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本道の風景を鮮明な色彩で 『高橋 哲夫油彩画展』

生き生きとした絵の具の走りで北海道の風景を描き続けており、今回も『北海道風景を描く』をタイトルに25点(サムホールから30号)を発表、風景絵画の魅力を堪能させている。すっきりとした空気感と大きなスケールで展開している。
「描くのが楽しい。道内の風景は頭に入っている」―。筆を使わずペインティングナイフでぐいぐいと描き込み歯切れのよいタッチと鮮やかな色彩のコントラストで仕上げている。
札幌、小樽、函館、富良野…各地の四季を動的に描き込んでいる。広々とした『暑寒別岳』、富良野の『ラベンダー』、木々のグリーンがさわやかな池田町の『六月の森』、黄色が鮮やかな北大の『イチョウ並木』あるいは遠くを展望する函館の『北の教会』…空気感に富み、すっきりとした風景。描く気迫が伝わってくる。
札幌市中央区北5西4、大丸札幌店8階美術画廊で8月2日まで。
◆写真は池田町の森を描いた油彩『六月の森』(15号)

昨年傘寿記念展、1昨年は画業40年記念展を開いた。絵は独学。個展、グループ展は数多く、今年も10月に帯広と福島、11月函館、新年1月には水戸市で開く。「朝3時頃に起きて描く。サムホールなら1日に10枚は仕上げる」というスピード振り。今年の北洋銀行のカレンダーも担当。1935年伊達市生まれ。石狩管内当別町在住。
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スケール大きな心象風景 『八重樫 眞一展』

「モチーフは、私自身です」―。“森の舟“をテーマに重厚な質感でストーリー性を込めた100号の油彩6点を中心にサムホールまで24点を発表。個展、グループ展は数多く、会場の時計台ギャラリーでは2012年以来4年振り。
川がうねるように流れ、その向こうに古い家が建ち、その背景に樹林が。それを動的なタッチで描いている。「過ぎ行く時間を描きたかった」と語り、時の流れや歴史が作品の根底にある。
両親の郷里であるロシア・サハリンへの思いを込めた『森の舟』、川の中の森林を描いた『森を行く』、家を取り囲むように川が流れる『遥かな空より』…川のうねりが過去を印象づける。同時に未来へ、という期待感もうかがえる。スケールの大きな心象風景である。
札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで30日まで。
◆写真は油彩の『遥かなる黄』(100号)

作品搬入の前日まで描き込んだ。「新しい視点を探しながら今日を生きる不思議を表現したい」。道教職員美術展で特選、佳作賞、道展で新人賞、佳作賞。道展会員で庶務部長。初個展は1985年。岩手大学教育学部特美卒。1952年札幌市生まれ。同市手稲区在住。
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協会賞は國島さんの力作に 『第45回記念北海道陶芸展』

北海道陶芸協会(奥岡茂雄会長)主催の公募展が1971年に第1回展を開いて以来今年で45回展。その記念展に16歳から93歳の佐野セツさん(札幌市)まで82人から89点の応募があった。北海道陶芸協会賞・道知事賞は、國島由希子さん(札幌市)の『~五感~(覗いてごらん3)』に。昨年はDCMホーマック賞を受賞している。
応募は道内を始め東京、横浜、京都市などからも。道外からの応募が増えた。作品は想像力が豊かで表現力に優れ、年々レベルが向上しており多彩。「審査会でも評価が高く慎重に論議が交わされた」という。
23日午後2時から札幌全日空ホテルで表彰式と45周年記念祝賀会が開かれる。國島さん以外の受賞は下記のとおり(敬称略)
▽文部科学大臣奨励賞 剣吉雄也(埼玉県) ▽最優秀新人賞・札幌全日空ホテル賞 東澄子(東京) ▽学生の部最優秀賞・北海島科学文化協会賞 宗岡彩(札幌) ▽札幌市長賞 安野幸子(大空町) ▽北海道新聞社賞 大石俊久(札幌) ▽北海道教育長賞 中島勇(同) ▽札幌市教育長賞 山本高(同) ▽土泡賞 丹野茂雄(同) ▽審査員特別賞 中村敏美(同) ▽STV賞 古川陽子(茨城県) ▽北海道火災共済協同組合賞 井川ゆきな(札幌) ▽DCMホーマック賞 平野楓(同) ▽中西印刷株式会社賞 金子しおり(同)
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで24日まで。入場無料。
◆写真は協会賞を受賞した國島由希子さんの作品『~五感~(覗いてごらん3)』
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多彩な作品36点 『横川 優日本画展』

日本画を描いてほぼ20年―。女性像、花、風景、小動物などを描いたサムホールから100号の作品を出品。優しく丁寧に描いており日本画の魅力を見せている。4年振り3回目の個展。
一人の作家の絵画展とは思われないほどモチーフがバラエティー。中心はボタン、シラネアオイ、チューリップなど、その表情を色彩豊かに描いた花の作品だが、女性像を描いた大作が人目を引く。アンモナイトを背景にした大作『悠久の響』は神秘感を漂わせ、「京都に行った時に写真を撮った」という『舞妓』はカラフルで優雅。女性像は髪の毛1本1本を細密に描き込んでいる。
風景の『雪のナナカマド』は森閑とした情緒であり『十勝連峰』は大きなスケール。富士山を描いた作品も。和紙と絹に描ている。
札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで23日まで。
◆写真は『悠久の響』(100号)=左=と『雪のナナカマド』(40号)

日本画は50歳代前半から。それまでは書をやっていて5段の腕前。現NTTを定年退職後の2007年から京都造形芸術大学日本画コースで学びその翌年に初個展。道展にも入選していた。北日展会員、岩手大学工学部電気工学科卒。1942年上川管内幌加内町生まれ。札幌市清田区在住。
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在りし日をしのび12点 『岸本 裕躬回顧展』

かつて行動展、全道展で活躍、2011年1月20日73歳の生涯を終えた作者の作品展。油彩を中心に1960年のクレヨンによる静物画から08年の水彩画『あやめ』まで12点が展示され在りし日をしのんでいる。
回顧展は深川市で2回開かれ、13年に札幌で特選展が開かれている。
網走向陽高校から札幌西高を経て法政大学へ。同大美術部で本格的に絵筆を手にし、卒業後札幌で活躍、行動展、全道展で協会賞を受賞、35歳の時パリにも留学した。
モチーフの基調は、動・植物の力強い生命力と原始性。豊かでソフトな色彩と動きのある筆勢で生命の根源を追求していた。
今回の回顧展は『自画像』(1974年)、花を描いた『夜の梅』(93年)、農村の風景を広々と描いた『初冬の畑』(98年)、さらに馬に乗った少女の上空で不思議な生命体がうごめく『動物園の少女』(同)などバラエティーに富み取り組みの幅の広さを示している。
06年に札幌芸術賞を受賞。今回希久子夫人が初の画集を発刊した。
札幌市中央区南9西3、ト・オン・カフェで18日まで。
◆写真は1998年の歳『初冬の畑』(50号)
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堂々とした風格 『下沢 敏也陶展』

「20年以上は取り組んでる」という『RE―brth』(再生)のシリーズの大小の立体造形作品6点と90×90㌢の平面の大作1点を発表。今回のタイトルは“風化から再生へ”。堂々とした風格であり自然の生命力が込められている。
陶芸の世界に入って38年。陶工房SHIMOZAWA(電気窯)で焼成する作品は多彩だが、数多い個展、グループ展で発表する作品は“風化から再生”のシリーズ。それには大自然の力が秘められている。
立体造形作品は、手びねりによる箱型で大作は高さ1・30㍍も。江別市のねん土ベースに1250度で焼き上げ茶系から黒系まで微妙に変化し、堂々とした風格。
「風化は、単なる風化ではなく新しく生まれて来るエネルギーの意味を表現している」と語り“箱型“が何かを語りかけるよう。平面の大作は、ねん土をバーナーで溶かして仕上げたもので抽象絵画のよう。
札幌市中央区南9西6、ギャラリー創で17日まで。
◆写真は展示されている平面と立体作品

師は2002年に他界した実父下澤土泡氏。1997年にニューヨークで研修。初個展は94年。以来道内外で数多くの個展、グループ展で発表、ベルリン、ニューヨーク、韓国でも。2009年札幌文化奨励賞、11年に北海道文化奨励賞を受賞。北海道陶芸協会副会長。1960年札幌市生まれ。同市中央区在住。
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歴史を語る90点 『北海道陶芸展第45回記念展』

2002年5月、76歳の生涯を終えた陶芸家下澤土泡氏が創設した公募の北海道陶芸展が、今月20日からの開催で45回展を迎える。今回の記念展は「北海道陶芸展の変遷」と題し、その歩みをたどっている。故下澤土泡氏の作品をはじめ歴代の受賞者、審査員85人の作品合わせて90点が展示され本道陶芸界の歴史を示している。
故下澤氏は、1926年十勝管内広尾町生まれ。57年に39歳を過ぎてから脱サラで陶芸界に入り、72年にと芸クラブ北陶会を、84年に北海道陶芸協会を設立した。
作陶の基本は「北海道の土を使い北海道の風土を生かした北海道ならではの焼き物」で『北海道荒磯焼』と名付けた重厚な風格が魅力だった。
記念展には北海道知事賞、文部科学大臣奨励賞、札幌市長賞など数々の受賞作品をはじめ書家の中野北溟、美術家阿部典英、彫刻家國松明日香氏ら多くの歴代の審査員、さらに故人となった審査員の作品が展示され歴史を物語っている。
初日に奥岡茂雄陶芸協会長、森孝一日本陶磁協会事務局長によるオープニングトークも開かれた。
札幌市南区芸術の森工芸館で10日まで。入場無料。26日から旭川市・デザインギャラリーでも開かれる。
◆写真は大作90点が展示されている記念展
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92人が個性豊かに 『第27回書鳳展』

1988年以来発表を続けている書道研究「書鳳」(我妻緑巣代表)の書道展。高校1年生から80歳代の方まで総勢92人が、個性豊かに書の美を競っている。
我妻代表は「自由自在に書かせている。指導すると私に似てくる」と語り、漢字、墨象、かななどを濃墨、淡墨で伸び伸びと、あるいは力強く筆を走らせた作品が、書を楽しむように並んでいる。出品者の約半数は毎日、北海道書道展、さらに創玄展の会員、会友。
今回は、全員が45×35㌢のサイズに挑戦。木の薄皮や色彩のある料紙に書いた作品もあり、我妻代表は「300年前の中国のもの」という古墨の微妙な濃淡で書いた近代詩文を発表している。
23歳以下は5人。三浦頼子、亜友さん(札幌)の親子の出品も。札幌市在住が中心だが函館、岩見沢、夕張市をはじめ岡山、茨城県からも。
ある意味では気軽に楽しめる書道展になっている。
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで3日まで。
◆写真は展示されている多彩な書

「書は先生の真似ではだめです」。北海道書道展で特選、準大賞、日展に7回入選、毎日書道展で秀作4回、創玄展で準大賞など受賞、2005年には札幌芸術賞を受賞。昨年10月6回目の個展「ふるさと夕張展」を開いた。夕張市には小学校時代から10年過ごした。北海道、毎日書道展、創玄展審査会員。近代詩文書作家協会評議員。1934年室蘭市生まれ。札幌市北区在住。