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絹絵、水墨画の美 『日本画美術協会展』

絹絵、水墨画といった伝統の美を追究している美術協会の第33回展。2人が合わせて43点を発表、豊かな情緒が広がっている。
ボタン、菊、梅、花ショウブといった花をモチーフにした作品を中心に風景も含め丁寧に優しく描いている。絹絵がほぼ半分の19点。近年は、素材の絵絹が少なくなっているそうだが、描かれた数々の花の表情は、色彩が少しふくよか。心が安らぐ。
水墨画も墨の濃淡が美しく洗練されている。
そんな中で長川定充さん(七飯町)の日本画『海峡漁火』は幻想的な情緒を広げ、高田白園さん(札幌)の『未来につながる光』は抽象絵画を思わせるような独特の感性を見せている。
30歳代から80歳代。70~80歳代の19人が健在振りを発揮、アートに年齢は関係ないことを改めて証明している。
同協会の本部は、札幌市南区真駒内東町1。
札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で8月3日まで。
◆写真は、展示されている数々の作品
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多彩な作品74点 『三上 博子展』

「これほど多くの作品をそろえた個展は初めてです」―。1983年に全道展に初入選以来31年。会場のA、B、C3室に油彩を中心にペン画、墨絵など74点を出品、旺盛な制作意欲を見せている。2011年以来14回目の個展。
「これまでの反省とこれからどう取り組んで行くか、後ろは向きたくない」。そんな思いを込めた今回の作品は卓上の静物、風景、花女性像など多彩。全道展での受賞作を始め風景の作品『樹間』、『ゆりの花咲く』など多種花を深い色彩で生き生きとした筆勢で描いている。
全道展で奨励賞、会員推挙になった大作の“卓上シリーズ″は立体感に富み動的なタッチ。躍動感が伝わってくる。
「絵は楽しく描かなければ」と語り、描く素材もモチーフも1人の作品展とは思えないほどバラエティーに富んでいる。多摩美大図案化卒で「造形、色彩などを学んだことが役立っています」。
会員だった全道展を昨年退会。初個展は1976年。小樽市生まれ。札幌市在住。
札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで8月2日まで。
◆写真は、展示されている油彩の大作
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協会賞は丸藤真智子さん 『第59回新道展』

新北海道美術協会(香取正人事務局長)主催の公募展。今年の総搬入数は、油彩を中心に昨年を上回る475点を数え、協会賞は札幌市北区の主婦、丸藤真智子さん(61)の作品『硝子の月』(100号)に。昨年佳作賞を受賞しており、2年連続の受賞となった。会友にも推挙された。
展示総数は会員121点、会友48点と一般139点の合わせて308点。油彩は具象の風景、ほほえましい子供たちの表情から心象、抽象作品まで幅広く、しかも発想の豊かな大作が目立つ。
水彩部門の作品が多いのも特徴で充実感がある。数は少ないが浜地彩さん(札幌)田中まゆみさん(同)田村純也さん(苫小牧)のインスタレーションも見応えがある。
協会賞・丸藤さんの作品はミクストメディア。油彩、水彩、日本画の顔料、クレヨンのほかガラスの粉なども駆使して深い質感で宇宙空間を思わせる作品に仕上げている。
「本格的に描いてほぼ20年。協会賞は、昨年60歳になった記念のようなもので本当にうれしい」と喜びを語っている。
初出品の入賞、入選者は20人だった。一方、今年4月17日、77歳で亡くなった藤野千鶴子さんら4人の遺作も展示されている。
26日午後5時から札幌すみれホテルで授賞式・懇親会が開かれる。
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで8月3日まで。
◆写真は、丸藤真智子さんと受賞作『硝子の月』(左)
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32点が書の魅力競う 『創人夏墨展』

書道研究創人会(金津雪華代表)主催の42回目の書道展。31人と故金津墨岳氏の作品が展示され、書の魅力を競っている。
作品は、創作による漢字、近代詩文、墨象など多彩。道内はもちろん栃木、埼玉県からも出品。「心をこめて制作、創意を凝らした作品を展示した」と語り、額装、軸装の縦、横サイズに濃墨を中心にバラエティーに富んだ作品が展示されている。
清野和子さんの墨象の作品は、水彩画の白い絵の具にボンドを混ぜて書き上げ、芳賀修岳さんの近代詩文は、ロウケツ染めの手法で文字を白く浮かせるなど個性豊か。
同展は、2004年2月、76歳の生涯を終えた書家金津墨岳氏が創設したもので、雪華夫人が意志を継いで続けている。
札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで20日まで。
◆写真は、展示されている数々の作品
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海、山を大きなスケールで 『濱田 五郎油絵個展』

岩内町から神威岬までの“積丹シリーズ″を中心に岩内港、岩内岳あるいは羊蹄山など海と山の風景を大きなスケールで描いた油彩22点を発表。岩内町在住で31回目の札幌展。4号から100号。
道展に初入選以来65年。徹底した現場主義で積丹の海を描き続けている。今回も海を中心に山の表情も含めて空気感に富み、大きなスケールで力強く描き込んでいる。
「秋と冬の海を描いている」と語り、大作の『待春海岸』『黒い岬』は、海岸に打ち寄せる波の音が聞こえてきそう。力強いタッチで描きリアル感が伝わってくる。海と空だけを描いた大きな空間構成の作品も。
冠雪の岩内岳や羊蹄山を描いた作品も堂々とした風格。85歳とは思えない気迫の筆勢である。
札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで20日まで。
◆写真は、油彩の『待春海岸』(100号)

既に9月の道展に出品する作品を仕上げた。師は木田金次郎。制作は徹底した現場主義。1964年以来道展、日欧芸術振興会などで次々と受賞。道文団協芸術賞。道文団協芸術賞、岩内町自治功労賞も。道展、日本美術家連盟会員、サロン・ド・パリ委員、NPO国際美術機構特別会員。1929年岩内町生まれ。同町在住。
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最高賞は栗谷幸恵さんの大作 『第43回北海道陶芸展』

北海道陶芸協会(奥岡茂雄会長)主催の公募展。道内はもちろん東京、横浜市など道外から合わせて101点の応募があり、最高賞の北海道陶芸協会賞(北海道知事賞)に札幌市の栗谷幸恵さんの作品『montage』(合成写真)が選ばれた。
栗谷さんは、昨年の北海道新聞社賞に次いで2年連続の受賞となった。
13歳から85歳まで幅広い年齢層からの応募があり、10歳代が7人、初出品者は18人だった。
陶芸展実行委員会の下澤敏也実行委員長は「作品は大型化し、非常に手の込んだ作りになってきている」と語り、作品は個性豊か。単なる皿やつぼといった作品は、ほとんどなく陶芸への前向きの姿勢が伺える。
12日午後2時から全日空ホテルで表彰式・交流会が開かれる。陶芸協会賞以外の主な入賞者は下記の通り(敬称略)
▽文部科学大臣奨励賞 大石俊久(札幌) ▽札幌市長賞 岸下幸治(幕別町) ▽北海道新聞社賞 渡部礼子(札幌) ▽審査員特別賞 國島由希子(同) ▽道教育長賞 花井信子(清里町) ▽札幌市教育長賞 畑澤眞樹(札幌)
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで13日まで。
◆写真は、展示されている入賞・入選作品。手前が最高賞の栗谷幸恵さんの作品
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喜寿記念で多彩な作品 『永喜多 凍炎展』

「喜寿を迎えた記念展とこれまでの作陶の歩みを振り返る回顧展です」―。初個展でもあり実弟の永喜多重雄さん(栃木市)が写真、康三さん(松本市)が水彩画、実妹の五十嵐弘子さん(日野市)が墨彩がを賛助出品。ホットなファミリー展になっている。
「さまざまな花器たち」をテーマに1985(昭和60)年に作陶を始めた時の『めおと茶碗』から近作まで37点を出品。キャリア29年の歩みを振り返っている。
作品は花器でも角状、筒状、円形状、手びねり状、層雲峡の風景やえりも町の荒々しい波を表現した立体的な造形作品、野焼きの器、釉薬も自在に使い分けるなど多種多様。1人の作家の作品展とは思えないバラエティーに富んだ取り組みである。
賛助出品の写真、絵画とも力量を発揮、記念展に彩りを添えている。
札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で13日まで。
◆写真は、数々の陶芸作品と壁面は賛助出品の絵画

「長くやっているといろいろな作品を作りたくなる」。1級建築士で大阪、札幌の設計事務所、建設会社に勤務した。1985年に故下澤土泡の指導を受け陶芸の道へ。2001年新ロマン派展で上川支庁長賞、03年から大滝村北海道陶芸展で入賞、入選。北大建築工学科卒。1937年函館市生まれ。本名は宗雄。札幌市中央区在住。
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多彩な立体造形作品 『阿部 典英展』

独自の立体造形作品を発表し″阿部アート”を確立してほぼ50年―。今回も「ネェダンナサンあるいは月(月)影(えい)漂(ひょう)」をタイトルに、4室に変化に富んだ数々の大作を発表。ファンの足を止めている。
「陸で暮らし、空を見上げ、海を見て暮らす。宇宙空間の中でいかにして生きるかです」。作品の基調に陸、海、空のドラマが秘められている。
ウレタン、パルプ、木、鉄などさまざまな素材で作られている作品は、真っ黒に黒鉛で塗られた約70個の大小の木による「生 苦楽・死」、カラフルな大きなクラゲ8体が浮遊するような「漂 海・漂流」、公室ウレタンによる帽子をかぶった太い棒状が林立する「影 陸・山谷」…独特の感性とユーモアを秘めた造形である。その根底に“生命”を感じさせる。そして新鮮さがある。
札幌市中央区宮の森2-11、札幌宮の森美術館で31日まで。
◆写真は、カラフルな「漂 海・漂流」の作品

毎年精力的な取り組みを続けており、今年だけでも5会場で発表、11月に網走でも。美術は独学。21歳で行動展で新人賞、シェル美術賞展で佳作賞を受賞、美術界にデビュー。2000年に札幌市芸術賞、11年には北海道文化賞を受賞。北海道文化団体、札幌市文化団体協議会会長。1939年札幌市生まれ。同市中央区在住。
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本道の四季を詩情豊かに 『藤倉 英幸新作展』

洋紙を張り合わせ北海道の風景を絵に仕上げ続けて40年―。今回もその原画21点中心に、版画と合わせて60点を発表。本道の四季を色彩豊かに、しかもさわやかに表現。会場いっぱいに北の情緒が広がっている。
専ら北海道の風景をテーマに制作を続けており、今回のタイトルは『風を聴くとき』。「風を感じる時は、風景が生き生きとよみがえってくる」と語り、どの作品もさわやかな風を感じさせ、すがすがしい。
澄んだ色彩が美しい。札幌の冬景色『電車通り』からコントラストが鮮やかな上富良野の『丘の花畑』、中札内の広々とした『緑の地平線』、日高地方の馬を中心にした『ある夏の日』…「行かない所がないくらい道内を回っている」という作者が、本道の風景の魅力を存分に見せている。
札幌市中央区南1西3、三越9階ギャラリーで7日まで。
◆写真は、上富良野の風景『丘の花畑』(全紙)

「今回は、雲の動きにこだわった」。現場で入念にスケッチをする。道内にある11ヵ所の国立、国定公園を描いている。1992年からJR北海道の車内広報誌の表紙絵を担当。個展、グループ展は数多く8月から網走、12月から滝川でも個展を開く。1948年岩内町生まれ。札幌市手稲区在住。