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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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協会賞は笹森さんの油彩 『第87回道展』

 
 本道最大の公募展である道展が始まり日本画、油彩、水彩、版画、彫刻、工芸の6部門の会員、会友と入賞・入選作品合わせて559点が展示され感性と美を競っている。協会賞は札幌市東区、笹森衣里さん(30)の油彩『最果て』(150号)に。笹森さんは09年以来3年連続佳作賞を受賞している。
 作品は、赤系を中心に深い内面性を追求した抽象構成。道展で抽象作品が協会賞を受賞したのは珍しい。
 今年の応募総数は、油彩の316点を中心に昨年を上回る559点。このうち入選したのは、約半数の259点という厳しさだった。
 圧倒的に多い絵画は、具象の風景や人物画よりストーリー性をにじませた心象的な展開が多い。佳作賞梅原賢伸さん(羽幌町)、佐藤美和子さん(芽室町)の作品は、ともに2人の人物を描き何かを語り、考えているような情景。
 日本画、水彩、彫刻部門に大作が多く、豊かな個性を見せている。水彩では会友賞栗山巽さん(江別市)、新会友西宮隆さん(旭川市)、日本画では佳作賞池田さやかさん(札幌市)ら見応えのある力作が多い。

 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで11月4日まで。その後釧路、帯広、室蘭、北見で移動展が開かれる。

 ◆写真は、壁面いっぱいに展示されている油彩。左側下段が笹森さんの作品
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風格と気品の陶芸 『もみじ窯香西信行作陶展』

 
 「徹夜、徹夜の連続でした」―。今年、穴窯で2回、登り窯で1回焼き上げた気品と風格の各種作品を会場いっぱいに出品、陶芸の魅力を見せている。札幌だけで92(平成4)年以来連続19回目の個展。
 穴窯ではカラ松材を6日から7日、登り窯でも3日は焚き続ける。その量は、穴窯だけで家3戸分が建てられるくらいの量という。
 作品は焼き締めによる各種家庭用品から大壷、白い化粧土による粉引きの作品まで多彩。1300度を超えるまでに温度を上げて焼く穴窯での作品は、木炭が降りかかる度合いによって生じる窯変が微妙な文様と色合いを生み出し神秘的。
 大作『自然灰窯変大壷』は堂々たる風格。大小の皿、水指、茶わんといった家庭用品も深い味わいがある。

 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラルスカイホールで21日まで。

 ◆写真は、堂々とした風格の『自然灰窯変大壷』


 P1030532_convert_20121018172039.jpg  香西 信行(こうさい・のぶゆき)さん
 「来年の20回記念展には、レリーフも出品したい」。1995年に自力で穴窯を築窯。2010年にアメリカ・ワシントン州、オレゴン州などで窯焚きの指導もした。00年に道銀芸術文化奨励賞を受賞。11月1日からくりやまカルチャープラザ「EKI」で移動展を開く。1951年札幌市生まれ。穴窯・陶房は空知管内栗山町。


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光りテーマに立体的に 『カワシマ トモエ個展』

 
 「とかく暗い事故や事件が多い中で日常の生活に光を」―。実る洋ナシや保育園児の帽子を黄色く木製のドアに描き、インスタレーション的に立体的に展示した5点の他、壁面に14点を発表、ざん新な感性を見せている。昨年7月に次ぐ個展で通算19回目。28日から帯広市でも開く。
 大作は、古い木製のドアの表と裏に油絵の具やアクリル絵の具で描いているのが特徴。1996(平成8)年に住んでいたアパートが解体された時のものも。裏側には、かつてテーマにしていた雨の表情を、表側には光りを表すように木に連なる洋ナシや保育園児の黄色い帽子などを描き、過去と現在を対比させている。
 「生と死、幸せと不安の対比でもある」という。
 壁面の大小の作品には、夜の札幌の上空に大きなしずくのように黄色い光りが浮く光景の作品があり印象的。果物を描いた時期もあったが、光りをテーマに発表したものは今回が初めて。展示に工夫があり、訪れるファンと一体感があるのも特徴といえる。

 道教育大学札幌校卒。1996年札幌市生まれ。同市中央区在住。

 札幌市中央区南5西10、ギャラリーミヤシタで21日まで。

 ◆写真は、インスタレーション的に展示されている作品

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札幌西高100周年記念展 『輔仁会美術展・書道展』

 
 札幌西高の創立100周年と定時制90周年を記念した作品展。同校を卒業した同窓生、現在学んでいる学生、職員ら総勢125人が札幌時計台ギャラリー、ギャラリー大通美術館の2会場に多彩な作品を展示、同校の存在感を示している。
 同校は、1914(大正3)年に札幌二中としてスタート、戦後の47(昭和22)年に現校名に。美術分野で著名な卒業生が数多く本道の美術界、書道界で活躍している。
 出品は、二中8期生の本郷新、坂本直行、14期生の佐藤忠良、21期生の本田明二の各氏(いずれも故人)から西高1期生の笠井誠一、5期生山下嘉昭、7期生香西富士夫、8期生本間弧峯といった各氏を始め現在学生の1年生から3年生や旧・現在の職員まで多彩な顔ぶれ。
 作品は油彩、水彩、日本画、彫刻、工芸、書道、デザインなど幅広い。本郷新の彫刻『本田明二像』、坂本直行の油彩『ぺテガリ岳』など興味深い作品が多い。記念の作品集も発行される。

 札幌時計台ギャラリーは13日、ギャラリー大通美術館は14日まで。

 ◆写真は、展示されている数々の作品

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14人が不思議な世界 『札幌美術展』

   P1030460_convert_20121007104601.jpg
 「パラレルワールド冒険譚」のタイトルで札幌市在住を中心に14人の作家が、不思議な世界を表現した多彩な作品140点を発表、訪れるファンを楽しませている。油彩画、アクリル画、日本画、写真、立体、インスタレーションと幅広い。
 同展は、91(平成3)年から札幌市民ギャラリーで「さっぽろ美術展」として開催。出品作家は選抜制だった。08年から現在の芸術の森美術館で企画展として再スタートした。
 今回の作品のテーマは「日頃見たり感じたりしない別の世界があるかも知れない」という「パラレルワールド」。登別、釧路市在住と2人の物故作家も加わり、会場いっぱいにあり得ないような世界を展開している。
 破壊した建物の一部や破片が空を飛ぶ、都市の建造物が天空に突き出ている、床面と壁面に虫の大群が群れをなしている、人と動物が一体化したような高い木…発想の豊かさと造形美である。
 出品作家の最高齢は、札幌市の谷口一芳さんで93歳。9月29日のオープニングで出品作家を代表してテープカットをした。

 札幌市南区芸術の森2、札幌芸術の森美術館で11月4日まで。

 ◆写真は、平向功一さんの日本画『午後の訪問者』(左)と浅井憲一さんのインスタレーション

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独得の「顔」に個性 『佐藤 愛子作品展』

 
 「顔を描くのが好きなんです」―。人や動物の顔を思い切ったデフォルメ調で描いた油彩33点と箱に描いたボックスアート15点を発表。室蘭市在住で札幌市での個展は09(平成21)年以来3年振りの2回目だが、函館市で6回開いている。
 「楽しみながら描いている」という顔は男女のほか犬、猫、ネズミなど多彩。基本は具象だが、線の走り、彩色は自由自在といった感じで何かを語りかけるように描いている。
 中でもモノクロ調の大作『いぬⅡ』『ねずみ』は鉛筆やコンテも使い、さらに引っかくような手法で顔を大きくアップ、リアル感の中にもユーモアを漂わせている。
 特別なモデルはいないという。独得の個性を見せている。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで6日まで開かれた。

 ◆写真は、モノクロ調の大作 『いぬⅡ』(100号)


 P1030478_convert_20121007104352.jpg  佐藤 愛子(さとう・あいこ)さん
 「学生時代は体育系だった」そうで40歳になってから描き始めた。新道展で1997年、01年、02年に佳作賞、この間00年に協会賞を受賞。上野の森美術館の日本の自然を描く展で昨年と今年入賞。30年住んだ函館市から室蘭市へ。新道展会員、春陽会会友。1949年室蘭市生まれ。同市在住。


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