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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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流麗、優雅なかな文字の美 『書道わか葉会展』

 
 かな文字の美を追究している書道研究 『わか葉会』(阿部和加子さん主宰)の第5回書道展。総勢90人が額装、軸装、折り状、びょうぶなど92点を発表、会場に優雅な美が広がっている。
 1994(平成6)年に第1回展を開いて以来、4年毎に開いており、今回も流麗なかなの美の大作・力作が、ファンを魅了してる。
 出品は、かな書道界の第一人者といわれた書家で草心会会長、日展審査会員だった故山口南艸(なんそう)氏、草心会理事長阪本千楸氏、同副理事長倉橋奇艸氏(いずれも兵庫県)、わかば会顧問で主宰の阿部さんのご主人阿部和男氏(札幌)から小学1年生の高崎全、梅津颯颯大ちゃん(同)まで幅広い。
 「かな文字は、世界に誇る文化遺産であり、その美しさを表現出来るのは幸せ」と語り大阪、秋田、高松などからも出品。料紙に書いた軽快で美しく流れるようなリズミカルなかな文字が清そで気品に富んでいる。阿部さんと出品の狩野紅舟、菅原京子、山田香園、木村征子(札幌)大門玉泉(苫小牧)澤田弥生(美唄)竹内松韻(函館)の皆さんは北海道書道展審査会員。
 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで5月2日まで。

 ◆ 写真は、展示されている数々のかな文字の作品


  P1000276_convert_20100429112150.jpg   あべ わかこさん
 6歳から習字、12歳からかな文字を学び、13歳で臨書を公募展に初出品して入選、以来かな書道に専念、今年で50年。17歳から24年間故松本春子さんに師事、その後1990年から14年間神戸の故山口南艸氏の指導を受けた。今年の第5回展は故山口氏の7回忌に当たる。今回は2点を出品、そのうちの1点は2・40㍍×2・70㍍という大作。1979年毎日書道展で毎日賞、84年北海道書道展で準大賞、97年と99年に読売書法展で読売賞を受賞、日展に入選を続けている。日展会友、北海道書道展審査会員、北海道書道連盟事務局長、読売書法会理事、草心会副理事長。藤女子大学国文科卒で同大同窓会藤の実会会長。1947年札幌市生まれ。札幌市南区在住。
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臨場感に富む風景画82点 『坂元 輝行風景画展』

 
 道内各地の風景と「今年4月に初めて行って来た」という四国4県の風景を描いた油彩35点と水彩47点の合わせて82点を全室に発表。『歩く、感じる、描く』シリーズの連続7回目の個展。四季の表情を生き生きとした筆勢で描き空気感が広がっている。サムホールから10号。
 札幌、小樽、旭川、苫小牧、美幌、知床、積丹…「道内の行かない所は殆んどない」というほどスケッチをして回り、春夏秋冬の風景を明るい色彩と動的な筆の走りで描き上げている。
 筆のスピード感と共に臨場感が画面いっぱいに広がっている。
 油彩は、作者の母校である“北大シリーズ”が中心。『タンポポの咲く頃』 『春の古河講堂』など奥行きのある構図で季節感を描き上げている。
 油彩と共に水彩も大きなスケールで展開している。小樽の『手宮線跡』、石狩の『厚田の丘』、札幌の『藻南公園と藻岩山』など堂々としたスケール。さんな中で愛媛県の『道後温泉』、高知県の『第38番礼所金剛福寺』など“四国シリーズ”の11点は旅情をにじませている。
 札幌市中央区大通西5、大五ビル、ギャラリー大通美術館で5月2日まで。

 ◆ 写真の作品は“北大シリーズ”の油彩 『春の古河講堂』 (10号)

 P1000273_convert_20100429111954.jpg   さかもと てるゆきさん
 毎年精力的に発表を続けており、今年は既に白土会展、水光展で発表、5月には道教職員美術OB展、さっぽろくろゆり会展がある。今回発表の82点は、この1年間に描き上げた。中学校時代から油彩を本格的に描き北大時代は黒百合会に所属。1997年札幌真駒内中学校教諭を最後に37年間の教職生活を終えた。以来絵筆ひと筋。北大水産学部卒。1936年旭川市生まれ。札幌市豊平区在住。

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82人が多彩な工芸の美 『第37回美工展』

 
 北海道美術工芸協会(羽賀隆事務局長)主催の公募展で連続37回目。会員、会友と入賞・入選者82人の作品88点が展示され、多彩な工芸の美を競い合っている。年齢層も10歳から80歳代まで幅広い。
 押し花、織り、染色、陶芸、木工、和紙絵、組み紐、皮革、七宝、人形、今回から設けられた葉彩画…18部門に及ぶ。分野の広さと愛好家がいかに多いかを示している。しかも伝統の技法を現代的な感性で仕上げ、見応えがある。
 公募作品では、06年以来協会賞受賞作が見送られているが、佳作賞で新会友 工藤悠さん(札幌)の染め、新人賞千葉将壽さん(富良野)の木工、奨励賞長谷川東美子さん(千歳)の刺しゅう、一昨年新人賞で今回佳作賞瓜生幸さん(札幌)の組み紐などは力作。染めの分野では、道都大学生や卒業生の進出が印象的だ。
 当然ながら会員、会友のガンバリが美工展を盛り上げている。今回展で永原智恵子、渡辺敦子、山内价子(以上札幌) 新田千恵子(伊達)の皆さんが新会員に推挙された。11月には会員展が開かれる。

 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで25日まで。

 ◆ 写真は、展示されている会員の多彩な作品


 
  P1000252_convert_20100422103411.jpg  はが たかしさん
 15年にわたって事務局長を務めた高木晶子さんに代わり、07年に4代目事務局長に。歴代女性が事務局長だったが、男性では初めて。専門は木工。1996年英国・ロンドンで研修。今回は木のテーブルを出品。キャリア25年。「若い世代の出品が確実に増えてきた。今後は全国から応募出来るような体制をつくり、更に特色を出して行きたい」。24日に札幌グランドホテルで授賞式と懇親会を開く。北大教育学部卒。1950年盛岡市生まれだが間もなく北海道へ。札幌市豊平区在住。

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今回で最後の記念の書展 『創人会新人・中堅合同書展』

  
 書道研究創人会(金津雪華さん代表)=札幌市中央区=の新人書展が30回、中堅書展は20回という区切りの記念展。19人と創人会の創始者である故金津墨岱氏の作品 『土塊』 『恵風』 と現代表 金津雪華さんの近代詩文 『岬』 が特別出品されている。いずれも30歳代の作品という。
 作品は漢字を中心に近代詩文も含めてすべて創作。新人書展に出品している濱道啓太さん(札幌)と福島瑠美さん(江別)は高校3年生で生き生きとした漢字の作品を発表。
 「30歳代から40歳代が多い」という中堅書展は、9人が独自の書風を確立。沖野恭子さん(札幌) 白石香緒利さん(同) 山田敬子さん(同)の漢字は洗練されており、阪野匠子さん(同) の近代詩文は気品がある。
 杉田信歌(美唄) 高橋琴祥(札幌) 松井裕子(同) 丸山聡美(同) 森浦希仙(深川)の皆さんも力量感をみせている。
 昨年までは受賞作を決めていたが「記念の書展である」として取り止め、7月に開かれる夏墨展に全員出品出来るようにした。また新人・中堅書展は今回で終了するという。
 同展とは別に、故金津墨岱氏が収集した多数の拓本が展示されており関心を呼んでいる。

 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで25日まで。

 ◆  写真は、出品されている数々の書

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32人が多彩な作品を発表 『第32回日陽展』

   1979年に当時のヨーク松坂屋(札幌)で第1回展を開いて以来連続32回目の作品展。32人が油彩を中心に日本画、水彩、パステル、七宝の作品合わせて51点を出品、感性と美を競っている。
 同展は、かつて道展で活躍した故江口美春氏(02年5月6日、93歳で死去)が、作家の研さんと親ぼくを深めることを目的に創設した。以来、美術団体や作品の内容にかかわらず、毎年多彩なメンバーが参加して開かれている。
 公募展ではないので特別な賞がある訳ではないが、今回も札幌を始め江別、美唄、赤平市、後志管内岩内、共和町などから大作、力作が出品されている。
 新たに日本画の鈴木れい子、東海林嘉さん(共に札幌)、油彩の小柴弘さん(美唄)、水彩の佐々木良子さん(札幌)が加わった。
 一部に心象的な描き方の油彩もあるが具象の作品が圧倒的。60号から100号の大作を中心に意欲的な取り組み。
 日本画に充実感がある。土屋勝重さん(美唄)の風景『溜池慈雨』はみずみずしく、東海林嘉さん(札幌)の『初冬の駅』は森閑とした情緒。山崎信子さんの『富貴花(牡丹)』はソフトな気品を広げている。
 油彩では濱田五郎さん(岩内町)、杉本道昭さん(札幌)、竹澤瑠美子さん(同)の大作が大きなスケールと共に入念な描き込みで印象深い。
 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで25日まで。

 ◆ 写真は小林伸さん(札幌)の細密な描写力の水彩画 『牧場風景』 (80号)

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「生命」テーマに内面性追究 ~亀井 由利個展~

  「ここ10年ぐらいは、生命をテーマに描いています」―。咲く花、鳥、卵、裸婦、新緑…多彩なモチーフと深い質感で描き込んだ『生命』の作品18点を発表。アクリル絵の具とガッシュ(不透明水彩)を中心に金箔や銀箔も生かし、気品がある。0号から50号。毎年精力的に発表、今年は2月にも個展を開いた。
 赤い空間に白い裸婦が浮く、ブルーの空間に白い鳥が羽を広げる、カラフルなアジサイ…色彩豊かな作品もあるが、全体がモノクロ調で輝きを抑え、深い内面性を追求した描き方。
 基調は具象だが心象的でもあり、ストーリー性を秘めているのも特徴。
 大作 『春を祝う―新緑』 『春を祝う―桜』 は、新緑や桜が画面いっぱいに絵の具を振りつけるような手法で入念に描き上げ、生命の息吹を強調、金箔や銀箔も使い白い卵が浮く 『eggs』 のシリーズ3点も生命の誕生を印象づけている。
 やや抽象的でブルーを背景に静的な情緒の作品 『眠る街』 など全体に洗練された描き方になっている。
 札幌市厚別区厚別中央2の5、デュオ2、5階新さっぽろギャラリーで19日まで。

 ◆ 写真の作品は 『春を祝う―新緑』 (50号)

  P1000244_convert_20100415162108.jpg    かめい ゆりさん
 2005年の個展は他界した実父と義母への追悼の意味を込めたものだった。今回展の50号の 『春を祝う』は、開催している画廊のオープン1周年を記念した作品。1977年に画家の故熊谷善正氏に師事して以来33年。1980年から仁科展に連続20回入選、93年サロン・ド・トンヌ、94年に女流画家協会展に入選。1997年新道展で佳作賞。6月にも個展があり、7月企画展、8月には新道展と多忙。新道展、日本美術家連盟会員。室蘭栄高校卒。1952年室蘭市生まれ。札幌市中央区在住。

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『水墨画・日本画の美を競う』 ~池内流春期池彩展~

  
 伝統の水墨画・日本画の美を追究している池内流 (代表 池内北天木流師) の連続33回目の作品展。総勢24人が水墨画を中心に34点を出品、優雅な気品が広がっている。
 池内流師と実弟の池内駿天志副流師は別格として、出品者は10年から30年以上のキャリア。30歳代から80歳代で、80歳代が7人だが、情緒豊かに描く喜びが伝わってくる。
 花、鳥、山、川、松といったモチーフを明るく堂々と描いている。濁りがなくすがすがしい。
 最高賞・池彩賞の山田鳳苑さんの水墨画 『冬山』 は動的な筆勢、墨韻賞村井竜甫さんの 『緑峡雨霽』 は山の光と影を描き込み、秀彩賞高田白園さんの日本画 『新秋』 は風に揺れるシュウメイギクが清そ。
 白雪賞は向出智墨、白萩賞は碓井竜門、画墨賞は宮下紫丁、秀作賞は前鼻洋光、伊藤鳳雲、佳作賞は高柳芳雨、笠井竜明、金子志和子、前冬浦の皆さんが受賞した。
 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで18日まで。

 ◆ 写真の作品は、池彩賞を受賞した山田鳳苑さんの水墨画 『冬山』 (30号)

  P1000238_convert_20100413153757.jpg  いけうち ほくてんぼくさん  
 キャリア70年以上。1971年に札幌に水墨画・日本画池内流を開講、以来40年目。81歳だがすこぶる元気で現在も指導を続けている。5月に実弟の駿天志さんと2人展、7月に公募の日本画美術協会展と総流展を開く。日本画美術協会会長、北海道日本画研究所所長で、今回は100号の水墨画 『春雨』 を発表。京都市立美術工芸学校卒。1928年東京都生まれ。札幌市南区在住。

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『多彩な作品150点』 ~斉藤 光恵作陶展~

  
 「土に触れていると遊び心の夢が広がります」―。ひな人形、ピエロ、「5月の節句にそなえて制作した」という兜の作品から家庭用食器、さらにペンダントなど多彩な作品150点を出品、楽しい内容の展示に。室蘭で『夢陶房めぐみ』を開窯しており、公募展で入賞・入選を続けている。
 1996(平成8)年に「趣味で始めた」という陶芸だが、その翌年には全道展に入選、北海道陶芸協会展で文化連盟会長賞を受賞、たちまち陶芸界にデビュー、精力的な活動を続けている。
 出展されている作品は、釉薬が美しい絵付けの手法の食器類、堂々とした手法の焼き締めの花器、黒粘土に透明の釉薬をかけた気品と風格の明かりのオブジェなどが多彩。
 兜、鯉のぼりのはしおき、ひな人形、ピエロなどは絵付けの手法で色彩豊かに表現。オブジェ的なピエロは楽しい。大小の皿はブルー、イエローなど輝きが鮮やか。
 明かりの作品は、球体状の内面からライトが輝く…など1人の作家の作品とは思えない内容になっている。
 札幌市南区定山渓温泉、ぬくもりの宿ふる川ギャラリー蔵で5月30日まで。

 ◆  写真の作品は、楽しいピエロの作品

  P1000223_convert_20100407104204.jpg  さいとう みつえさん
 ご主人が勤めていた新日鉄室蘭の陶芸部に入って作陶を始めた。キャリア14年。全道展に1999年から入選を続け、01年に奨励賞。室蘭地区陶芸協会展で1998年協会長賞。北海道陶芸展で1998年奨励賞、99年道教育長賞、00年札幌市長賞、02年会員奨励賞。04年から全陶展に入選を続けている。北海道陶芸協会、室蘭地区陶芸協会、登別美術協会会員、全陶展同人。室蘭市生まれ。室蘭市在住。

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『臨場感に富む本道の風景』 ~今野 隆二 水彩作品による道内風景画展

  今年84歳の作者が、道内各地の風景を生き生きと描いた水彩45点を発表。2007(平成19)年の個展では油彩、道展などにも油彩の大作を発表しているが、水彩の作品をこれだけそろえたのは珍しい。
 夏から秋、冬の光景。稚内での生活が長く、札幌に転居して7年ということもあって宗谷管内の風景を描いた作品が中心だが函館、札幌、小樽など各地の表情を季節感とともに入念に描き上げている。
 札幌の 『サイロのある風景』 といったさわやかな作品もあるが、多くは海、山を中心にした大きなスケール。しかも空気感のある描写力が魅力。
 「ふる里(稚内)は、見なくても雰囲気が分かる」と語り、はるかに海と山を望んだ 『稚内市街を望む』、利尻岳を望んだ 『春待つサロベツ原野』 など臨場感が広がっている。
 自然の美しさ、厳しさを丹念に描きこみ、風景絵画の魅力を見せている。

 札幌市南区定山渓温泉、ぬくもりの宿ふる川ギャラリー蔵で5月30日まで。

 ◆ 写真の作品は、冬の山々を望んだ 『暑寒別連峰待春』 (横32㌢×縦23㌢)

 P1000225_convert_20100402104207.jpg  こんの りゅうじさん
 キャリア60年余。現場でスケッチ、彩色をしてアトリエで仕上げる。宗谷管内礼文町の小学校を振り出しに40年間教職に。このうち20年間校長で、最後は希望して郷里の礼文小学校長に。退職後12年間稚内市教育委員を務めた。稚内で1974年に朔北美術協会を創設、25回展まで代表。1989年稚内市文化賞、09年市政功労賞を受賞。03年に札幌に転居。道展、グループ環会員。函館師範学校(現道教育大学函館校)卒。1926年礼文町生まれ。札幌市中央区在住。

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Author:chikuwapan
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