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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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大作中心に34点を出品 『合田 早苗江水彩画展』

 
 道彩展と全道展にスケールの大きな風景絵画を発表しており、今回もグリーンを基調に空気感の漂う風景画とピンク系を中心にした花の作品34点を出品。40号から60号の大作が5点。1昨年に次いで7回目の個展。
 一部にアクリル絵の具を使いながらも透明水彩絵の具でぐいぐいと描き込み、水彩画とは思われない質感と勢いで仕上げている。しかも明るい色彩。ホワイトを多く使っているのも特徴。
 十勝の風景『朝靄のひまわり畑から』は、広々とした朝の光景を情緒豊かに、北大構内の『ポプラ』は、風のざわめきが聞こえてきそう。色彩の透明感と共に臨場感がある。
 窓辺の花を描いた作品も大きな空間構成。絵の具を振り付ける手法も駆使して動的に描いている。

 札幌市中央区南1西3、さいとうGalleryで4月1日まで。

 ◆写真は、深い質感の水彩画『2月の窓辺』(20号)


 P1020713_convert_20120329101329.jpg  合田 早苗江(ごうだ・さなえ)さん
 初個展は1998年。以来隔年で開催。道彩展で96年道彩賞、98年会友努力賞、昨年2月の会員会友展でみず賞を受賞。全道展にも入選を続けている。ご主人の合田典英さんは新道展会員。道彩展会員。道教育大学札幌校特美卒。釧路市生まれ。札幌市手稲区在住。

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83点を展示歩みたどる 『渋谷 栄一銅版画回顧展』

 
 昨年8月12日、82歳の生涯を終えた作者の歩みをたどる作品展。1958年のモノクロ調の作品から02年の花びんの『小さな実』まで銅版画58点、小口木版10点、カラーコピーの抽象作品15点の合わせて83点が展示され、在りし日をしのんでいる。
 渋谷さんは、1928年帯広市生まれ。道学芸大学札幌分校を卒業、日本版画協会展、全道展、春陽展で相次いで受賞、2001年には紺綬褒賞を受賞した。
 本道銅版画界の草分け的な存在で、1965年から66年、71年から72年にはフランスの工房で研修した。
 札幌を始め東京、京都、パリなど各地で個展を開き、03年には道立帯広美術館で『十勝の新時代 渋谷栄一展』が開かれた。
 回顧展は、制作年代順に人物、パリなどの洗練された海外風景、抽象的な銅版画のほか小口木版、幻想的なカラーコピーなどが展示され、おう盛な取り組みを物語っている。
 遺族宅は、札幌市西区渋谷美求さん方。

 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで4月1日まで。

 ◆写真は、2001年制作の銅版画 『PARIS(シテ島とポンヌフ)』

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大作84点が並ぶ豪華さ 『北海道現代具象展』

 
 具象絵画の新たな展開を追究している北海道現代具象展(佐藤武代代表)が、昨年第5回展を終えた。今回は、その区切りの記念展。実行委員21人と第1回展からの招待作17人の合わせて38人が大作84点を出品、多彩な具象の美の魅力をみせている。
 同展は、1991年に北の現代具象作家展が開かれたのがスタート。その後北の現代具象展、具象の新世紀展と名称を変えながら開催を続け、今回の記念展が通算20回展。
 特徴は、全国的に知名度の高い作家を毎回招待、道内各都市を巡回し底辺拡大と絵画の魅力をアピールしていること。今回は、これまでの招待作家17人が34点を出品、具象展の実行委員の出品作を合わせて豪華な内容。
 初日の17日に、道内と本州からの招待作家14人によるアーティストトークとオープニングパーティーが行われ、多くのファンでにぎわった。
 実行委員会では「道内外で注目度が高まっている。10回展まで考えたい」としている。

 観覧料一般700円、高・大学生400円、中学生以下無料。

 札幌市中央区北1西17、道内近代美術館で29日まで。26日まで三越9階画廊で小品展も。

 ◆写真は、展示されている個性豊かな大作

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40歳未満の26人が個性豊かに 『サッポロ未来展』

 
 「若い力が北海道の美術界に新風を」―。本道在住あるいは本道出身で20歳から40歳未満のアーティスト26人による作品展。2002年の第1回展以来連続11回目。『リニューアル』をテーマに2階に油彩、日本画など40点、3階にテキスタイル、立体、写真、木工などが展示されエネルギッシュな取り組み。
 昨年は、道立近代美術館で第10回記念展を開き、今回展は再スタートの意味が込められている。
 総勢26人中、半数の13人が初出品。金沢市、大分市の遠方からも。道内外の公募展に入賞・入選している出品者も多く、事務局(宮地明人事務局長)では「出品者が変わることが刺激になる」と語り、作品は個性豊か。
 28日から市立小樽美術館で巡回展も行われ、来年は海外展の計画もある。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで24日まで。

 ◆写真は、谷地元麗子さんの日本画=右側の作品は『夢模様』(162×162㌢)

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在りし日をしのぶ多彩な作品 『上野 仁奥遺作展』

 
 画業ひと筋に歩み今年1月9日、92歳の生涯を終えた作者の遺作展。多彩な取り組みを示すように油彩、水彩、クロッキーなど74点が展示され、在りし日をしのんでいる。作品集も発刊された。
 釧路市出身で18歳の時札幌へ。絵筆の傍らデザイナーとしても活躍、1975年には北海道創原美術会の創設にもかかわった。
 だが、81年からは個展ひと筋。道内、本州を回り、97年からはイタリア、ベルギー、フランスへも。
 「絵は常に変わらなければいけない」「絵の基本は線」を信条に生き生きとした線と色彩による風景、人物、静物などを次々と発表した。
 遺作展は、未発表の作品が多く昭和の初めに描いたと思われる小樽運河のデッサンから絶筆になった昨年9月にピエロを描いたペン画まで歩みをたどるような内容。
 クロッキーの『バレリーナ』のシリーズ、海外の風景を描いた明るい水彩画、桜島の広々とした構図の油彩…描いていた時の姿が浮かんでくるようだ。
 25日午後3時から会場で供花会が行われる。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で25日まで。

 ◆写真は、2004年フランスに行った時のスケッチを元に描いた水彩 『パリの街角』

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情緒豊かに9人が出品 日本画絹絵『彩の会』展

 
 日本画美術協会会員の勝木郁子さんが指導している日本画。すべて絹に描いているのが特徴。9人が22点とミニ色紙9点を出品、会場に優雅な情緒が広がっている。絹絵だけの作品展は珍しい。
 9人は、勝木さんのお孫さんの勝木悠里さん(中学1年)から86歳の大倉美津さん、多田峯子さんまで全員女性。しかも日本画美術協会展で入賞・入選を続けている。
 日本画用の顔料ではなく、絹に水干(すいひ)絵の具で描き「大作なら1点仕上げるのに写生から完成まで半年はかかる」という根気のいる工程。それだけに思いが込められている。
 モチーフは花が中心。椿、ハイビスカス、スイレン、桜…数々の花の情緒を優しく、ソフトに美しく描き上げており、気品がある。しかも年齢には関係なく若々しく情緒に富んでいる。

 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで18日まで。

 ◆写真は、多田峯子さんのハイビスカスを描いた絹絵『夏の朝』(20号)


 P1020614_convert_20120313183704.jpg  勝木 郁子(かつき・いくこ)さん
 師は、日本画家森山季紫鳥さん。キャリア30年以上。1989年から指導を続け、彩の会展は94年から毎年開催。07年には個展も。札幌円山動物園で鳥や各種動物のスケッチを続けている。日本画美術協会展で05年会友賞、06年会長賞。藤女子短大家庭科卒。1948年札幌市生まれ。同市中央区在住。

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初めて風景画を発表 『桜庭 英明色えんぴつ画展』

 
 色鉛筆画に取り組んで17年―。今回初めて発表する風景画6点を含め各種果物、魚、卓上の陶器類などを描いた作品24点を出品。よりリアルで、そこに本物があるような精密な描写力である。昨年8月に次いで6回目の個展。
 「普通の画用紙に24色の色鉛筆で描く」という柿、桃、ブドウなどの果物、カレイ、スルメといった魚、さらにカップ類、本などを実物以上に細密で色彩豊かに描いている。しかも実物大なのが特徴。白い画用紙に浮き出るように清そに描かれている。
 風景は札幌と小樽港が中心。「まだ試行錯誤…」だそうだが、大きなスケールと濁りのない色彩と空気感である。

 札幌市中央区南1西3、さいとうGalleryで11日まで。

 ◆写真は、札幌市中島公園の鴨々川を描いた作品


 P1020604_convert_20120308092919.jpg  桜庭 英明(さくらば・ひであき)さん
 風景は、現場で描いた水彩画を基に描いている。果物、陶器など身の回りのモチーフは、すべて自然光のもとで描き、蛍光灯の下では描かない。1997年から趣味で始めたが、今では3教室で指導。中学校の国語の教師だった。道学芸大学(現道教育大学)札幌校卒。1939年札幌市生まれ。札幌市西区在住。
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Author:chikuwapan
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『北海道を彩るアーティスト』
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