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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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札幌で初の大規模な個展 『笠井 誠一展』

 
 「67年の歩みを振りかえる機会にしたい」―。札幌市出身で名古屋と東京を拠点に活躍を続け、2008年から北海道現代具象展に特別出品している作者の画業を紹介する札幌で初めての大規模な個展。1949年の油彩『札幌北1条風景』から現在の透明感に富む色彩の静物画まで約120点を展示、歩みをたどっている。
 今年83歳。17歳で単身上京、以来画業に専念しパリにも留学、帰国後愛知県立大で指導を続けた。
 作品は「札幌・東京 画家の道を志す」から「円熟の功 さらなる深み、さらなる地平へ」、さらにデッサンなどに分かれ、全容を紹介している。
 中でもほぼ40年にわたり追求している“静物と向き合う独自の世界”に豊かに個性がある。卓上に果物、楽器、家庭用品といったモチーフを配置し澄んだ色彩と明るい空気感で描き、静物な気品をつくり出している。一見単純に見えるが不思議な魅力を秘め、魅了している。

 札幌市南区芸術の森2、札幌芸術の森美術館で3月29日まで。

 ◆写真は2013年の作品『水差しのある卓上静物』(30号)




 P1050857_convert_20150130105447.jpg  笠井 誠一(かさい・せいいち)さん
 27歳の時フランス政府給費留学生試験に合格パリへ。パリで個展も。帰国後の1967年愛知県立大学講師に。74年教授。名古屋、東京、大阪などで個展。名古屋市芸術賞、安田火災東郷育児美術館大賞を受賞。立軌同会人、愛知県立芸術大学名誉教授。1932年札幌市生まれ。東京都在住。
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運河の情緒50点 『坂元 輝行風景画展』

 
 「すべて小樽を描いた作品をそろえたのは初めてです」―。水彩。2003年以来「歩く、感じる、描く」のシリーズで風景画を発表してきたが、今回は「小樽運河 界わいを描く」がテーマ。すべて運河を中心に描いた作品50点を発表、運河の情緒が広がっている。
 昨年11月末から今年にかけてほぼ2ヶ月で描いた冬の情緒。『おたる散策』『運河界わい』『運河滞船』など8タイトルに分け、小樽運河の光景を色々な角度から捉えている。
 柔らかい黒の色鉛筆で描き透明水彩絵の具で仕上げる。運河や道の両サイドに倉庫、石造りや木造の家が続き、運河に船が並んでいる…広々と、しかも奥行きのある構図を季節感いっぱいに描いている。生き生きとした筆勢である。

 札幌市中央区大通5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で2月1日まで。

 ◆写真は水彩の『運河界わい北運河』(10号)




 P1050876_convert_20150130105313.jpg  坂元 輝行(さかもと・てるゆき)さん
 「“歩く、感じる、描く”シリーズの一環です」。描くのが早く、筆の走りに勢いがある。今年は定山渓温泉ぬくもりの宿ふる川でも個展。遠友会、さっぽろくろゆり会などで発表。1997年札幌・中学校の教師を終えて以来絵筆ひと筋。北大水産学部卒。1936年旭川市生まれ。札幌市在住。

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描き続けて65年 『浅野 天鐘日本画展』


 「好きだから描いている」―。日本画を画き続けて65年を記念、流麗で繊細に描いた風景と花の作品19点を発表、存在感を見せている。2012年に50回記念の個展を開いており84歳の現在も絵の指導を続けている。
 ひたすら風景と花を画き続けており「その前にたたずむと呼びかけてくるような感じです」。今回も現場主義で描いた風景と花の作品を、ほぼ半々ずつ出展。
 風景は勢いよく落下する滝、深い渓流の間を流れる川、満月が浮く連山など大きなスケールと共に自然の魅力を入念に描き込んでいる。
 色彩が美しい。特に花は優しく気品がある。“ボタンの浅野”とも言われ、咲き誇るボタンは清楚で優雅。アヤメ、ミズバショウ、ハナショウブ…入念に、より美しく描き上げており、心が和む。
 札幌市東区本町1条1丁目8-27、茶廊法邑で2月1日まで。

 ◆写真は、ボタン(右)とミズバショウ(左)を描いた大作(いずれも170×77㎝)



 P1050841_convert_20150125111242.jpg  浅野 天鐘(あさの・てんしょう)さん
 終戦の年の1945年、15歳で油彩を始め、その後日本画に。油絵も含めるとキャリア70年。絵は殆ど独学という。道展では会員にも。新興美術院展で奨励賞、会員賞など受賞、89年には文部大臣奨励賞。新鐘会日本が塾主宰。1930年赤平市生まれ。札幌市手稲区在住。

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大作中心に42点 『大洋会北海道支部展』

 
 全国公募の大洋会(本部東京)の32買い目の北海道支部展。事務局の原田富弥さんら会員8人と会友、一般入選者、さらに支部展に協力出品している5人の合わせて16人が油彩を中心に42点を出品、個性を競っている。
 本展は、毎年9月に東京で開かれており今年は37回目。公募作品は絵画で「基調は具象だが最近は抽象的な作品も増えてきた」という。今回の道支部展も具象の風景を中心にしながらも心象性の強い作品も
 昨年の本展で大洋会賞を受賞、常任委員に推挙された植野徳子さんの油彩『雪の日の詞』は、窓からの冬景色を心象的に季節感たっぷりに描き、奨励賞・瀬川裕子さんの『窓辺の静物』は、立体的で明るい色彩。初出品で会友推挙になった豊川陽子さんの『樹氷』は、冬景色と真っ赤なコートの女性の鮮やかなコントラストが印象的。
 大作が8点、熱い思いが込められている。

 札幌市中央区北3西3、大同ギャラリーで27日まで。



 ◆写真は大洋会賞を受賞した上の徳子さんの油彩 『雪の日の詞』(100号)

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風景、花を丁寧に 『新田 志津男日本画新作展』

 
 カラ松と白樺を中心にした風景とボタンや朝顔など花を描いた13点をそろえ、日本画の魅力を堪能させている。細密描写力である。今年5月に札幌で個展を予定しており、今回は、いわばその“前哨戦”。
 1986年に振興美術院展(東京)に初出品して以来今年で30年。日本画の振興に尽力している。
 描く日本画は現場主義。道内各地の風景を季節感と共に実に丁寧にリアルに描き上げている。「カラ松と白樺を描けば北海道の風景になる」そうで石狩当別町から望んだ『初寒別岳遠望』、江別市の桜やサイロの見える『朝霧』などは繁るカラ松林の中に白樺の木を描き、自然賛歌と共に北の詩情が広がっている。
 入念に描き込んでいる。ボタンを描いた『雨滴』、朝顔の『涼』などは、光る雨のしずくを表情豊かに描き込んでいる。色彩が美しい。

 札幌市北区北8西1、石の蔵ぎゃらりぃはやしで27日まで。

 ◆写真は道南の風景『駒ヶ岳夕照』(4号)



 P1050833_convert_20150118111132.jpg  新田 志津男(にった・しずお)さん
 「絵は益々キメ細かくなってきました」。道内各地の風景を描きその作品を三笠市、岩見沢市、札幌市などに寄贈、2006年に『北海道は私の美術館』という画集を発行。41歳で日本画の道へ。振興展で美術院賞、会員努力賞などを受賞。振興美術院参与、北海道日本画会会長、三笠市文化協会理事。1944年三笠市生まれ。札幌市東区在住。

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16人が多彩な作品 「和を楽しむ」展

 
 「和は、日本的な情緒であり、今年1年穏やかで平和であるように」―。そんな思いを込めた企画展で16人が多彩な作品を発表している。昨年に次いで2回目。
 作品は日本画、油彩、水彩、パステルといった絵画を始め写真、木工、ガラス、陶、書、インスタレーションなどバラエティーに富んでいる。出品作家も札幌市だけでなく石狩市、北広島市、当別町のほか遠く茨城県からも。
 作品は「正月の雰囲気を醸し出す」が基調。阿比留省吾さんは、ガラスによるまんじゅう、漆の渡邊希さんはおぜん、藤井正治さんの油彩『北へ』はSLが煙を吐いて走り大きく羽ばたこうとする光景。画廊のオーナーで日本画家の法邑美智子さんの作品は朝顔の花が咲き誇る…など、それぞれか思いを込めている。
 油彩の伊藤光悦さんは「輪になって平和な世の中を」というコメントを付け、羊蹄山と洞爺湖を上空から望んだ雄大なスケールの作品。法邑さんは「今年は感謝の気持ちを持って歩んでいきたい」と語っている。

 札幌市東区本町1条1丁目8-27、茶廊法邑で18日まで。



 ◆写真は展示されている多彩な作品

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ホットな情緒の多彩な作品 『渡辺 一夫展』

 
 「形は変わっても幼い頃の影響は大きい」―。少女やかわいい動物、花。音楽の世界などをモチーフにした多彩な作品を発表、ホットな情緒の木彫の美が訪れるファンの心を捉えている。立体彫刻とレリーフ50点。今年も全国各地での個展、グルーブ展を予定、今回はその仕事始め仕事初め。
 2011年に道立釧路芸術館で「木彫家を志して45年展」を開いており、キャリアは50年近い。「心に響く作品…」を基調に、ストーリーを秘めた具象彫刻を発表し続けている。
 その作品には音楽があり、語らいがあり優しさ、寄り添いがあり、ほのぼのとした温かさが秘められている。
 3人の女の子が歌うような『ずーっといっしょに』、子供、犬、花の『楽しい仲間』、犬を連れて散歩する2人の少女や寄り添う2羽のフクロウ…『獅子頭』『立ち雛』といった作品もあり、優しさ、温かさが心に響いてくる。

 札幌市中央区北5西7、大丸札幌店8階美術画廊で13日まで。

 ◆写真は立像の『小枝の2人』(高さ70㎝)




 P1050828_convert_20150111104721.jpg  渡辺 一夫(わたなべ・かずお)さん
 木彫は独学。「休んだのは元日だけです」。シナ、カツラ、ニレ、洋材のチーク材などを使用、音楽を聴きながら制作。2012年に開廊した「木の響ギャラリー」にはファンが本州からも。今年も福島市を始め全国各地で個展、グルーブ展がある。96年に釧路郷土芸術賞を受賞。1948年釧路市生まれ。同市在住。

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24点が新春を飾る 『北海道日本画会員展』

 
 “誰もが気軽に発表できる無審査の公募展”をキャッチフレーズに2013年5月に発足した北海道日本画会(新田志津男会長)の創立会員と一般会員9人による日本画展。大小合わせて24点が美を競い新春を飾っている。
 略称を「北日展」と言い、日本画の普及向上を目的に取り組みを続けている。今回の会員展は、昨年に次いで2回目。
 正阿弥幹子さんの猫4匹を描いた『陽だまり』、遊佐春哉さんの2羽のタンチョウの『新春双鶴』と題した作品もあるが多くは花と風景を丁寧に描き上げている。
 鎌田正勝さんの『梅花』は、梅の花を画面いっぱいに上品に、山崎いつ瀬さんの『森の語らい』は、森林の中で咲く白い大花ウドをアップするように描き込んでいる。
 新田さんの『蝦夷富士雪景』は、真っ白い羊蹄山を雄大に、三笠市の斉藤八重さんの『惜愁』は、流れる川を中心に秋の風景を入念に描くなど日本画の魅力を見せている。
 9月に本展を開き、その後三笠市で移動展を予定している。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで11日まで。


 ◆写真は山崎いつ瀬さんの日本画『森の語らい』(30号)
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Author:chikuwapan
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