株式会社賞、日本陶磁協会現代陶芸展で奨励賞。北海道陶芸展会友。道芸術デザイン専門学校卒。1993年苫小牧市生まれ。札幌市在住。

 ◆写真は清そな作品『ボウル』

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生命力と気迫の大作 『中谷 有逸展』

 

 十勝地方美術界のリーダー的存在である作者が、2006年から続けている版画16点を発表。このうち13点が80号という大作。重厚で生命力に富んだ気迫の筆勢である。
 『碑・古事記』のシリーズ。『古事記』を熟読しイメージを膨らませている。当時も今も人間のやっていることはそんなに変わらない。古事記に秘められた物語を独自の感性で大作に。
 それは抽象構成。しかも木炭粉、石粉、樹肥による自家製の絵の具と油絵の具、アクリル、鉄粉などを駆使して仕上げた独自のアート。「版を使って油絵…」と語り深いマチエールで動的な世界。
 一面に溶けた鉄を流したようなボリューム、白と茶の帯状がひしめき合う、あるいは赤、ブルー、鉄色の3色の帯状が天空に競り上がる…そんな数々が『生命』を強調している。タイトルの『碑』には「生きてきた証しを残しておきたい」という思いが込められている。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで29日まで。


 DSC01377_convert_20171028150811.jpg  中谷 有逸(なかや・ゆういつ)さん
 22歳からほぼ毎年個展。グループ展で発表。開催中の道展にも出品中。芽室町で閉校になった小学校で制作。一度に10点を床面に置いて制作する。1996年十勝文化賞、99年帯広市文化賞受章。モダンアート協会、道展、道版画協会、平原社各会員。1936年札幌市生まれ。帯広市在住。

 ◆写真は『碑・古事記』シリーズの作品(80号)
 

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協会賞は嶋﨑さんの油彩 第92回道展

 

 芸術の秋を彩る道展(北海道美術教育)が始まり会員、会友、この1年間に亡くなった方の遺作、一般入選作品合わせて558点が展示され美の魅力を競っている。最高賞の協会賞は札幌大谷大学4年、嶋﨑由真さん(21)=札幌市=の油彩『滲出(しんしつ)』(130号)に。
 日本画、油彩、水彩、版画、彫刻、工芸の6部門に油彩の244点を始め合わせて444点の応募があり261点が入選した。応募者の最高齢は87歳、最年少は15歳の高校生だった。事務局では「油彩は丁寧に描き込み仕上げる作品が主流になりつつある。水彩は大半が60歳以上がが占め、版画は年齢、版種、技法が多岐にわたっている」と語っている。
 嶋﨑さんは一昨年の初出品で入選、昨年は佳作賞を受賞。今回の受賞作は「自分の気持ちを言葉で表現するのは苦手なので」と。自画像の口に水道の蛇口を当てて意志を伝えようという思いを込めた内容で「独得の世界を高い感性で表現している」と評された。
 佳作賞は21人、新人賞9人、会友賞は13人が受賞、新会員に9人、新会友に16人が推挙された。
 全館に大作、力作がびっしり展示され迫力感が広がっており、初日から多数のファンが訪れている。11月21日から釧路市立美術館、帯広市民ギャラリー、北網圏北見文化センターで移動展が開かれる。

 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで11月5日まで。

 ◆写真は協会賞を受賞した嶋﨑由真さんと作品

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美と気品の80点 『尾形 香三夫陶芸展』

 

 「取り組んで34~5年」―。独自に研究し、つくり上げた『練上(ねりあげ)』の技法による大小の花生、壺、皿、水指などからペンダントまで約80点を出品。今年7月に東京・銀座で個展を開き、11月には大阪でも…という精力的な取り組み。
 美しく気品に富んでいる。白粘土に練り込み用の顔料を混ぜて色粘土を作り、それを組み合わせて文様をつくり上げる、という手法。「こういう作品を作る陶芸家は他にはいないでしょう」。
 ブルーの濃淡、あるいは茶系の濃淡が白色調と微妙に重なり調和しながらうず巻き状に文様が表現されている。リズム感に富み、見ているだけで心地よい。輝きを抑えているのも特徴。
 器として使うより飾っておきたい…そんな気品と美しい数々の作品である。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで22日まで。


 DSC01343_convert_20171019101431.jpg  尾形 香三夫(おがた・かみお)さん
 窯名は『混沌窯』(電気)。30歳から独学で陶芸を始めその5年後ぐらいから練り上げの手法に。個展、グループ展は数え切れない。ニューヨークでも発表。益子陶芸展で審査員特別賞、現代茶陶展でTOKI織部銀賞、日本陶磁会展で現代陶芸奨励賞など多数。1949年岩見沢市生まれ。同市在住。

 ◆写真は『練上鎬壺“空”』(横19・5×高さ19・0㎝)

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植物の生命力軽快に 『宮崎 むつ展』

 

 「1本1本の植物の強さ、咲く花の美しさに魅了されるのです」。『私の庭“小さな森”』シリーズの油彩21点を発表。濃いブルーと赤系の空間に植物が飛び交うリズミカルな表現。2014年に次ぐ39回目の個展。
 「私の庭にはたくさんの花が咲き、気が伸びており、元気をもらってます」。取り組んで6年目という「私の庭」シリーズは上から、下から、横から細い線が飛び交い、小さな点が響き合い舞うように描かれ心地よいリズム感が広がっている。
 「小さなささやき」「種子」などのタイトル。ブルーの空間が基調だが赤系も。季節感の色彩だろか。
 油彩とボールペンで入念に下地をつくり、それを床面に置き絵の具をたらすように表現して行く。細い線の走り…植物が風に舞っているような心地よさであり、生命力の喜びさえ伝わってくる。

 札幌市中央区南5西20、ギャラリーミヤシタで22日まで。


 DSC01340_convert_20171014103117.jpg  宮崎 むつ(みやざき・むつ)さん
 「私の庭から元気をもらっています」。初個展は1970年東京で。その後も東京、札幌で開催。グループ展も多数。69年学生全道展で文部大臣賞、79年、86年全道展で奨励賞。倶知安町で開催中の第59回麓彩会展に出品中。道教育大学札幌校特美卒。室蘭市生まれ。札幌市清田区在住。

 ◆写真は『私の庭“小さな森”』(15号)
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