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壮大なドラマの大作 『武田 京子宇宙シリーズ展』

「地球に必要なのは愛のエネルギー」「汚染された地球から新しい地球へ」―。そんな願いを込めた“うちゅうシリーズ”に取り組んで13年。いずれも油絵の具で描いた100号から480号の大作13点と、これまでに描いた25点の作品の写真を展示、深い神秘感を広げている。昨年に次いで41回目の個展。
カラフルで雄大なスケール。かつては専ら花を描いていたが、宇宙の世界へ視野を広げ、壮大なドラマチックな展開に。120号4枚、あるいは3枚を組み合わせた大作が壁面いっぱいに並び、ファンを圧倒する。
回転する大小の円の中に数々の花が咲き、天使が舞い、天空から光りが差し、星が輝く…そんな宇宙の世界を美しく荘厳神秘感とストーリーを込めて描いている。
動的な筆勢であり、画面が生き生きとしている。「地球が愛と光の星になるように」という願いが伝わってくる。
札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで3月1日まで。
◆写真は、油彩の大作『転生』(320号)

「地球を救いたいという思いを誰かに描かされているような感じです。パッと目の前に浮いてくるのです。不思議な世界なのです」。スケッチをせずいきなり描く。6月には2012年に次いで東京・銀座でも個展。東京生まれだが富良野高校卒。札幌市中央区で、京子の花画廊を経営。
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個性豊かに70点 『道彩会会員会友展』

今年9月に第35回記念展を開く水彩画の公募団体、道彩会(小堀清純代表)の会員56人、会友14人の作品展。今回が第34回展。個性豊かに水彩画の魅力を競い合い、札幌時計台ギャラリーが出賞する「みず賞」は、黄倉和子さん(江別)の作品『白い1日』に贈られた。
同展は、9月16日から札幌市民ギャラリーで開かれる記念展のいわば前哨戦。風景、花を中心に人物、静物などアクリル絵の具、パステルなども駆使して多彩な表現力を見せている。
高橋智子さん(札幌)中島恭代さん(江別)らの抽象絵画も人目を引くが、多くは具象構成で色彩も明るい。「みず賞」の黄倉さんの作品は冬景色の空気感を広々とした空間で表現、辺見富美子さん(江別)の『夜明け』も赤系の色彩が幻想的。松渕耐子さん(江別)高村恵子さん(同)の花の作品は、ストーリーをにじませるなど全体にスマートな印象。充実した水彩画展になっている。
札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで28日まで。
◆写真は「みず賞」を受賞した黄倉和子さんの水彩画『白い1日』(40号)

1987年の第7回展から代表。今回は『南瓜のある生物』(40号)を出品。道彩会(北海道水彩画会)は、1982年に同人として第1回展を開いた。その時の創立会員。白日会展で佳作賞、準会員奨励賞。「アトリエせせらぎ」などで指導している。白日会会員。札幌東高卒。1943年夕張市生まれ。札幌市在住。
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札幌の風景を伸び伸びと 『青空の会展』

「青空の下で札幌市内の風景をスケッチし、楽しみながら描く」というグループの水彩画展。13人が33点を発表。風景を中心に「冬季間に描いた」という静物を含め、明るく伸び伸びと描いている。4回目の発表。講師は白日会会員、道彩会代表の小堀清純さん。
2005年7月の「スケッチ・ピクニック~水彩で描く札幌の夏」がスタートで、その翌年から冬季間のコースも加わり生物に挑戦している。
キャリア3年から11年。小堀さんは「デッサンの時にアドバイスをする以外は自由に」と語っているが新道展、道彩会に入選している人も。
徳田行弥さんの風景『芸術の森』は、すっきりとした空気感が広がり、溝口宏さんの『豊平館と中島公園』は、洗練された色彩。酒井美佳さんの『秋の豊平川』は、画面いっぱいに大きなスケールで…など、それぞれの作品から書く楽しさ、喜びが伝わってくる。溝口さんと糸塚章子さんは、05年から会員。
札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで21日まで。
◆写真は、酒井美佳さんの水彩画『秋の豊平川』(10号)
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資料約200点を展示 特別展 小檜山博の文学

1976年に小説『出刃』で文壇にデビューして以来、来年で40周年を迎える作者の足跡と文学の魅力を物語る特別展。自筆の原稿を始め数々の資料約200点が展示され、小檜山文学と人柄を紹介している。
1937年オホーツク館内滝上町生まれ。中学生の頃から小説や詩を書き『出刃』で北方文芸賞を受賞以来、本格的に作家活動を始め83年に『光る女』で泉鏡花文学賞、03年に『光る大雪』で木山捷平文学賞を受賞した。
北海道の大地に生きる作家と言われ、開拓時代の厳しい環境と生活を背景に生き抜く姿を書き続けている。
展示は、数々の自筆の原稿、色紙、13歳まで住んでいた家の写真、愛用のペン、書作品などから現役メジャーリーガー・田中将大投手のサインボールまで多彩。
文学への熱い思いと幅広い人脈を知ることが出来る。22日に祝う会も開かれる。
札幌市中央区中島公園、道立文学館で3月22日まで。
◆写真は展示されている多くの資料

常に本道の自然とそこで生きる人間をテーマに書き続けている。特に過酷だった開拓時代の生活が根底にある。エッセイスト、コラムニストとしても多忙。05年に北海道文化省など多数受賞。郷里に文学碑もある。苫小牧工業高校卒。北の映像ミュージアム館長。札幌市在住。
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独自の「にじみ画」70点 安保 真作品展

1995年に独自の技法による「にじみ画」を確立して20年。その記念展。シマフクロウを中心に描いた新しい墨絵がファンの心を捉えている。札幌展は、2011年以来4年振り。本道で制作・発表していたが、01年以来東京を中心に活動を続けている。
水墨画ではない。書でもない。水をはじく紙に描きたい所に筆で水をつけ、そこに墨を加えてにじませ、不用な水分は布やスポンジで吸い取る、という手法を繰り返しながら絵を作り上げる。「1点仕上げるのに3ヶ月から4ヶ月はかかる」という根気の取り組み。
作品は、墨の濃淡を生かしシマフクロウを中心にストーリーを作り上げているのが特徴。そこにはアイヌ文化への熱い思いが込められている。作品『北緯43度の光と影』『バラとふくろう』など木々や花の中でシマフクロウが語り合うような姿をホットな情緒で描いている。心が和む。
札幌市中央区南1西3、三越9階イベントホールで9日まで。
◆写真は、にじみ画の『キズナ』(60×90㎝)

現代墨絵作家。元々は書家。「中学時代にアイヌ文化に魅せられ、大人になって生涯のテーマとして描き続けることを決めました」。にじみ画は独学。2010年に日仏現代美術世界展での受賞など数多く受賞。夫人は陶芸家。1962年オホーツク管内佐呂間町生まれ。兵庫県在住。