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構図、色彩に独自の感性 『山 愛実油彩展』

女性像、静物、動物、風景…多彩なモチーフの油彩25点を発表。2年振り5回目で初個展以来10年に。コントラスト豊かで、どの作品にもストーリーが込められている。4号から100号。
「動きがあり普通でない状況を描きたい」―。風に立ち向かうような女性像、水槽の中の静物は光りで堀折しいいる。白馬の足元にはバラの花やレモン、りんごは深いアイ色の中に浮き出ている…構図に独自の感性を発揮している。
深い色彩で動的に描き上げている。風の中で女性が舞うように描かれた大作『疾風』は、女性の意志の強さを強調しているなど単に花や静物を描いた作品は、ほとんどない。
入念な描き込みであり個性が全面に強調されている。
札幌市中央区大通西13、札幌市資料館ギャラリーで6月1日まで。
◆写真は、油彩の『水の中の静物』(6号)

「何でも描けるように」と、石狩市浜益の海の風景を描いた『灯台のある風景』も出品。実母は道展会員野田敦子さん。2005年道美展で新人賞。8月に開かれる道美展に出品する。日本美術家連盟、道美展会員、光塩学園女子短大講師。光塩学園女子短大保育科卒。1972年札幌市生まれ。札幌市中央区在住。
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優しい家庭用食器類 『谷本 幸子展』

十勝管内新得町で作陶を続けており、2009年以来連続6回目の個展。絵付けの手法の家庭用食器類を中心に「初めて出品した」という馬やフクロウの造形的な作品など優しい情緒。会場は、ホットな雰囲気である。
コーヒーカップ、大小の皿、ポット…それらはブドウ、カタクリ、ソバの花、エンレイ草といった文様が、透明の白の中に優しく表現されている。素焼きをしてから絵付けをし、透明釉をかけて焼き上げる。素材は半磁器。
信楽の赤土を使った容器類も。茶系で版画をつくる手法のようにかき落としという技法で仕上げている。
馬やフクロウも茶系で愛らしい。肩ひじの張らない楽しい作品がそろっている。
札幌市東区北25東1、ギャラリー粋ふようで31日まで。
◆写真は、展示されている数々の作品

「長い間野ブドウや花を描いています」。1988年に新得町陶芸センターの教室で陶芸を始めて以来27年。95年に全十勝陶芸展で審査委員長賞。01年10月「さち工房」を開設。初個展は09年に札幌で。1950年帯広市生まれ。十勝管内新得町在住。
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傘寿記念で31点 『遊佐 春哉日本画展』

個展30回、しかも今年傘寿を迎えた記念展。「丹頂の世界」をテーマにうちわから80号の大作まで丹頂を描いた日本画を中心に31点を展示、優雅な情緒を広げている。
秋から冬の季節の中で丹頂を描いた作品は11点。表情豊かに実に丁寧に描いている。
釧路管内鶴居村に各年で訪れてスケッチをし写真を撮り続けた。その表情は、清そで美しく、リアル感に富んでいる。
「完成まで半年とはかかった」という金箔を散りばめた作品『千羽鶴』は多数がきれいに群れをなして飛び、『飛翔』は2羽がそろって飛び、『孤影』は1羽がグリーンの木々の中でたたずむ…様々な表情を明るい色彩できめ細かく描いている。
丹頂の作品以外では花や風景などバラエティーに富み、やはり優しく描いている。
札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで25日まで。
◆写真は、秋の光景の『釧路湿原』(50号)

「54歳の時、釧路湿原で丹頂を見て感動したのが始まりです」。本格的に日本画を描いて30年。1988年新興美術院展で奨励賞、90年準会員努力賞。札幌での個展は6年振りだが海外のグループ展に数多く出品、石狩川詩情シリーズを長く続けた。今回、画集も発刊。振興美術院、北海道日本画会会員。1934年宮城県生まれ。札幌市厚別区在住。
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50年の歩みに55点 望月建『金属造形半世紀の軌跡』

「50年の歩みをたどる作品展です」。1967年に道展に初入選以来、今年で49年目。道展では工芸部門だが彫刻と言ってもよい金属造形。『環(かん)そして宙船(そらふね)』をテーマに、1973年の作品から新作まで55点を展示、エネルギッシュな取り組みを見せている。
厚さ1・5㍉の銅板を基本に切る、たたく、パーツを作る、溶接する、腐食させる、緑青(りょくしょう)をかける、といった時間と手間をかけて仕上げる独自の手法。
作品の基調は輪廻(りんね)。生命が強調されている。
地割れの大地に木々が繁る『大地再生』、床面に大きな輪のつながりを表現した『環』、船の上に木が繁る『宙船』、割れ目から卵が見える『誕生』…強い生命力とともに何かを語りかけてくるようだ。
銅の輝きと緑青のブルーとが微妙に調和、不思議な神秘感を漂わせ“望月アート“の魅力を秘めている。前庭にも展示されている。
札幌市中央区宮の森4-12、本郷新記念札幌彫刻美術館で25日まで。
◆写真は、『環』を中心に展示されている数々の作品

「木の生命力はすごい。エネルギーを感じる」。札幌工業高校時代か銅板の作品を作っていた。道展で1972年札幌市長賞、78年佳作賞、87年会友賞。個展、グループ展は数多く、個展は東京でも。今回、初めて作品集を発刊。道展会員。1948年歌志内市生まれ。石狩市厚田区在住。
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傘寿記念に多彩な80点 『中村 照子展』

本道陶芸界の中心的な存在である作者が今年傘寿を迎えた。さらに1965年に札幌市豊平区に藤窯を築窯して以来間もなく50年。それらを記念した陶芸展。主に長年のモチーフである草花を表現した清そで気品に富む作品約80点が展示され、訪れるファンの心を捉えている。
「ここ数か月で焼き上げた。富士山に登るくらい大変でした」と語る数々の作品は大小の皿、ワイン杯、水指から壺、花器、陶板など多彩。しかも磁器。後志管内蘭越町や信楽産の粘土使い分け、技法も幅広い。
透明感に富む純白の磁器の作品にカタクリ、エンレイソウといった草花を浮かせ、いわゆる土ものの『桜文皿』は白い桜を表現、『線條文水指』はブルー系の色合いに白い線…など気品と美しさと共に、斬新な感覚に仕上げている。
札幌市中央区南1西3、三越9階ギャラリーで19日まで。
◆写真は、展示されている数々の作品

「健康の秘訣?働くことですね」。1972年に初個展を開いて以来個展、グループ展で精力的に発表。86年北海道芸術新賞、89年北海道文化奨励賞を受賞。北海道陶芸会会長を6年勤めたほか、昨年は北海道シニア陶芸展の実行委員長も。北海道陶芸会顧問、日本工芸会東日本支部研究会員。1933年網走管内美幌町生まれ。札幌市豊平区在住。
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優しく丁寧に40点 『佐久間敏夫花の日本画展』

「60歳の節目を迎えた記念展です」―。2010年以来4年振りの個展。女性像を描いた30号の作品1点以外は、すべて花の絵で飾っている。サムホールから30号まで40点。
個展、グループ展は数多いが、花を描いた作品をこれほど多くをそろえたのは初めてという。キキョウ、ボタン、菊、アヤメ、桜からタンポポの花まで20種類以上。それらを一部色紙も含めて麻紙に丁寧に、いとおしむように描いている。
「どちらかと言うと白が好き…」で、白いツバキ、白いボタン、白いシャクヤクなど白い花が清そで印象的。
一方、イエロー調の空間に浮くように描いた桜の花、エンレイソウやキキョウなど優しい色彩で描いた作品もあり、会場に心和む情緒が広がっている。
札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで18日まで。
◆写真は、クリスマスローズを描いた日本画 『なごり雪』(4号)

神戸で1987年から日本画を描き、キャリア27年。当初は風景だった。93年に札幌に戻り、日本画家で道展会員中野邦明氏に師事。以来モチーフは花に。97年に初個展。道展に入選、札幌市民美術展で秀作賞、佳作賞。昨年発表した北海道日本画会の事務局長で8月に第2回展を開く。1954年美唄市生まれ。札幌市手稲区在住。