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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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水墨画、日本画の美追究 『池内流春期池彩展』

 
 水墨画、日本画の美を追究している22人が、色紙から30号まで合わせて30点を出品、落ち着いた気品を広げている。連続35回目。
 キャリア2年から70年以上まで幅が広いが松林、山、花、岩などを主なモチーフに優しく、しかも生き生きと描いている。山田鳳苑、金子志和子、渡邉かおりさんは絹絵を発表しているが、多くは本画仙紙、麻紙に描いた水墨画。
 宮下紫汀さんの『湿原落日』は気迫の筆勢であり、前鼻洋光さんの『桜』は画面いっぱいに桜の花が満開。碓井竜門さんの『梅花旭日』は黒梅の木が力強い。
 それぞれの個性を発揮し、佐々木永花さんの『山腹行霞』は山の表情を森閑とした情緒に仕上げている。
 指導している池内北天木氏は「楽しんで描いているうちに上手になる」と語り、年々レベルが上がっている。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で29日まで。

 ◆写真は、宮下紫汀さんの水墨画 『湿原落日』(30号)
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病を克服 色彩豊かに 『佐藤 萬寿夫ドローイング展』

   P1020899_convert_20120426103229.jpg
 病を克服、不得手だった左手と不自由だった右手で描いた色鉛筆による作品120点と元気だった時に描いた油彩の大作『風の旋律』シリーズ11点を出品。色鉛筆で描いた作品は、色彩豊かでホットな情緒を広げている。
 2008年1月、脳梗塞で入院したものの懸命のリハビリで絵を描けるようになり、翌年から個展を開き、今回で連続4回目。
 「常に絵のことを考えている」―。両手で描いた作品は『卓上の詩』『色の宴』『窓辺』など花を中心に赤、ピンク、黄色、グリーンといった明るい色彩で、優しく描いている。しかも繊細な色彩の組み合わせ。
 これらとは、雰囲気を変えたのが壁面いっぱいに約70点を展示した抽象的な作品。やはりカラフル。そして楽しい。多くの作品から描く喜びが伝わってくる。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで28日まで。

 ◆写真は、色鉛筆による作品『窓辺』(左)と、壁面いっぱいの作品(右)


 P1020902_convert_20120426103328.jpg  佐藤 萬寿夫(さとう・ますお)さん
 言葉と歩くのが不自由だったが描く情熱は益々盛ん。「もう来年の個展を考えている」。入院した1週間後からベッドで左手で絵を描き始めた。今でも病院でリハビリを続けているが、絵を描くことがリハビリに。「80歳までは描きたい」。新道展会員。1941年桧山管内今金町生まれ。札幌市西区在住。

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多彩な大作、力作 『第39回美工展』

 
 北海道美術工芸協会主催の公募展。会員、会友と入賞・入選者の多彩な作品87点が美と技量を競っている。協会賞の該当者が無かったものの新人賞を受賞した高校生の木工から80歳代の会員の金工までバラエティーに富んでいる。
 押し花、金工、染色、陶芸、木工、和紙絵、籐、皮革…20種類近い大作、力作であり、無いのは絵画と書ぐらい。東京、横浜からは葉を組み合わせて絵に仕上げた葉彩画も。
 おといねっぷ美術工芸高校(上川管内音威子府村)の生徒5人が木工、1人がペーパークラフトで入賞・入選、道都大学(北広島市)の学生、OBが染色で力量を発揮するなど若手の進出が目立っている。

 主な受賞者は下記の通り(敬称略)
 ▽佳作賞 大井マチ子(織・恵庭) ▽新人賞 菅野成美(染色・北広島) 齋藤千恵美(木工・岩見沢) 福田亨(木工・音威子府) ▽奨励賞 射水郁枝(押花・美唄) 千葉将壽(木工旭川) ▽会員推挙 清水禎子(組紐・札幌) 射水郁枝(奨励賞に同じ) ▽会友推挙 石郷岡緑(組紐・苫小牧) 杉原友紀(染色・恵庭)

 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで22日まで。

 ◆写真は、展示されている多彩な作品

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モノクロ基調に気迫の筆勢 『亀井 由利個展』

 
 モノクロを基調に波がうねるような迫力感が伝わる大作6点を中心に18点を出品。「基本的には具象…」だが抽象的な展開。今年60歳を迎えた還暦記念展である。
 アクリル絵の具で描いた作品にタイトルはない。風景や1本の大木を思わせる作品もあるが、多くは黒い空間に激しい波がぶつかり合い、うねる光景を画面いっぱいに描き、気迫が広がっている。自然の厳しさである。
 だが、その中に希望の明かりを示すように月が描かれており、ホッとさせる。希望に向かって生きる…そんな思いが込められている。
 金ぱくや銀ぱくを使い、ドロッピングの手法も駆使、入念な描き込み。引きつける魅力と風格がある。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで21日まで。

 ◆写真は、下地に銀ぱくを使った50号の作品

 P1020882_convert_20120419220019.jpg  亀井 由利(かめい・ゆり)さん
 「東日本大震災の悲惨な光景が頭から離れないのです」。毎年個展、グループ展を精力的に続け10月にも札幌と北広島で個展を予定。10年間故熊谷善正氏に師事。1997年新道展で佳作賞。新道展、日本美術家連盟会員。1952年室蘭市生まれ。札幌市中央区在住。

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感性豊かな306点 『阿部 典英のすべて展』

 
 精力的な取り組みを続け、昨年北海道文化賞を受賞した作者が、高校時代の書から新作の大作まで大小306点を展示、歩みをたどると共におう盛な創作力をみせている。作品はバラエティーに富んでいる。
 出展は平面、立体、インスタレーションと幅広く『筆と墨で自由を求めた高校生』から『デザインと遊び』まで8分野。素材も木、竹、布、ウレタン、アクリル絵の具など多彩。中でも『オヨメサン』『ダンナサン』シリーズが代表作。
 創作の原点は、中学生まで7年間後志管内島牧村で過ごしたことにあり、作品づくりとイメージの源に。ユーモアもあり、豊かな発想の造形美をみせている。

 札幌市中央区北1西17、道立近代美術館で5月6日まで。観覧料一般1000円、高・大生600円、小・中生300円。

 ◆写真は、大作の『ネエダンナサンあるいは静・暖・歩』

 P1020750_convert_20120410172235.jpg  阿部 典英(あべ・てんえい)さん
 札幌東高を卒業後、ゴム靴の会社に勤務、独学でアートの世界へ。1961年行動展で新人賞、シェル美術展で佳作賞。その後北海道立体表現展、『交差する視点とかたち』など数多く発表。個展は札幌、東京、韓国でも。現北翔大学に30年勤務、06年に定年退職。道と札幌市の文化団体協議会長。「好奇心と冒険心を持って頑張りたい」。1939年札幌市生まれ。同市中央区在住。

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12人が抽象の美 『北海道抽象派作家協会展』

 
 1973年に札幌で創立展、翌年第1回展を開いて以来、今回が第39回展。同人6人と一般出品作家6人が平面、インスタレーションなど合わせて38点を出品、抽象の美を競っている。
 抽象派作家だけのグループ展は、全国的にも珍しいといわれ、毎年一般出品作家が新たに加わりファンの関心を呼んでいる。
 いずれも大作。創立会員の今荘義男さんの(岩見沢)の油彩『古里』シリーズは重厚な風格、佐々木美枝子さん(札幌)は赤系を基調に洗練された情緒。
 インスタレーションを出品する同人・林教司さん(岩見沢)は大雪でアトリエの屋根が崩れ落ち制作が出来ず、鉛筆とクレヨンによる平面の作品で雰囲気を変えている。
 一般出品作家では、宮部美紀さん(石狩)が初出品。笹岡素子さん(江別)は紙、田村純也さん(苫小牧)は石によるインスタレーションを個性豊かに展開している。
 毎年、秋季展も開いており、今年は10月に札幌時計台ギャラリーで第36回展を開く。

 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで15日まで。

 ◆写真は、展示されている数々の抽象作品

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「О」シリーズの大作中心に 『外山 欽平油絵個展』

 
 1998年にローマ字の『A』から始まったアルファベットシリーズの絵画。今回は、15番目の『O』で大作12点を中心にシルクスクリーンも含めて27点を出品。『O』が、極めて動的に描かれている。
 作品『O』シリーズは「危険な放射能は許されない」という強い意志を込めた『Oh!No!』がテーマ。
 微妙に変化するグリーン調の空間いっぱいにワインカラー調の『O』の文字が多様に変化し、ぐるぐると回転するように描かれている。黄色い細い線の走りがシャープ。何かを訴えているような迫力感である。
 筆を使わず、床面に置いたキャンバスに絵の具を流して入念に仕上げる独自の手法。きれいなマチエールも魅力と言える。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで7日まで。

 ◆写真は、油彩の『O-27』(100号)


 P1020725_convert_20120403102435.jpg  外山 欽平(とやま・きんぺい)さん
 「政治が国民の方を向いていない」―原子力発電所の取り組みを厳しく批判、5月に函館でも個展を開く。札幌での個展は毎年。道抽象派作家協会の第2回展から出品を続けてきたが「個展の原点に返りたい」として退会。函館・五稜星の夢実行委員。武蔵野美大卒。1937年函館市生まれ。同市在住。
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Author:chikuwapan
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