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175点が水彩画の美競う 『第31回道彩展』

水彩画の公募展(北海道水彩画会主催)で会員、会友と一般公募で入賞・入選した作品合わせて175点が展示され、美を競っている。
最高賞の道彩展賞は、会友と一般応募の283点の中から選ばれた札幌市厚別区の菅原策夫さん(66)の作品『藪椿』に。昨年は札幌市長賞を受賞している。椿の花が、藪の中でひしめき合うよう咲いている光景を画面いっぱいに描いている。会友に推挙された。
作品は風景を中心に花、人物、風景など多彩。会員の栗山巽さん(江別)中田やよいさん(札幌)らはコラージュを生かすなど個性豊か。
道彩展賞以外の主な受賞者は下記の通り(敬称略)
▽道知事賞 木田喜重(札幌市) ▽道教育長賞 照谷節子(平取町) ▽札幌市長賞 中島恭代(江別市) ▽札幌市教育長賞 久野省司(札幌市)
7人が会員、9人が会友に推挙された。
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで10月2日まで。
◆写真は、左端が道彩展賞を受賞した菅原さんの作品
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多彩に立体と平面の作品展 『開廊7周年記念展覧会』

2004年9月にオープンした札幌の画廊『茶廊法邑』が、今年開廊7周年を迎え、立体と平面の作品をそろえた記念展を開いている。オーナーの法邑美智子さんは、記念の著書『眼(がん)』を発刊した。
「多くの方との交流の場にし、文化の振興に」と、自宅近くのタマネギ畑跡地にオープン以来丸7年。画廊とレストランのモダンな設計で07年には札幌市都市景観賞を受賞した。
貸し画廊だけではない。法邑芸術文化振興会を設けて公募の大賞展、立体造形展、写真展を開きアーティストに門戸を開放している。
今回の記念展は、これまでに同画廊で発表した作家を中心に立体展と平面展に分けられ、立体展は33人と1団体が22日まで展示、24日から油彩、日本画、版画、写真、書などの作家41人と2団体が発表する。
25日には、発刊の著書の出版パーティーが同画廊で開かれる。
札幌市東区本町1の1、茶廊法邑で10月2日まで。
◆写真は、展示されている多彩な立体作品

「多くの皆さんのご協力でここまで来ました」。主婦、画廊とレストランの経営、日本画も描き、レストランでは自ら調理をしており超多忙。「1日4~5時間しか寝ていません」。著書は4冊目で29日に発表される。札幌ドレスメーカー女学院卒。1946年札幌市生まれ。札幌市東区在住。
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風に揺れる花々を軽快に 『宮崎 むつ展』

「ここまで仕上げるのに3年かかった」というブルー系の空間に点と線の表現が響き合うような油彩9点を発表。さわやかな情緒である。2009年に東京で開いて以来の個展で通算26回目。
油絵の具とボールペンで入念に描き込んだ作品は『私の庭』シリーズ。昨年、36年間の勤務を終えてから自宅の庭に咲く数々の花を静かに眺めるようになったという。
その花は白、黄色、オレンジ、ブルーなどの小さな点が、細い線の先で揺れるように描かれている。細い線は茎の強さを表すように弓なり状に。
空を思わせるブルー調の空間で勢いよく、あるいはゆっくりと風に吹かれるように描かれ、心地よいリズム感をつくり出している。
札幌市中央区南5西20、ギャラリーミヤシタで10月2日まで。
◆写真は、油彩の作品 『地に還る』(40号)

「自然の表情や植物を表現したい」。花の茎の強さにひかれるという。1979年、86年に全道展で奨励賞。古瀬キヨ記念財団女流選抜展など多数出品、2000年から麓彩会展(倶知安町)に出品を続けている。道教育大学札幌分校彫塑科卒。室蘭市生まれ。札幌市清田区在住。
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気品と風格の漆塗りの作品 『府川 晃木漆展』

「北海道ではこのような作品を作っている人はいないでしょう」という木材に漆を塗った大小の器類や花器など約50点を発表。札幌では4年振りの個展。伊達市の漆工房『まほろば』で制作を続けている。
神奈川県から“北海道の人”になって24年。道産材のケヤキ、白樺、山桜、タモなどで大小の皿、鉢物、花器、お盆などを作り上げる。
それは、ロクロやチェーンソーなどを駆使、漆を塗ってはサンドペーパーで磨く、を数え切れない程繰り返す根気のいる工程。木の目が分かる拭(ふ)き漆、木目が見えない木地呂(きじろ)漆や朱漆の手法で黒や赤色を基調にした木の特徴を生かし、気品と風格の漂う作品に仕上げている。透明感と輝きが美しい。
札幌市東区北25東1、ギャラリー粋ふようで17日まで。
◆写真は、出品されている数々の作品

18歳から木工の世界へ。漆塗りは独学という。1987年に本道に転居、91年に現在地に工房を移した。02年国展で奨励賞、06年準会員。1300平方㍍の畑で野菜を栽培、みそまで作り「忙しい」。1947年神奈川県小田原市生まれ。伊達市大滝区在住。
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日本画を見るような陶器 『土橋 陶媛展』

札幌市手稲区に『絹窯』 を開窯、作陶を続けて30年の記念展。出展は「全国的にも珍しい」と言われているカラー粘土を駆使して皿やつぼに文様を表現した作品。日本画を見るような美しさ。昨年に続く個展。
独学で確立した優雅な作品は、象嵌の手法でボタン、桜、藤の花を美しい色彩で表現している。
ロクロで形成し、生乾きの時に竹や金属で文様を彫り、カラー粘土を埋め込み、素焼きをし、最終的には1250度まで上げて焼き上げる。金液も使い高級感も。
横35㌢×縦31㌢の白と赤のボタンを表現した皿は、周囲を金彩で縁取り、つぼは花が浮いているよう。カラー粘土を散りばめたような皿、はしおきもある。1点仕上げるのに何ヶ月もかかるという美の陶芸である。
札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で11日まで。
◆写真は、「金彩牡丹(赤)図象嵌皿」とつぼ

1981年に開窯、2003年に空知管内由仁町に窯を移し新たに『UNI―絹窯』と名付けた。30年前の灯油窯を今でも使っている。個展、グループ展は数多く、公募展でも入賞・入選、道展では会員にもなったが現在はフリー。1950年空知管内上砂川町生まれ。由仁町在住。
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斬新でスマートな作品 『島田 晶夫家具木工展』

2001年に石狩管内当別町に工房を開設して以来10年―。「これを節目に次の10年を展望したい」と、多彩で斬新な感覚の作品を会場いっぱいに展示している。
木工というと一般にいすやテーブルなどをイメージするが、スマートでアート的な内容。
森の中のベンチをイメージした円形で直径3㍍の大作『ベンチサークル』が会場中央に、壁面には、80個の木の一輪差しや木象嵌の手法による絵画的な平面の作品が展示され、木の造形美を存分に見せている。
木象嵌の作品は横1・5㍍×縦80㌢の平面に大小の木のパーツをはめ込む、あるいは凸凹を作るという手法。『かぼちゃ』と題した横1・35㍍×縦96㍍の大作は、花やつるを絵のように表現している。
ナラ、セン、シナといった木の表情、色彩が豊か。木の魅力を見せている。
札幌市東区本町1の1、茶廊法邑で11日まで。
◆写真は、会場いっぱいに展示された作品

スウェーデンの手工芸学校に3年間留学、2001年に工房を設立。07年に日本人で初めてスウェーデン家具マイスターの称号を取得。「シンプルで自己主張しない家具」を目指している。今回で4回目の発表。1971年苫小牧市生まれ。当別町在住。
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多彩な284点が全館に 『第56回新道展』

油彩を中心に水彩、インスタレーションなど会員、会友と公募の入賞・入選作品合わせて284点が全館に展示され美と感性を競っている。具象、心象的な取り組みが目立ち、従来の新道展のイメージを一新、親近感のある内容になっている。
作品搬入総数は450点。展示数と共に昨年をやや上回った。油彩が圧倒的に多い。
協会賞は、会友の田中郁子さん(46)=日高管内浦河町=の油彩『再生~大切なもの~』(100号)。モノクロ調で、人物が何かを大切に手にしている表情を力強く描いている。
受賞者は12人。うち男性は1人だけで会員、会友推挙とも女性の進出著しい。
具象の風景、人物を描いた作品が目立ち、全体に色彩が明るい。新道展のイメージだった抽象絵画は年々少なくなっている。
香取正人事務局長は「レベルが上がっている」と語り、水彩画に力作が多いのも特徴。インスタレーションの大作と共に多彩で充実した第56回展になっている。
9月3日午後5時から札幌すみれホテルで受賞式と懇親会が開かれる。
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで9月11日まで。
◆写真は、多彩な作品が展示されている会場