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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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北海道の風景を魅力的に 『真鍋 敏忠水彩画展』

 

 「光と画の中で」をサブタイトルに、徹底した現場主義で道内各地の風景を描いた作品37点を発表。明るい色彩、繊細なタッチでリアル感を高め現場の空気感が広がっている。2005年から今年10月に描いた作品。35回目の個展。
 水彩画とはいっても油性マジックペンと日本画の顔料で描いている。マイカーで道内各地を回り、すべて現場で仕上げている。
 小樽運河、網走・卯原内のサンゴ草、積丹・神威岬、石狩灯台、浜中町の霧多布、美瑛の青い池…「いかに遠近感と空気感を出すかです」。時間をかけて入念に描き込む。丁寧な描写力であり、濁りのない色彩が魅力。
 『旧札幌停車場』『小樽鰊御殿』といった歴史をしのばせる作品も多く本道の風景や歴史に思いを改たにさる。
 18日から展示作品を入れ替える。

 札幌市西区二十四軒4条3丁目3-16、ギャラリー北のモンパルナスで29日まで。

 DSC02328_convert_20181207152510.jpg  真鍋 敏忠(まなべ・としただ)さん
 絵は独学。元々は油彩だったが、2000年から水彩画を発表。道立高校教諭時代は英語の教師。1971年から98年まで道教職員美術展に入選、奨励賞を1回受賞。2013年にロシアで3人展。弘前大学文理学部卒。無所属。1938年名古屋市生まれ。札幌市在住。

 ◆写真は、新作の『小樽運河秋色』(8号)
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53人が多彩な作品 北海道九条美術の会作品展



 芸術、美術、文化の表現の自由を守ることを旗印しに2006年7月に「北海道九条美術の会」が発足以来12年。その記念作品展。46人と物故会員7人の53人が多彩な作品を発表している。
 憲法九条改正に反対する会が2004年6月東京で発足した。メンバーは井上ひさし、梅原猛、大江健三郎氏9人。これに呼応して全国で「九条の会」が誕生、本道でも多くのアーティストが結集、以来12年が過ぎた。
 「表現の自由を守る」を目標に展示作品は油彩、水彩、日本画、版画から彫刻、手芸、書など幅広く、モチーフも風景、人物、静物、花などの具象から抽象構成まで多彩。テーマはなく自由に描く、がモットー。一人1点ずつを出品。
 札幌市とその近郊を中心に釧路、北見市からも出品。今回高見堂めぐみさん、森真知子さん、若狭茂子さん(いずれも札幌市)が初出品している。この作品展は、発足以来毎年開いている。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で9日まで。

 ◆写真は展示されている数々の作品

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木彫中心に50点 本田 明二展

 

 本道彫刻界に大きな足跡を残した本田明二氏(1919~1986年)が、来年生誕100年、没後30年を迎える。その回顧展。木彫を中心にブロンズなどの彫刻、素描、版画合わせて50点が展示され歩みをたどっている。
 本田氏は空知管内月形町生まれ。札幌二中(現札幌西高)を卒業と同時に上京、彫刻の世界へ。本道出身の彫刻家が活動の拠点を東京に移していく中で本道に根を下ろし創作活動を続けた。
 1952年から60年まで全道展事務局長を務め、新制作展で新作家賞、北海道秀作美術展で道立美術館賞、1981年には札幌市民美術賞を受賞した。
 作品は『けものと男』『馬』『フクロウ』『トルソ』など多くを発表「具象を抽象の枠組みを超えた造形美」「自然を愛した生命力」「おおらかな造形に素朴さと美しさが共存している」と評されている。
 展示作品は木彫から石こう、ブロンズ、テラコッタなど多彩。制作年月日不詳から1980代の作品まで幅広く、取り組んだ情熱が伝わってくる。
 25日にスペシャルトーク12月11日に講演会などが行われる。
 札幌市中央区宮の森4-12、本郷新記念札幌彫刻美術館本館で2019年1月17日まで。

 ◆写真は1982年制作の木彫『けものを背負う男』

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植物の生命力を力強く 『白鳥 洋一展』


 

 「植物の生命力を描きたい」―。2016年から取り組んでいる『植物記』シリーズの新作5点を中心に小品8点を出品。新作の5点は、約2m×2mの大作。13回目の個展。
 「特定の植物ではない」―。その植物を白い空間に黒や茶系を基調にシンプルに、だが堂々と描き込んでいる。
 地中から何本もの植物が伸びている、地中にどっしりと根を張っている、2本の大木が天に伸びている…堂々とした生命力である。
 キャンバスではなく“普通の紙”にアクリル絵の具を中心に描いている。しかも紙を数枚組み合わせて1点に仕上げている。
 多色を使わず、構図もシンプルだが、植物の呼吸が伝わってくる。

 札幌市中央区北1西28、ギャラリーレタラで18日まで。

 DSC02297_convert_20181111101802.jpg  白鳥 洋一(しらとり・よういち)さん
 「堂々とした植物の生命力を描きたい」。かつては、花火がモチーフだった。一級建築士で絵は独学。新道展で協会賞、ニッサン童話と絵本のグランプリ・絵画部門で優秀賞など。初個展は1938年。東北工業大学。新道展会員。1951年留萌市生まれ。札幌市在住。

 ◆写真は『ふたつの眠り』(縦×横約2m)

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自然の光景を広々と 『府川 誠展』

 

 広々とした畑、その向こうの樹林、広がる空…大自然の光景を静的な情緒を秘めて描いたた版画(リトグラフ)46点、オイルパステル画17点を発表。東京では、ほぼ隔年で発表しているが、札幌では2011年以来の個展。
 「基調は胆振管内喜茂別町、後志管内ニセコ町の風景です」。それを独自の感性でイメージの世界を展開している。広がる畑の手前で遊んでいる小さな子供、空は広々として画面の大半を占める…大自然を優しくきれいな色彩で展開している。
 夏はグリーン、夕方はピンク系、冬はホワイトが基調。四季の変化を丁寧に表現している。
 オイルパステル画は、牛乳パックをミキサーにかけ、ろ過した紙に描いている。版画とは違い重厚感があるが、雰囲気は版画同じ。取り組んで10年程という。数々の作品は、都会の騒音を忘れさせる。

 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラルで4日まで。



 DSC02286_convert_20181104134523.jpg  府川 誠(ふかわ・まこと)さん
 1998年に喜茂別町の旧羊蹄小学校に工房を、その後2002年にニセコ町にギャラリーと工房を移した。初個展は1975年東京で。以来全国で開催。春陽会、日本版画協会、日本美術協家連盟各会員。東京造形大学卒業、造形美術学校修了。1949年神奈川県生まれ。91年札幌市へ。ニセコ町在住。

 ◆写真はオイルパステルによる『地空』(6号)

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全室に多彩な作品 『島田 無響遺作展』

 

 本道書道界に大きな足跡を残し、2015年4月3日、87歳の生涯を終えた作者の遺作展。「膨大な作品の中から選んだ」という大小の額装の漢字、かなの創作約50点を中心に折り状、短冊などが会場いっぱいに展示され在りし日をしのんでいる。
 島田さんは1928年千葉県生まれ。早稲田大学卒業後サラリーマン生活に入り、57年に札幌市へ。
 61年、33歳で日展に初入選、その後北海道書道展会員、創玄書道展、毎日書道展各審査会員、「鮎の会」結成など本道書道界発展に貢献した。
 62年に初個展を開いて以来2007年80歳の記念展まで13回も開き存在感を示した。中国へも何度も訪れた。
 展示作品は、1960年代から制作年が不明の漢字、かな、片仮名などの濃墨、淡墨…と多彩。折り状は「全長7~8m…」という『長江下り』『万葉集九巻』もあり、いかに幅広く活動を続けていたかを改めて印象付けている。実弟で書家の島田一獄さんは「書くことが一番好きな無響でした。無響らしい作品を選び展示した」と語っている。遺作集も発刊された。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で4日まで。

 ◆写真は展示されている数々の作品

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協会賞は花輪さんの大作に 第93回道展



 第93回道展(北海道美術協会)が始まり入賞・入選作品、会員、会友、この1年間に亡くなった方の遺作4点の合わせて555点が、芸術の秋を飾っている。最高賞の美術協会賞は、道教育大学札幌校准教授の花輪大輔さん(45)=札幌市=の彫刻『意志』に。
 日本画、油彩、水彩、版画、彫刻、工芸の6部門に油彩の221点を始め合わせて419点の応募があり255点が入選した。応募は19歳から96歳と幅広く、水彩画で新人賞を受賞した斎藤誠さん(札幌市)は74歳だった。
 花輪さんの受賞作は円形状の立体造形作品。水溶性アクリル樹脂、鉄粉などの素材で高さ195㎝という大きなスケール。初出品以来、4年連入選で今回大賞に。「大きなスケールとボリューム感があり、動きのバランスやシャープな構造が絶妙でてある」と評された。
 事務局では「出品者の年齢が幅広く、各部門とも熟練した技術を生かした作品が多くバラエティーに富んだ内容になっている」と語っている。
 佳作賞は29人、新人賞と会友賞は、ともに11人が受賞した。
 25日と11月1日は観覧時間を2時間延長するギャラリーナイトが行われ、胆振東部地震復興支援などのチャリティー展が開かれている。

 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで11月4日まで。その後釧路、帯広、北見市で移動展が開かれる。

 ◆写真は、協会賞を受賞した花輪大輔さんと作品『意志』

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大作4点中心に27点 工藤 悦子個展

 

 2015年から続けている『環』シリーズの130号2点を組み合わせた3点、120号2点を合わせた1点といった大作4点を中心に小品を合わせて27点を発表、迫力感が広がっている。3年振り12回目の個展。
 作品の基調は『生命体』。「地球上のあらゆる生物の生命体に思いを込めています」。明るい茶系を背景に木の葉を思わせる大小のフォルムが重なり、競い合っている。中には、画面中央の数々の円状からエネルギーを求めるかのように葉状が集中している点。生き生きとした筆勢。
 きれいなマチエール。葉状の表面が絵の具の上に紙などを張っては、はがすデカルコマニーの手法で微妙に変化しているのも特徴。入念な描き込みである。

 札幌市中央区大通西3、道新ギャラリーで23日まで。


 DSC02256_convert_20181019141807.jpg  工藤 悦子(くどう・えつこ)さん
 「下地を仕上げれば、絵は半分以上出来たようなものです」。大作1点完成させるのに1年はかかるという。かつては『悠久の華』『夜の華』シリーズだった。新道展で佳作賞、主体展で佳作作家賞など。新道展、主体展会員。1942年旧樺太生まれ。江別市在住。

 ◆写真は、120号2点合わせた油彩の大作

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80歳の記念展 『川西 勝展』

 

 本格的に絵筆を手にして50年、そして80歳を迎えた記念展。油彩の100号2点を合わせた大作など11点を中心に46年前に色紙に描いた水彩画まで48点を出品、歩みをたどっている。札幌での個展は3回目。
 小品の具象から心象構成。「描いて10年くらい」という抽象絵画まで幅広い。心象作品は女性像を中心にした優しい情緒。
 100号、80号といった大作は抽象構成。『有為転変』『灯り』などの新作は黄色、白、黒といった明るい色彩が響き合うよう。円状の周囲につながりを構成するなどストーリーが秘められている。濁りのない明るい色彩で心地よい。
 「シンプルな形の中に何かを閉じ込めたい」と語り、リズミカルな構成である。

 札幌市東区本町1条1丁目8-27、茶廊法邑で28日まで。

 DSC02238_convert_20181019141655.jpg 川西 勝(かわにし・まさる)さん
 滝川、砂川、岩見沢市で数多く個展。空知管内で40年間教職に。新道展で札幌市長賞、札幌市教育長賞、道教職員美術展で特選、奨励賞など受賞。新道展会員。道教育大学岩見沢校卒。1938年美唄市生まれ。札幌市在住。

 ◆写真は油彩の『灯り』(100号2点の組み合わせ)

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10人が個性の競作 美術文化北海道支部展

 


 「新しい美術文化の在り方を追求し、自己を忠実に表現する」を掲げ1940年に東京で創立展が開かれた美術文化展の第46回北海道支部展(鈴木秀明支部長)。支部展は1972年に第1回展が開かれた。今回は、10人が大作を中心に17点を出品している。
 メンバーは道展会員の三浦恭三さん(小樽)以外は新道展の会員、会友、一般出品者。
 柳川育子さん(札幌)さんの『時は流れて』は白い雲がなびくような、久保田年子さん(函館)の『ブルーケルプ』は海草がゆらめき、宮澤克忠さん(帯広)の『欲と賭けとブギウギ』はコラージュも駆使、非常にカラフル…など個性の競作。今年の新道展で佳作賞を受賞した楓月まなみさん(札幌)が初出品している。


 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル階スカイホールで7日まで。


 ◆写真は楓月まなみさんのアクリルと墨による『流清』(右)と『綾華』(左)
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Author:chikuwapan
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『北海道を彩るアーティスト』
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