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清そで多彩なガラスの美 『勝野 好則ガラス展』

十勝管内芽室町に1993(平成5)年にガラス工房『フンベ』(アイヌ語で鯨の意味)を築窯して独立以来17年―。大小の皿、グラス、鉢物を中心に清そで、さわやかなガラスの美の作品をそろえている。今年は既に帯広、紋別市で個展を開き、札幌でも毎年発表している。
「常に新しい感覚の作品に取り組んでいる」―。十勝の澄んだ空気感や自然をイメージさせる皿の『美生の夜空』、グラスの『瑠璃紅葉』といった従来の作品以外に、表面にストライプ状の文様を作り、そこに赤、黄、ブルーといった細い色文様を表現した新作を発表。
透明の各種ボウル、タンブラーなどは、ややうず巻き状のストライプと線文様が施され、おしゃれ感覚の作品に。ボウルは、中央から細い色文様が広がり、大きな花びらを思わせる。
「今年から音更町のそば屋で使っている」という『そば皿』は、淡いワインカラー調の色彩がうず巻き状に走り、上川管内東川町の喫茶ギャラリーで使われている中皿『ひがしかわ』は、中央が半透明の白。
色ガラスをあまり使わず透明感に富み、同時にざん新な造形美。多彩な作品が楽しめる。
札幌市中央区南1西3、さいとうGalleryで8月1日まで。
◆ 写真の作品は、展示されている多彩な作品

常に新作に挑戦し、利用者に提案もしている。不用になった空き瓶などの再生に取り組み、今回その作品も発表。今年3月から3ヶ月間東京杉並区のJR高円寺駅開発事業で駅南口の噴水工事の板ガラス施工に取り組んだ。初めての事で「いい経験をした」。1994年北海道北の産業デザインコンペクラフト部門で金賞、96年銅賞。95年に芽室町文化奨励賞を受賞。工房は2000年に音更町に移転。8月1日から定山渓温泉ぬくもりの宿ふる川でも個展を開く。1964年十勝管内音更町生まれ。音更町万年在住。
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ホットな情緒の木彫り70点 『渡辺 一夫木彫展』

スマートでロマン、そして哀愁を漂わせた造形美に定評のある作者が、今回もレリーフ、立像など約70点を発表、会場にホットな情緒を広げている。釧路市在住で毎年札幌で発表しているほか、今年は既に福岡、鹿児島のデパートでも個展を開いた。
風、音楽、駅、旅、少女、鳥…多彩なモチーフ(主題)の作品が、壁面と台座に展示されている。日本画の顔料や作者独自の顔料が使われている作品もあるが、基本は無彩色。
それら作品には、ほのぼのとした温かさ、会話そして深い内面性が秘められている。
窓辺の光景の作品『少女とネコ』、めがねをかけた犬の『よく来たな!』などは思わず笑を誘い、一家4人が音楽会を開いているレリーフ『ファミリーコンサート』、横笛を吹く少女の『風の調べ』などは心和む作品。
作者は音楽を愛し、旅も好きである。路上でバイオリンを弾く男を彫った『街角』、老人が駅で傘やかばんを置き新聞を広げている作品『駅』には哀愁が込められている。
ニレ、シナ、セン、カツラなどを素材にキャリア40年の力量が発揮されている。
札幌市中央区大通西5、大五ビル、ギャラリー大通美術館で8月1日まで。
◆ 写真の作品は、立像の『南風』(高さ63㌢)

1982年釧路で開いた個展を皮切りに東京日本橋三越本店など全国各地で発表。札幌では10月に定山渓ぬくもりの宿ふる川でも。木彫は殆んど独学。アーティストを目指して上京中に木彫家で日本芸術院会員だった故平櫛田中氏の作品を見て感銘したのがきっかけ。近年は相次ぐ作品の発表で制作に追われている。代表作は旅シリーズの『駅』。1996年釧新郷土芸術賞を受賞。クラッシック音楽を聴きながら制作している。1948年釧路市生まれ。釧路市在住。
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本道の風景を澄んだ空気感で 『関 建治油彩画展』

札幌、上富良野、十勝、網走、美瑛…『四季の陽射し』をテーマに道内各地の風景を澄んだ色彩と空気感で描いた油彩19点を発表。3号から100号まで。恵庭市在住で札幌での個展は07(平成19)年以来だが、白日会展に入選を続けている。
『パンジー』『アネモネ』といった作品もあるが、マイカーで道内を回り現場で四季の表情を据えた風景の作品に魅力がある。
濁りのない澄んだ色彩、すっきりとした空気感、明るい光と影…快晴の光景を丁寧に描き上げている。
今年3月の白日会展に入選した上富良野の畑地帯を描いた大作『麦実る頃』(100号)は、十勝連峰を望む雄大なスケールであり、十勝の冬のカラマツ林を描いた『カラマツの道』(同)は、どこまでも続く1本道を中心に透き通るような空気感と光りと影である。小樽運河を描いた大作も堂々としたスケール。
風景の多くに1本道が描かれているのが印象的。「道に魅力がある」。同時にさり気なく花の表情も描かれ、優しい色彩と共に風景画の魅力を堪能させている。
札幌市北区北9西3、ギャラリーエッセで25日まで。
◆ 写真の作品は、十勝の風景を描いた『カラマツの道』(100号)

100号の大作を現場で描く。同じ所へ何度も行く。「畑などに入る時には地主や近所の方の了解を得てその地方の話も聞く」。1976年道展に初出品して入選以来35年。01年に白日会展に初出品で入選、その後04年から連続入選を続けている。札幌では01年初個展。2000年に恵庭和光小学校長を最後に36年間の教職を終えた。アトリエ楡主催。道学芸大学(現道教育大学)函館分校史学科卒。1939年函館市生まれ。恵庭市在住。
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岩内地方の魅力を生き生きと 『濱田 五郎油絵個展』

積丹半島の海、岩礁を中心に岩内岳など山の表情を力強く生き生きとした筆勢で描いた油彩30点を発表。81歳だが油絵への情熱は益々盛ん。札幌展だけで連続27回目で、来年も7月に予定している。岩内町在住。
徹底した現場主義で地元の風景を描き続けている。「3回行っている」というスイスの山を描いた『秀峰ツルマット』(50号)を除いては、地元・積丹半島の表情を大きなスケールで展開している。
丹念に絵の具を重ね、空気感に富む描き方。海側から突き出た岬を据えた『神威岬』(30号)は堂々とした風格であり、『荒れる島野海岸』(10号)『渋井海岸』(同)など日本海に突き出る岩礁を中心に描いた光景は、波や風の音が聞こえてきそう。動きのある描き方が特徴でもある。
「元旦には必ず行く」という岩内港の漁船を描いた『元旦』(6号)を始め、『盛夏羊蹄山』(6号)やニセコの秋の風景『モミジ』(同)さらに『夏の岩内岳』(10号)など自然の魅力を雄大に描いている。
札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで25日まで。
◆ 写真の作品は、スイスの『秀峰ツルマット』(50号)

いわば古里作家で岩内町を積丹半島の風景を描き続けている。1949年道展に初入選以来キャリア60年以上。師は木田金次郎。現場で描くをモットーにしている。岩内町、後志管内の文化団体で活躍、1999年岩内文団協文化賞、01年後志文団協文化賞、04年道社会教育連絡協議会賞、06年道文団協会長賞など受賞。07年に国際絵画彫刻展栄誉賞など海外展でも活躍。代表である岩宇美術家集団展を10月に開く。道展、日本美術家連盟会員、サロン・ド・パリ委員。1929年後志管内岩内町生まれ。岩内町在住。
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大賞は福山さんの立体作品 『北海道陶芸展』

第39回北海道陶芸展(北海道陶芸協会主催)が札幌市民ギャラリーで始まり、陶芸協会大賞(道知事賞)に福山桂子さん(札幌)の作品『MY BLUES』、陶芸協会特別賞(文部科学大臣奨励賞)には村椿富子さん(十勝管内芽室町)の『防風林…冬』が選ばれた。
今年は会員、会友も含め小学校5年生今井陸さん(札幌)から87歳の中川セイさん(同)まで99人が122点を出品した。大賞受賞の福山さんは、昨年札幌市長賞、村椿さんは会員奨励賞を受賞している。
24日午後2時から全日空ホテルで表彰式と交流会が開かれる。
他の主な受賞者は下記の通り(敬称略)。
▽札幌市長賞 斉藤 光恵(室蘭) ▽北海道新聞社賞 平栗 瑞禮(札幌) ▽土泡賞 丹野 茂雄(同) ▽道教育長賞 須田 美香(根室管内羅臼町) ▽札幌市教育長賞 畑澤 眞樹(札幌) ▽NHK賞 原田 栄子(旭川) ▽STV賞 石川 美子(札幌) ▽審査員特別賞 山本 則子(旭川) ▽最優秀新人賞 本宮 豊(十勝管内幕別町) ▽学生部最優秀賞 後藤 みさと
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで25日まで。
◆ 写真の作品は、大賞を受賞した福山桂子さんの作品 『MY BLUES』
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多彩な作品54点を展示 『創人夏墨展』

書道研究『創人会』(金津雪華さん代表)の38回目の書道展。総勢53人と04(平成16)年2月9日、76歳の生涯を終えた『創人会』の創設者で書家の金津墨岱氏の作品と合わせて54点が展示され、多彩な内容になっている。
同展は、1967(昭和42)年に『創人展』として第1回展が開かれた。1992(平成4)年に現在の名称に変更、文字通り『夏』に開かれている。
出品者は『創人会』のリーダー。今年4月に開かれた第20回中堅・第30回新人合同書展に出品した会員のうち14人も出品、新風を吹き込んでいる。この中の濱道啓太さん(札幌)福島瑠美さん(江別)は高校3年生。
作品は、すべて創作。漢字を中心に近代詩文、墨象、かななど多彩。80歳代の小野澄子さん(札幌)の近代詩文は軽快なリズム感、植田真理子さん(同)の淡墨による近代詩文は迫力に富み、中鉢恵子さん(同)と葛西玉泉さん(同)の濃墨による漢字は気品と風格、東由美子さん(同)のかなは流れるような筆勢…と個性豊か。
栃木、千葉、埼玉県からも出品、書の魅力をアピールしている。
札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで18日まで。
◆ 写真は、出品されている多彩な書

亡きご主人の金津墨岱氏の遺志を継ぎ『創人会』の代表に。今年は1月にかきぞめ展、4月に中堅・新人合同展を開き、12月にはギャラリー大通美術館で第25回北海道書作家協会員展を開く。月刊の研究誌『創人』も発刊、多忙の日々。今回は濃墨による作品『楽遂』を発表。東京書作家展に入選・入賞、第30回北海道書道展で特選。北海道書道展会友。札幌市生まれ。札幌市中央区在住。
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11歳の勝木さんが新人賞 『第29回公募日本画美術協会展』

伝統の日本画・水墨画の美を追求している日本画美術協会(池内 北天木会長)主催の公募展で連続29回目。会長賞の該当作品はなかったが、11歳の勝木悠里ちゃん(札幌・二条小学校6年)が発出品で新人賞を受賞、話題を呼んでいる。
「一日中見ていて心が和む日本画、伝統の技法を生かしながら最新の表現の水墨画を」―。応募作品は必ずしも多いとは言えないが会員、会友と審査をクリアした20号かせ100号の作品が展示され、豊かな情緒が広がっている。
日本画は絵絹に、水墨画は主に薄い中国画仙紙に描かれ、ほぼ半々。日本画は花、水墨画は風景画多い。
道知事賞宮本賀津子さんの日本画『盛夏』はヒマワリを画面いっぱいに丁寧に、道教育長賞向出智墨さんの水墨画『ヒメコブシ』はさわやかに描かれ、札幌市教育長賞山上苗那さんの日本画『春雨晴れ』は唐傘とシタ゜レ柳の組み合わせ。84歳で最高齢の多田峯子さんは札幌市長賞を受賞した。
新人賞の勝木悠里ちゃんの作品はアジサイを描いた日本画。もう1人の新人賞横山祥子さんは78歳。尾崎絢子さん、近藤昴円さんは会友賞、山田鳳苑・宮下柴汀さんの親子はともに佳作賞を受賞した。
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで18日まで。
◆ 写真の作品は道知事賞を受賞した宮本賀津子さんの日本画『盛夏』(20号)

伝統の美の振興に情熱を傾注しており、今年も100号の水墨画『雨』を出品。「この日本画展を新人の登竜門にしたい」。さらに指導を続けている皆さんによる第39回総流展を13日から同じ市民ギャラリーで開く。今年は5月に実弟の駿天志さんと2人展を開き、実父で画家だった故池内南天木氏の作品も展示した。水墨画・日本画池内流料紙、日本画美術協会長、北海道日本画研究所所長。京都市立美術工芸学校卒。1928年東京都生まれ。札幌市南区在住。
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東京展に次ぎ初のふる里展 『暖ボール・アート展 ひろ・くわおりの世界』

「今年2月に声をかけていただいて…」。19歳まで過ごした郷里・日高管内えりも町で初のふる里展を開き25点を発表、熱い歓迎を受けている。出展は、段ボールに描いた独自の作品で、今年4月東京で開いた初個展でも「初めて見る」というファンが多く人気を呼んだ。
本職は、札幌で昆布とその加工品を販売する『こんぶ屋』のオーナー。仕事柄段ボールは、たくさんある。「そり素材をアートに生かせないか」と取り組んで8年目。カッターナイフで切り、主に黒のアクリル絵の具とポスターカラー、白の修正インクで仕上げる。段ボールそのものには彩色しない。
花や人物を表現した作品もあるがメーンは道内各地の風景。吹雪の中をSLが走る『吹雪の旅立ち』は躍動感にあふれ、「昭和30年代の道路を描いた」という『なつかしの黄金道路』、港に多数の漁船が見える『北の漁港』…赤いボタンを表現した作品もあるが、モノクロ調で空気感が広がり、雪の世界が多い。
作品にエッセー風の解説を表示しているのも特徴。「郷里の皆さんに新しいアートを堪能してもらいたい」。
日高管内えりも町字東洋、襟裳岬「風の館」で8月1日まで。
◆ 写真の作品はSLが雪の大地を走る作品 『吹雪の旅立ち』

「町は広報誌でPRもしてくれました」。2日から5日正午ごろまで滞在「また行く予定です」。個展での発表が年々増え「今年だけで7回くらいになりそう」。絵とエッセーの組み合わせも視野に。4月の東京展が縁で8月に開かれる創書展にも出品する。1976年札幌に『こんぶ屋』をオープン、05年に出版した『札幌発昆布ものがたり コンブに賭けた第二の人生』で最優秀賞を受賞、06年に昆布巻きの料理で道から『北海道らしい食づくり名人』に認定された。公演の依頼も多い。本名・桑折広幸。1950年えりも町生まれ。札幌市中央区在住。
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一段とスマートな抽象作品 『堀内 掬夫自選展』

鮮やかな色彩空間の中に展開する円と線…洗練された抽象作品を発表し続ける作者の初の自選展。4年振り通算15回目の個展。1993(平成5)年の作品から新作の『Projection』のシリーズまで25点をA・B 2室に発表。このうち100号以上が15点という意欲的な取り組み。
昨年11月、札幌芸術賞を受賞、また同年3月それまで勤めていた札幌国際大学を退職、新たに北海道文教大学教授に就任した。「ひと区切りが付いたので少し古い作品も見てもらいたい」として初の自選展に。
大学を卒業した頃から抽象絵画を発表しており、近年は赤など鮮やかな色彩の中に円や線の構成で軽快なリズム感のある作品を発表していた。それは『SAINS(サイン)』や『MANDS(曼陀羅)』などのシリーズ。
新作の『Projection(投影)』のシリーズは、箱型の立方体が自由自在に開き、いろいろな形を作り出している。しかも背景の色彩がこれまでの赤系から淡いピンク系になり全体がスマートに。一段とおしゃれで繊細な内容になった。
札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで10日まで。
◆ 写真は油彩の作品『Projection5』(20号)

1963年札幌静修中学校を振り出しに静修高校、札幌国際大学に勤務、同大学短期大学部副学長を最後に09年3月末退職、現在北海道文教大学教授。今年5月には札幌芸術賞受賞祝賀会が開かれた。道展で1966年札幌市教育長賞、翌年STV賞を受賞、96年から08年まで12年間道展の事務局長を勤めた。これまでにTHE VISUAL TIME展、北海道現代美術展、札幌美術展、10人空間展など多数に出品。道展会員、札幌国際大学短大部名誉教授。1940年札幌市生まれ。札幌市東区在住。
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優しい色彩で心なごむ情緒 『中島 敏文パステル・水彩画展』

「温かい日差しと和らかな影が作り出す穏やかな情景が好きです」―。『優しい風』をタイトルにソフトな色彩で心なごむ情緒の作品39点を出品。サムホールから8号クラス。本職はイラストレーターで、今年は5月に次いで2回目の個展。
花いっぱいの中で語り合う親子、ライラックが咲く公園のベンチで1人の女性がたたずむ『ライラックの薫り』、北大の農場の建物が明るい日差しに浮き出るような『歴史を刻む北大農場』…咲く花、女性、子ども、四季の風景を主なモチーフに、明るく優しい日差しの光景が、光と影をともない、ほのぼのとした雰囲気で描かれている。しかも丁寧な描き方。
水彩とパステルを使い分けている。その中に原画をコンピューターで読み取りその原画を再現させるという技法のジグレー版画も。全体に原画よりサイズは小さいが、作品そのものは区別がつかない精密さ。
色彩が優しく気品がある。いずれも快晴の光景だが“強い日差し”ではなく、あくまでも穏やか。コスモスが咲く中で男女が語り合う『コスモスの丘』などストーリーをにじませているのも特徴。
平和な世界であり、安らぎを与える。
札幌市南区定山渓温泉、ぬくもりの宿ふる川ギャラリー蔵で30日まで。
◆ 写真の作品は、水彩画の『陽ふり注ぐ窓辺―あじさい』(縮小ジグレー版画)

春から夏の光景をじっくりと描き込む。特に光の変化を観察するという。小学校時代から絵が得意で岩見沢東高1年の時、木版画を道展に初出品して入選した。札幌でデザインスタジオなどの勤務を経て1982年『イラストルーム・ナカジマ』を設立、2004年から札幌、岩見沢で個展。道芸術デザイン専門学校、絵画教室講師。イラストレーターズクラブα会員。1950年岩見沢市生まれ。札幌市厚別区在住。
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本道の風景を詩情豊かに 『藤倉 英幸はり絵新作展』

道内各地の風景をさわやかに、しかも季節感豊かに表現する作者が『小さな旅、風の中』をテーマに、はり絵の作品22点を中心に版画も含めて37点を発表。版画をまとめたファイル2冊も。個展は数多く、会場の三越ギャラリーでは、一昨年の『水辺によせて』以来の個展。
都会のにぎわいではない。海、山、大地…本道の四季の変化と自然の表情を明るく澄んだ色彩で情緒豊かに描き上げている。しかも、風景の中にコスモス、ヒマワリ、カタクリといった四季の花が風に揺れており、季節感を誘う。
描くのではなく、はり絵の手法。洋紙を切り、張り合わせ、アクリル絵の具で彩色して仕上げる独自の取り組み。
バス、電車を乗り継ぎ、時には自転車で道内各地を回り、スケッチをする。それが、情緒豊かな北海道をつくり上げる原点である。
「一昨年7月、黒岳に登って描いた」という『北海平』『黒岳から』は、残雪の山々の向こうに青空が広がり、海が広がる『焼尻の道』にはエゾカンゾウが咲き、廃駅を描いた『小さな駅』にはコスモスが風に揺れる…優しく澄んだ色彩に魅力がある。
札幌市中央区南1西3、三越9階ギャラリーで5日まで。
◆ 写真の作品は、大雪山系を描いた作品 『北海平』(大判)

「旅をするのは楽しい。オホーツク海側へ取材に行った時はバスが無くて15㌔も歩いた」。JR北海道が発刊している車内月刊誌『THE JR Hokkaido』の表紙絵を1992年5月号から担当しており、その『旅のイメージ展』が2月札幌、4月帯広、6月岩内町で開かれ、9月には網走市でも。印刷会社、広告代理店勤務を経て1974年にフリーのイラストレーター、デザイナーとした独立。作品集に『北を旅する人へ』『四季彩紀行HOKKAIDO』など。岩内高校卒。1948年生まれ。札幌市手稲区在住。