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具象絵画の魅力30点 『グループ環展』

美術団体の枠を超えて具象の美を追究しているグループの連続16回目の絵画展。15人が風景を中心に女性像、花を描いた作品30点を発表、具象絵画の魅力を堪能させている。
「美術ファンに親しまれ、楽しんでもらえる展覧会を」と、2000年に第1回展メンバーは中吉功、香取正人、中村哲泰さんの3人だけだが、今年から北山寛一さんが加わるなどが加わるなど結束力が強い。
明るく澄んだ色彩の中吉さん、合田典史さん、香取さん、池上啓一さんらの風景、藤井高志さんの少女像、佐藤光子さんのスケーティングの表情など個性豊か。水彩画の岩佐淑子さん、平原郁子さんも入念な描き込みで本領を発揮している。
入場者は、毎年1000年人を超えている。今回も多くのファンが訪れており、具象絵画の人気を裏付けている。
札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで28日まで。
◆写真は展示されている多彩な作品
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大作中心に14点 『工藤 悦子個展』

抽象絵画に取り組んで30年以上のキャリアを誇り、躍動感に富む『環』シリーズの150号2点、120号2点を合わせた大差を中心に14点を発表。会場の時計台ギャラリーだけで3年振り13回目の個展。
これまでに『燦』『夜の鼓動』『悠々の華』シリーズなどを発表してきた。これらの作品の基調は『生命』で、今回も変わりないない。だが従来のブルー系で花びらが重なり会うようなフォルムからオレンジやイエロー調に、そして不定形なリンゴの断片が連続するような展開に変わった。
紙やビニールなどに絵の具で描き、それをキャンバスに転写するデカルコマニーという手法で入念に描き込んでいる。色彩とマチエールが微妙に変化し、フォルムの連続性と共に強い生命力が伝わってくる。色彩の美しさも魅力的である。
札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで27日まで。
◆写真は、120号2点を合わせた油彩の大作

「制作は、いつも悩みますが、今回は直観みたいな感じです」。下地づくりに長時間かける
「デカルコマニーの手法は、思いがけない形ができることがあり楽しい」。主体展で1994年、96年、97年佳作賞、新道展で89年、90年、93年に同賞、01年にかおる賞を受賞。主体展、新道展会員。江別市在住。
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多彩なガラスの造形美 『初夏のガラス展』

「ガラスの魅力を、より多くの方に見ていただきたい」―。日本ガラス工芸協会会員10人とイベント参加の1人合わせて11人が、個性豊かな造形美に富む多彩な作品を発表している。今年3月、東京で開いたのに次ぐ展示で札幌では初めて。
出品作家は東京、神奈川、岡山、山梨、宮城県在住など幅広く、本道からは中川晃さん(空知管内栗山町)と北島昌子さん(後志管内ニセコ町)が出品している。
ガラス展というと、とかく家庭用品をイメージしがちだが、会員10人のガラス作品は、多彩な造形美が魅力。主催者側では「どのようにして作られたのか楽しみ、会話をしてほしい」と語り造形、色彩などバラエティーに富んでいる。
鍋田尚男さん(仙台)の着物の文様を思わせる作品、西悦子さん(川崎)の「華」をテーマにマリーゴールドなど何種類ものカラフルな花びんらを表現した作品、谷祥一さん(東京)の魚をイメージした作品…それぞれが、感性豊かなガラスアートを表現している。札幌でこのようなガラス展は珍しいかも知れない。9月に東京でも開くという。
札幌市中央区大通西13、札幌市資料館ミニギャラリーで21日まで。
◆写真は多彩な作品が展示されているガラス作品
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『風の予感』シリーズ中心に 吾孫子 雄子個展

「取り組んでほぼ20年」という『風の予感シリーズ』と「昨年から」という新作『刻(とき)』の100号から130号の大作6点を中心に2室に合わせて43点を発表。大作は動的で重厚なマチエールで描き内面性を追究している。札幌では、2011年以来4年振り7回目の個展。
大作の『風の予感』シリーズは、釧路湿原を意識し、吹く強風の中で2羽あるいは3羽の鳥が、羽を広げ自然と格闘し合うような動的な展開。情熱的な赤系を基調にしイエロートーンなどで執ように描き込み、一部にコラージュも使い自然の表情、変化を追究している。空気感に富み動的。
絵の具を何層にも重ね、入念な描き込み。ブルー系を基調にしたのが新作の『刻(とき)』。一層心象性を強め広々とした空間の中にドラマを感じさせている。小賓は花を中心に描いている。
札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで20日まで。
◆写真は油彩の『風の予感』シリーズの2点(いずれも130号)

「強風など自然の力には人間にはかなわないといつくづく感じたのが風の予感シリーズの始まりです」。1978年、道展に初入選以来38年。87年釧新郷土芸賞を受賞、その後道展で佳作賞、会友賞を受賞。個展、グループ展は数多く、今年1月に東京、6月初めに札幌でグループ展。道展、釧路美術協会会員、新制作展所属。武蔵野美大通信教育美術科卒。釧路市在住。
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記念賞はモリ、宮下さんに 『70周年記念全道展』

1945年に創立された全道展(全道美術協会、川本ヤスヒロ事務局長)の記念展。絵画、版画、彫刻、工芸の4部門で一般公募の入賞・入選作品をはじめ会員、会友の作品合わせて489点が展示され、訪れる美術ファンを魅了している。
今年は501点の応募があり、30点が入賞、204点が入選した。
最高賞の70周年記念は、モリケンイチさん(46)=札幌=の絵画『冬の夜が明けるまで』、宮下真理子さん(26)=北斗市=の彫刻『深呼吸』に。また画家八木保次、伸子夫妻(ともに故人)の功績をたたえて新設された八木賞は、阿部一真さん=苫小牧市=の絵画、松浦進さん=札幌=の版画に贈られた。
モリさんは2013年と14年に奨励賞を受賞しており、今回の受賞作は、雪原に立つ裸婦像を神秘的な情緒で描いている。
宮下さんは、初出品で受賞。女子美術大学3年の時、学生美術全道展で最高賞を受賞しており、川本事務局長は「若い方が進出することは大変うれしいことです」と歓迎している。
壁面に2段掛けなど会場いっぱいに展示された大作、力作は個性豊か。圧倒的な絵画は、例年以上に具象的な取り組みが目立ち″変化”を感じさせる。
13日午後6時から札幌全日空ホテルで授賞式・懇親パーティーが開かれる。
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで21日まで。
◆写真は、左側がモリケンイチさんの作品『冬の夜が明けるまで』(100号)
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ホットなメルヘンの世界 『湊征一郎みすゞ童話の世界展』

わずか28年の生涯を終えた詩人金子みすゞ(山口県出身)の詩からイメージして描いた作品32編を1冊にした『フィルム版画で彩る金子みすゞ童話の世界』が、今年1月文芸社(東京)から発刊された。その記念展。原画32点のほか、制作の指導を受けている8人の作品合わせて60点が会場いっぱいに展示され、メルヘンの世界を広げている。
金子みすゞの詩に魅了され『童話集』の作品に取り組んで6年。その制作はPP(ポリプロピレン)孔版画という独自の手法。透明のPPフィルムを切り抜き化粧用パフで彩色して絵をつくり上げていくオリジナルの手法。
作品は夜空を飛ぶ白鳥、波間に浮くヨット、丘の向こうの夕日を見つめる少女など明るい色調でソフトに描き、ホットな情緒。金子みすゞに熱い思いを込めて描き込んで”語り″が伝わってくる。心が和む。
札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で14日まで。
◆写真は「ふるい港の大時計…」で始まる詩の作品『不思議な港』

「PP孔版画は誰でも気軽に、楽しくがコンセントです」。使う素材は100円ショップで売っているものを使用。彩色は水彩絵の具。元々は油絵画家だったが、2004年にPP孔版画を考案、翌年から道新文化センターで指導。「全国に広げたい」。個展は30回以上。札幌孔版画会代表。1941年留萌管内苫前町生まれ。札幌市中央区在住。