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全館に多彩な入賞・入選作品 『第29回書究院展』

書道研究『書究文化書芸院』(山田太虚院長)主催の連続29回目の書道展。顧問、審査会員など9部門の326点と小学生から高校生までの書究院学生展の入賞・入選の多彩な作品が全館に展示されている。創作の漢字の大作が中心で、書の魅力を競っている。
1982(昭和57)年に出品数273点で第1回展を開いて以来、多くの書家を育て書壇に送り出して来た。
今年の最高賞の道知事賞受賞作品は、86歳のベテラン岩戸太珠さん(札幌)の漢字の大作。大らかで美しい筆勢。大賞・道教育長賞は佐藤華月さん(釧路)、準大賞は中川大玄さん(札幌)松村芳雪さん(小樽)で、ともに個性豊かな大作。
山田院長は「中国へ20回以上は行っている」と語り、海外招待作家として中国、韓国、台湾の書家5人の作品のほか、中国洛陽市の龍門石窟の拓本『龍門20品』が特別展示されている。同拓本は、5世紀から6世紀のものとされ山田院長が中国を訪問した時に入取したもので初公開している。
書究院展の表彰式は22日札幌ガーデンパレス、学生展は市民ギャラリーで行われる。
札幌市中央区南2東6、札幌市市民ギャラリーで22日まで。
◆ 写真は右から知事賞、大賞、準大賞を受賞した作品 (いずれも2×8尺)

「来年の30回記念展での具体的な取り組みはこれからです」。今回は堂々とした風格の大作『知圓』を発表。発行している月刊書道誌『書究』は、今年8月号で386号になり、最終ページにエッセーを書き続け、06年の古希記念書展を東京と札幌で開いた時に、10年間分を1冊にまとめた。1971年書道研究『虚心会』、78年に書究文化書芸院を創設。日中、日韓の書道交流を進めている。北海道書道展、毎日書道展審査会員、北海道書道連盟理事長。岩手大学書道科卒。1936年空知管内栗山町生まれ。札幌市西区在住。
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多彩なモチーフを動的に 『山 愛実 油彩展』

女性像を中心に静物、花、ピエロさらに「今回初めて出品する」という風景など生き生きとした筆勢で描いた作品27点を出品。0号から80号。08(平成20)年6月に次いで3回目の個展。描く喜びが伝わってくる。
「絵を描くのが好きです」―。濁りのない色彩で多彩なモチーフ(主題)を動的なタッチで描いている。女性像は、モデルを描いた作品もあるが、作者の本領は、女性像の微妙な心の内を描いた『ensure』のシリーズ。
同シリーズの『始動』(50号)『分離』(80号)は、女性が何かを求め、訴えるような内面性を動的な中に、表情豊かに描き上げている。ストーリーが込められている。
「力を入れて描きました」という静物が生き生きとしている。キュウリ、玉ネギなどの『夏野菜』(6号)、ボトルとトウキビなどの『ひととき』(同)など、その表情をよく捉えており色彩も明るい。ランプとバラ、花と野菜と果物といった組み合わせにも工夫が感じられる。
風景は2点。今後の取り組みが楽しみである。
札幌市中央区大通西13、札幌市資料館ギャラリーで22日まで。
◆ 写真は、油彩の『始動』(50号)

個展は隔年に開催。今回の作品はこの1年間に描いたものだが、搬入直前まで取り組んだ。師は道展会友の実母野田敦子さん。指導している文化教室に通っており、05年に実姉の片桐抄織さんとともに道美展に初出品してそろって新人賞を受賞した。08年に第9回日本・フランス現代美術世界展(東京)に入選、同年日本美術家連盟新会員奨励展に出品。日本美術家連盟、道美展会員。光塩学園女子短大非常勤講師。光塩学園女子短大保育科卒。1972年札幌市生まれ。札幌市中央区在住。
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記念賞は久保田さんのアクリル画 ~第55回記念新道展の入賞・入選者~

今年第55回記念展を迎えた新道展(新北海道美術協会)の応募作品の審査が12日札幌市民ギャラリーで行われ、記念賞に久保田年子さん(73)=函館市=のアクリル画『夢1』、協会賞に市川正勝さん(65)=苫小牧市=の油彩『ハマナスの咲くころ』が決まった。2人は、07(平成18)年の第52回展ら初出品して佳作賞を受賞、以来連続受賞している。
今年の新道展には、昨年を27点上回る449点の応募があり、うち169点が入選した。
久保田さん、市川さんの作品は、いずれも100号2枚を合わせた大作。久保田さんの『夢1』は、海底で揺れるコンブを中心にカラフルに描いた楽しい内容。市川さんの『ハマナスの咲くころ』は、ブルーと白を基調に海浜植物を美しく描いている。
新人賞は、苫小牧市・田村純也さんの黒御影石による抽象の立体造形品に決まった。
新道展は、25日から9月5日まで札幌市民ギャラリーで開かれる。総展示数は279点。
主な受賞者は下記の通り(敬称略)。
▽佳作賞 菊地真一、中野義夫、原田勢津子(以上札幌市) 久保千鶴子(岩見沢市) 齋藤郁恵(函館市) 冨田智恵、水嶋勝美(以上恵庭市) 福岡良子(登別市) 小林亜紀子(えりも町) 澤谷玲子(浦河町)
▽会員推挙 すとうえみ、清野有香、玉置久嗣、湯浅工(以上札幌市) 上水啓子(苫小牧市) 櫻井亮(夕張市) 関口幸子(函館市)
▽会友推挙 木本アツコ(札幌市) 吉永嘉十(岩見沢市) 渡辺芳雄(石狩市) 小川迪(ニセコ町) 佐々木武信(池田町) 吉成茂子(奈井江町)
◆ 写真は第55回記念賞を受賞した久保田年子さんの油彩 『夢1』(134㌢×324㌢)
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60人が多彩な書120点 『第5回 抱墨会書展』

1984(昭和59)年に書家の奥村素江会長が書道研究『抱墨会』を結成、89(同64)年に第1回展を開いて以来5年に1回開催している書道展。今回のは、結成25周年を迎えた記念の第5回展。奥村会長、顧問の小原道城北海道書道協会理事長ら総勢60人が120点を会場いっぱいに展示、華やいだ情緒を広げている。
顧問の小原理事長以外は全員女性。奥村会長が「書はトータルなもので何でも書けなければ」と語るように、作品は漢字の創作を中心にかな、調和体、刻字、篆刻、写経、ペン字、折り怗など多彩な内容。それらが額装、軸装、屏風など彩られ、中には絵を入れた作品もあるなど会場は明るく、書を一層身近に感じさせる。
会員による共同制作『うちわ』は、天井に届くすだれにアイディアに富んだうちわをそろえ涼感を呼んでいる。
藤女子高1年生の青山かおりさん(小樽)から93歳の田中亜暁春さん(札幌)まで幅広く、出品者の殆んどが公募展に入賞・入選、さらに会員・会友として力量を発揮している。会場に“墨の美”の魅力が広がっている。
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで15日まで。
◆ 写真は、奥村素江会長の多彩な作品

1974年に北海道書道協会小原道城理事長に師事、以来10年目の1984年に抱墨会を結成した。会の命名者は小原理事長。「何でも書ける」をモットーにしており、今回も濃墨、淡墨の創作を始め刻字、写経、篆刻、源氏物語絵巻など多彩な11点を出品。全道書道展で1984年第15回記念賞、89年、92年準大賞。03年に文部科学大臣奨励賞を受賞。毎日書道展第50回記念展で会員賞、北海道書道展第36回展で大賞。国際現代書道展、北海道書道展、毎日書道展各審査会員、北海道書道連盟常任理事。1938年札幌市生まれ。札幌市東区在住。
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澄んだ色彩で風景や花 『渋谷 幹男水彩画展』

澄んだ空気感と丁寧な描き方に定評があり「個展は30回以上」という今回も風景、花を中心に優しい色彩で描いた作品37点を発表。年々色調に深みを増してきている。今年も作品の売上金をユニセフ、難民を助ける会、国連UNHCR協会、国境なき医師団日本に寄贈する。
本職は司法書士。事務所を開設して今年で44年目に入った。その多忙の中で絵を描き続け、美術団体・チャーチル会の幹事でもある。
発表している水彩画は、お孫さんを描いた『初孫のなっちゃん』から道内の風景、花、静物など多彩。いずれも濁りない明るく澄んだ色彩。特に風景は、すっきりとした空気感で描きさわやか。
積丹半島と海を描いた作品は、空気の澄んだ大きなスケールであり、「昨年9月に行ってきた」という駒ケ岳を望んだ大沼公園の風景も透明感に富んだ色彩が美しい。
最も多い花の作品はバラエティーに富む。作品『ばら(ピンク)』『チューリップ(赤)』などは、表情をアップ、丁寧に描き、『クレマチス』『チューリップと風』は、風に揺れているよう。さわやかの中にも風格がにじんでいる。
札幌市中央区大通西5、大五ビル、ギャラリー大通美術館で8日まで。
◆ 写真は積丹半島と海を描いた8号の水彩画

大学時代は描いていなかったが「35歳から急に描きたくなった。オートバイでスケッチに回ったが最近は安全な距離の所で」。個展では、毎年売上金もユニセフなどに寄贈。さらに『マイカレンダー』を毎年大小4500部を印刷、得意先などに寄贈している。「あてにしている人がいるのです」。司法書士事務所開設43年の昨年法務大臣から表彰を受けた。1998年に還暦記念展を開いた。美唄東高から中央大学法学部卒。1938年美唄市生まれ。札幌市中央区在住。
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会場いっぱいに全長30㍍の大作 『坂東 宏哉展』

「会場全体を作品にしたい」―。そんな思いで制作、発表している作品は、幅1・27㍍で全長30㍍にわたって会場いっぱいに壁面を飾っている大作。そのスケールと帯状になって変化して行く色彩の迫力感に圧倒され、訪れたファンは会場に足を入れた途端、思わず「すごい!」と声を上げている。会場の時計台ギャラリーでは、05(平成17)年以来5年振りの個展。
常にざん新な感覚の作品を発表しており、05年の個展では、やはり会場の壁面いっぱいに円形やだ円状のパーツをいくつも飛ばし、宇宙空間を思わせる作品だった。
今回は『かけがえのないものへ』をテーマに、色彩がダイナミックに変化しながら帯状に次々と波打つようにつながって行く、というスケール。
深く濃いブルー系…それらが重なり合い、ひしめき合うように、しかも深い質感で表現され、ある種の響きさえ伝わってくる。宇宙のドラマを感じさせ、神秘的である。
5月10日から2ヶ月半をかけて仕上げた大作。
札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで7日まで。
◆ 写真は、会場いっぱいの大作

「水に強くて破れず、しかも絵の具が定着する」という質感の紙を使い、巻き取り機を独自に作り描いては乾燥させ、巻き取っていくという手法で完成させた。「このような作品を発表するのは初めて。自由にイメージを膨らませて欲しい」。9月には2つのグループ展がある。グループ展で03年にニューヨーク、09年にはベトナムで発表。道展で1987年協会賞、93年会友賞。道展会員で事業部長。道教育大学札幌校特美専攻科修了。1956年小樽市生まれ。札幌市手稲区在住。