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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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3室に多彩な大作 『春陽会道作家展』

 

 本展(東京)で今年92回展だった伝統の春陽会展に挑戦している本道在住の会員、会友と一般出品者合わせて23人がA、B、C3室に油彩を中心に36点を出品。100号、130号といった大作が多く意欲的な取り組みである。27回目の道作家展。

 会員は新出リヱ子さんと折登朱実さん。会友は16人。金田隆善さん(網走市)が初出品している。道内の公募展で活躍している人が多い。
 鈴木いずみさん(札幌市)の水彩以外は油彩。作品は、来年4月の93回展を視野に入れた大作で抽象から具象絵画まで多種多様。「春陽会は個性を尊重し自由に伸び伸びと描くことをモットーにしている」(事務局)こともあって心象性の強い個性豊かな大作、力作が多く見応えがある。
 3階では、北海道研究会版画部展も開かれており8人が出品している。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで28日まで。


 ◆写真は新出リヱ子さんの油彩『開―感』(100号)
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6部門の多彩な289点 『道展90周年記念企画展』

 
 1925年10月、中島公園にあった札幌農業会館で第1回北海道美術協会展を開いて以来今年90周年を迎えた記念展。日本画、油彩、水彩、版画、彫刻、工芸6部門の会員、会友174点と遺作15点の合わせて289点の大作、力作が会場いっぱいに展示されている。
 「地域が支える道展。そして未来へ」がテーマ。それを示すように道北、道東から札幌まで作家の所在地が分かるように時計回りに展示され、12支部の活動状況も表示されている。
 作品は多種多様。展示も立体感と共に奥行きのある配置が工夫されていて見応えがある。
 日本画家の平向功一さん、油彩の島常雄さん、野口秀子さんらが立体作品も出品しているなど、どの作品も個性豊か。澤田範明事務局長は「100周年に向けて第一歩を踏み出した道展を見ていただきたい」と語っており、文字通りアートの競演に。
 札幌時計台ギャラリーでは21日まで震災復興チャリティー展も。
 観覧料一般800円、大学生以上無料。

 札幌市中央区北1西17、道立近代美術館で23日まで。

 ◆写真は展示されている多彩な作品
 

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協会賞は岩田さんの作品 『第33回北海道シニア陶芸展』


 60歳以上を対象にした公募展(北海道陶芸協会主催)。今年は77人から103展の応募があり、陶芸協会賞・道知事賞は帯広市の岩田礼子さん(64)の『雨の物語』が受賞した。昨年は、札幌市教育長賞を受賞している。
 応募は岩手県、愛知県などからもあり、最高齢は92歳で平均年齢は73歳。89歳の湊琳子さん(札幌)が奨励賞を受賞するなど感性豊かな造形美の力作が多く、訪れるファンの心を捉えている。


  21日札幌全日空ホテルで表彰式・交流会が開かれる。


 協会賞以外の主な受賞者す下記の通り(敬称略)

 ▽最優秀新人賞・札幌全日空ホテル賞 菅原米(岩手県) ▽札幌市教育長 宮脇優子(札幌) ▽道教育長賞 岡なみ子(北見) ▽札幌市教育長賞 柴村志津枝(札幌) ▽土泡賞 佐貫純子(北見) ▽審査員特別賞 八巻正夫(札幌) ▽北海道新聞社賞 山下賢太郎(同) ▽STV賞 松井茂樹(同) ▽道火災共済協同組合賞 堤清止(同) ▽DCMホーマック賞 鷲北曄子(帯広)


 札幌市中央区南2東8、札幌市民ギャラリーで22日まで。


 ◆写真は手前が岩田礼子さんの受賞作品

 

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独自の石炭画38点 『早川 季良展』

P1060601_convert_20151112174659.jpg 
 「全国的にも珍しい」と言われている石炭画(コールレリーフ)に取り組んで30年。その独自の作品38点を発表。体調が勝れず1日2~3時間制作した色紙サイズを中心に2008年以来7年振りの個展。喜寿を迎え「77歳生命の歩み展」と銘打っている。
 元炭鉱マン。1957年、18歳で石炭業界に入り奈井江、美唄、夕張など28個所の炭鉱で働いた。ところが24年後の81年にじん肺と診断され、労災認定を受けた。以来、絵の制作に集中、85年に粉炭、石炭の灰、砂などによる独自の石炭画をつくり上げ、86年以来個展、グループ展で発表してきた。
 黒系が基調だが、今回はポスターカラーも使いカラフル。神威岬、利尻山、石狩浜、狩勝峠といった道内の四季を重厚なタッチで描き、さらに珍しくバラ、ヒマワリといった花の作品10点も。
 14日にピアノ弾き歌いコンサートと朗読会が開かれる。

 札幌市西区二十四軒4-3、ギャラリー北のモンパルナスで28日まで。

 ◆写真は色紙の『雌阿寒岳遠望』


 P1060605_convert_20151112174732.jpg  早川 季良(はやかわ・きよし)さん
 10月に入院したが、長女和江さんの励ましで今回の個展に。1086念から日輝展で金賞、ロッテルダム賞、利尻賞など受賞。94年、上砂川町で5500号野外展、03年には道庁赤れんが前庭で雪中野外展などを開催。日輝会展委員。1938年オホーツク管内西興部村生まれ。空知管内上砂川町在住。

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古代都市の崩壊と歴史 『佐藤 武展』

 
 1975年にインド・ネパールを取材以来約40年―。「静寂、不安、崩壊」をテーマに古都の崩壊を描き続け、今回は「旅の終わり」をメーンテーマに三曲屏風(横4・8m)二曲屏風(同3・6m)の大作を中心に19点を発表。広々とした空間に古代のドラマが秘められている。77回目の個展。
 広大な砂漠に崩壊した古代都市の一部やその破片が広がり、画面のほぼ3分の2が空という大きなスケール。『旅の終わり』『雨上がり』『時空の果て』のシリーズを細密な描写力で展開している。
 今年6月に完成したという屏風仕立ての『雨あがる』など、どの作品も森閑とした空気感。かつて栄華を誇った年の息吹が伝わってくる。崩壊の中には墓もあり、砂漠の中の都市像を創造させ、歴史が秘められている。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで14日まで。

 ◆写真は三曲屏風の大作『旅の終わり~雨あがル』(1・2m×4・8m)


 P1060611_convert_20151112174626.jpg 佐藤 武(さとう・たけし)さん
 すべて今年の新作。額装も自家製。小学校4~5年から油絵を描いたという。独学。初個展は1967年。昨年も札幌、横浜で。第5回上野の森美術館絵画大賞展で特別優秀賞。北海道の美術・イメージ動展で道立近代美術館賞、第6回東京セントラル美術館油絵大賞展で佳作賞など。1947年千歳市生まれ。札幌市北区在住。

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植物の生命力をアートに 『杉田 光江展』

 
 「このような作品を発表するのは全国的にも珍しいかも…」。『森・生命体・再生』をテーマに乾燥させたガマの穂を会場いっぱいに床面に敷き、イネ科の植物というホリジュームのやはり穂の部分を組み合わせて天井からつり下げた全く独自のインスタレーション。枯れた植物の再生が強調されている。2009年以来6年振り9回目の個展。
 「会場で展示するのに4日かかりました」。その取り組みは枯れた植物の美と生命の再生である。すっかり茶色に枯れたガマの穂を真綿状に床面いっぱいに広げ、乾燥させてふわふわと浮くホリジュームの穂の部分を3~4mの長さに組み合わせ、タンポポり綿毛も付けて新たな生命体に。
 植物の種子が秘めている生命力を引き出してアートに″変身”させている。神秘感も漂わせた独自の世界である。


 札幌市中央区北1西28、ギャラリーレタラで16日まで。


 ◆写真は会場いっぱいに展示された作品





 P1060591_convert_20151104161335.jpg  杉田 光江(すぎた・みつえ)さん
 中学校時代から生け花に親しみ現在草月流1級師範で理事。従って花、種子への思いは強い。「多くの方の理解と協力に恵まれています」。横浜市生まれで1985年札幌市へ。その5年後から制作。初個展は1992年。北海道立体表現展など多くのグループ展に出品。2000年に草月作品賞を受賞。札幌市在住。

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245人が大作、力作 『全道展70周年記念企画展』

 
 1945年の終戦直後の混迷期に創立、翌年に第1回展を開いた全道展(全道美術協会)が「70年―新生する全道展」をキャッチフレーズに開いている記念展。会員、会友245人が絵画、版画、彫刻、工芸の大作、力作を発表、初日から美術ファンを魅了している。
 「これまでの足跡と歴史を認識し、明日の全道展へ大きな飛躍を」―。制作のテーマは自由だが「新たな全道展へ」の意気込みを示すように発想の豊かなバラエティーに富んだ作品が会場いっぱいに展示されている。
 いずれも大作。抽象から具象構成まで幅広い。絵画の渡辺貞之さん、八子直子さんが立体的な作品、米澤邦子さんはコラージュ、斉藤隆博さんは鉄を思わせるような素材による立体感、川本ヤスヒロさんはひっかきの手法で水彩やパステルも…など新たな挑戦の作品が多く人目を引いている。
 初日の10月31日に講演会、会員、会友による演劇も行われた。会期中4000人の入場者が見込まれている。
 観覧料一般800円、団体700円。大学生以下無料。

 札幌市中央区北1西17、道立近代美術館で8日まで。


 ◆写真は展示されている大作、力作
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『北海道を彩るアーティスト』
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