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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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本道の風景の魅力存分に 『越澤 満回顧展』

 
 道展、一水会、グループ“環”で存在感を発揮しながら2010年11月、78歳の生涯を終えた作者の回顧展。1954年の自画像から札幌市西区の初冬を描いた未完成の絶筆まで60点のほか、多数のスケッチ集が展示され、在りし日をしのんでいる。
 生前「北海道百景を描くのが夢」と語っていた。道内各地を回り四季の表情を生き生きと、雄大なスケールで展開していた。
 1953年に19歳で道展に初入選、以来一水会展でも入選・入賞し、71年には日展にも入選、本道の具象絵画の作家集団、グループ″環“の創立会員でもあった。
 個展も数多く、03年には東京で古希記念展を開いた。
 徹底して本道の風景を描いた。「人があまり行かない所を描く」を信条にしていた。
 出展の中心は『石狩晩秋』(1997年) 『冬の積丹浜』(93年)など秋から冬を描いた大作だが、画面の半分は空を描いた『夏の能取湖』(98年)など四季の表情をダイナミックに生き生きと描き上げている。
 サハリン、イタリアの作品もあるが、風景絵画の魅力を存分に見せている。

 1932年岩見沢市生まれ。遺族宅は札幌市西区。

 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで30日まで。


 ◆写真は、亡くなる少し前に描いた油彩 『雪の西野路』 (30号)
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気品と風格の青白磁 『高井 秀樹作陶展』

 
 「本格的に取り組んで2~3年」という気品に満ちた青白磁の数々の作品を中心に発表。「これまでも磁器っぽい作品を作っていた」が、本格的な青白磁の作品をそろえた個展は昨年6月の函館展以来2回目。
 陶芸歴37年。公募展で数多く受賞している。その作品は、いわゆる土もので木灰釉によるものだった。だが青白磁への願望があり、土ものとはいっても白磁を思わせる作品だった。
 だが2011年とその翌年に佐賀県の人間国宝、井上萬二氏の白磁研修会に本道からただ一人参加したことが大きな刺激となり、新たな挑戦が始まった。
 作品は、直径40㌢の花器から大小の皿、コーヒーカップ、箸置きなど多彩。それらは、単なる白ではなく薄く青白く輝いている。しかも鏡のような質感。気品と風格が漂い思わず手に取ってみたくなる。
 紋様は一切ない。微妙なブルーが神秘的でさえある。

 札幌市中央区南1西2、丸井今井一条館8階美術工芸ギャラリーで24日まで。

 ◆写真は、気品の作品 『青白磁広口壺』 (直径36㌢)



 P1040192_convert_20130622112130.jpg  高井 秀樹(たかい・ひでき)さん
 「研修会に参加して大きな驚きでした」。ガス窯で焼成するが、土ものより高温で制作には非常に神経を使うという。1985年道南の大野町(現北斗市)にキリール陶房を築窯、02年に函館市に移転。花のうつわ展、日本伝統工芸新作展、道展などで受賞。日本工芸会正会員、道展、赤光社、北海道陶芸会会員。1957年函館市生まれ。同市在住。

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東日本大震災テーマに 『湊 征一郎詩画展』



 「取り組んで11年」というポリプロピレン(PP)孔版画の作品45点のほかアクリル画、紙に油絵の具で描いた作品、さらに詩画集など多彩な出品。『東日本大震災』からをテーマに絵と詩を組み合わせた作品。個展は数多く「30回にはなります」。
 PP孔版画とは、生花店でラッピングシートなどとして使われている透明のフィルムを活用した手法。ポリプロピレンは、普段は“使い捨て”の素材。これに描く絵をカッターナイフで切り、画用紙に載せて、その上から水彩絵の具で彩色して仕上げる、という手法。
 今回は「金子みすゞが東日本大震災をどのように感じたか」を思い『幻想の少女』と題し、絵と詩をセットにした詩画展に。詩は、作者自身のもの。
 窓から空を描いた『明日は晴れなの』、大波にゆれながら乗り切ろうとする舟の『ひとの心根』など数々の作品は、臨場感に富んでいる。
 会場で実際に作品を制作してみせている。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で16日まで。

 ◆写真は、展示されているPP孔版画の作品と詩



 P1040182_convert_20130613171221.jpg  湊 征一郎(みなと・せいいちろう)さん
 元々は油彩。公募展で受賞していた。02年、還暦の年にPP孔版画を独自に考案、札幌孔版画会を創立、指導をしている。「PP孔版画を発表しているのは、全国的にも私だけです」。9月にも個展を開く。1941年留萌管内苫前町生まれ。札幌市中央区在住。


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16人が具象絵画の美 『第14回“グループ環″絵画展』

 
 美術団体や地域の枠を超えて具象絵画の美を追究しているグループの作品展。2000年に13人のメンバーで第1回展を開いて以来連続14回目。今回は、16人が油彩を中心に水彩も含めて具象の美の魅力を見せ、訪れるファンの心を捉えている。
 「垣根を取り払い、親しまれるグループ」をモットーに、それぞれが感性豊かな作品32展を発表。30号から50号が中心。
 第1回展からのメンバーは香取正人、中村哲泰、中吉功、萩原勇雄、横田章さんの5人。今回から枝広健二、藤井高志さんが加わった。全員が公募展、個展で存在感を発揮している。
 水彩は岩佐叔子、青野昌勝、平原郁子さん。
 風景をモチーフにした力作が印象的だが、人物を中心にした作品も増えてきた。
 風景では香取さんの『小樽運河』が個性豊かであり、同じ運河でも猪狩肇基さんの油彩は静寂な情緒。中吉さんの『港A』は幻想的なムード、風景は、どの作品も大きなスケール。空気感がある。
 岩佐さんの人物画はストーリー性を秘め、佐藤光子さんの油彩『母の日記』は思いが込められている。
 具象絵画のファンが多く、今年も延べ約1500人の入場者が見込まれている。

 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで16日まで。


 ◆写真は、横田章さんの油彩 『サンゴ草に風わたる』(50号)
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Author:chikuwapan
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