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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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最高賞は菅原さんに 『第32回道彩展』

 
 北海道水彩画会主催の公募展。総搬入数は295点で最高賞の道彩展賞は札幌市北区、主婦菅原留美子さん(59)の『トルソのある静物』に贈られた。会員、会友と入賞・入選作品167点が展示されている。
 作品は具象の風景を中心に人物、静物そして抽象構成…と多彩。搬入総数は昨年より若干減ったものの小堀清純代表は「年々レベルが上がっている」と語り、充実した内容。
 描写力、色彩とも豊かな個性を発揮、受賞者は17人、さらに会員推挙5人、会友推挙は6人。
 最高賞・菅原さんの作品はスマートで上品、道知事賞、会友推挙の中島恭代さん(江別)の『はな・花・ハナ』は咲く花の喜びを画面いっぱいに、昨年札幌市教育長賞、今年奨励賞を受賞、会友推挙の久野省司さん(札幌)の『水辺』は陰影をともない幻想的…など見応えのある力作がそろっている。
 道彩展の育ての親で今年3月に亡くなった八木保次、2月に亡くなった伸子夫妻の遺影と作品も展示されている。22日に受賞式・懇親会が開かれる。

 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで23日まで。

 ◆写真は、左側が菅原留美子さんの作品 『トルソのあの静物』
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本道の風景を雄大に 『関 建治個展』


 本道の風景を描き続けて40年―。今回も「四季の陽射し」をテーマに道内各地の四季の風景を描いた油彩23点を発表。大きなスケール、澄んだ空気感で描き風景絵画の魅力を堪能させる。
 現場主義。冬の寒い時でも現場で筆を手にする。それだけに臨場感がある。
 十勝、知床、函館、富良野…描く風景は広範囲。しかも季節感に富み、明るい日差しが広がり、すっきりとした空気感。色彩に濁りがない。
 春を待つ残雪の知床、広がる上富良野の麦畑、山側から展望した小樽港…雄大なスケールで入念に描き込んでいる。これだけ徹底して道内の各地を描く作家は数少ない。

 札幌市中央区南1西3、さいとうGalleryで23日まで。

 ◆写真は、今年の白日会展に出品した油彩 『春待つ知床』(120号)


 P1030405_convert_20120920103627.jpg  関 建治(せき・けんじ)さん
 「描けば描くほど自然の深さを知らされます」。同じ現場へ何度も行く。初個展は01年。昨年「広報ほくれん」の表紙絵を1年間担当、その原画も展示している。00年に恵庭市立和光小学校長を最後に教職を終えた。白日会会友、水彩グループ楡の会主宰。道学芸大学函館校卒。1939年函館市生まれ。恵庭市在住。

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色彩豊かに独自のアート 『千引 えみこ作品展』

 
 「染めの絵」という独自のアートに取り組んでほぼ10年。花をモチーフに色彩豊かに生き生きと描いた大小の額装の作品56点を発表。昨年11月に次いで通算5回目の個展。
 「花が好きで…」。バラ、ポピー、カーネーションなど数々の花が、表情豊かに風に揺れるように描かれている。その作品は「絵画として発表している人は多分他にいない」という染めの絵。
 木綿の生地にチャンティンと呼ばれる独得の用具にロウを入れて線を引き、染めてから乾燥させ、洗う…を何回も繰り返す非常に手間のかかる工程。しかも染める液体をいろいろ工夫する。
 赤、ピンク、ブルーなどの空間に数々の花が風に、あるいは海中でなびくように軽快に表現されている。花は具象的ではない。作者が独自にアレンジしており色彩、表情とも個性的で美しい。

 札幌市北区北8西1、石の蔵ぎゃらりぃはやしで18日まで。

 ◆写真は、バラの花を描いた染めの絵


 P1030364_convert_20120916122632.jpg  千引 えみこ(ちびき・えみこ)さん
 作品に仕上げてかそれに合う額を特注する。従って多彩で小品はハート型や楕円形も。「花はイメージで基本になるのは約10種類です」。高校時代は油絵、水彩画を描いた。初個展は04年。札幌北斗高校卒。後志管内岩内町生まれ。札幌市西区在住。

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美しい宇宙の世界 『矢崎 勝美展』

 
 「もう30年以上は続けている」という版画の「COSMOSシリーズ」28点を発表。幻想的なCOSMOS(宇宙)の世界を色彩豊かに表現し会場にロマンが広がっている。40回目の個展。
 カラフルで色彩が美しくファンタスティック。版画といっても印刷のオフセット技術、転写のデカルコマニー、吹きつけのエアブラシ、版画のセリグラフ、さらにコラージュ…多彩な技法を駆使して独自の世界をつくり上げている。
 44×44㌢サイズの作品の中に9点の小品を組み合わせている。それは小窓から美しい空を見るようなイメージ。
 赤、プルー、ワインカラー、黒系などの空間に白い線、円、三角状などが重なるように表現され、立体感と共に心地よい響き合いが広がっている。
 洗練された宇宙の世界でありスマートな作品である。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで15日まで。

 ◆写真は、幻想的な作品『COSMOS』(40×40㌢)


 P1030356_convert_20120914151542.jpg  矢崎 勝美(やざき・かつみ)さん
 「作品を見て楽しんで欲しい」。個展はインド、アメリカ、カナダ、韓国など海外でも多数。86年から札幌と上川管内音威子府村で5回開いた「アジアプリントアドベンチャー」の実行委員会事務局代表を務めるなど多くの作品展に出品。作品集も3冊。1940年札幌市生まれ。同市西区在住。

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水墨画中心に69点 『池内流第41回総流展』


 「年々レベルが上がり甲乙つけ難い」―。水墨画、日本画の美を追究している38人が69点を展示、会場に豊かな情緒が広がっている。池内流で伝統の美を学ぶ皆さんの作品展。最高賞の池内賞は芦野久美子さんの水墨画に贈られた。
 作品は額装、軸装、短冊、うちわや扇子、煎茶風炉先屏風など多彩。モチーフは風景と花が中心。
 山田鳳苑、三玉玉愁さんらの絹絵もあるが中心は水墨画。澄んだ墨色の濃淡と筆の走りによる風景や花が勢いと共に優しく描かれ気品がある。
 受賞作品は池彩賞を含めてすべて水墨画。上杉トモ子、能登恵美子さんが画墨賞、田仲春子さんが白雪賞、志田芳影さんが墨韻賞、山本貞夫さんが白萩賞に。
 「高度な技術が求められる」という水墨画の魅力を見せている。

 札幌市中央区大通西5 大五ビル、ギャラリー大通美術館で9日まで。


 ◆写真は、展示されている多彩な作品

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多様な表情の人物像 『木村 富秋展』

 
 1人あるいは2人の人物を中心にストーリー性を秘めた油彩と一部デッサンも含めA、C2室に合わせて40点を発表。A室には30号から200号15点を展示、意欲的な取り組み。通算31回目の個展。
 「最も気を使うのは色彩と構成です」―。その作品はホワイト、イエロー、グリーンなどを背景に人物が多様な表情で描かれている。“表情”といっても目鼻や口が描かれている訳ではない。体全体の表現に音楽的な軽快さやさわやかな季節感が広がっているのが特徴。
 大作『降りてくる夢』は黒い人体を画面いっぱいに描いた大胆な構図であり『懐かしい木陰へ』はリズミカル、『柔らかな光』はソフトな情緒。人物像に存在感がある。
 明るい色彩と共にシャープな線の表現も印象的。
 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで8日まで。

 ◆写真は、大作の油彩『降りてくる夢』(200号)



 P1030309_convert_20120906135721.jpg  木村 富秋(きむら・ふしゅう)さん
 今回のギャラリーでの個展は08年以来だが毎年公募展、グループ展などで精力的に発表。個展と共に絵画教室の新樹の会作品展も開いている。06年に独立展で独立賞、97年に損保ジャパン美術財団選抜展で秀作賞。03年から05年まで全道展事務局長。独立展、全道展会員。1945年伊達市生まれ。札幌市北区在住。
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Author:chikuwapan
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