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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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風景を明るく生き生きと 『合田 典史展』

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 小樽、室蘭、余市、利尻、美瑛…道内各地の6月から9月の風景を明るく晴れやかに描いた油彩36点を発表。サムホールから100号。5年振り2回目の個展。
 小樽市内の倉庫群や教会など建物を描いたものもあるが、中心は海と山のある風景。「描くのが楽しい」と語り、明るく生き生きとした筆勢で描き空気感が広がっている。
 青空いっぱいの『羊蹄秋』、山を画面いっぱいに捉えた利尻の『オタコトリ沼から』、ヨットを中心にした室蘭の『雨上がり』…グリーンの濃淡とブルー中心に動きのあるタッチで描き込み、さらにヨット、家などのホワイトとのコントラストが豊か。
 透明感に富む色彩で、本道各地の風景を大きなスケールですっきりとした空気感で描き上げている。

 札幌市北区北9西3、ギャラリーエッセで8月2日まで。

 ◆写真は室蘭港描いた『雨上がりⅠ』(80号)



 P1060294_convert_20150730133322.jpg  合田 典史(ごうだ・のりふみ)さん
 マイカーで道内を回り昨年7月には利尻、礼文へ。具象絵画に取り組んで20年以上。札幌・発寒中学校教師時代に新道展の香取正人さんに出会ったのが大きいという。月寒高校時代は美術部に。新道展で1997年佳作賞、04年会員。早苗江夫人は水彩画家で道彩会会員。新道展事務局次長、グループ環会員。道教育大学札幌校卒。1951年札幌市生まれ。同市手稲区在住。
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濃密な色彩でリズミカルに 『後藤 和司個展』

 
 かつては具象絵画だったが、抽象作品に取り組んで30年―。抽象絵画の大作から具象の小品、さらに心象的な版画(シルク)合わせて30点を発表、多彩な感性を見せている。1995年以来20年振り3回目の個展。
 「抽象作品は、自然現象からヒントを得ることが多い」。アクリル絵の具による『River』『見つめる時』の大小の作品は、ブルー系の濃淡を基調に、『River』のシリーズはホワイトも効果的に使い洗練された色彩構成。
 タイトルが示すように川の流れをイメージさせ、色彩の組み合わせと筆の走りがリズミカルで心地よい。
 『見つめる時』は、「鎮魂がテーマ」と語り、画面に広がる濃く深いブルーは海を思わせ、その底に何かが沈み、訴えているように伝わってくる。
 一方、具象絵画は、猫や風景を明るく細密に描き込んでいる。

 札幌市豊平区月寒中央通9丁目3-36、ギャラリーパレ・ロワイヤルで31日まで。

 ◆写真は100号3点を組み合わせた作品『River』


 P1060273_convert_20150730133200.jpg  後藤 和司(ごとう・かずし)さん
 「最初の10年ぐらいは具象だったが、抽象は開放感があり楽しい」。札幌の中学校教師時代に抽象作家と出会い刺激を受けた。1980年新道展に初出品、90年会員、今年3月から新道展事務局長、道抽象派作家協会会員。道教育大学札幌校卒。1952年札幌市生まれ。同市豊平区在住。

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今回展で34年の歴史閉じる 日本画美術協会展

 
 「日本画本来の美しさを知ってもらい愛好者を増やしたい」―。1982年7月に第1回展を開いて以来今回が第34回展。15人が22点を出品、日本画の美を競っているが、会員の高齢化などで今回展を最後に、34年の歴史を閉じることになった。
 同展は、公募展としてスタート。伝統の美である絹絵、水墨画を中心に毎年100点を上回る応募がありファンも多かった。日本画美術協会の池内北天木会長は「絵には品格がなければならず、見る人に分かる絵を」と、指導と振興に情熱を注いでいた。
 しかし近年、応募点数が下降線たどり、昨年は公募をやめて会員と会員が推薦する作家合わせて26人による協会展だった。今回は会員だけの発表。
 歴史を閉じることになった大きな理由は、会員の高齢化。今回出品している会員は80歳代が5人、70歳代が6人、60歳代が4人で、最高齢は89歳。池内会長も86歳に。
 今回展の15人は、キャリアが豊富。風景、花を中心に水墨画、絹絵を発表。村井竜甫さんの日本画『秋色』、長川定充さんの『りんご園』、勝木郁子さんのケシの花を描いた『父の庭』、山田鳳苑さんの水墨画『松樹雪凌』…伝統の美の魅力を見せている。それだけに「今回で終わり…」というのは惜しまれる。


 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で26日まで。


 ◆写真は碓井竜門さんの水墨画『松林初雪』(20号)

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協会賞は佐々木優子さんの作品 『第44回北海道陶芸展』


 北海道陶芸協会(奥岡茂雄会長)主催の公募展。道内、本州からも合わせて99点の応募があり、陶芸協会賞・道知事賞は、札幌市・佐々木優子さんの作品『月下の雫』に。昨年の土泡賞に続いての受賞となった。
 今年は、14歳(中学2年)から89歳の方まで道内各地と東京、横浜、名古屋、盛岡市など幅広い地域から応募があった。作品はアイディアに富み、多彩な造形美を見せ、しかも大作が多く、年々レベルが向上している。
 初出品が24人と、多かったのが特徴でもあった。
 協会賞、佐々木の作品は洗練された美しさであり、文部科学大臣奨励賞・福山桂子さん(札幌)はキメ細やかな造形美。原田昭さん(同)は、初出品で最優秀新人賞、札幌全日空ホテル賞を受賞するなど感性豊かな作品が、ファンを魅了している。


 主な受賞者は次通り(敬省略)


 ▽札幌市長賞 栗谷幸恵(札幌) ▽北海道新聞社賞 花井信子(清里町) ▽道教育長賞 古川陽子(茨城県) ▽札幌市教育長賞 渡辺礼子(札幌) ▽土泡賞 岸下幸治(幕別町) ▽審査員特別賞 細井義之(旭川) ▽STV賞 村上強 ▽道火災共済協同組合賞 金子しおり(同) ▽DCMホーマック賞 國島由希子(同) ▽中西印刷株式会社賞 佐藤楓(同)


 ◆写真は 協会賞を受賞した佐々木優子さんの作品(手前)とその隣りは文部科学大臣奨励賞・福山桂子さんの作品


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78人が多彩な作品 夏まつり「暑中見舞い」展

 
 さいとうgalleryの恒例の夏まつり企画展。今年で連続20回目。テーマは「暑中見舞い」。これまでに最も多い78人が多彩な作品を発表、暑中見舞いをアートで競っている。
 油彩を中心に水彩、版画、陶芸、立体造形、金工など幅広い分野の作品が、壁面いっぱいに飾っている。地元札幌はもちろん稚内、岩見沢、小樽市など各地から出品、阿部英・美智子夫妻、毛内康二・やすはる親子といった顔ぶれもあり、にぎやか。
 初出品は若林洋子、小原邦子さんら5人。
 泉修二さんの『冷やし中華』、渡会純价さんの『金ぎょ!』、水戸麻記子さんの『スイカ』、野崎嘉男さんの『暑中見舞い申し上げます』など作品はバラエティーに富み、思わず表情が緩む。
 真夏のひと時を個性豊かな作品が暑さを忘れさせる。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで19日まで。


 ◆写真は、小原邦子さんの作品『あついんだもの』

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美術で日中友好を 『北海道・黒龍江省国際交流美術展』

 
 日中の友好促進と芸術文化の交流を―。北海道文化団体協議会(阿部典英会長)による中国・黒龍江省のアーティスト5人と本道在住の画家、造形作家、陶芸家21人の美術展。2013年札幌市14年ハルビン市に次ぐ3回目の開催。
 道文団協は、1986年以来黒龍江省と芸術文化の交流を続けており今年で29年に。当初は舞台公演による相互訪問だったが、諸種の事情で中止となった。だが「長年築いてきた交流を続けたい」として美術展を提案、13年に札幌市で第1回展が開かれた。
 ハルビン市の黒龍江省美術館から関係者6人が札幌入り。同美術館の張玉傑館長ら5人の水彩画、油彩、木版画12点が展示され、関心を呼んでいる。
 本道側からは道展、全道展、新道展、陶芸協会の会員と阿部会長が油彩、日本画、水彩画、版画、彫刻、陶芸、立体作品を会場いっぱいに展示、文字通り美術の交流に。
 初日の13日にオープニングパーティーも開かれ友好を深めた。同展はハルビン、札幌両市で3回ずつ開催6年間続けるという。

 札幌市中央区南1西11、コンチネンタルギャラリーで18日まで。

 ◆写真は、展示されている数々の作品

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細密で明るく描く 『江湖 さえみスケッチ展』

 
 「スケッチが大好きで、描いていている時が一番ハッピーです」―。昨年秋から小樽、神戸をスケッチした水彩画と札幌市内を描いた近作30点を発表。明るい色彩で丁寧な描き込み。今年小樽で発表したのに続き4回目の個展。
 ペンと透明水彩で描いた作品は、風景と歴史的な建造物が中心。それらは「80%は現場で描く」と語り、実に細密な描写力。「毎日天気予報を気にしている」ほどで作品は、いずれも春から秋の快晴の光景。従って色彩が明るい。
 風景の中に人が描かれているのが特徴。作品『小樽運河』は、運河沿いの人々、『小樽駅』は駅前の多勢の人々を描くなど風景の美しさだけではなく、呼吸が伝わり”生活″を感じさせる描き方。札幌市の資料館とバラ、道庁赤れんがとイチョウなど色彩のコントラストも鮮やか。

 札幌市北区北8西1、石の蔵ぎゃらりぃはやしで14日まで。

 ◆写真は水彩画の『小樽運河』



 P1060226_convert_20150712103754.jpg  江湖 さえみ(えこ・さえみ)さん
 「座ると目線が低くなるので」と、常に立ってスケッチをする。1点描くのに2時間から2時間半。「小樽運河では、取り囲まれて大変でした」。9月には、ニセコへ行く。2008年にペンで描くスケッチ教室に入り、13年に初個展。北海道女子短大(現北翔大学)卒。釧路市生まれ。札幌市在住。

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多彩な作品60点 男3人展

 
 「三者三様の個性豊かな作品を楽しんでいただきたい」―。書家の島田一嶽さん、作曲家の木村雅信さん、木彫作家・屋中秋谷さんという″異色”とも思える3人の作品合わせて60点が会場いっぱいに展示され、ホットな情緒を広げている。
 書道界のベテランで北海道書道展会員の島田さんは「肩書に関係なく、これは良いという書を書いていく」と、20点を発表。淡墨、濃墨、漢字、かな…リズミカルな筆勢から堂々とした風格の作品まで多数。書の魅力を堪能させている。
 木村さんは、詩人でもあり「どこへ行くにもスケッチブックとペンを離さない」という多才さで、絵画15点を発表。ヨーロッパ、国内旅行の際に描いた作品が中心。描くことの楽しさが伝わってくる。
 1975年に木工を始めて以来今年で40年の屋中さんは毎年個展、グループ展で発表、9月には東京で2人展も予定。出展の25点はクリ、ケヤキ、タモといった素材で大小の『うつわ』のほか、独自の木のアートである合わせ木の作品も。これは異なる木を組み合わせて美しい文様を表現したアクセサリー的な木の彩りである。
 初の3人展で、ともに札幌市西区在住。


 札幌市西区二十四軒4条3丁目3-15、ギャラリー北のモンパルナスで25日まで。


 ◆写真は、展示されている数々の作品

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ヒマワリの生命力を力強く 『居林 洋子油彩画展』


 ヒマワリの美しさ、生命力を描き続け、2012年に道展の会友推挙に。さらに二紀展に入選を続けており今回、2室に100号、130号の大作を中心に13点を発表。大きなスケールで生き生きと描き込んでいる。札幌では2006年以来9年振り2回目の個展。
 ヒマワリといっても花瓶に生けて飾っている表情ではない。画面の中央に縦に数多くのヒマワリを色彩豊かに描き、その背景に風景…という独自の花の世界。その風景は、滝川市江部乙にある丸加高原。
 「ヒマワリは、枯れてもいろいろな表情を見せ、生命力がある」と語り、ヒマワリを浮き立たせるように向こう側に丸加高原が。
 大作『丸加の里~涼風』『丸加の里~秋日』は季節感を描き、『丸加の落日』は、ヒマワリの向こうに夕日が沈む光景。表情豊かに深いマチエールで入念に描き込み、動的な情緒でさえある。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで7月4日まで。

 ◆写真は、油彩『丸加の落日』(100号)



 P1060191_convert_20150703100836.jpg  居林 洋子(いばやし・ようこ)さん
 2004年に滝川美術自然史館副館長を最後に市役所を定年退職以来11年。「そろそろ札幌で…と思っていました。道展も今年90周年ですし」。91年に道展に初入選、80年に佳作賞。07年以来二紀展にも入選。14年に滝川市文化功労賞受賞。滝川美術協会事務局長を11年務め、今年4月から顧問。道展会友。1944年滝川市生まれ。同市在住。
プロフィール

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Author:chikuwapan
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