~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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心象の世界を生き生きと 『山 愛実油彩展』

 
 愛らしい少女から宙に舞うような夢の世界の女性像を描いた大作まで25点を出品。06(平成18)年の初個展以来隔年で開催、今回が4回目。深いマチエールと共に年々洗練された描写力を見せている。
 モチーフは女性やピエロを中心にしながら花、静物、風景と幅広い。いずれも生き生きとした筆勢。中でも女性像の作品は、動的な筆の走りでストーリーが秘められている。
 『ensure』(守る、保証するという意味)のシリーズの『宙(そら)』は人物、『夢遊』はピエロが宇宙空間を楽しむような心象の世界であり、独自の感性を発揮している。
 静物の作品『秋風』は果物にトンボが止まり、『夏』はスイカとアサガオを組み合わせるなど個性豊か。楽しくもある。色彩が全体に明るくなっている。
 
 札幌市中央区大通西13、札幌市資料館ギャラリーで6月3日まで。

 ◆写真は、油彩の『ensure~夢遊』(20号)


 P1030020_convert_20120531094955.jpg  山 愛実(やま・あいみ)さん
 「搬入直前まで描きました」。作品から描く楽しさ、喜びが伝わって来る。師は道展会員の実母野田敦子さん。6月16日から深川市で開かれる日本美術家連盟道支部展に出品する。05年道美展に初出品して新人賞。日本美術家連盟、道美展会員。光塩学園女子短大保育科卒。1972年札幌市生まれ。同市中央区在住。
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清そで優しい家庭用品 『谷本 幸子陶展』

 
 「毎日の食卓で楽しんで使っていただきたい」―。白の輝きを基調にした清そで優しく焼き上げた家庭用食器約200点を出品。十勝管内新得町の『さち陶工房』で作陶を続け、札幌での個展は09(平成21)年以来連続4回目。
 焼き締めの作品もあるが、中心は半磁器によるコーヒーカップ、大小の皿、どんぶりものといった家庭用食器。染め付けの手法でブドウ、スミレ、カタクリといった果実や草花を純白の地にブルー系の濃淡で浮き立たせている。
 「どのように焼き上げるか作るのが楽しい」と語り、1点1点に愛情が込められている。01(平成13)年に工房を開設、即年10月帯広で10周年記念展を開いた。

 札幌市東区北25東1、ギャラリー粋ふようで6月2日まで。

 ◆写真は、染め付けの手法による数々の作品


 P1030009_convert_20120531094724.jpg  谷本 幸子(たにもと・さちこ)さん
 耳が不自由だがいたって明るく元気。1988年から新得町陶芸センターに10年通い、その後3年間指導員として指導した。工房は電気窯。今年も江別、帯広、旭川の『やきもの市』に出品する。帯広市大谷高校卒。1950年帯広市生まれ。新得町在住。

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61人が79点を出品 『北の日本画展』

 
 「北海道で日本画を普及させて全国に発信して行きたい」―。1986(昭和61)年に第1回展を開いて以来連続27回目の日本画展。総勢61人が2~3階の全室に79点を出品、美と豊かな感性を競っている。
 メンバーは道展の会員、会友、受賞者、一般入選者が中心だが、今回は美術団体にはかかわっていない笹山峻弘さん(札幌)ら9人が初出品、広がりをみせている。
 大作主義。日本画特有の伝統の素材を生かしながらも新素材を活用、それぞれが独自の発想と手法で向き合い個性豊か。千葉晃世さんの抽象構成、中井緋紗子さんの画面いっぱいの桜の花、駒澤千波さんの女性像、西谷正士さんの広々とした風景、野口裕司さんの半透明のカーテン生地に墨で描いた作品…取り組みは多彩。
 今回は、特別なテーマはない。それぞれが個性を存分に発揮しており見応えのある内容になっている。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで26日まで。6月1日から移動展が、深川アートホール東洲館で開かれる。


 ◆写真は、笹山峻弘さんの大作 『~インド紀行~王宮』(172×180㌢)

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気品と優雅な37点 『池内北天木・池内駿天志2人展』

   P1020999_convert_20120524104151.jpg
 伝統の水墨画・日本画の美を追究している池内・北天木さん(84)と駿天志さん(74)の31回目の2人展。水墨画を中心に日本画、俳画合わせて37点を出品、優雅な情緒を広げている。
 北天木さんは、池内流流師で日本画美術協会会長。駿天志さんは副流師で共に東京都出身。北天木さんは9歳の時から水墨画を始め、駿天志さんもキャリア40年以上。
 北天木さんは、1974(昭和49)年から個展を開き、82(同57)年から駿天志さんとの2人展に。
 作品は松、鳥、花を主なモチーフに本画仙紙を始め金ぱくや銀ぱくの上に顔料で描くなどの技法を駆使、気品と風格に富んでいる。
 北天木さんの森閑とした情緒の『林道樹氷』、画面いっぱいに富士山を描いた『富嶽』、駿天志さんの威風堂々としたタカの『威風』、ルリ鳥を清そに描いた『残枝』…多彩な取り組みである。
 共に札幌市南区在住。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で27日まで。


 ◆写真は、池内北天木さんの作品『残果』(左)と駿天志さんの『威風』(右)

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50年の歩み飾る80点 『鈴木 吾郎 彫刻50年展』

 
 1962年に大学を卒業以来中学、高校の教壇に立ちながら彫刻を制作・発表を続けて今年で50年。その記念展。64年に制作したテラコッタ(素焼きの作品)のレリーフから今年の新作まで70点とデッサンも含め合わせて80点を展示、歩みをたどり、同時に新たな決意を示している。
 個展は中国、フランス、ベルギーでの開催を含めて30回以上。「中国での個展は別として、これだけの作品をそろえたのは初めて」でテラコッタ、ブロンズ、FRP(ポリエステル樹脂)による少女像から大作の男性像まで多彩な内容。
 作品のほとんどが若い女性像で「作っているのが楽しい」と語るテラコッタが中心。
 空中を舞うような『飛天』、希望や哀愁を秘めた『21世紀の女』シリーズなどスマートさと躍動感に満ちた造形美。同時に優しさと温かさが。深い内面性を追求した具象彫刻の美である。

 札幌市中央区宮の森4-12、札幌彫刻美術館本館で27日まで。

 ◆写真は、数々のテラコッタの作品


 P1020984_convert_20120518100522.jpg  鈴木 吾郎(すずき・ごろう)さん
 「72歳になり、1度区切りをつけたい」と、回顧展に。最近はテラコッタの制作に集中。「悲しみが深くなればなるほど愛や喜び、希望が輝いて来る」を基調に制作。1976年日展に入選。道展、日彫展の会員だったが07年に退会。道学芸大学(現教育大学)札幌校卒。1939年芦別市生まれ。小樽市在住。

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飛行機の悲劇の歴史描く 『山崎 亮個展』

 
 「空からの風景」をテーマに主に青空の中を飛ぶ飛行機、飛行船を描いた大きなスケールの油彩26点を発表。3号から130号で100号以上が6点。1976年に初個展を開いて以来隔年で開催、今回が19回目。
 飛ぶ飛行機とは言っても明るく楽しいテーマではない。むしろ淋しく悲惨な歴史性が込められている。
 かつての特攻機を描いた『神風1号』(3号)から墜落した日航機の『御巣鷹山の夏』(130号)、さらに砂漠に墜落した双発機の『風の墓標』(6号)…どの作品にも飛行機の悲劇が描き出されている。
 世界の空を飛び続ける飛行機…戦争や事故で悲しい運命をたどった歴史が数多くあることを改めて認識させられる。
 細密で入念な描き込み。そして雄大な展開である。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで19日まで。

 ◆写真は、2度と帰らなかった特攻機を描いた油彩 『月光の夏』(100号)


 P1020975_convert_20120518100314.jpg  山崎 亮(やまざき・りょう)さん
 道高等聾学校専攻科情報デザイン科教諭を来年3月定年退職する。従って現職での個展は、今回が最後。もともとは人物がモチーフだった。「空からの風景」は04年から。大学時代に道展に初出品して受賞、卒業した年に初個展を開いた。道教育大学札幌校卒。道展会員、道教職員美術展企画委員。1952年旭川市生まれ。札幌市西区在住。

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生命を基調、独自のアート 『草場 一壽陶彩画展』

 
 有田焼の手法を用いながら独自の発想と工法で作り上げた陶彩画22点とその版画35点を発表。見る角度によって色彩の輝きが変化するなど深い神秘感を秘めた独自の世界。佐賀県に工房があり、札幌での本格的な個展は初めて。
 陶板とは全く違う。「取り組んで20数年」という独自のアートは、美しい色彩とマチエール、輝きが魅力。キャンバスとも言うべき白い陶板に釉薬で絵を描き焼成、さらに違う色の釉薬で描いては電気窯で焼成する…を10数回も繰り返す。窯の温度調整から時間配分まで一切気が抜けない工程。
 作品の根底にあるのは「生命の尊さ」。虹色に変化する焼き物と言われる大作『虹色の龍・時は今』は、龍が天空でうねり、菩薩や観音の仏教美術は平和を祈念している。
 透明感に富む色彩、繊細な絵付け…1点仕上げるのに4ヶ月はかかるという神秘のアートである。

 札幌市中央区南1西11、コンチネンタルギャラリーで13日まで。

 ◆写真は、大作の『虹色の龍・時は今』 (1・20㍍×60㌢)


 P1020953_convert_20120512104021.jpg  草場 一壽(くさば・かずひさ)さん
 「20年以上の研究の末に作り上げたもので世界で初めてです」。紫色を出すだけで10年かかったという。1990年に技法を確立、91年博多で初個展、以後発表。今回の札幌展に続き仙台、盛岡でも。さらに絵本「いのちのまつり」がベストセラーに。日大芸術学部卒。1960年佐賀県生まれ。今心工房は同県武雄市。

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着物姿の少女像を入念に 『高橋 芳子個展』

 
 「日本画と間違えられます」―。カラフルな着物姿の少女像を画面いっぱいに描いた油彩20点を発表。4号から130号。50号以上が11点という意欲的な取り組み。帯広市在住で2003年以来9年振りの札幌展。
 「着物を描きたくて…もう20年ぐらいになります」。着物姿で無心にたわむれる女の子から物思いにふけっている少女像まで、表情は愛らしく、あるいは静寂な情緒を漂わせて描き独自の画風を作り上げている。
 微妙に変化する顔の表情、目の動きと共に姿態を入念に描き込み、深く内面性を追求、ストーリーが秘められ“思い”が伝わってくる。
 赤、ピンク系を基調に繊細な描写力。「最近作はグリーン系も…」と語り、パステルの作品1点と共にあでやかな雰囲気を広げている。
 
 札幌市東区本町1条1丁目 8-27、茶廊法邑ギャラリーで13日まで。

 ◆写真は、大作の油彩『うちこもるもの』(130号)


 P1020951_convert_20120512103817.jpg  高橋 芳子(たかはし・よしこ)さん
 「目の動きで内面性を表したい。1点仕上げるのに3ヶ月はかかる」。新道展で1989年、91年佳作賞。96年から98年に行動展、99年から01年に新制作展に入選。99年に十勝文化団体協議会新賞受賞。03年には第2回具象の新世紀展に出品。新道展、北海道パステル画協会会員。帯広柏葉高校卒。帯広市生まれ。同市在住。

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透明感に富む多彩な作品 『国井 しゅうめい水彩画展』

 
 透明感に富む色彩に定評があり、緑さわやかな風景を中心に花、人物など多彩なモチーフの作品60点と女性像のデッサン20点を出品、達者な筆力を見せている。函館市在住。個展は数多く、札幌では2008年以来の発表。
 「絵は右脳で描く。水彩画は誰でも楽しく描ける」―。函館、札幌、旭川、千歳で指導しながら精力的に発表を続け、海外取材も豊富。
 光がまぶしいような緑豊かな風景の中に人、馬、牛などを描き、ストーリー性をにじませているのが特徴。しかも、どこにでもある自然の風景をみずみずしく描いている。
 1昨年訪れたスペイン・マドリードの街の表情、昨年訪れたオーストリアの生花店やレストランの花…異国情緒豊か。作品は、バラエティーに富み豊かな感性が伝わってくる。

 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで6日まで。

 ◆写真は、昨年訪れたオーストリアの『観光馬車』


 P1020945_convert_20120503103004.jpg  国井 しゅうめい(くにい・しゅうめい)さん
 絵、音楽、武道と多才。1985年に初個展を開いて以来旭川、東京でも。音楽はピアノを弾き歌う「しっとりコンサート」を函館と札幌で開いており、昨年は函館開催だけで20回記念だった。武道は合気道、居合道を指導。道教育大学函館校卒。1943年山形県生まれ。函館市在住。

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独自の手法で微妙な色彩の美 『井上 まさじ展』


 「描き方を説明してもなかなか分かってもらえない」―。濃密で微妙な色彩の変化が美しく、深い内面性を追求した作品25点を出品。本道の四季をイメージ、変化に富んでいる。個展は毎年。
 「私のような手法で描く作家は、他にいないでしょう」―。描くといっても筆ではない。アクリル絵の具をドロッピングの手法でボードにたらし、乾かし、削り、うねりを作るなど複雑な工程を何10回も繰り返す独自の手法。
 表面に細い針のような絶妙な突起状があり、色彩の変化と共に内面の動きを表している。基調はホワイト。
 風に吹かれるような水紋、風のざわめき、純白の雪の世界、夕焼け空…作品は、そんなイメージを広げる。濁りのない色彩が魅力的。「北海道の風土が必然的に作品に表れる」という。

 札幌市中央区南5西20、ギャラリーミヤシタで6日まで。

 ◆写真は、色彩の変化が絶妙なアクリルによる作品


 P1020921_convert_20120503102729.jpg  井上 まさじ(いのうえ・まさじ)さん
 「大きな作品は、完成まで1年以上かかる」。それでも納得せず個展の度に新たな展開の作品を発表する。札幌での初個展は1986年。以来毎年。10月には東京でも。1996年『北海道・今日の美術 語る身体・10人のアプローチ』 98年『北の創造者たち・平面の断章~知覚される身体性』などに出品。1955年愛知県生まれ。札幌市南区在住。

プロフィール

Author:chikuwapan
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『北海道を彩るアーティスト』
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