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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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最後の25回展に24点 『水墨画・日本画池内流墨雄会展』

 
 1986(昭和61)年に第1回展を開いて以来、今回が25回展。伝統の水墨画、日本画の美を追求してきたが「発表者が減ってきた」ことから今回が最後の作品展に。
 スタート時は17人だった。だが会員の高齢化、健康状態などから退会者が続き、今回の発表は会長の村井竜甫、得能楓雲、前澤那雨、碓井竜門、伊藤鳳雲さんら5人に。平均年齢は83歳という。
 出品は水墨画を中心に24点。モチーフの花鳥風月を澄んだ墨色で若々しく描いている。
 碓井さんの『襟裳岬』は荒れる海、吹く風の音が聞こえてくるようであり、前澤さんの『瀑布新雪』も勢いのある筆勢が印象的。得能さんの『柳風』はさわやか。
 それにしても今回で終了というのは惜しまれる。池内流・池内北天木流師、池内駿天志副流師が賛助出品している。

 札幌市中央区大通西5、ギャラリー大通美術館で27日まで。

 ◆ 写真は、碓井竜門さんの水墨画『襟裳岬』 (20号)


 P1010428_convert_20110326110212.jpg   村井 竜甫(むらい・りゅうほ)さん
 墨雄会の3代目会長。水墨画と日本画5点を出品。「人数が減り会の運営が難しくなった」。キャリア20年余。日本画美術協会展で会長賞、池内流春期、秋期池彩展で池彩賞など多数受賞。竜墨社主宰。日本画美術協会会員、池内流会長。1927年旧樺太生まれ。北広島市在住。
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57人が美と感性競う 『第10回サッポロ未来展』

 
 本道在住か本道出身の20歳から40歳までの若いアーティスト51人と金沢市と東北の招待作家6人、総勢57人の作品展。02(平成14)年に第1回展を開いて以来、連続10回目の記念展で初めて道立近代美術館で開いている。
 テーマは『ノマディックサーカス』。『ノマディック(Homadic)』とは『放浪』『遊牧』という意味で「また戻ってくるサーカスのように待ち望んでもらえるような美術展にしたい」という思いが込められている。
 「難しいことを考えずに楽しんで欲しい」―。広い会場に作品は油絵、日本画、版画、立体、インスタレーション、映像、彫刻、陶芸など多彩。それら作品が、ジャンル別に天井から下げられた大きな布で分けられており「迷いそう」という観客も。
 インスタレーションには鉄、熊の毛皮、発泡スチロール、粘土、古着など素材も多種多彩。表現もバラエティーに富み、いろいろなイメージを想像させる。
 油絵、日本画、彫刻も力作が目立つ。
 太鼓や三味線の演奏、ダンスパフォーマンスといったイベントも行われ“堅苦しい美術展”のイメージを一掃しており、将来、何かが生まれる…そんな期待を抱かせる。

 札幌市中央区北1西17、道立近代美術館で27日まで。入場料600円、大学生以下無料。

 ◆ 写真は、展示されている多彩な作品。

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トルコの“表情”入念に 『日下 康夫油絵個展』

 
 シルクロードシリーズを続けており、一昨年12月、トルコを取材した時の『トルコ シルクロード』の油彩38点と水彩によるエスキース18点合わせて56点を発表。このほか2009(平成21)年に発刊したエッセー集『あかね色の夕張』に載せた挿絵の原画も展示している。個展は、3年に1回のペース。
 シルクロードシリーズは「30年前に中央アジアを回って発表したのが最初」で今回で6回目。前回(07年)は、中国ウイグル自治区の中心都市カシュガルを中心に描いた。
 今回は、トルコの歴史的な建造物、人物、風景を5点の大作を中心に発表。120号2枚を合わせた『黄昏のモスク』は幻想的、『カッパドギア・ぺりパジャ(妖精の煙突)』(130号)は大きなスケールの集落、人物の『露商』(100号)は庶民の生活…トルコの姿を入念に描いている。
 色彩に濁りがなく優しい。

 札幌市中央区北3西3、大同ギャラリーで22日まで。

 ◆写真は、庶民の生活を描いた油彩『露商』(100号)


 P1010356_convert_20110320111403.jpg  日下 康夫(くさか・やすお)さん
 海外取材は、26歳の時ロシアを回って以来取り組んでいる。出展の作品に説明をつけて分かりやすく見せている。今回でシリーズの個展を終えるという。08年3月北海道高等聾学校教諭を定年退職。日洋展会友。道教育大学札幌校特美卒。1947年夕張市生まれ。札幌市東区在住。




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洗練された造形美の大作 『山谷 智子作陶展』

 
 全道展、美工展で発表しているが個展は今回が初めて。大作11点と容器などの家庭用品を展示、いずれも洗練された色合いと造形美を見せている。
 「かねてから自分で作った茶わんで食事をしたいと思っていた」そうで作陶の道に入って24年。
 大作の造形作品は高さ50~60㌢で天に伸びるような風格。釉薬がワインカラー調の『天(そら)へ』、濃いブルー調の『星・風・夜』など、どの作品もうねるように天に向かっている造形美。どっしりとした美しさである。
 色彩が微妙に変化して神秘的でもある。そしてスマート。
 電気窯で2300度まで上げて焼いている。家庭用品も気品がある。

 札幌市中央区南1西3、さいとうGalleryで20日まで。

 ◆写真は、天に向かうような造形美の『天(そら)へ』(高さ約60㌢)


 P1010346_convert_20110320111218.jpg  山谷 智子(やまたに・ともこ)さん
 師は美工展会員で『弘窯』を開窯している佐久間弘子さん。「十勝の新得町で育ち、その気候風土が作品に反映しているかも」。陶房名は『ともきち』。作品の売上金全額を東日本大震災の被災者へ見舞金として贈る。1995年以来全道展に入選、98年に美工展で奨励賞。美工展会員で理事。室蘭市清水丘高校卒。十勝管内新得町生まれ。札幌市南区在住。

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幻想的的な美の『黄昏』シリーズ 『羽山 雅愉展』

 
 小樽の街を幻想的な情緒で描き評価を高めている。今年初個展の今回は『黄昏の時を求めて』をテーマに異国のロマンを漂わせる油彩とパステル画13点を発表、洗練された夕暮れの美しさを見せている。
 港街・小樽を、雨にぬれてしっとりとした情緒に仕上げている。しかもスマート。広い道幅、続くビル街、夕暮れの雨…独得のロマンの世界である。
 大作『幻の街』(120号)は、整然とした小樽の街並みが画面いっぱいに広がり、それがかげろうのように天空にも…スケールが大きい。
 その中で札幌の『黄昏の時計台』(50号)が人目を引く。幻想のように浮き出る時計台が印象的だ。

 札幌市中央区北2西1、STV北2条ビル・エントランスアートで27日まで。

 ◆写真は、異国情緒を漂わせる『黄昏の時計台』(50号)


 P1010339_convert_20110311102023.jpg  羽山 雅愉(はやま・まさよし)さん
 『黄昏』シリーズは1990年代中頃からで、近年は早朝の『朝光』『曙光』シリーズも。5月小樽美術協会展、6月全道展、10月小樽市展、12月北海道現代具象展と続く。1974年道教育職員美術展で特選、76年全道展で知事賞、84年会友賞、79年小樽市展で市展賞。全道展、小樽美術協会員、北海道現代具象展実行委員。1943年釧路市生まれ。小樽市在住。

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多彩な作品35点を発表 『河西 久美子絵画展』

 
 「30歳代に水彩画、50歳代から油絵を描いた」という作者が水彩、油絵の風景、静物、花、人物といった多彩な作品35点を発表。個展は07(平成19)年以来4年振り2回目。
 「こんなに色々そろえて…」。気にしている様子だが、どの作品も丁寧な描き込みで達者な筆勢。木々や水のある風景の油彩はソフトで明るい色彩。広々と奥行きのある構図の中に優しい空気感が広がっている。
 ガラス容器や果物を中心にした静物は、光と影を入念に描いている。
 水彩は静物が中心。「楽しんで描いています」。イチゴと桃の花、折り鶴とサクランボといった組み合わせにストーリーを感じさせる。

 札幌市中央区南1西3、さいとうGalleryで6日まで。

 ◆写真は、しゃれた情緒の油彩 『朝焼け』(25号)


 P1010323_convert_20110303173455.jpg  河西 久美子(かさい・くみこ)さん
 「武蔵野美大通信教育で学んだが、独学のようなものです」。北見市出身の画家大山由之氏(故人)の作品を常設展示している記念美術館々長のほか声楽で舞台にも立ち「忙しい」。京都生まれ。札幌市厚別区在住。
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Author:chikuwapan
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