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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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16人が具象の美追究 『第15回“グループ環”展』

 
 美術団体やグループの所属の枠を超えて具象の美を追究している作家集団の作品展。2000年に第1回展を開いて以来、連続15回展。16人が、風景を中心に20号から50号の油彩、水彩2点ずつを発表、個性豊かに具象絵画の魅力を発揮している。
 「ゆっくり見てもらいいた、会場には常に作家がいて親しまれる展覧会を」(中吉功事務局長)をモットーに、作品は油彩を中心に風景、人物、花など多彩。
 91歳の荻原勇雄さんを始め、本道美術界の第一線で活躍している方々が豊かな感性を競い合っている。
 水彩は2人。岩佐淑子さんは女性像、平原郁子さんはアサガオなど花を丁寧に優しく描いている。
 第1回展から健筆を振るっているのは香取正人、中村哲泰、中吉功、荻原勇雄さんの4人。同じ1回展から会員だった横田章さんが、今年5月10日、86歳の生涯を終えた遺作2点が展示されている。
 毎年、1800人を超える入場者でにぎわい、具象絵画の人気を裏付けている。今回も多くのファンが訪れている。
 8月19日から神田日勝記念美術館(十勝管内鹿追町)で、同館としては4回目の移動展が開かれる。

 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで29日まで。


 ◆写真は、小樽の祝津港を描いた佐藤順一さんの油彩『冬の漁港』(50号)
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清楚な白磁の美 『北川 智浩作陶展』


 「作品の基調に北海道の自然の変化、美しさがあります」―。純白の雪をイメージさせる『白磁』の大小の作品約200点が展示され、清楚な“白の世界”を広げている。毎年精力的に発表を続けており、個展だけでも3月に次ぐ開催。10月には東京でも。
 いわゆる“土もの”でスタートしたが、白磁の美を追究して11年。大作はガス窯、小品は電気窯で焼成している。
 純白の大皿、大小の花器、つぼ、水指などに桜の花びら、氷文、波紋、うず巻き文、粉雪などが表現され、本道の季節感をイメージさせる。
 「初めて発表する」という『桃白磁水氷文』『七稜星文』のピンクがかった『香合』もあるが、気品のある純白の造形美が魅力。一部に青磁を思わせる雰囲気の作品もあり、透明感に富む白磁の美を堪能させる。

 札幌市中央区南1西3、三越9階ギャラリーで23日まで。

 ◆写真は、中央が『白磁渦巻文天鉢』(直径54㌢)


 P1050211_convert_20140620205841.jpg  北川 智浩(きたがわ・ともひろ)さん
 1995年神奈川県で作陶の道に入って以来18年。02年に江別市に築窯、独立。伝統工芸新作展、現代茶陶展などを始め今年の第20回美濃陶芸庄六賞茶盌展に入選。日本工芸会準会員、同会東日本支部北海道工芸会幹事、江別陶芸会幹事。同志社大学卒。1967年帯広市生まれ。江別市在住。
 

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497点が美を競う 『第69回全道展』

 
 絵画、版画、彫刻、工芸の4部門の美と技を競う全道展が始まり入賞・入選と会員、会友の作品合わせて497点が会場いっぱいに展示されている。最高賞の協会賞は、釧路市の会社員、岡野修巳さん(64)の油彩『眠れない宙(そら)Ⅱ』に。
 今年の応募総数は532点で昨年より50点ほど少なかった。事務局では「出品者数は殆ど変らないが、1人の出品数が減ったため」と分析している。だが、絵画部門は応募410点中入選は187点、版画は82点中33点という厳しさだった。
 新会友推挙が各部門合わせて11人、新会員推挙が9人で中堅クラスの進出も目立った。
 協会賞、岡野さんは2011年に奨励賞を受賞している。今回の受賞作は生命をテーマにオタマジャクシ状の無数の個体が空間に跳ねるような光景の心象作品。油彩は具象から抽象構成の大作が、ぎっしりと2段掛けで展示され迫力感が広がっている。
 版画も会友賞、岩谷信昭さん(札幌)の『夜明けのよし刈場』など多彩。
 来年の70回展から故八木保次、伸子さんを記念する八木賞が設けられる。21日札幌全日空ホテルで授賞式・懇親パーティーが開かれる。

 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで22日まで。


 ◆写真は、会場いっぱいに展示されている作品=左側下段の作品が協会賞受賞作

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作陶60年の集大成展 『小崎 彩秋陶芸展』

 
 陶芸の道に入って60年、苫小牧市に樽前窯を築窯して20年、そして今年傘寿を迎えた。それらの集大成の記念展。大つぼ、大皿からマグカップ、ぐいのみまで多彩な手法の作品170点を発表。今年4月苫小牧市美術博物館で開いたのに次ぐ個展で札幌では初めて。通算10回目。
 「他人の真似はせず、常に新しい分野の作品づくりを研究している」―。その作品は樹皮のシワを思わせる『縮織焼(ちぢみおりやき)』、つぼの内側にも花の文様がある『切抜練込(きりぬきねりこみ)』、ハスカップの枝を釉薬にした『はすかっぷ焼』を始め、描き落とし、絵付け、象嵌(ぞうがん)など多彩な技法による作品は、1人の陶芸家の作品とは思えない内容。
 釉薬はもちろん化粧土や作陶の道具も自分で作る。『はすかっぷ焼』『縮織焼』の作品は、苫小牧市の特産品に認定されており感性豊かな美と技がファンを魅了している。

 札幌市中央区大通西5、ギャラリー大通美術館で15日まで。

 ◆写真は、多彩な数々の大つぼ


 P1050202_convert_20140613210339.jpg  小崎 彩秋(おざき・さいしゅう)さん
 グループ展では数多く発表しているが「いずれ札幌で個展を、と思っていました」。1954年大学で陶芸の世界に入り、94年苫小牧・北星小学校長を退職、樽前窯を開設。2006年苫小牧市文化奨励賞のほか海外展でも受賞。日本工芸会東日本支部会員、苫小牧陶芸作家連盟会長。1934年檜山管内瀬棚町北檜山(現せたな町)生まれ。苫小牧市錦岡在住。

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清楚な白の美の世界 『西田 陽二個展』


 白を基調に気品のある女性像を描くことで定評があり、100号から130号の大作ばかり10点を発表。“白の魅力”を存分に見せている。今年の第100回記念光風会展で文部科学大臣賞を受賞、2月には東京・日本橋三越本店で個展を開いたばかり。精力的な取り組みを続けている。
 「白は北国のイメージでもある」という白の美の油彩は、1人ないし2人の女性像を静的な情緒と共に清楚に描き上げている。
 背景の壁面も床面白。その中で白いコスチュームの女性、あるいは裸婦が気品豊かに描かれている。目は伏し目がち。その表情が弱い光の中で優しさを印象づけている。
 細密な描写力も魅力。光風会展で文部科学大臣賞を受賞した130号の作品は、その描写力をいかんなく発揮している。
 隣室では指導している教室展が開かれており9人が出品している。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで14日まで。

 ◆写真は、油彩の『屏風の前で』(130号)



 P1050193_convert_20140613210229.jpg  西田 陽二(にしだ・ようじ)さん
 “白の美”に取り組んでほぼ20年。道展で1977年協会賞、光風会展で2004年会員賞、06年田村一男記念賞、10年に北海道文化奨励賞、11年には日展で特選など数多く受賞。光風会評議員、日展会友、道展事務局長、道都大学特任教授。1952年中国湖南省生まれ。札幌市南区在住。

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澄んだ色彩で生活感描く 『中谷 武個展』

 
 「私に限定はない。何でも描く」―。今回は果物や花の生命の流れを時を追って描いたシリーズの油彩17点とパリの風景を描いた15点を発表。共に濁りのないきれいなマチエール。個展は隔年で開き、9回目。
 「今回は個展のメーンテーマです」と語る作品は果物が腐食、花が枯れて行く経過を時間を追って描いているのが特徴。しかもそれらは、変化しない陶器と対比するように描かれている。生死の対比とでも言おうか。腐食して行く果物の表情を実に入念に表現しており興味深い。
 一方、パリの風景は建物を描いたのが中心。しかも人通りが少ない、いわば裏街の表情。パリには4回行っている。「誰も描かないところを描いた」と語り2階の一部、建物の入り口など生活感のある情景を明るくきれいな色彩で描いている。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで7日まで。

 ◆写真は、パリの煙突のある建物を描いた30号の油彩


 P1050183_convert_20140605102327.jpg  中谷 武(なかや・たけし)さん
 これまでにハイヒール、エジプトの人、女性像など数々の作品を発表してきた。「絵の具を感じさせない絵を描く」をモットーに絵の具を盛り上げるような描き方はしない。澄んだきれいなマチエール。キャリアほぼ20年。学校の授業で学んだだけで特別な師はいない。初個展は1998年。1937年空知管内上砂川町生まれ。札幌市中央区在住。

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12人が具象の美追究 『白日会北海道支部展』

 
 具象の美を追究している全国公募の白日会が、今年3月東京で90周年記念展を開いた。その伝統の美術団体の北海道支部(小堀清純支部長)の第48回展。会員5人、一般入選者6人と賛助出品の神山昇一さん(留萌市出身で東京在住)の12人が出品している。
 全員油彩。50号から120号。風景を中心に静物、女性像などを入念に描き上げ具象絵画の魅力をみせている。
 これまで風景を発表していた94歳の川村正男さん(札幌市)が珍しくドライフラワーを中心にした『静物』を出品。南里葉子さん(同)の「昨年からのモチーフ」という人形とバイオリンを中心にした『追憶14・3』は丁寧な描き込み。
 風景では芳賀文明さん(美幌町)の冬景色を描いた『早春の坂道』、関建治さん(恵庭市)の川の流れを中心にした『早春の川辺』は雄大なスケール。中矢勝善さん(札幌市)の恵庭市山奥のラウマナイ川を中心にした『晩秋の川』は川の流れる音か聞こえてきそう。
 神山さんは、9日まで北都館ギャラリーで個展も開いている。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで7日まで。


 ◆写真は、中矢勝善さんの油彩『晩秋の川』(100号)

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