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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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風景を中心に具象の美 “グループ環”絵画展

 
 「良い絵を描き、見てくれる方に楽しさを」―。具象の美を追究しているグループの連続13回目の絵画展。15人が油彩、水彩30点を発表。毎回1500人以上のファンが訪れ、今回も初日からにぎわっている。
 美術団体の枠を超えて結集している。退会、死去などでメンバーに変動があるものの結束は固い。
 15人は青野昌勝、猪狩肇基、池上啓一、香取正人、合田典史、佐藤順一、中吉功、西澤宏生、萩原勇雄、橋本禮三、横田章(以上札幌) 岩佐淑子、平原郁子(以上石狩) 佐藤光子(北広島) 中村哲泰(恵庭) の皆さん。
 風景中心に人物を含めて明るい色彩、橋本、香取、合田さんらの風景は、すっきりとした空気感、中吉さんは幻想的、猪狩さんはソフトに、水彩では青野さんの深い質感、岩佐さんの人物は心象性を強めたストーリー性など個性豊かに具象の美を見せている。
 ホットな情緒広がっている。

 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで24日まで。

 ◆写真は、香取正人さんの油彩 『古民家(内子町)』(50号)
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「生命体」テーマに大作 『工藤 悦子個展』

 
 「大きいのを描きたかった」―。150号3点を組み合わせた横幅5.81㍍の大作を中心に13点を発表。『悠久の美(環)』シリーズで生命感に富み色彩も美しい抽象絵画。隔年の開催で今回が11回目。
 テーマは『生命体』。赤系の空間に花びらを思わせる黄色系の大小のフォルムがゆらめき、重なり合い宇宙空間に浮遊しているような描き方。そこには“花びら”が消えては生き返る強い生命力が秘められている。
 入念に下地をつくる。そこに別の特殊な紙に絵の具で描いた絵を転写するデカルコマニーの手法で仕上げている。
 かつては、ブルーの濃淡が基調だったが、08(平成20)年の作品から現在の色彩に。「いろいろな色彩に挑戦したい」―。小品にはワインカラー系やピンク系も。豊かな色彩と共に迫力感が広がっている。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで23日まで。

 ◆写真は、150号3点を合わせた油彩の大作


 P1030087_convert_20120621162138.jpg  工藤 悦子(くどう・えつこ)さん
 キャリア30年以上で初個展は1992年。主体展で94年、96年、97年佳作作家、新道展で89年、90年、93年佳作賞、10年に札幌時計台文化会館の『かおる賞』を受賞。主体展、新道展会員。1942年旧樺太生まれ。江別市在住。

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516点の大作、力作 『第67回全道展』

 
 公募展。絵画、版画、彫刻、工芸の4部門の入賞・入選作品263点と会員、会友作品、さらに7人の物故作家の作品合わせて516点が全館に展示され美と感性を競っている。今年は最高賞の協会賞の該当作品がなかった。最高賞が見送られたのは、1973(昭和48)年以来39年ぶり。
 事務局によると協会賞候補に2点が残った。「1時間にわたって論議をしたが票が割れ、決められなかった。それだけ厳しい審査になった」―。
 入賞作品は28点。絵画は心象から抽象作品が多く大胆な構図、色彩で個性を強調、会員・会友の大作と共に迫力感が広がっている。
 絵画で新会員黒木孝子さん(札幌)の『辿りつく途中』、会友賞小林和子さん(旭川)の『憩の刻』、奨励賞竹生洋子さん(札幌)の『記憶のひと』など独自性を強めている。
 版画も多彩。会友賞田口丞ニさん(帯広)の『水辺・韻』、新会友浅川良美さん(江別)の『大衆食堂』など力作が多い。工芸、彫刻も見応えがある。
 全体にレベルが高く来年の協会賞を楽しみにしたい。

 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで24日まで。

 ◆写真は、会場いっぱいに展示されている作品

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亡き父へ熱い思いのふる里展 『武田 光弘個展』

 
 美唄東高から北大を卒業した作者の初のふる里展。02(平成20)年以来、東京とパリを往復、パリを中心にヨーロッパの風景を描いた油彩30点を出品。また作者が2歳の時に死去した実父で美術教師だった忠雄氏の水彩画2点を出品、思いを新たにしている。
 北大を卒業した1960(昭和35)年にNHKに入局、以来メディアの世界で活躍。「私の絵は父親と対話をしたくなったことから」で、現職中もスケッチブックを持ち歩いた。
 パリを拠点に本格的に絵筆を手にして今年で10年。静物、自画像やチェコ、スコットランドの風景もあるが、中心はパリの風景。
 パリの街を大きなスケールで展望した『空の下』、夜の光景を森閑とした情緒で描いた『夜の街』シリーズなど洗練さと共に入念な描き込み。単なる風景ではなくストーリーが込められており印象深い。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで16日まで。21日から美唄市でも。

 ◆写真は、『Sous le ciel/街(ストラスブール) 』(100号)


 P1030064_convert_20120615144749.jpg  武田 光弘(たけだ・みつひろ)さん
 2歳の時に父親忠雄氏と母親登美子さんと死別。忠雄氏は旧制札幌2中(現札幌西高)の美術教師だったことから、今回のふる里展には特別な思いがある。NHK釧路放送局を皮切りに本部(東京)のディレクター、NHKプロモーション社長、放送番組センター常務理事などを歴任。02年退任、パリに移住。北大教育学部卒。日本美術家連盟会員。1938年札幌市生まれ。東京都杉並区在住。

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個性豊かな油彩25点 『水戸 麻記子絵画展』

 
 油彩。続けている『MITORAMA』のシリーズで発想の豊かなSMから100号まで25点を発表。昨年2月に次いで19回目の個展。
 『MITORAMA』の『MITO』は自身の姓の『水戸』、『RAMA』はパノラマを短くしたもので『広がる』の意味を込めたもの。作品の広がりを強調している。
 その狙い通り風景の中に宇宙人、海上で鳥が三輪車のペダルを踏む…など発想が独創的。
 大作の『甘やかされて』は、男性像のおなかにデコレーションケーキ。『犬と女』は、視線を合わせない沈黙の世界…。
 自由な発想と独得の感性でストーリーをつくり、色彩も暖色系を生かし個性豊かな作品になっている。

 札幌市中央区南1西3、さいとうGalleryで10日まで。

 ◆写真は、油彩の大作『甘やかされて』(100号)


 P1030036_convert_20120606094823.jpg  水戸 麻記子(みと・まきこ)さん
 毎年個展、グループ展で発表。初個展は1995年。主体展で05年、06年に佳作賞、07年秀作作家、道展で08年佳作賞。ご主人もJRタワーARTBOXで「北海道ツラの皮」展を開いている。主体展会員。道教育大学札幌校卒。1972年滝川市生まれ。札幌市南区在住。

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15人が具象の美 『白日会北海道支部展』

 
 今年3月の本展(東京)が88回展だった伝統の美術団体・白日会に本道から出品している会員、準会員、会友、一般入選者による46回目の道支部展。留萌市出身で東京在住の神山晃一さんの賛助出品、昨年10月80歳で他界した高橋芳夫さんの遺作を含め15人が出品。油彩を中心にいずれも大作。意欲が伝わって来る。
 白日会は、具象の美を追求しており水彩3点を含めて本道の風景を大きなスケールで展開した取り組みが多い。3月の本展に出品した作品が主体で7人が入選、うち2人が初入選だった。
 最長老で92歳の川村正男さん(札幌)は、スペインの風景『ベニスの思い出』を明るく若々しく描き、関建治さん(恵庭)の冬景色『春待つ知床』は雄大なスケール。中矢勝善さん(札幌)の『晩秋の頃』は空気感が広がり、堂畑時雄さん(同)の水彩『春の始動』は深い質感で生き生きと描いている。
 道支部では「一層の実力向上を目指して本部から講師を招き講習会を開きたい」としている。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで9日まで。

 ◆写真は、道支部長小堀清純さんの水彩 『塔のある風景』(60号)
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Author:chikuwapan
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