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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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バランスの立体作品 『泉 修次展』

 
 「何事もバランスが大切です」―。長年、立体造形作品に取り組んでおり『孤形』『均』『覗き穴のある箱』シリーズなどの作品を発表してきたが、今回は『均衛』のシリーズ。2012年以来5年振りの個展。
 長さ2・20m、幅16㎝の薄く長い板が4本、壁面からのスチールワイヤーに支えられるように1m間隔で整然と並んでいる。日本画の顔料で濃い茶系に彩色され、細長い鉄製のように見え重厚感が漂い緊張感も。
 床面に砂と水が入った缶が多数配置されている。「自然とのバランスを考えた」と語り、空間に浮くような細長い“鉄製“と会話するような雰囲気でもある。
 シンプルな造形美の中にもシャープさと奥行きを感じさせる独得の立体感をつくり出している。

 札幌市中央区北1西28、ギャラリーレタラで2月12日まで。

 ◆写真は「均衛」シリーズの作品


 P1070510_convert_20170127170743.jpg  泉 修次(いずみ・しゅうじ)さん
 「小学生の頃からオモチャなどを作った」。元々はデザイナー。30代から作品を発表、美術界へ。当初は絵画で全道展に入選、その後立体へ。北海道抽象派作家協会展、寒別グランドアート展など多数。個展も1986年以来14~5回という。年末年始のグループ展で発表するおみくじの箱のアートが人気を呼んでいる。1950年茨城県生まれ。札幌市中央区在住。
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十勝の自然をアピール 『鹿追窯作陶展』

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 十勝管内鹿追町で作陶を続けている三上一正さんの札幌展。地元鹿追町で採掘される粘土と栽培されるかぼちゃの葉や茎による釉薬、後志管内余市町のりんごの木灰による釉薬で焼き上げた数々の家庭用食器類が展示されている。透明感に富み美しい気品を秘めている。
 作品は直径40㎝の大鉢から酒杯まで多彩。それは、かぼちゃの葉や茎を素材にした釉薬の鮮やかなブルーとりんご灰釉による清そなホワイトに大別される。しかも一部ホワイト系の容器を除き、ひび割れ状の線が走っているのが特徴。
 この貫入の紋様は、焼き上げる温度差によって違い様ざまな表情の線の走りを見せている。地元産の粘土も展示され、十勝の自然にこだわった陶芸の魅力をアピール、30日まで作陶の実演も行っている。

 札幌市中央区南1西2、丸井今井一条館7階で31日まで。

 ◆写真は酒杯を中心にした数々の作品


 P1070515_convert_20170127170614.jpg  三上 一正(みかみ・かずまさ)さん
 1993年に鹿追町陶芸工芸館勤務以来24年。98年平原社展に初出品して入選。個展、グループ展は数多く、昨年札幌芸術の森美術館で開かれた北海道現代陶芸奨励賞展にも入選。北海道陶芸会会員。帯広工業高校機械科卒。1971年十勝管内浦幌町生まれ。鹿追町在住。

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今回が最後の支部展 『大洋会北海道支部展』

 
 具象系の絵画を基調にした公募展・大洋会(本部、東京)の第34回道支部展。11人と2人の協力出品者の油彩25点、水彩8点が美を競っているが高齢化などで出品者が年々減り、道支部展は今回で幕を閉じることに。
 大洋会の本展は、毎年東京で9月か10月に開かれている。昨年は石本興治さん(札幌)が秋の積丹を描いた油彩で新人賞を受賞した。だが原田富弥道支部長は「かつて本部会員だけで33人いたが、今は7人に。高齢化や体調の問題などで出品者が少なくなった」と語り、道支部を解散することに。東京本展への出品は続けるという。
 最後の道支部展は、豊川陽子さん(札幌)の冬景色を描いた3点など四季を描いた作品を中心に大作、力作が最後を飾っている。
 今後は「楽しく豊かな創作活動を続けていくために」と、道支部の皆さんを中心に多くのアーティストに呼びかけ『グルッペ空展』を結成、発表を続ける。16人が参加、3月23日から札幌で第1回展を開くことも決まった。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で22日まで。


 ◆写真は原田富弥さんの奈良・明日村を描いた油彩『棚田のある風景』(100号)

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心が和む多彩な造形美 『渡辺 一夫木彫の世界』

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 木彫ひと筋50年―。動物や音楽、優しい少女像、気品に富む女性象などをモチーフに制作することで定評があり、今回も詩情豊かに心和む立像、レリーフ45点を発表。釧路市にアトリエを構え日本各地で個展を続けており、札幌では3年連続の新春展。
 「見てくれる方の心に響く作品を」―。カツラ、シナ、ニレ、最近はケヤキも素材に仕上げる作品は、ホットな情緒で思わず手に取ってみたくなるものばかり。少女3人が空を見上げる『星ぞら』、5人の『ひだまり』、少年2人の『小枝のかたまり』からスマートな女性像、愛らしいフクロウ、更にレリーフの絵のような『バラの香』『踊り子』など多彩。優しく心に響いてくる。
 作者自身ギターを弾き、さらにクラシック音楽を聴きながら制作することもあってか静かなメロディーを感じさせるのも特徴。笛を吹く少女像『風の調べ』といった作品が象徴している。ほのぼのとした温かさが伝わってくる。

 札幌市中央区北5西4、大丸札幌店8階美術画廊で17日まで。

 ◆写真は展示されてる数々の作品


 P1070491_convert_20170114103619.jpg  渡辺 一夫(わたなべ・かずお)さん
 木彫は独学。画家を目指して上京、そこで日本を代表する木彫家を目指して上京、そこで日本を代表する木彫家平櫛田中氏(故人)の作品を見て感銘、木彫の世界へ。福島、仙台、東京、福岡などで毎年のように個展を開き、今年6月地元釧路でも6年振りに開く。1996年釧新郷土芸術賞を受賞。1948年釧路市生まれ。同市在住。

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数々の花をより美しく 『安栄 容子日本画展』

 

 「野生の草花を描いて20年以上になります」―。バラ、ハマナス、カタクリ、桜…数々の花を美しく、しかも丁寧に描いた日本画20点を発表。0号から100号。昨年9月に次いで5回目の個展。
 「新春を迎えたので明るくしました」。ピンク、黄、白といったカラフルな花の表情を優しく、明るく画面いっぱいに描いている。同時に空気感があり、花が風に揺れるような情緒でもある。
 「山へ行ったら草花の名前は全部分かる」と言うほど花に詳しい。花への思いが込められている。『はれの日に』『ささやき』『陽をあびて』といったタイトルで生き生きといとおしむように愛情を込めて描き込んでいる。
 会場で花に囲まれていると心が和む。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで15日まで。

 ◆写真は、桜を描いた『はれの日に』(45㎝×1m)



 P1070482_convert_20170111112226.jpg  安栄 容子(あんえい・ようこ)さん
 下絵を、制作する絵と同じ大きさの紙に描く。「大作は1点仕上げるのに3ヶ月はかかります」。日本画を描いて28年目。自宅の庭に数々の花も。今年は既にグループ展に出品、4月にも個展がある。初個展は2002年。13年に小樽で母娘孫3人展を開いた。道展で1999年新人賞、2000年佳作賞、09年会友賞。道展会員。道教育大学大学院修了。小樽市生まれ。札幌市在住。

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気迫の筆勢で100点 栖原 武正展

 

 「やっていることはインスタレーションと変わりはない」―。これまでに『大地開墾』をテーマに各種廃材によるインスタレーションを発表してきたが、今回は『墨による大地開墾』。「いわゆる書を書いたのではない」と言うダイナミックな筆勢の作品100点が会場いっぱいに展示され、気迫が広がっている。
 段ボールやベニヤ板などに新聞紙を何枚も張り合わせ、白い塗料を塗りその上に文字を書く。『太陽』『日の出』『積雪』『馬』…中には海あるいは原野の向こうから太陽が昇る絵のような作品も。横3・2m天井でまで届く大作から額装の小品まで多彩。
 「頭に浮かんだ文字をぶっつけ本番で書いた」と言う各種作品は気迫にあふれている。そのエネルギーが、じかに伝わってくる。このような作品を発表するのは初めてで「やり切った感じです」。独自の世界を展開している。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で15日まで。

 ◆写真は会場いっぱいに展示されている作品



P1070474_convert_20170111112123.jpg 栖原 武正(ならはら・たけまさ)さん
 「何の制約も受けず吐き出すように書いた」。インスタレーションもダイナミックな筆勢の展開に定評がある。1976年の初個展以来個展、グループ展は数え切れない。1978年新道展で知事賞、85年行動展で行動美術賞、86年北海道の美術イメージ群で新人賞など多数。1942年十勝管内広尾町生まれ。札幌市中央区在住。

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鮮やかな色彩で動的に 『亀井 由利小品展』

 
 「テーマは生命、生きるです」。赤、グリーン、ブルー、ホワイト、黒…鮮やかな色彩と動的な筆勢で描き込んだ抽象構成の油彩16点を発表。サムホールから20号。新春展は今回で連続8回目。
 「色彩は美しくなければ」―。新春らしく『初日』『福袋』『たこあがれ』といったタイトルの作品は、輝くような色彩のコントラストと空間を生かした描き方で“語り”を感じさせる。
 ブルーやグリーンの中に赤が、白の中に黒がうねるように、あるいは球体状が宙に舞うように生き生きと展開されている。油絵の具が中心だがモノトーン調はアクリル絵の具で重厚なマチエール。作品の多くに『赤』が使われ生命、情熱感が広がっている。

 札幌市北区北8西1、石の蔵ぎゃらりぃはやしで10日まで。

 ◆写真は油彩『女』(4号)


 P1070470_convert_20170106105549.jpg  亀井 由利(かめい・ゆり)さん
 毎年精力的な取り組みを続け、個展、グループ展は数え切れない。今年も4月の5人展に続き6月には郷里室蘭美術館で個展を開く。高校時代から油絵を描き故熊谷善正氏に師事。1980年に二科展、93年サロン・ド・トンヌに入選。97年新道展で佳作賞。新道展、日本美術家連盟会員。室蘭栄高校卒業。1952年室蘭市生まれ。札幌市在住。
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Author:chikuwapan
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