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ストーリー性秘めた油彩の大作 『川上 直樹展』

大きな空間の中にストーリーを秘めた“心象的具象空間″を追求し続けて5年―。『国境地帯』シリーズを中心に100号から130号6点をメーンに合わせて18点を出品。重厚な描き方で静寂感を漂わせている。一昨年に次いで8回目の個展。
元々は、きれいなマチエールの風景画だったが、2009年の『跡地』と題した大作から、人間の内面性を追求する心象的な作品に。具象を基調としながらも孤独感を漂わせた展開に。
『国境地帯』シリーズの作品『あかるいところへ』は、大きな空間の向こうに建て物が浮き、チョウが飛び、『想うもの』は、白い横長の台の下で犬が眠っている…作品の多くに白い箱や横長の台が描かれ、不思議な印象を与える。白い台の下にポツンとザクロや枯れたハスの花、卵が描かれた作品も無言の語りが秘められている。深い内面性を追及している。
札幌市西区山の手7条6丁目4-25、ギャラリー山の手で11月8日まで。
◆写真は、油彩の『想うもの』 (100号)

「両親の死、東日本震災による子供の死などが、作品に自然と出てきます」。初個展は2006年。09年一線美術展で新人賞、12年会友賞、13年道展で佳作賞。中央医療技術学院放射線学科卒業。一線美術会会友。1953年札幌市生まれ。同市西区在住。
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最高賞は堀由美子さんの作品 『第32回北海道シニア陶芸展』

60歳以上を対象にした公募のシニア陶芸展(北海道陶芸協会主催)が始まり、最高賞の北海道陶芸協会賞・道知事賞は、札幌市の由美子さん(68)の作品『先人達の誇り』が受賞した。堀さんは、昨年新人賞を受賞している。
今年は、昨年を30点上回る103点の応募があり、平均年齢は72・88歳だった。
最高齢は、91歳の佐野セツさん、阿部保子さん(共に札幌)で佐野さんは努力賞を受賞した。
今年は初出品者が20人で埼玉、名古屋、神戸市からも応募があり、関心の高さを示すと共に、技術的にもレベルの高い陶芸展になっている。
札幌市長賞は山本恒雄さん(札幌)道教育長賞は岡なみ子さん(北見)札幌市教育長賞は岩田礼子さん(帯広)土泡賞は岡村和子さん(豊浦町)が受賞するなど2部新人賞まで合わせて43人が受賞した。
25日午後2時から札幌・全日空ホテルで表彰式・交流会が開かれる。
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで26日まで。
◆写真は、手前が陶芸協会大賞の堀由美子さんの作品 『先人達の誇り』
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急逝した故人しのび33点 第30回横田 章個展

白日会、日洋会、“グループ環″展などで健筆を振い、1990年には日展にも入選した作者が、今年5月10日自宅で急逝した。86歳だった。1983年以来札幌と東京で個展を続けていたが、30回展を目前に他界した。このため久美子夫人ら親族が企画。油彩、水彩、パステル画など33点をそろえ在りし日をしのんでいる。
日頃元気で、亡くなる前日には久美子夫人とドライブをしたほど。30回展を控え制作も続けていた。久美子夫人は「まだ目の前にいるようです」と語り、あえて遺作展とはしていない。
作品は、30回展に出品するために絵筆を執っていたものが中心。中国・シルクロードを4次にわたって取材するなど「行かないのは南米くらい」と言っていたほど海外取材が豊富。
展示は海外の風景、人物から道内の風景、お孫さんを描いた油彩まで明るい雰囲気の作品ばかり。「難しいことを優しく、深く」が信条だったという。その中で、老人が1本道を歩いている。後ろ姿を描いた油彩が妙に心に残る。
遺族宅は札幌市南区。同市中央区北3西3、大同生命ビル・大同ギャラリーで21日まで。
◆写真は、老人の後ろ姿を描いた油彩とお孫さんの作品(下)
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創立30周年の記念展 『北海道テキスタイル協会作品展』

テキスタイル協会(戸坂恵美子代表)が、1984年7月に発表、同年12月に第1回展を開いて以来、30回展を迎えた。その記念展。38人が会場いっぱいに力作、大作を発表しており染め、織りの美と技の魅力を競っている。
発会当初は、会員30人だったが現在は50人。札幌を中心に室蘭、江別、後志管内蘭越町など各地に広がっており、年齢も20歳代から90歳の佐々木栄久子さんまで幅広い。
テキスタイルとは『織物』『繊維』の意味で、展示されている作品は織り、染め、シルクスクリーンなど広範囲。染めでも藍染め、型染め、ろうけつ染め、絞り染めなど技法は多彩。
「どこにもない作品を楽しく作っている」と語り、独自の技法を駆使し、長時間かけて作り上げている。
壁面、床面と天井にも吊り下げられた作品は、具象から抽象的な紋様まで色彩豊か。個性も強く打ち出している。
道展、美工展で活躍している会員もいる。13日には、記念のセレモニーも開かれた。
札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで19日まで。
◆写真は、展示されている多彩な作品
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茶廊法邑が回廊10周年

「札幌市東区から文化を発信したい」として、タマネギ畑だったという一角にギャラリーとレストランの茶廊法邑(法邑美智子オーナー)が2004年9月25日にオープン以来10周年を迎えた。その記念展。日本画家、木工家ら10人のアーティストが14点を出品、10周年を飾っている。9月28日には、札幌市教育文化会館で『記念の集い』も開かれた。
「作るなら札幌一の画廊を」と開設した施設はギャラリーが99平方㍍、レストランは132平方㍍という広さ。内部は白で統一され天井の高さは6㍍もある広々とした空間。外観は一見倉庫風だが広い庭もあり、07年には札幌市都市景観賞を受賞した。
貸し画廊だけではなく公募のギャラリー大賞展、自由に出品できる写真100人展、絵画100人展などを企画、作家の育成と文化の振興に寄与する一方、法邑オーナー自身も日本画を描き、開催中の記念展にも出品している。
オーナーは、『もう一度かあさんの聲が聴きたい』などこれまでに6冊の著書を発行、講演会活動も。精力的な取り組みである。
記念展では日本画家の浅野天鐘、蒼野甘夏、木工家の岸本幸雄さんらが個性豊かな作品をそろえ、記念の美を競っている。
札幌市東区本町1-1-8-27、茶廊法邑で16日まで。
◆写真は、展示されている作品。手前中央は岸本幸雄さんの木工『月のかけら』
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本道の土で多彩な陶芸 『凍土会会員展』

北海道の土を使って焼き、北海道の陶芸の確立を目指して2008年に設立された凍土会(中村二夫会長)の会員9人による陶芸展。それぞれが独自の技法で作陶した多彩な作品が展示され、陶芸の魅力をアピールしている。札幌では2回目。これまでに江別、小樽市でも開催している。
本道の土は火山灰系で、鉄分が多い、など作陶には不向きとされている。だが、凍土会は、その土を全体の50%以上を使い美しさと味わいのある作品作りに挑戦を続けている。
展示されている作品は、家庭用食器や花器が中心だが焼成の手法、釉薬の使い方、紋様など多彩で個性豊か。
新林裕子さん(江別)は大小の容器にアジサイ、ハマナス、ナナカマドなど草花を表現、三上慶耀さん(十勝館内鹿追町)はブルーの釉薬が輝くように美しく、吉田南岳さん(胆振管内白老町)は白の美を強調。
今回初出品の藤原有二さん(旭川)は「地層の紋様化した」という焼き締めであり、白戸孝行さん(赤平)は「釉薬も北海道の柔らかい石で作った」と語り“北の陶芸″の創作に情熱を注いでいる。
柴山勝さん(函館)が招待出品している。
札幌市中央区南1西2、丸井今井一条館8階美術工芸ギャラリーで13日まで。
◆写真は、新林裕子さんの数々の作品