~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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植物の生命力軽快に 『宮崎 むつ展』

 

 「1本1本の植物の強さ、咲く花の美しさに魅了されるのです」。『私の庭“小さな森”』シリーズの油彩21点を発表。濃いブルーと赤系の空間に植物が飛び交うリズミカルな表現。2014年に次ぐ39回目の個展。
 「私の庭にはたくさんの花が咲き、気が伸びており、元気をもらってます」。取り組んで6年目という「私の庭」シリーズは上から、下から、横から細い線が飛び交い、小さな点が響き合い舞うように描かれ心地よいリズム感が広がっている。
 「小さなささやき」「種子」などのタイトル。ブルーの空間が基調だが赤系も。季節感の色彩だろか。
 油彩とボールペンで入念に下地をつくり、それを床面に置き絵の具をたらすように表現して行く。細い線の走り…植物が風に舞っているような心地よさであり、生命力の喜びさえ伝わってくる。

 札幌市中央区南5西20、ギャラリーミヤシタで22日まで。


 DSC01340_convert_20171014103117.jpg  宮崎 むつ(みやざき・むつ)さん
 「私の庭から元気をもらっています」。初個展は1970年東京で。その後も東京、札幌で開催。グループ展も多数。69年学生全道展で文部大臣賞、79年、86年全道展で奨励賞。倶知安町で開催中の第59回麓彩会展に出品中。道教育大学札幌校特美卒。室蘭市生まれ。札幌市清田区在住。

 ◆写真は『私の庭“小さな森”』(15号)
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堂々とした気品と風格 『香西 信行作陶展』

 

 1995年、空知管内栗山町で自力で穴窯を築窯以来22年。さらに登り窯を設けて8年目。そこで焼き上げた気品と風格の作品130点を発表。1992年の初個展以来24回目。
 穴窯1回の焼成に大型トラック1台分のカラマツを焚く。まき窯による作品は、荒々しい風格を思わせるが、展示されている数々の作品は色彩感に富み、しかも輝きがある。
 大壺、大鉢などは赤やグリーン、ブルーの輝きがあり、白を基調にした大作も。「まきの性質や灰の変化、焼く温度によって微妙な色合いになる」という。大皿などは、白っぽく輝いている。
 「迫力がないと面白くない」―。堂々とした風格と共に深い神秘感と気品を漂わせている。窯名は、もみじ窯。

 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラルで15日まで。


 DSC01327_convert_20171014103015.jpg  香西 信行(こうさい・のぶゆき)さん
 穴窯は6日間、登り窯は3日間焚き続ける。カラ松材は、自ら切り割る。滋賀県信楽町産の源土を乾燥させ、砕き、不純物を除去するなど1ヶ月をかける。2000年に道銀芸術文化奨励賞、03年大滝村陶芸展で大賞。アメリカで作品展、窯焚きの指導をし14年にはパリでも作品展。1951年札幌市生まれ。同市厚別区在住。


 ◆写真は気品と風格の作品『緋色窯変壺』(高さ約45㎝)

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ストーリーを込めた赤の世界 福島 靖代個展

 

 「赤が好きです」。見事に赤色を基調にした油彩25点を発表。いずれも風景や静物などとは違った取り組みでストーリーが込められ、メッセージ性が強調されている。2012年以来4回目の個展。0号から130号。
 「強いて言えば心象風景です」。大作の『灯』、『黒い蝶が飛んだ日』などは、真っ赤な空間の上部に割れて崩れ落ちそうな球体が浮き、下には真っ赤なりんごが重なるように描かれている。小品の『灯』は、ろうそくの灯かりがりんごを照らし出している。
 空中に浮くひび割れ状の球体は「自然の崩壊のメッセージです」と語り、今にも落下しそうな雰囲気。多くのりんごは、平和への強調なのかも。
 花や楽器などをやはり赤を基調に立体的に構成、優しい作品も。筆、ペインティングナイフや指でも描き込み、きれいなマチエールも魅力。「1点仕上げるのに3ヶ月はかかる」という取り組みである。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで8日まで。

 DSC01290_convert_20171005162335.jpg 福島 靖代(ふくしま・のぶよ)さん

 かつてはブルーが基調だったが“赤の世界”に入って20年以上。絵筆は40歳代から本格的に。師は故阿部国利氏。新道展で1998年佳作賞、45年新会友。2010年以来春陽展に入選。新道展会員、春陽展会友。1943年小樽市生まれ。札幌市在住。


 ◆写真は、油彩の『灯』(100号)

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12人が20点を出品 第45回美術文化北海道支部展


 
 「正しい美術文化の在り方を考えそれを表現する」を掲げ、1940年に東京本展を開いた公募展で、道支部展は連続45回目。12人が8号から120号の油彩20点を出品、存在感を見せている。
 本展の部門は油彩、デザイン、立体、写真だが、道支部展は油彩だけ。11人が新道展会員。東京本展の会員は鈴木秀明(東京)西田靖郎(八雲町)宮澤克忠(帯広)柳川育子(札幌)和田仁智義(芽室町)の皆さん。今年4月本展で糸井崇忠さん(札幌)が会友に推挙された。
 作品は具象から抽象まで幅広い。西田さんの『春』は花吹雪の中の女性像、久保田年子さん(函館)の『夢~輝いて深く~』は海中を思わせるブルーの空間に数々の花が咲き、柳川さんの『泡のごとし』は画面いっぱいに黄色の帯状がゆらめく…など個性豊かな取り組み。作家の熱い思いが楽しめる。

 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラルで8日まで。


 ◆写真は今年会友に推挙になった糸井崇忠さんの油彩 『サイ』(100号)

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音楽をテーマに66点 『川本 ヤスヒロ展』

 

 「音を色彩で表現したい」―。「音楽の空間」をテーマに2012年以来描き続けてきた油彩42点を中心に水彩、パステル、今年焼き上げた陶器10点など合わせて66点を出品。油彩は100号から300号の大作18点。精力的な取り組み。深川市での個展は16年振りで、66歳の記念展でもある。
 長年「生と死」をテーマにしたしゃれこうべをモチーフにしていた。だが2012年春、ウィーン(オーストラリア)に2週間滞在しベートーベン、モーツァルト、ハイドンの記念館を巡り、街をスケッチしているうちに音楽に親しみを持ち、以来描くテーマに。今回発表している66点は、この5年間に制作した作品の中から選んでいる。
 『交響曲第2番(ブラームス)』『音楽の空間(サン・サーンス)』…バイオリン、フルート、チェロなどの奏者を画面いっぱいに色彩豊かに描き込みメロディーが聞こえてきそう。「音から生命感や喜怒哀楽を表現したい」と言う熱い思いが伝わってくる。

 JR深川駅前、経済センター・深川市アートホール東洲館で15日まで。



 川本 ヤスヒロ(かわもと・やすひろ)さん
 「70歳の時は70点を発表したい」。個展、公募展、グループ展でなど毎年次々に発表。9月まで全道展事務局長だった。1000点を目標に石狩市内のスケッチも続けている。海外取材も豊富。昨年3月北海高校教諭を退職。全道展、石狩美術協会、日本美術家連盟会員。エミ子夫人も水彩画家。1950年釧路市生まれ。石狩市在住。

 ◆写真は油彩の『交響楽第2番(ブラームス)』(100号)
プロフィール

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