~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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56人が最終回展を飾る 『北海道立体表現展』

 
 「表現の多様性を知ってもらい、現代美術について理解を深めてもらいたい」として2001(平成13)年9月に道立近代美術館で第1回展を開いた北海道立体表現展(阿部典英実行委員会代表)が、今回の第5回展で終えることになり、同美術館と札幌芸術の森美術館、札幌彫刻美術館の3会場に合わせて56人の立体作家が多彩な作品を展示している。第1回展の開催以来10年。本道の造形美術のすそ野を確実に広げた。
 「このような展覧会は、全国的にも珍しいのでは」とされる立体表現展に木、紙、石、金属、陶その他多くの素材を自由自在に駆使した彫刻、立体造形、インスタレーションなどが会場いっぱいに展示され、作家の感性と気迫が広がっている。
 作家は札幌を中心に帯広、留萌、室蘭、日高など、年齢も26歳から78歳まで幅広い。公募展や美術団体の所属の枠を超えて結集した56人のうち今回初出品したのは端聡(札幌)池田緑(帯広)千代明さん(日高)ら17人。
 いずれも大作で個性豊か。しかも発想がざん新。作品の前で思わず足が止まる。本道の立体造形作家の存在感をアピールしている。
 札幌市中央区北1西17、近代美術館で6日まで。芸術の森美術館は13日、彫刻美術館は27日まで。

 ◆ 写真のは、野又圭司さん(岩見沢)の木材による作品(手前)と千代明さん(日高町)のスチールによる作品(右奥)



 P1000368_convert_20100530164306.jpg  阿部 典英(あべ・てんえい)さん
 第1回展からの実行委員会代表。「始めから10年、5回展で終了すると決めていた。優秀な作家集団を目指して作家同士がせっさたくまして来た。今後は若い作家が力をつけて行動してほしい」。浅井学園大学(現北翔大学)生涯学習システム学部長を06年に定年退職。個展、グループ展は数多く、個展は東京、韓国でも。2000年に札幌市民芸術賞、07年の洞爺村国際彫刻ビエンナーレで小田譲賞を受賞。03年『阿部典英素描集―海底』を発刊。道、札幌市文化団体協議会長。1939年札幌市生まれ。札幌市中央区在住。
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現場主義で各地の風景描く 『金丸 雄司油絵風景画展』

 
 初春の残雪からグリーンの輝きが美しい夏の道内各地の風景を描いた作品35点を出品。透明感に富む色彩と大きなスケールで展開している。サムホールから100号。07(平成19)年5月に次いで12回目の個展。
 「現場で空気をジカに感じながら描く」―。徹底した現場主義。札幌、小樽、後志管内の積丹、美国、上川の層雲峡、胆振の羊蹄山、洞爺湖、網走の能取湖、斜里岳、道南の駒ヶ岳…道内各地の風景とキャンバスを立てて向かい合い描き上げた油彩は、空気感に富みすがすがしい。
 海、湖と山の風景が中心。「初めて描いた」という『五月の斜里岳』(20号)、雪原の向こうに残雪の羊蹄山がそびえる『羊蹄山麓待春』(30号)は雄大なスケール。しかも、すっきりとした空気感が広がっている。
 明るく濁りのない色彩でペインティングナイフも使い丹念に描き上げている。赤いサンゴ草が画面いっぱいに広がり鮮やかな色彩の『能取湖』(10号)、道庁赤れんが前の桜が咲き、さわやかな情緒の『春の宴』(8号)、えりも岬から太平洋を望んだ大作『風と波と』(100号)など風景絵画の魅力をみせている。
 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで30日まで。

 ◆ 写真の作品は、大きなスケールの『羊蹄山麓待春』(30号)



 P1000365_convert_20100525160009.jpg  金丸 雄司(かなまる・ゆうじ)さん
 「同じ所へ何度も行く。光が変わるので描くのは午前中の3時間が限度です」。すみえ夫人の運転や指導している生徒の車で道内を回る。1965年道展に初入選以来キャリア45年。道展で1973年財界さっぽろ賞、85年会友賞、81年一水会展で山下奨励賞を受賞。1978年ヨーロッパを回り、81年パリ、01年イタリアを取材。実父は書家だった故金丸梧舟氏。道展会員、一水会会友、日本美術家連盟会員。道学芸大学(現道教育大学)札幌校特美卒。1939年札幌市生まれ。札幌市中央区在住。

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多彩な造形美の花器50点 『小倉 裕美子花鉢展』

 
 「楽しく作りました」―。これまでも個展、グループ展は多いが「今回のような展示は初めて」と言い、花鉢だけ約50点をそろえて訪れる人の目を楽しませている。キャリア20年以上。札幌市内の陶芸教室、専門学校などの講師を務め多忙の中で焼成した多彩な作品である。
 “花咲かマダムのうつわたち”をサブタイトルに家の中はもちろん外に置いて花を楽しむ器など、主宰している遊裕窯(電気窯)を始め登り窯や穴窯で焼き上げたバラエティーに富んだ力作を出品。
 かき落としての手法で内面の黒土で線を表現して文様を作る、外に置いておくとコケが生えるという白土に白化粧土をかけた焼き締めの器、淡いピンク系の色合い、円形のように見えるが周囲が四角形…自由自在に焼き上げたような造形美。実際にアイリー、ウォーターマッシュルームなどを植え込んだ器も。
 高さ約40㌢、直径26㌢から28㌢といった大作が多い。全体に色調を抑えた作りになっており重厚さの中にも気品と風格がある。
 指導している3教室、サークルの生徒30人も出品している。
 札幌市中央区大通西23、サンシャイン円山、ギャラリー円山で29日まで。

 ◆ 写真の作品は、気品に富む各種花鉢


 P1000354_convert_20100525155831.jpg   小倉裕美子(おぐら・ゆみこ)さん
 長女が小学生の頃学校のサークルで始め「1から勉強しました」。1996年から北海道陶芸展に出品、00年奨励賞、05年会員奨励賞を受賞。02年北海道陶芸協会会長だった故下澤土泡氏から師範格の認定を受けほくでん料理情報館マドレ、前田記念いきがいセンター陶芸教室で指導、現在は北海道陶芸協会円山工房の講師として道芸術デザイン専門学校、uhb大学、コープさっぽろルーシー文化教室、札幌市豊平区若者活動センターなどで指導。北海道陶芸協会会員で理事。札幌工業高校卒。1953年札幌市生まれ。札幌市厚別区在住。

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情緒豊かに水墨画中心に51点 『池内北天木・池内駿天志展』

 
 伝統の美である日本画・水墨画のロマンを追究している池内流流師、池内北天木さんと実弟で副流師の池内駿天志さんが1982(昭和57)年以来続けている兄弟展。今回は実父で日展で活躍、本道の日本画壇に大きな影響を与え、75(同50)年に他界した池内萬彌氏の遺作18点を池内流風雅の会の皆さんの俳画も協賛出品されており、会場に優雅な情緒が広がっている。
 総出展は、水墨画を中心に軸装、額装合わせて51点。このうち北天木さんは、100号の大作を始め水墨画、金箔に描いた四つ切り色紙、俳画など合わせて23点を出品、81歳とは思えないおう盛な取り組み。駿天志さんは体調がベストではなく水墨画6点を展示。
 額装、軸装ともに気品と風格がある。メーンの水墨画の多くは本画仙紙に筆を走らせており、北天木さんの水墨画の筆法で描いたという大作『春映』(100号)は、ピンク系と黒系が大きな空間にリズミカルに表現され、その中にカワセミ…というざん新さ。『秋雨黄染』(50×45㌢)は、黄色いホウの木の葉が全面に広がり現代的な感覚。
 萬彌氏の遺作は往時をしのばせる。
 札幌市中央区大通西5、大五ビル、ギャラリー大通美術館で23日まで。

 ◆ 写真の作品は池内北天木さんの大作 『春映』(100号)


 P1000343_convert_20100518163802.jpg   池内 北天木(いけうち・ほくてんぼくさん)
 実父萬彌氏の雅号が『南天木』だった。かつて札幌と東京・銀座で遺作展を開いた。「もう一度展示したかった」。キャリア70年以上で元気に指導を続けており「私たちのような水墨画、絹絵の日本画を発表するのは全国的にも無い」。7月には総流展と公募の日本画美術協会展を開く。池内流流師、日本画美術協会会長、北海道日本画研究所所長。京都市立美術工芸学校卒。1928年東京都生まれ。札幌市南区在住。


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空へのあこがれと鎮魂を込めて 『山崎 亮個展』

 
 「取り組んで約10年」という空からの風景をテーマにした60号から120号の大作を中心に3号から120号まで26点を発表。雄大なスケールの中に数々のドラマが秘められている。会場の札幌時計台ギャラリーでは、1976(昭和51)年の初個展以来2年に1回のペースで開催、今回が18回目。
 真っ青な空、あるいは夕映えの空の中を眼下に多彩な変化を見せる雲を見ながら1機の飛行機が飛ぶ…そんな構図が“空シリーズ”。一見、ロマンティックに見えるが、必ずしもそうではない。中でも空を飛ぶ旧日本軍の戦闘機には、特攻隊のイメージがあり、作品『大空の孤独(沖縄)』(120号)、『何処へ』(100号)などには悲壮感が秘められている。
 機体も海も赤を基調に描いた『突入』(100号)という作品もあり、鎮魂の意味も込められている。
 入念な描きこみ。大きなスケール。特に雲の表情が多彩で見応えがあり宇宙の大きさを印象づけ、同時に飛行機の孤独感をにじませている。
 一方『ライト兄弟の夢』(100号)などは空へのあこがれを強調している。
 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで22日まで。

 ◆ 写真の作品は油彩の『何処へ』(100号)


 P1000331_convert_20100518163619.jpg  山崎 亮(やきざき・りょう)さん
 「空へのあこがれや沖縄に散った特攻隊員への鎮魂などを描いた」。何色もの煙を引くブルーインパルスの作品も。初個展の1976年は大学を卒業した年だった。大学時代の74年に道展に初出品して受賞、翌年札幌市教育長賞、卒業後の81年佳作賞、88年会友賞。道展会員、道教職員美術展企画委員。道高等聾学校情報デザイン科教諭。道教育大学札幌校特美卒。1952年旭川市生まれ。札幌市西区在住。
 

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11人が油彩、水彩を発表  『第74回方究會展』

 
 1936(昭和11)年に創立され、戦争の関係で43(同18)年から中断、終戦後の46(同21)年に再開された伝統の美術展。時の流れと共にメンバーが変わったが、創設者で今年8月で満96歳を迎える平野俊晶さんら11人が油彩、水彩合わせて22点を出品、取り組みの成果をみせている。
 平野さんのほか池田三枝、川村正男、笹谷圭子、杉本セツ、高橋芳夫、千葉久信、南里葉子、宮崎君子、吉岡良子、渡辺弘子の皆さん。
 平野、川村、高橋、南里さんは白日会会員で、川村さんは今年90歳を迎え、8月に記念の個展を札幌時計台ギャラリーで開く。
 油彩、水彩とともに具象の美を追求。風景、人物、花をモチーフに優しい気品を漂わせている。10号から50号。
 ベテラン平野さんの油彩、少女像の『詩織』は優しく、川村さんの風景『美瑛の丘』はソフトなグリーンを基調に大きなスケール。南里さんの卓上の静物『赤い実』は達者な筆勢。
 宮崎さんの水彩の女性像『追想』は入念な描き込みであり、渡辺さんの風景『綿絵の秋』は小川を流れる水音が聞こえてきそう。高橋さんの『レンギョウの春』はリズミカルな筆勢。それぞれ力量が発揮されている。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで15日まで。

 ◆ 写真の作品は宮崎君子さんの水彩 『追懐』 (30号)

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大作 『空を飛ぶ』 シリーズ中心に  塚崎 聖子個展

 
 ギリシャの古都を背景に、あるいは古都を見降ろすように少女が空へ飛ぶ『空を飛ぶ練習』シリーズの油彩の大作6点を中心に「初めて発表する」というデッサンまで24点を発表。大作は150号100号各3点という意欲的な取り組み。2007(平成19)年に次いで3回目の個展。
 「空へのあこがれです」―。羽を広げた少女が空に向かって飛ぶ、古都の広場で両手を広げて一輪車で遊ぶ少女、ピアノを弾く少女…夢とロマンをいっぱいに乗せた楽しそうな姿を入念な筆勢で画面いっぱいに描いているのが“飛ぶ練習”シリーズ。
 そこには、単に空へのあこがれだけではなく、人生の飛躍の意味も込められている。
 中でも最近作の大作『ふあふあした日』(150号)は、5人の少女がギリシャの古都を眼下に真っ青な空を飛ぶ光景を明るい色彩で描いており、飛ぶ喜びを生き生きと表現している。多くの作品は、飛ぶ少女に羽が付いているが、新作の『ふあふあ…』には羽が無く“独立”が強調されているようにも見える。
 小品の少女像、卓上の花の作品も入念な描き込みである。
 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで15日まで。

 ◆ 写真の作品は油彩の『空を飛ぶ練習(ふあふあした日)』 (150号)


 P1000324_convert_20100513164836.jpg  つかざき せいこさん
 04年の初個展で『空を飛ぶ練習』シリーズを発表以来続けている。モデルは長女。06年にギリシャを取材してきた。中学時代から油彩を描いた。道展に初出品で入選、04年から3年連続佳作賞を受賞。新制作展にも8回入選を続けている。今年は1月にグループ展で発表した。道展会友。札幌大谷短大美術科卒。1956年根室市生まれ。札幌市白石区在住。

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大作中心に記念展 『新田志津男 画歴25周年記念日本画展』

 
 1985(昭和60)年に本格的に日本画の世界に入って以来、道展、新興展に入選・入賞を続け25周年を迎えた。その記念展。50号以上の大作6点を中心に合わせて27点を発表、存在感を示している。06(平成18)年に画歴20周年記念展を開いて以来の個展。
 「気がつくと25年…早いですね」。個展、グループ展は30回以上。
 作品は風景とツバキ、バラ、コスモスなど花を描いた力作。風景は本道の四季にこだわり徹底した取材を続けており、大きなスケールと共に自然の鼓動が広がっている。同時に全体に静寂な情緒。
 江別の野幌森林公園の初冬を描いた大作 『月密』(120号)は、樹林の向うに満月が浮き、木の生命力が強調され、作者の郷里・三笠市幾春別を描いた新緑の 『深山雨浄』(1・60㍍×2・36㍍)は、雄大なスケールと共に色鮮やかなグリーンが印象的。
 澄んだ色彩。入念な描き込みで内面性を追求している。
 「発表するのは初めて」という秋の知床連山を描いた 『潮騒』(50号) 『暮秋』(同)は、重厚な風格である。
 花の作品は色彩が美しい。

 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで9日まで。

 ◆ 写真の作品は初冬の風景 『月密』(120号)


 P1000291_convert_20100506095911.jpg  にった しずおさん
 「懸命に描き続けて来ました」。師は日本画家浅野天鐘氏(札幌)。浅野氏が今年満80歳を迎えた。その記念の一門展を企画、実行委員長となって7月6日から今回と同じ会場で開く。三笠市職員だったが41歳で日本画の道へ。1986年道展と新興展に初入選、新興展で87年奨励賞、88年新人賞、03年会員努力賞。06年に画歴20周年記念画集「北海道は私の美術館」を発刊。新興美術院参与。1944年三笠市生まれ。札幌市東区在住。

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清そで美しいガラス彫刻 『MASAKOガラス展』

 
 「このようなガラス作品を制作しているのは、道内には多分他にないでしょう」―。砂で彫刻するサンドブラスト加工による清そで美しい数々のガラス製品約150点を発表、関心を呼んでいる。後志管内ニセコ町で『がらすギャラリー童夢(どうむ)』を開いており、道内各地と東京などで発表している。
 本名は北島雅子さん。2000(平成12)年に東京から工房をニセコ町に移して今年で10年。一般的に知られている吹きガラスではなく、特殊な機械を使い圧縮空気で細いノズルの先から吹き出す砂をガラスに吹きつけて不用な部分を削り取って美しい色彩の絵を作り上げる、というガラス彫刻の美に挑戦を続けている。
 独学で、東京で工房を開設、キャリア30年近い。
 作品はワイングラスなど各種グラス類から花器、大皿、徳利など多彩。それらはピンク、ブルー、グリーン、ワインカラーといった清そな色彩と「新たに取り組んだ」という黒を基調にした色合いの中に桜の花びら、レンギョ、ブドウや鳥などを浮き立たせ、文字通りガラス彫刻の気品と美を作り上げている。

 札幌市東区本町1条1丁目、茶廊法邑ギャラリーで9日まで。

 ◆ 写真の作品は“桜シリーズ”のワイングラスや容器

 P1000286_convert_20100502112146.jpg  きたじま まさこさん
 1983年、東京に『がらすギャラリー童夢』を開設、東京を始め本州各地で個展を開き、1991年現展(現代美術家協会主催)で会友賞。工房をニセコ町に移しても精力的に個展を続け、今年も5月13日から東京・銀座、6月3日から新宿、7月にはさっぽろ東急で開く。「どのようにしてつくるのですか、とよく聞かれます」。長男幸雄さん、長女陽子さんもガラス作家。日本ガラス工芸協会正会員。1948年横浜市生まれ。後志管内ニセコ町在住。
プロフィール

Author:chikuwapan
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『北海道を彩るアーティスト』
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