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鉄彫刻35点を発表 『浅井 憲一作品展』

1980(昭和55)年以来鉄彫刻を発表しており、今回も“動物シリーズ”の作品を中心に35点を発表。今年7月に札幌で個展、9月には「パラレルワールド冒険譚」(札幌芸術の森美術館)に出品するなど精力的な取り組みを続けている。
「鉄を切り、たたき、溶接する、の繰り返しです」。ろうそくをともす作品もあるが、多くは何かを訴え、考えさせ、あるいは風刺するような鉄のアート。
牛や馬を網状に仕上げた『向こう側の風景』、ネコが首を長くしている『待ちぼうけ』、鉄線だけでダチョウを表現した高さ1・2㍍の作品…ユーモアをも秘めている。
大きな卵の作品は8個。鎖が割れ目から見える、羽が生えて飛び立ちそうなど“語り”が込められている。
透明の塗装を施すだけで色彩はない。黒の輝きが魅力でもある。
札幌市中央区南1西3、さいとうGalleryで12月2日まで。
◆写真は、鉄筋の作品 『向こう側の風景』(手前)

「動物の形を借りて思いを表現している」。1983年道展に初出品して新人賞、93年環境芸術大賞展で佳作賞。初個展は88年。来年5月にも個展。AZプロジェクトを主宰、森の工房、工芸ギャラリーを開いている。1952年大阪市生まれ。札幌市南区在住。
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心いやすろうのアート 『杉浦篤子キャンドルクラフト展』

「作っている方は増えてきましたが、個展をするのは私くらいかも」というキャンドルクラフトを会場いっぱいに展示、幻想的なムード。札幌で隔年で発表。展示されている大小約200点の“ろうのアート”が安らぎを与えている。
キャリアほぼ20年。固形のパラフィンワックスを溶かし、さらに溶かした粉末の顔料とキャンドルカラーで色彩、色とりどりの多彩な容器状の形を作り上げている。
その中には、ろうそくの糸があり、火をつけるとファンタスティックな情緒。
床面には、ソフトな赤系の花びらやつぼみ状の作品約50個が広がり、ろうそくのゆらめき画心をいやす。
卓上には角状、円すい状など数々の作品。赤、黄色、ブルーなどで彩られ、しかも透明感があり優しい。妹の景子さんもサンドブラストのガラス作品を発表している。
札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで12月1日まで。
◆写真は、幻想的な情緒の数々の作品

「キャンドルクラフトの歴史は古いのですが、私が始めたころは作家が少なかった」。雪の夜に展示すると美しさは格別で勤めている大学で10年間続けた。キャンドルクラフト大賞展で03年に大賞。藤女子大学保育学科教授。道教育大学教育専攻科修了。1947年札幌市生まれ。江別市在住。
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風景、静物の水彩画24点 『小堀 清純展』

今年7月、留萌管内焼尻島にスケッチ旅行に行って来た。その時の風景を中心に札幌の風景、静物の大作なとせ水彩画24点を発表。サムホールから80号。今年5月に次いで7回目の個展。
「不透明水彩絵の具で描くと、しっとり感がある」―。その絵の具だけで描いたのと透明水彩絵の具とをミックスした手法の作品がある。いずれも透明感に富み、風景は大きなスケール。
焼尻島の『早朝の港』、「行く途中に見た」という『灯台のある風景』は、ブルーの広がりがさわやか。明るい色彩で描き、空気感がある。
一方、『陶器のある静物』などの静物の大作は入念な描き込み。水彩画とは思えない質感であり風格がある。
札幌市中央区南1西3、さいとうGalleryで25日まで。
◆写真は、焼尻島の風景 『早朝の港』(20号)

道内各地を始め海外へも。主にフランス製の紙に描いている。04年3月に札幌高等裁判所民事首席書記官を退職した年に初個展。1981年道彩展の結成に参加。白日会展で85年佳作賞、88年準会員奨励賞。白日会道支部長、道彩展代表。札幌東高卒。1943年夕張市生まれ。札幌市西区在住。
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大賞は札幌の関川さん 『北海道高齢者陶芸展』

60歳以上を対象に北海道陶芸協会(藤井勇吉会長)が毎年開いている公募展。今年は第30回記念展。67人から93点の応募があり、北海道陶芸協会大賞・道知事賞は、札幌市東区の関川英紀さん(72)の『家族』と題した明るく楽しい作品に。出品の最高齢者は、同東区、牧ノ瀬房子さんで91歳だった。
同展は、北海道陶芸協会創始者の故下澤土泡氏が「年輩の方に生きがいを」と1984(昭和59)年に第1回展を開いたのが始まり。
今年も道内各地から個性豊かな作品が寄せられ、アートに年齢は関係ないことを実証した。関川さんの作品は、フグを形取った大小の注器を組み合わせたホットなつくり。
30回展記念で2人に特別賞が贈られたほか、作品集も発刊する。
来年の31回展から名称を『北海道シニア陶芸展』と変え応募年齢も引き下げる。
大賞以外の主な受賞者は下記の通り(敬称略)
▽札幌市長賞 高野澄子(釧路町) ▽道教育長賞 湯沢隆(札幌) ▽札幌市教育長賞 岡なみ子(北見) ▽土泡賞 三浦綾子(同) ▽北海道新聞社賞 武藤文子(訓子府町) ▽STV賞 光田完(当麻町) ▽審査員特別賞 唐津瑞江(豊浦町)
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで25日まで。
◆写真は、大賞を受賞した関川英紀さんの作品 『家族』
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農村の生活に熱い思い 『竹津 昇水彩画展』

今年の第87回道展で会員推挙になった作者が300号、150号という大作4点を中心に合わせて24点を発表。大作は、牛舎の内部に視点を当て無言の語りを強調、小品は石狩と空知管内、スペインの風景を空気を多漂わせて描いている。
「絵は何を追求しているかです」。農村の古い家や納屋の内部を入念に描き歴史と生活感を描き出している。人影のない牛舎の内部を描いた大作『屋根裏』『光陰』には無言の語りが秘められている。
茶系の濃淡で光と影を描いている。300号の大作『祈り』は「東北大震災からの復興をイメージした」もので、軒下の多数の生活必需品が呼吸を感じさせる。この大作を近日中に段ボールで立体的に再現するという。
風景は長沼町の『農家の道』、安平町の『晩秋』、スペインの光景など四季の変化を広々と描いている。
札幌市西区山の手7条6丁目4の25、山の手ギャラリーで22日まで。
◆写真は、水彩の大作 『祈り』(300号)

個展、グループ展は数多く、来年9月からロシア・ノボシビルスクで水彩3人展を開く。99年からスペインへ7回行っており農村の生活を描いている。風景は現場で仕上げる。イタリアの水彩紙に描いている。受賞歴も数多く道展、一線展会員、水彩連盟展準会員。道教育大学釧路校卒。1958年恵庭市生まれ。千歳市在住。
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カラフルで華やいだ雰囲気 『大地康雄の油絵展』

昨年から取り組んでいる「方舟シリーズ」の油彩の大作を中心にホタテなどの貝殻に描いた作品、立体版画合わせて30点を発表。色彩がカラフル。しかも年々構図がデフォルメ化され、華やいだ雰囲気に。
「大震災から抜け出して夢と希望のドラマを」―。そんな思いを込めた作品は、主に赤系を背景に大きな扇状を構成、その中に黄色、白、ブルー系などによる線が思い切りよく、あるいは繊細に走り“自由な世界”を作り上げている。
かつては、白を基調にしたトルソを中心に浮世絵のイメージを強調していた。今回は完全に脱却、ドラマを秘めた色彩空間に仕上げている。
大作は、半立体の屏風形式なのも特徴。扇状のフォルムが二重、三重に広がっている作品は、明るい希望を印象づける。
札幌市中央区北3西3、大同ギャラリーで20日まで。
◆写真は、油彩の『方舟シリーズ(大震災からの脱却)』 (変形200号)

1965年の“北方風景シリーズ”を皮切りに「トルソのある部屋」「人間模様」「異次元紀行」シリーズを続けてきた。全道展、独立展、道教職員美術展で受賞、01年には独立賞を受賞。個展は65年以来続けている。独立展、全道展会員。岩手大学卒。1938年岩内町生まれ。札幌市手稲区在住。
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会員30人が多彩な作品 『石狩美術協会創立記念展』

「地元の文化の振興に寄与したい」として、今年4月に創立された石狩美術協会(川本ヤスヒロ事務局長)の作品展。会員30人が油彩、水彩、版画、陶芸合わせて38点を出品、多彩な記念展になっている。
石狩市には多くのアーティストがいるが、殆んどが札幌市で発表している。このため、互いに親睦を深めながら地元住民に美術に親しんでもらえる機会を―と協会が発会、今後毎年美術展を開いて行くことにした。
会員30人の多くは道内外の公募展で活躍、個展、グループ展でも発表している。
川本事務局長は「記念展は、それぞれベストの作品を出品して市民の皆さんに見てもらうようにした」と語り、大作が会場を飾っている。
田岡克介石狩市長も「新しい文化の集いを作る場になることを期待します」とエールを送っている。
石狩市花畔1条1丁目、アートウォームで11日まで(入場無料)。
◆写真は、出品されている数々の作品
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本道の風景を生き生きと 『香取 正人作品展』

本道各地の風景を中心に大きなスケールで描き続けており、今回も澄んだ空気感に富む油彩をA、B2室に46点を発表。毎年精力的な取り組みを続けている。
「道内は、行かない所がないくらい」で本州へも。札幌、小樽、函館、十勝などの四季を始め三重・和歌山県の風景を明るい色彩で生き生きと描いている。
夜景の『函館の漁火』といった作品もあるが、多くは動的なタッチで空気感が広がる自然の魅力を描き込んでいる。
そんな中で横3・1㍍×縦59㌢の『札幌の街・夏』が興味深い。近代ビルが林立する中の札幌時計台と大通公園での盆踊りを組み合わせ、歴史を感じさせる。
札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで10日まで。
◆写真は、旭岳を望んだ油彩 『初秋の高原』(80号)

旅行会社が企画するスケッチ旅行の指導者として同行することが多い。今年、ホクレン広報誌の表紙絵を担当している。80年にスペイン美術賞展、白日会展、82年日洋展に入選。05年から新道展事務局長、具象作家集団“グループ環”会員。02年に札幌南が丘中学校長を最後に教職生活を終えた。道学芸大学(現道教育大学)札幌校卒。1936年札幌市生まれ。同市西区在住。
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多彩な気品と風格の作品 『北海道陶芸会展』

1968(昭和43)年に発表以来創作・発表活動を続けている北海道陶芸会(中村裕会長)が前期と後期に分けて多彩な作品を発表。総勢23人は、プロの陶芸家。
同会は、08年に創立40周年記念で米・ポートランド市で陶芸展を開くなど意欲的な取り組みを続けている。会員は札幌市と近郊都市を中心に旭川、室蘭、函館、釧路市など幅広い。
作品は、共通のテーマの「注ぐ」を始め大小の皿、大つぼ、カップ類、酒器セットなど個性豊かな作品を会場いっぱいに展示。
小泉満恵、高井秀樹さんの清そで気品のある白磁の作品、中村照子さんのカボチャを形取った水注ぎ、山梨保子さんの堂々とした風格の『赤結晶壷』、増原香織さんのガラス容器を思わせるカップ類…それぞれが独自の技法で作り上げ、展示作品は気品と風格を競い合っている。
札幌市中央区南1西2、丸井今井一条館8階美術工芸ギャラリーで前期は6日まで、後期は7日から12日。
◆写真は、展示されている多彩な作品
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響き合う宇宙の世界 『藤野 千鶴子展』

「30年以上は続けている」という“宙(そら)”シリーズの油彩の大作を中心にペン画も含めて38点を出品。明るい色彩で会話が響いてくるような楽しい宇宙の世界。毎年精力的に発表を続けている。
200号、100号などの大作は“神様トーク”シリーズ。宙に浮く大きな太陽やハートを中心に鳥、星、円や半円状の線の走りが、淡いブルーやホワイト調の宇宙空間に自由自在といった感じで描かれている。
「新鮮で楽しく描いた」―。画面いっぱいに心地よい響きが広がっている。洗練された色彩と同時にホワイトの広がりが効果的。
モノクロームの作品も。カラフルな色彩と同様にリズミカルで幻想的。独自の心象の世界を作り上げている。
札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで3日まで。
◆写真は、油彩の『神様トーク』(200号)

個展は東京、名古屋、大阪など各地で。今回の時計台ギャラリーだけでも1988年から続けている。新道展で73年協会賞、美術文化展で94年、99年、00年に会員努力賞、94年に安田火災財団奨励賞など。08年に紺綬褒章を受賞。新道展、美術文化協会会員。1937年旭川市生まれ。札幌市豊平区在住。