~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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個性豊かに78点 夏まつり「花」展

 


 さいとうgalleryの企画展。テーマは「花」。1995年に第1回展を開いて以来連続22回目。美術団体を問わず78人が、バラエティーに富んだ作品を発表している。
 油彩、水彩、版画、日本画、パステル、金工…幅広い。夫婦、親子もおり水彩の小堀清純さん(札幌)油彩の鉾井直作さん(砂川)が初出品。稚内、北見、岩見沢、小樽など道内各地からの出品、競っている。
 ひと口に「花」といっても具象の美から抽象、立体造形まで多彩。野崎嘉男さん(岩見沢)の『花物語』は額装、その中の作品も花、宮地明人さん(同)の『夏の花』は花模様の和服を着た女性像、羽山雅愉さん(小樽)の『白い家』は白い家の前の白い空間に一輪の花…など取り組みは様ざま。
 作家の個性が楽しめる。作品は50㎝×50㎝以内。


 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで16日まで。


 ◆写真は個性豊かな花の作品
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個性豊かで多彩 『小笠原み蔵・植田莫展』

 
 木彫家小笠原さんと木綿や和紙に染料などで描いた独自の絵画を発表している植田さんの2人展。個性豊かでユーモアもありホットな雰囲気。2人展は道内外で数多く9月には山口県でも。
 共に70歳代。「いまだにスローに制作する2人…」とのことだが、常に意欲的な取り組み。個展、グループ展も多数。
 小笠原さんの木彫は独学。40年近いキャリア。「木彫三昧…」で人物像からトランペットを吹くゴリラ、ペンギン、フクロウなど大小様ざまな表情の作品がいっぱい。思わず手に取ってみたくなる。素材はシナの木が中心。楽しい展示である。
 植田さんの染料で染め、細部は顔料も使って筆で描く独自の技法を確立して48年。放浪の俳人・種田山頭火を描いた作品「句抄絵」、「老夫婦の夕焼け」シリーズ、「森のトリ」「幸せのフクロウ」シリーズなど多彩。色彩がソフトでストーリー性を秘め、温かい情緒を広げている。合わせて39点。
 小笠原さんは、渡島管内福島町生まれ、植田さんは兵庫県生まれ。共に札幌市西区在住。

 札幌市北区北9西3、ギャラリーエッセで16日まで。


 ◆写真は展示されている2人の作品

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ご主人の歩み描く 『鈴木 京子墨彩画展』

 


 毎年テーマを決めて発表しており、昨年の「やさしい辞典」に続き今回は「私の好きな先生」。モデルは、小樽市内の小学校の教師だったご主人・直樹さん。1959年に小学校に赴任した時から99年の最後の卒業式、その翌年の卒業生との再会まで41年間の歩みを描いた50点を発表。29回目の個展。
 「当時の小学校の様子と社会を背景に描きました」。ご主人の取り組み、歩みと児童の表情、行動を生き生きと描いている。『バスで通勤』『ラジオ体操』『海浜の遠足』から『音楽発表会』『卒業式』…2000年9月23日の『稲穂小学校卒業生との再会』まで墨の濃淡と顔料で描いている。
 スキー、水泳、音楽…幅広く指導を続けたご主人の情熱が画面にあふれており、校舎を中心にした大作『教職一筋』には思いが込められている。


 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で9日まで。


 ◆写真は『私の好きな先生~最後の卒業式を終えて~』(12号)


 DSC01051_convert_20170709104908.jpg  鈴木 京子(すずき・きょうこ)さん
 師は日本画家の故本間聖丈氏。1985年から指導を受けた。「絵は全く知りませんでした」。91年に『子どもの四季』をテーマに小樽で初個展。以来連続。現代水墨画協会展で秀作賞、奨励賞、佳作賞。小樽市在住。

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自然の魅力存分に 『藤田 敏次水彩展』

 

 「水彩画だけの個展は初めてです」―。公募展、個展で油絵を発表していたが、今回は透明水彩絵の具による38点を出品。道内各地と一部海外と本州の風景を空気感に富み、明るい色彩で描いている。5回目の個展。
 礼文、美瑛、石狩、十勝…道内各地の初春から秋にかけての風景を生き生きと描いている。「礼文島出身ということもあって海の絵が多い」とのことで明るくさわやかな『利尻の漁港』、大きなスケールの『初夏の利尻』、画面の殆んどが海から望んだ岩の風景など多彩。
 一方『十勝残雪』、上富良野の雄大な構図の『唐松の大地』といった取り組みも。濁りのない色彩で自然の魅力を見せている。
 「まだ行っていないのは釧路町…」で、すべて現場でスケッチ。臨場感に飛んでいる。南フランス、イタリア、千葉、長崎県を描いた作品も。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で9日まで。

 ◆写真は利尻の風景『猫岩と桃岩』(6号)


 DSC01043_convert_20170709104806.jpg  藤田 敏次(ふじた・としつぐ)さん
 油絵は独学だが1994年から示現会展、2003年から道展に入選を続けている。「水彩画も習ったことはありません」。1957年、北電に入社した年に油絵の用具一式を購入、示現会会員。苫小牧工業高校卒。1939年宗谷管内礼文町生まれ。札幌市北区在住。

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廃材に生命感 『高橋 博昭展』

 

 「存在価値がなくなった物たちに再び光を」―。続けている「生存」のシリーズの抽象絵画23点を発表。素材は各種廃材だが、白を基調に内面性の深い取り組み。0号から100号。一昨年に次いで7回目の個展。
 「素材と格闘しながら30年かかってここまできました」。使用する素材は木、布、ベニヤ板、段ボール、紙、テープ…すべて廃材。それらを「黒で汚した」という発泡スチロールに張ったり、ひっかいたりしてイメージを高め最後にローラーで絵の具を重ねて仕上げる。
 表面は洗練されたホワイト。多彩な素材が自由自在といった感じで重なり合い深い内面性を秘めている。「作ろうとしてはダメ。偶然性があり、素材を楽しみながらイメージを高めています」。廃材に生命感と美しさをよみがえらせている。

 札幌市中央区南5西20、ギャラリーミヤシタで7月9日まで。

 ◆写真は『生存』のシリーズの0号6点


 DSC01025_convert_20170630153330.jpg  高橋 博昭(たかはし・ひろあき)さん
 「すぐ取りかかれるのもあるが、半年かかる作品も」。元々抽象絵画。道展で1990年会友賞、翌年会員に。90年まで美術文化展、道抽象派作家協会展に出品。佳乃子夫人も抽象絵画を発表、道展会員。奈良芸術短大美術科卒。1954年岩見沢市生まれ。同市在住。

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優しいロマンの世界 『湊 征一郎展』



 20歳代で亡くなった詩人、金子みすゞの詩に合わせた絵を描き、さらに作者自身が思いを寄せた詩を添えた「金子みすゞの世界展」をタイトルに32点を発表。そのほかに30点を展示。指導している生徒の作品もそろえ、ほのぼのとした情緒に。
 作品は、ポリプロピレン(PP)孔版画。薄いフィルムをカッターナイフで切って切って絵を作り、3~4枚重ねて化粧用のパフで彩色する、という独自の手法。色彩が優しいのが特徴。
 少女が空を飛んでいる、七夕飾りの舟が海を行く、夕焼け空を見る少女…心温まるほのぼのとした世界をストーリーを込めて描き込んでいる。
 「用品などは100円ショップで購入でき、版画特有の面倒な道具は不要」という。作品は、幻想的とも言え優しい夢とロマンの世界である。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で7月2日まで。

 ◆写真は展示されている数々の作品


 DSC01037_convert_20170630153227.jpg  湊 征一郎(みなと・せいいちろう)さん
 元々は油絵。公募展で入賞、入選していた。2004年にPP孔版画を考案、札幌孔版画会を設立、代表に。指導しておりファンが多い。「誰もが気軽に取り組めます」。学生時代に詩を書いていた。9月にも個展を開く。1941年留萌管内苫前町生まれ。札幌市中央区在住。
 

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さまよう2000体 『艾沢 祥子展』

 


 作品は、インスタレーション、ティッシュペーパーをろうで固めた“白い人間”が、行く当てもないように床面にびっしり展示されている。その数2000体。「さまよう多くの難民に思いを寄せて取り組んだ」という作品で、テーマは『My friend』。札幌では2年振りの個展。
 広く暗いスペースに高さ10㎝から15㎝の“紙の人間”が暗い会場でうごめいている。荷物を背負っている姿も。
 これから何処へ行こうか、という光景。
 「テレビで難民の姿を見てこの1年間で作り上げた」という。厳しい環境の中で、救助隊が助けを求める人たちに「My friend」と声をかけたということから作品のタイトルに。
 暗い壁面に“白い人間”の影も映し出されている。さらにデジタルプリント、インクジェットプリントによる黒い影の作品も。


 札幌市東区本町1条1丁目、茶廊法邑で7月2日まで。


 ◆写真は床面に展示されいてる多数の人々


 DSC01017_convert_20170625111020.jpg  艾沢 祥子(よもぎざわ・しょうこ)さん
 元々は版画家。その後インスタレーション、クレヨンや鋭筆によるドローイングなども。今回のようなティッシュペーパーを使った制作は10年に。個展、グループ展は数多く個展は東京、岡山、金沢、京都などでも。2014年に北海道文化奨励賞。1995年、97年にニューヨークで研修。1949年空知管内由仁町生まれ。札幌市在住。

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優しく気品の「白の世界」 中村 裕作陶展


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 「10年ぐらい続けた」という『雪原』のシリーズ、そして「昨年から…」の『白樺林』をモチーフにした『白の世界』の作品約100点をそろえ、優しい気品が広がっている。札幌と東京で隔年で個展を開催、今回の三越だけでも18回目。陶芸のキャリア40年。
 作品は大小の花器、つぼ、皿、マグカップ、陶板など多彩。それらは清そな白、淡いブルーが基調。白樺林を表現した『樹林文花器』、白い世界に月が浮く『月下雪原大皿』、渓雪や流氷文の陶板…ソフトで水墨画の世界をイメージするような上品さである。
 白樺林や流氷などの文様は、素焼き状の時にマスキングテープを張り、スプレーで釉薬をかける…という手法。ガス窯で1230度まで上げる。「いかに奥行きのある作品に仕上げるかです」。白樺林、雪の世界の変化する表情を美しく、優しく捉えている。

 札幌市中央区南1西3、三越9階ギャラリーで26日まで。

 ◆写真は、白を基調にした数々の作品


 DSC01014_convert_20170625110913.jpg  中村 裕(なかむら・ひろし)さん
 散歩をし自然を観察している。1982年札幌市南区滝野に築窯、その後91年に駒岡に移築。窯名は草の窯。個展は86年から三越、95年年から東京で。おおたき北海道陶芸展で金賞、現代茶陶展で優秀賞など多数受賞。北海道陶芸会会長。1954年網走管内美幌町生まれ。札幌市南区在住。

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力作、大作が481点 全道展

 
 第72回全道展(全道美術協会)が始まり一般応募の入賞・入選者、会員、会友の作品合わせて481点が展示され、迫力感が広がっている。最高賞の全道美術賞は、札幌市東区の公務員、木村麻衣さん(22)の絵画『バッコスの信女』(150号)に。昨年版画で入選しているが、絵画は初出品だった。
 絵画、版画、彫刻、工芸の4部門に490点の応募があった。このうち29点が入賞、206点が入選した。
 事務局では「丁寧に慎重に時間をかけて審査に審査をした」と語り、入選者は北海高校3年伊田光里さんから88歳の小野健壽さん(共に札幌)まで幅広い。80歳代が14人という。
 協会賞を受賞した木村さんは、道教育大岩見沢校4年だった昨年、学生美術全道展で全道美術協会賞を受賞している。
 今回の受賞作は、ギリシャ神話からの取り組みでコラージュと油絵の具、アクリル絵の具で描いた大作、悲劇的な雰囲気を感じさせる。
 力作、大作がびっしり展示されている。抽象、心象性の強い作品の中で会友長尾宇多子さん(旭川)の『風景(美瑛)』、佳作賞佐々木剛さん(札幌)の女性像『戸口に立つ』など具象的な作品も。新会員に5人、新会員に8人が推挙された。

 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで25日まで。

 ◆写真は左側の壁面の作品が木村さんの大作

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気品と風格の器類 『剣吉 雄也陶展』

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 公募の北海道陶芸展で独自のオブジェの作品で受賞しているのが、今回は「使ってくれる人が毎日楽しくなれば」と器類約60点を出品。初個展。1987年釧路市生まれだが、埼玉県上尾市在住。
 大小の皿、ポット、徳利、一輪差し…それらは使う釉薬、技法により多彩な造形美と色調、輝きをみせている。黄金色に輝くようなブロンズ釉のボウルや一輪差し、淡い茶系のチタン釉の茶わん、しま模様状が表現されいるつぼ、焼き締めの花器…落ち着いた気品と風格である。
 カラフルな紋様は一切ない。黄金色の器類は神秘的でもある。しま文様のつぼは、大きいので高さ約40㎝。
 北海道陶芸展で2010年に奨励賞を受賞以来道教育長賞、会友賞、昨年は文部科学大臣奨励賞を受賞。13年に札幌市から埼玉県へ。道芸術デザイン専門学校卒。北海道陶芸展会員。

 札幌市中央区大通西23、ギャラリー円山で16日まで。


 ◆写真は展示されている数々の作品
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