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19人が具象の美追求 『大洋会北海道支部展』

全国公募の美術団体である大洋会(本部・東京)の本道在住の会員を中心にした第29回展。会員10人と協力出品者など19人が、油彩と一部水彩も含め45点を出品している。
具象の美を追求している。昨年11月の東京本展に出品した大作を札幌のファンに見てもらいたい、として展示されている。
風景と人物が中心。本展で奨励賞を受賞した森田幸江さん(札幌)の油彩『大通公園』(100号)は、上から見下ろすような奥行きのある構図。
人物を描いた作品に個性が発揮されており、加我幸子さん(同)の『なでしこ』(同)は、女子サッカー選手を立体的に、しかも動的に描いている。
全体に色彩が明るい。神奈川の普川京子さんが賛助出品している。
札幌市中央区北3西1、大同生命ビル・大同ギャラリーで31日まで。
◆写真は、原田富弥さんの油彩『倉敷風景』(100号)
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ベテランから小学生も 『第50回創人かきぞめ展』

書道研究「創人会」(金津雪華さん主宰)が、1963年に初のかきぞめ展を開いて以来、連続50回目の記念展。一般の部のベテランの無鑑査の作品から小学1年生の秀作まで106点が展示され、新春のムードを広げている。
一般の部と学生の部に分かれ、一般の部は無鑑査のほかにAコースとBコースに分かれている。
作品は、創作の漢字が中心。無鑑査には千葉、埼玉、栃木県からも。Aコースの特選は、野村雄悦さん(札幌)ら7人。Bコースの特選は、坪野素子さん(同)ら4人。秀作、入選の作品と合わせ墨の美を競っている。
学生の部は小学生から中学生。特別賞を受賞した阿部世菜さん(札幌・白石中3年)の作品『愛』は、紙から文字がはみ出るような筆勢。入賞・入選作品も元気はつらつで、すがすがしい。
団体賞は、美唄市の常光支部に。創人会を設立した故金津墨岳氏の作品も展示されている。29日に表彰式が行われる。
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで29日まで。
◆写真は、学生の部で特別賞の札幌白石中3年 阿部世菜さんの作品(左)と、推薦の美唄中央小1年てづかふうかさんの作品(右)
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気品と風格の多彩な作品 『菊地 勝太郎作陶展』

自力で登り窯を郷里の洞爺村(当時)に築窯して以来38年。その窯と1992年に築窯した穴窯で焼き上げた多彩な作品を会場いっぱいに展示している。豊かな感性と技量の高さを伺わせる。
作品は大小の茶わん、鉢、皿など家庭用品。それらが、一人の作家の作品とは思えない程バラエティーに富み、気品と風格がある。
「いかにして原料を選ぶか。土と釉薬をどのようにあわせるかにある」―。白粘土による気品の三島、ソフトな茶系にグリーン系の文様が走る黄瀬戸、重厚な風格の焼き締め、さらに柿釉や刷毛文の三島…どれを見ても深みと優しさがある。
「土や石といった原料を独自に精製してろくろに載せるまでに2ヶ月はかかる」という取り組み。雑木とカラ松材で焼き上げた作品に、作者の深い思いが込められている。
札幌市中央区南1西2、丸井今井一条館8階美術工芸ギャラリーで23日まで。
◆写真は、会場いっぱいに展示されている作品

1974年に登り窯を築窯して独立した。窯名は直海窯(にわたづみがま)。穴窯で焼成する時は、熱を放出させないために窯の中に水を入れる独自の手法で作陶している。1987年中国で研修。2005年と09年に伝統工芸新作展に入選。1948年胆振管内洞爺湖町生まれ。同町在住。
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1551点の大作、力作 『第43回国際現代書道展』

書道文化を世界に発信したい―。海外からの作品32点を含め審査会員、会員、会友から公募の入賞・入選作品合わせて1551点が全館に展示された大きなスケールの書道展。国際書道協会本部(札幌・小原道城理事長)主催の公募展。最高賞の文部科学大臣賞新谷谿雪さん(岩見沢)が受賞した。
2009年の第40回展からそれまでの全道書道展を現在の名称に変えて門戸を世界に広げた。今年は海外から中国、韓国を始めロシア、チリ、フランス、アメリカなどから70点の出品があった。このうち国際現代書道展芸術賞を受賞した中国書法家協会段成桂副主席の作品を始め入賞作品32点が展示され、国際色が広がっている。
作品は漢字の多字数・大字書、かなの大字・小字、調和体、篆刻・刻字、写経と多彩。全館にびっしり展示され、墨の美を競っている。
審査会員、会員では新谷さんのほか小山内無石さん(倶知安)岩村佳尚さん(札幌)の中華人民共和国駐日本国大使館賞から準大賞まで12人が受賞した。
21日、ルネッサンスサッポロホテルで表彰式と祝賀会が開かれ、22日には、上位受賞者による席上揮ごう会が展示会場で、3月30日から北網圏北見文化センターで移動展が行われる。
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで22日まで。
◆写真は、展示されている審査会員の大作
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“黒のアート”の古希記念展 『楢原 武正展』

今月7日に古希を迎えた。「さらに新たな芸術の道をまい進したい」―。全長約70㍍に及ぶ壁面いっぱいに黒い“黒のアート”を展開、迫力に満ちた古希記念展に。テーマは、1990年以来続けている『大地/開墾』のシリーズ。
これまではベニヤ板、角材、鉄板など多くの廃材による立体造形作品を会場いっぱいに繰り広げた。今回は、一転して平面の作品。
高さ3㍍×全長30㍍の壁面に太い筆でなぐり書きをしたような“黒い作品”を張りめぐらし、残り約40㍍の壁面を柱に額装などの作品約80点を展示、黒の世界に。
テーマの根底に大地を切り開いた苦闘の精神があり、躍動する筆の走りで表現している。30㍍の壁面の作品は、重ねた新聞紙に描いている。
「何事も挑戦です」―。気迫が会場に広がっている。
札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で15日まで。
◆写真は、壁面いっぱいの黒のアート

「作るのは苦にならない。どんどんイメージがわく」。廃材でアートを作り上げている。1976年の初個展以来36年。毎年発表を続け、これまでに行動美術展「北の創造者たち金属フィールド・今」などで受賞。2月から500m美術館にも出品する。1942年十勝管内広尾町生まれ。札幌市中央区在住。
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「生きる」をテーマに力強く 『宮崎 亨展』

『人はなぜ生きる』をテーマに激しい息づかいが伝わってくる描き方の油彩31点を出品。100号以上が12点。2003年以来10年振りの個展で通算3回目。
『生きる』は学生時代から追求しているテーマ。『生命』『心の叫び』といった内面性、人々の表情や行動を画面いっぱいに描いて表現している。
抽象ではないが、具象とも言い切れない。モノトーン調を基調に、炎の中で叫ぶ男性像、原爆から逃れる行列、背中からエネルギーを無数に吹き出す姿などを力強く描いている。
現代社会に対する不満や要求を訴えている。主にペインティングナイフで重厚に描き、気迫が込められている。
札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで14日まで。
◆写真は、油彩の『パンドラの残り物』(100号)

「日常の生活、心の叫びをいかにして美術に反映させるかです」。美術は人間の本能という。会場でエゾシカの角でアクセサリーを作るワークショップも開いた。2007年新道展に初出品して佳作賞、自由美術展に入選を続けている。新道展会友。札幌・幌東中学校教諭。1967年歌志内市生まれ。札幌市清田区在住。
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介護の体験を明るく描く 『日本自費出版文化賞』入選記念展

茶廊法邑のオーナー、法邑美智子さんが、2010年6月に狸小路きみこのペンネームで発刊した絵本『オサクばあちゃんのひとりごと』が昨年、第14回日本自費出版文化賞(NPO法人日本自費出版ネットワーク主催)に入選した。その記念展で絵本の原画26点を発表。入選を祝い30人のアーティストが協賛の『はな』展ほ開いている。
絵本は、認知症の義母と一緒に暮らした体験を描いている。眼科に行くのにたどり着かない、台所で料理を作ろうとして家中が煙に…数々のトラブルを優しく介護をし、見守るような内容に。
文章は筆字で書かれており親近感がわく。法邑さんは「内容は、作りでとではない。誰にでも起こりうること」と語り、反響が大きいと言う。
札幌市東区本町1-1-8-27、茶廊法邑で19日まで。
◆写真は、台所から煙が出た場面の原画

今回の絵本に続き視力を失ったご主人との生活をつづった『敏男おじさんのひとりごと』、茶廊法邑で開いた作品展の内容を紹介した『眼』を発刊。講演会活動にも取り組んでいる。日本画を描き2003年の札幌市民芸術祭で大賞を受賞。1946年札幌市生まれ。札幌市東区在住。