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みなぎる大地の生命力 『楢原 武正展』

1990年以来「大地/開墾」をテーマに取り組んでいる黒の世界のインスタレーション。会場いぱいに大地の生命がみなぎるように展示され、思わず息をのむ。1昨年、古希記念展を開いて以来の個展だが、毎年精力的に発表を続けている。
「完成までに3日かかった」という今回の「大地/開墾」は、廃材を活用したアート。くぎ、鉄板、空き缶、針金、板、角材、シート…なんでも活用し、丸太に鉄板を巻き付け、くぎをびっしり打ち込んだ大小の黒い木々が、未開の大地からにょきにょきと天に伸びている。
たくましい生命力が広がっている。
地表には、大小の球体が無数に転がっている。芽ばえの種子であろうか。
それらは、すべて真っ黒。それが強い生命力を印象づけ、開墾の呼吸が伝わってくる。十勝出身の作者ならではのエネルギーが秘められている。
札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で26日まで。
◆写真は、会場いっぱいのインスタレーション

「次々とイメージがわくのです。作っている時は苦痛はないが、作品の搬入・搬出が大変」。常にダイナミックな取り組みを続け、1990年にタイトルを「大地/開墾」とした。行動美術展で行動賞、北海道の美術・イメージ群で新人賞など多数受賞。初個展は1976年。1942年十勝管内広尾町生まれ。札幌市中央区在住。
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19人が多彩な作品 「和」を楽しむ

アートのジャンルを超えて“美”を楽しもう―。総勢19人が多彩な作品を発表、新春にふさわしいホットな情緒を広げている。
画廊のオーナーで日本画家の法邑美智子さんの呼びかけで実現した。作品は絵画、あかり、漆、書、陶器、写真など9分野。それぞれ個性豊かな作品が競い合うように展示されていて、互いに語り合うような雰囲気でもある。
浅野天鐘さんの日本画は初冬の風景を幻想的に、山岸せいじさんの写真は抽象的でカラフルな織物のように独特の表現、前田育子さんの陶器はかんなくずを組み合わせたようで今にも崩れ落ちそう。天内岳堂さんの書・四面屏風は気品と風格に満ち、鎌田光彦さんの写真は自然の神秘感…などそれぞれが技量と感性を発揮している。
それらが調和してなごやかな雰囲気を広げている。法邑オーナーは早くも来春の企画を考えている。
札幌市東区本町1-1-8-27、茶廊法邑で23日まで。
◆写真は、書の大作を中心にした展示