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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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風景を雄大なスケールで 『合田 早苗江水彩画展』

 
 「初夏の若葉色が好きなんです」。グリーン系を基調にした風景の水彩画を中心にバラ、アネモネなどの花や静物の作品合わせて26点を出品。入念な描き込みと同時に生き生きとした筆勢。サムホールから60号。2012年に次いで8回目の個展。
 メーンの大作の風景は、建物が樹林に見え隠れするような奥行きのある北大構内を描いた作品もあるが、多くは道内各地の新緑の光景。それを大きなスケールで展開している。しかも筆勢が動的で空気感が広がっている。
 旭川近郊の『丘に登れば』、赤井川村の『霧が晴れる時』、十勝の『初夏の丘』など農村風景を見渡すように広々と描き込んでいる。
 羊蹄山を真正面から捉えた堂々としたスケールの作品など、深いマチエール。リズム感もある。

 札幌市中央区南1西3、ラ・ガレリア、さいとうgalleryで30日まで。

 ◆写真は、旭川近郊を描いた『丘に登れば』(40号)


 P1040947_convert_20140327163101.jpg  合田 早苗江(ごうだ・さなえ)さん
 「亡くなった八木保次、信子夫妻からグリーンの追究を、と指導を受けました」。初個展は1998年。新道展会員のご主人、合田典史氏と2回2人展も。2011年の道彩会会員・会友展で「みず賞」を受賞。道彩会会員。道教育大学札幌校卒。釧路市生まれ。札幌市手稲区在住。
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重厚で堂々としたスケール 『柴崎 康男展』

 
 「山や岬、船が停泊している港の風景を描きたいのです」。道内とカナダやスイスの山を重厚な無マチエールで描いた油彩16点を発表。ともに堂々としたスケール。色彩の輝きも魅力。サムホールから80号。札幌では4回目の個展。
 絵筆を手にして40年以上。そのキャリアから展開される油彩は、雄大なスケールの山や港の風景。それらはブルー、黒、グレー、白を基調に重厚なタッチで画面いっぱいに描いている。
 港に船がひしめく『白い船のある風景』は抽象的だが昭和新山、樽前山やスイス、カナダの山を描いた油彩は堂々とした姿を捉えた具象。
 絵の具を何層にも重ね、山の存在感を強調している。輝くようなブルーの濃淡が神秘的であり、黒を基調にした山の表情は、どっしりとした風格。


 札幌市厚別区中央2-5、デュオ2・新さっぽろギャラリーで24日まで。


 ◆写真は、船が重なり合うような港の風景を描いた『白い船のある風景』(80号)





 P1040934_convert_20140322114144.jpg  柴崎 康男(しばさき・やすお)さん
 毎年個展、グループ展で発表、7月に新道展、9月二科展がある。昨年6月カナダへ。師は故熊谷善正氏。二科展で1991年特選、新道展で05年佳作。二科会会友、新道展会員。1952年室蘭市生まれ。伊達市在住。

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25人が多彩な168点 『サッポロ未来展』

 
 「若い力で芸術文化の振興を」―本道在住あるいはゆかりのある20歳から40歳まで若いアーティスト25人の作品展。02年に第1回展を開いて以来連続13回目。油彩、アクリル画、日本画、彫塑、切り絵など合わせて168点を2、3階の全室に展示、豊かな個性を競っている。
 出品者は昨年より多く東京、青森から9人が出品。25人全員が個展、グループ展や道内と本州の公募展で活躍しており、大作主義。意欲的な取り組みを見せている。
 宮地明人さんの油彩は細密な描写力でストーリーを描き込み、佐藤仁敬さんの油彩と谷地元麗子さんの日本画は深い内面性を秘めている。佐藤舞さんは出品の彫塑が完成するまで過程を13枚の写真で見せている。
 そうした中で札幌時計台ギャラリーのあらまき賞は三村紗瑛子さんの油彩『Prologue』、マツダ賞は谷掛幸恵さんの『忘我』に贈られた。
 同展は、昨年6月札幌の姉妹都市、ロシアのノボシビルスク市でも開催、今年は29日から青森県立美術館で開く。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで22日まで。



 ◆写真は、谷地元麗子さんの日本画『虚無』(162×162㎝)

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震災の惨状生々しく 『伊藤 光悦展』

 
 〈3・11の地に立って…〉をテーマに、東日本大震災で見た惨状を描いた油彩、スケッチ合わせて24点を出品、改めて悲惨さを浮き彫りにしている。スケッチ13点は初めて発表した。個展、グループ展は数多く、5月に東京・銀座、11月には再度札幌で開く。
 震災が発生した年の秋と昨年の春、福島県などを訪れた。「初めて訪れた時は、衝撃でスケッチも出来ず、カメラも向けられない程だった」。その惨状を入念に生々しく描き込んでいる。
 スケッチは、淡彩だけではない。油絵の具、アクリル、色鉛筆などを駆使して深いマチエールでリアル。石巻市の『瓦礫推積場』、残がいの街『釜石市街地を通る』、陸前高田郊外の『稔りの無い畑』…改めて悲惨さを訴えている。
 油彩では「生きる力をもらった」という作品『営業中』が印象的。沿岸沿いポツンと1軒、生き残った理髪店が生命を象徴している。


 札幌市東区本町1-1、茶廊法邑で16日まで。


 ◆写真は、油彩の『営業中』(120号)





 P1040907_convert_20140313151128.jpg  伊藤 光悦(いとう・こうえつ)さん
 「野原には倒壊の家や車が至る所に放置され、すさまじかった」。道展、二紀展で次々と受賞。初個展は1985年。02年に絵筆を手にして30年の回顧展を開き画集も。道学芸大学(現道教育大学)卒。二紀会委員、日本美術家連盟会員。1942年夕張市生まれ。北広島市在住。

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風景を雄大なスケールで 『平山 幹昌展』

 
 「道や水、空を描きたいのです」。大きなスケールで描いた道内各地の風景の油彩を中心に花、静物さらに水彩も含め40点を出品。風景は、空気感のある描き方が魅力。毎年のように個展、グループ展で発表している。サムホールから60号。
 風景は現場主義。動きのあるタッチで入念に描き込んでおり、気迫が伝わってくる。十勝、小樽、札幌、函館などの風景を臨場感豊かに展開している。
 剣山を展望した『十勝晩秋』、青空に山々が浮く『知床の山湖』、函館港を見下ろす『函館風景』など、堂々としたスケール。
 小樽の『沈船のある運河』『雪の運河』は、絵の具を何層にも重ね、重厚な質感。運河の歴史をしのばせる。
 「毎日描いている」と語り、小品の『さくらんぼ』『水仙』などは、明るい色彩でコントラスト豊か。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で16日まで。

 ◆写真は、油彩の『雲の運河』(50号)



 P1040913_convert_20140313151012.jpg  平山 幹昌(ひらやま・みきひさ)さん
 本道画壇のベテラン。1988年第20回日展に入選、翌年日洋展で奨励賞。01年に『平山幹昌集』を発刊。個展は東京、大阪、倉敷市でも。小樽商大卒。1930年十勝管内足寄町生まれ。札幌市南区在住。
プロフィール

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Author:chikuwapan
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