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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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色彩鮮やかに生き生きと 『亀井 由利展』

 

 「基本的には具象でテーマは生命、エネルギーです」―。色彩のコントラストが鮮やかな油彩とアクリルによる作品20点を出品、会場に活力感が広がっている。毎年、精力的な取り組みを続けており、6月にも個展を予定している。
 かつては人物など具象構成だった。今回も『生命の樹』と題した1本の大木を描いた作品がある以外は「取り組んで10年以上…」という抽象的な展開、それは色鮮やかで動的。
 黒を背景に白のうねりが走る、動的なグリーンの中で赤が重なり合う、黒、白、グリーンがぶつかり合う…金や銀箔も使い色彩が流れるように、あるいは反発し合うように描き込まれている。
 「集中して描くといい作品が出来る」と語り、気迫が伝わってくる。色彩に濁りがなく、空間に走る線状がリズミカルなのも魅力といえる。


 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで3月2日まで。


 ◆写真は、動的で色彩鮮やかな10号の作品





 P1040876_convert_20140227085503.jpg  亀井 由利(かめい・ゆり)さん
 ドリッピングの手法を駆使「作為的にはしないようにしています」。故熊谷善正氏に師事、1980年二科展に初入選。その後サロン・ド・トンヌ、女流画家協会展などに入選。97年新道展で佳作賞。昨年道・黒龍江省国際交流展に出品。新道展、日本美術家連盟会員。1952年室蘭市生まれ。札幌市中央区在住。
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水彩画の魅力を競う 『道彩会会員会友展』

 
 北海道水彩画会(小堀清純代表)の第33回会員会友展。合わせて71点が3室に展示され水彩画の魅力を競っている。10号から50号。
 作品は風景、花、人物を中心に抽象的な展開もあり多彩。描く楽しさ、喜びを感じさせる。その中で木田喜重さん(札幌)の『赤秋』が、時計台ギャラリーが出賞する「みず賞」を受賞した。
 花を描いた大原美智子さん(紋別)の『年の始めに』は画面いっぱいにユリの花を生き生きと、新会員・菅原策夫さん(札幌)の『カサブランカ』はリズミカル…な描き込み。
 風景では、黄倉和子さん(江別)の森閑とした空気感の『さむい朝』、中井久美子さん(札幌)の厳しい冬の情景の『道』が印象的。
 当然のように具象作品が中心だが抽象構成の栗山巽さん(江別)の『宙―14』、小林ゆかりさん(同)の『大地』は独自の感性をみせている。
 今年の公募の第34回道彩展は、8月に札幌市民ギャラリーで開かれる。昨年は264点の応募があった。どのような大作を見せてくれるのか楽しみにしたい。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで3月1日まで。


 ◆写真は「みず賞」を受賞した木田喜重さんの作品『赤秋』(40号)

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宇宙感とロマンに迫る 「荒巻義雄の世界」展


 SF作家で札幌時計台ギャラリー代表である作者の壮大な宇宙感とロマンの世界に迫る初の企画展。多角的に幅広い分野から視点を当てている。昨年、札幌芸術賞を受賞しており、創作の原点を知る内容になっている。
 1970年にSF評論『街の小説論』、短編『大いなる正午』でデビュー以来1990年代の『紺碧の艦隊』シリーズで人気作家となった。美術評論のほか近年は詩や俳句の世界にも。
 精力的な執筆活動、豊かな発想はどこから生まれるのだろうか…展示はその“なぞ”に迫ろうとしている。
 幼児期から数々の愛読書、豊富な海外旅行のスナップ写真、絵画コレクション、少年期に『こうした本を読んで私になった』、「日常出会った新たな存在」という『ガラクタ博物館』など多くのコーナーが設けられていて興味深い。
 単なる展示だけではなく視覚に訴える工夫がされており『荒巻邸の書斎』は、パノラマ映像で動的に写し出されている。対談やギャラリーツアーもあり、ストーリーが込められている。


 札幌市中央区中島公園、道立文学館で3月23日まで(月曜日休館)。


 ◆写真は、多彩に展示された会場





 P1040863_convert_20140220095601.jpg  荒巻 義雄(あらまき・よしお)さん
 今回の企画展は「荒巻義雄の脳内宇宙」といわれいてる。SF作家の第一人者で『柔らかい時計』『旭日の艦隊』など著者は180冊に及ぶ。札幌時計台ギャラリーの美術評論誌『21ACT』を主宰、一昨年詩集『骸骨半島』で道新文学賞を受賞。早稲田大学、北海学園大学卒。1933年小樽市生まれ。札幌市中央区在住。

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故人をしのぶ“光の絵画” 杉山 留美子展

 
 “光の絵画“と呼ばれる独自の世界を展開しながら昨年6月4日、71歳の生涯を終えた作者の遺作展。茶廊法邑とすぐ近くにある品品法邑の2ヶ所に合わせて約150点のほかアトリエも再現され、毎年のようにこてん、グループ展で発表を続けた足跡をしのんでいる。
 開いたのは法邑芸術文化振興会。杉山さんが2011年に茶廊法邑で開いた個展の時に「まだ満足していない。この空間でもう一度やりたい」と語っていた。今年6月に予定が組まれていた。それが遺作展に。
 美術家の杉山さんは、道学芸大学(現道教育大学)札幌校卒で札幌大谷短大教授だった。
 作品の基調は『色彩』。「色は言語。微妙な感情や言葉を色彩で表現している」と語っていた。大小の作品は、ブルー、グリーンなど微妙に変化する色彩の組み合わせ、あるいは幾何学紋様、マンダラ紋様などを美しい色彩で描き上げ“光の絵画“と称されていた。
 アトリエに残されていた作品は300点と言われ、その一部が公開されている。アトリエからを再現したコーナーからは“呼吸”が伝わってくる。
 個展は東京や米・ニューヨークでも。1986年に北海道国際文化交流賞、08年に札幌芸術賞を受賞している。3月3日茶廊法邑で故人をしのぶ演奏会が開かれる。

 札幌市東区本町1-1、茶廊法邑と品品法邑で3月6日まで。


 ◆写真は、展示されている多彩な絵画

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優しくホットな情緒 『中島 敏文パステル・水彩画展』

 
 『優しい時』をテーマに四季の光景、窓辺の静物、遊んでる女の子などを描いたパステル画と水彩画25点を発表。透明感に富む色彩でホットな情緒を広げている。個展は数多く8月にも定山渓温泉・ぬくもりの宿ふる川で開く。
 描く基調は「温かな日差し、柔らかな影が作り出す穏やかな情緒」で風景、花を中心に丁寧に描いている。
 風景は、主に札幌市と近郊の春から冬の情緒。冬景色の『新雪の夕暮れ』『春近し雪原』などは幻想的でもあり、梅が咲き誇る『梅林の園』は、春の喜びを画面いっぱいに描き上げている。
 優しく情緒豊か。水辺の少女、草原で花を摘む少女、あるいはアジサイの中の若い女性などを優しい目でとらえている。作者の温厚な人柄をしのばせる。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで16日まで。

 ◆写真は、水彩画の『梅林の園』




 P1040847_convert_20140213113833.jpg  中島 敏文(なかじま・としふみ)さん
 『優しいひと』『優しい風』など”優しいシリーズ″を続けている。札幌でイラストレーターとしてデザイン会社に勤務、その後独立、1982年『イラストルーム・ナカジマ』を設立。初個展は2004年。北海道芸術デザイン専門学校のほか絵画教室の講師。1950年岩見沢市生まれ。札幌市厚別区在住。

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光とさわやかな空気感 『酒井 芳元水彩画展』




 「北海道に住んでいなければ描けない絵を」―。冬から秋の各地の風景を朝の光とさわやかな空気感で描いた作品を中心に花や海外の風景を描いた水彩画35点を発表。毎年個展、グループ展で発表「今年中にもう一度個展を開きたい」。
 高校2年生で三軌会展(東京)に入選以来絵画ひと筋。今年で37年。その作品は、光りを重視し、しかもさわやかな空気感で描き上げている。
 光は朝が良いという。作品『冬の光』は雪原に木々の影が長く伸び、『冬山と雪原』は朝やけの光景であり、『白梓の林』は、朝の光りが斜めに差し込み、森閑とした情緒。色彩の透明感も魅力。
 海外の風景『プラハ高台からの眺め』『ウィーン街』などは異国情緒に富み、バラの花は画面いっぱいにコントラスト豊かに描いている。
 達者な筆勢である。


 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で16日まで。


 ◆写真は、水彩画『冬の光り』





 P1040838_convert_20140213113648.jpg  酒井 芳元(さかい・よしもと)さん
 「絵を描かない日はありません」。描くのも早い。「光りの様子を現場でよく見ます」。高校2年から三軌会展ら入選を続け1988年安田火災美術財団奨励賞、92年三軌展奨励賞を受賞。個展は東京、京都でも。絵画教室で150人を指導している。三軌会会員。東海大学芸術学科卒。1960年倶知安町生まれ。札幌市西区在住。
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Author:chikuwapan
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