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570点が豊かな感性競う 『第85回記念道展』

1925(大正14)年に第1回展を開き本道の公募の美術団体としては最も古い歴史を誇る道展(北海道美術協会、西田陽二事務局長)が、85回展を迎えた記念展。会員、会友と一般公募の入賞・入選作品合わせて570点が会場の全館に展示され、豊かな感性を競っている。
作品は日本画、油彩、水彩画、版画、彫刻、工芸の6分野。今年は圧倒的な数の油彩を中心に620点の応募があり、審査の難関をクリアしたのは270点だった。
西田事務局長は「若い人が作品を競い合うようになり喜ばしい。道展は若い人材を育てる原動力になりたい」と語り、作品は壁面と床面に個性を競い合うようにびっしり展示されている。いずれも大作。
第85回記念大賞は、道都大学3年生清武昌さん(恵庭)の油彩『秘密領域』、美術協会賞は札幌西高教諭前田健浩さん(札幌)の日本画『魔法~時の止め方~』が受賞した。2人とも2008(平成20)年に新人賞を受賞している。
清武さんの油彩は人間の内面性を追求、前田さんの日本画は街の表情を幻想性を込め、ざん新な感覚で描いている。
絵画を始め彫刻、工芸も含め具象系が圧倒的。油彩、日本画はストーリー性を秘めた取り組みが多く、色彩も明るい。新鮮な印象を与えている。
佳作賞は19人、新人賞は9人、会友賞は8人が受賞した。また13人が新会員、14人が新会友推挙になった。
新会員は下記の通り(敬称略)。
▽日本画 唐牛朝子、駒澤千波(以上札幌)安栄容子(稚内) ▽油彩 木戸健市(恵庭)石田邦夫(江別)秋山久美子、野沢桐子、野田敦子、宮川悦子(以上札幌)工藤英雄(小樽)
▽水彩 志賀迪(札幌) ▽版画 水野恵子(札幌) ▽工芸 古山容子(北見)
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで11月7日まで。その後釧路、帯広、北見で移動展が開かれる。
◆ 写真は、壁面いっぱいに展示されている作品。左手前が記念賞を受賞した清武昌さんの油彩
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チベットの姿伝える200点 『倉持 寿夫写真展』

『チベット・異世界との遭遇の旅』をタイトルに約200点を展示、チベット自治区の広大な自然、生活、宗教を伝えている。札幌・定山渓温泉でぬくもりの宿ふる川、小樽・運河のゆやどふる川を経営する古川善雄社長が、今年9月胆振管内白老町虎杖浜に心のリゾート海の別邸ふる川をオープンさせた記念展。「別世界といってもよいチベットの姿を見て欲しい」。写真展を開くのは初めて。
チベットへの旅は、今年5月8日から28日の20日間。一行は倉持寿夫(札幌)塘忠夫(名古屋)松坂理夫(熊本)宮崎敏(横浜)の皆さんと古川社長(札幌)の5人。北大スキー部OBの仲間で3人が70歳で平均年齢69歳の挑戦だった。
目標は、世界の屋根といわれるチベット高原にそびえるカイラス山(標高6656㍍)を一周する巡礼路の走破。標高5000㍍を超える峠など酸素の希薄な巡礼路52㌔を2泊3日で歩き通した。
写真は、主都ラサに到着してから巡礼路を歩き終えるまでのポタラ宮殿、草木のない山々、山合いの村落、宗教行事など約1千枚をカメラに収めた。この中から自選して展示しており、チベットの環境、暮らしが伝わってくる。
白老町虎杖浜289の3、心のリゾート海の別邸ふる川で31日まで。
◆ 写真はカイラス山を右前方(白い山)に見ながら前へ進む一行

「草木もない自然環境の中で生活をしていることが不思議に感じ、同時に宗教への考えを見直しました」。主都ラサからランドクルーザーで1500㌔を走りタルチェンという町に入り、カイラス山を一周。「遊牧民はヤギ、ヒツジ、ヤクの肉を食べ、ふんは燃料に。灯りは発電機です。機会があれば、また行きたい」。中学時代からカメラを手に。北大農学部を卒業後道庁入り、1999年苫小牧港管理組合専任副管理者を最後退職。北大時代は山スキー部で活躍、現在も本州、カナダ、ニュージーランドなど海外の山に挑戦。北ぐにの森づくりサークル事務局長、北大山とスキーの会会長。1941年埼玉県生まれ。札幌市手稲区在住。