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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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風景、バラ中心に60点 『酒井 芳元水彩画展』

 
 毎年精力的な取り組みを続けており、今回もA、B2室に60点を発表。季節感あふれる風景、花を中心に透明感に富む色彩で描き上げ、会場に気品が広がっている。サムホールから20号。
 風景は道内各地を始め『雪の嵐山』『雪の京都』など本州、さらに『ローマの街角』など海外を描いた作品など広範囲。花は『連なるピンクの薔薇』などバラが中心。
 いずれも澄んだ明るい色彩。風景はスケールが大きく、しかも光と影を入念に描きコントラスト豊か。同時に空気感が広がっている。
 画面いっぱいに描き上げているバラの花はソフトな色彩で表情豊か。思わず手で触ってみたくなる。
 達者な具象絵画の美である。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで26日まで。

 ◆写真は江別市の風景を描いた『道端の白樺』(4号)



 P1070579_convert_20170223101108.jpg  酒井 芳元(さかい・よしもと)さん
 「昨年暮れの30日から無休で100点描いた」。定山渓温泉のぬくもりの宿ふる川の他、もう一ヶ所でも発表している。高校2年で三軌会展に入選。同展で1988年安田火災美術財団奨励賞、92年奨励賞。個展、グループ展は東京、大阪、京都でも。絵画教室「かおり」主宰。東海大学芸術学科美術課程卒。1960年後志管内倶知安町生まれ。札幌市西区在住。
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72人が個性豊かに 『道彩会会員会友展』

 
 北海道水彩画会(小堀清純代表)の第36回展。会員56人、会友16人の72人が新作を発表、水彩画の魅力を競っている。
 今年9月に開かれる公募の本展のいわば前哨戦。30歳代から90歳代の会員、会友が10号から40号の風景、花など具象を中心に心象、抽象構成の多彩な作品を発表。
 道内の公募展で活躍しているメンバーも。工藤和子・路子さん(札幌)親子、勇内山和子・寺岡弘子さん(函館)姉妹も。昨年9月の本展で新会員になった4人、新会友の3人も加わり感性豊かな作品が個性をアピールしている。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で26日まで。

 ◆写真は小堀清純さんの『かぼちゃのある静物』(左)と辺見富美子さんの『夜空』(右)

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自然の生命賛歌を全館に 『柿崎 熙展・森の奥底』

 
 「森に触発されながら“生“を問う作業をしている」―。自然の生命力、神秘感、美しさを基調にした2001年からの『林緑から』の造形作品を中心に1970年からの油彩、版画、鋭筆画など約60点を展示。札幌美術展と銘打ち全館に柿崎ワールドの美を展開している。
 「森の奥底は遠いが、さまよいながら歩くのは楽しい」。森の中で種子が飛び、次への生命を伝えて行く光景を見て感動し取り組んでいる『林緑から』のシリーズは、広い壁面に白い種子が飛び交い、床面から大小の芽がすくすく伸びている。そこには心地よいリズム感と生命力が秘められている。
 カツラの木を彫りアクリル絵の具で白く彩色した造形美。白い種子が風に舞い楽しそうに見える。赤やブルーなどの羽をつけたような種子も。心地よい響きと生命賛歌が広がっている。
 初日の1月28日、130人が出席、祝う会も開かれた。

 札幌市南区芸術の森2、札幌芸術の森美術館で3月26日まで(日曜休館)

 ◆写真は床面と壁面に展示されている『林緑から』の作品


 P1070523_convert_20170218140943.jpg  柿崎 熙(かきざき・ひろし)さん
 バードウオッチングで自然観察を続け『林緑から』のシリーズに。作品は特定の種子、葉、花ではない。1973年以来個展は数多く、北海道立体表現展、水脈の肖像画など多数に出品。2009年道文化奨励賞受賞。道教育大学札幌校特美卒。1946年留萌市生まれ。石狩市在住。



 

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人間の思いを追究 『モリ ケンイチ個展』

 
 「人間の本質的な在り方を描きたい」―。常に人物、特に女性像を中心にストーリーを秘めた作品を発表しており、今回も「真夜中のサーカス」をタイトルに“語り”を込めた描き込み。60号から100号7点を中心に30点。
 女性像の背景に風景を描いた作品もあるが、多くは濃いブルー、グリーン系の空間に赤い衣装の1人の女性が浮き出るように表現されている。綱を渡っている、1本の綱をよじ昇っている、空中ブランコをしている…顔は一見無表情に見えるが、何かを訴えるような描き込み。
 「綱渡りの絵は世渡りを、よじ昇っているのはジャンプしようとする人間の本性を表した」と語り、内面性を追究している。
 ローラーも使いめん密な描き込み。一見、静寂な雰囲気の中にも激しい呼吸が伝わってくる。

 札幌市東区本町1-1、茶廊法邑で26日まで。

 ◆写真は油彩の『蜘蛛の糸』(100号)


 P1070566_convert_20170218140754.jpg  モリ ケンイチ(もり・けんいち)さん
 2002年に画家を目指してパリへ。札幌、東京を中心に個展、グループ展は数え切れない。常にテーマを決めて発表、4月にも札幌で個展。全道展で13年、14年に奨励賞、15年には70周年記念賞を受賞。北の大地ビエンナーレ展でも佳作賞。全道展会友。ベルサイユ美術学校卒。1969年札幌市生まれ。同市白石区在住。

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独自の多彩な「にじみ画」 安保 真作品展

 

 「アイヌ文化の魅力を発信したい」―。独自に確立した「にじみ画」でアイヌの人々が最高の神としてあがめるとされているシマフクロウを中心に描いた大小様ざまな作品100点を出品、その魅力を見せている。本道で制作・発表していたが、2001年以来東京を中心に活動、会場の三越では6回目の個展。 水墨画ではない。描きたいところに水をつけ、そこに墨を加えてにじませ、余分な水分を布やスポンジで吸い取る手法を繰り返して仕上げる。1点完成するのに2~3ヶ月かかるという。
 墨の微妙な濃淡のにじみときめ細かなタッチで描き上げたフクロウの表情は多彩。大きく羽ばたいている、4羽が寄りそっている、雪が降る傘の下で親子が何かを語り合っている…常に問いかけるような雰囲気。ポスターカラーで彩色した作品も。
 書家として健筆を振っていることから、書と絵を組み合わせた『書画』『語録』という作品も。ハンカチ、バッグ、カレンダーなども。会場で「にじみ画」制作の手法も見せている。

 札幌市中央区南1西3、三越9階ギャラリーで13日まで。

 ◆写真は展示されている数々の作品



 P1070542_convert_20170210154155.jpg  安保 真(あんぼ・まこと)さん
 現代墨絵作家。1994年に「にじみ画」を確立。千歳の「中学時代にアイヌ文化に出会い30代から取り組んでいる」。個展、グループ展は全国で。メキシコ、ニューヨークなどでも発表。「千歳市でも開きたい」。1962年オホーツク管内佐呂間町生まれ。東京都在住。

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個性豊かに855点 『第27回墨遊書展』

 
 北海道書道教育研究会(島田青丘代表)主催の公募展。幼児から一般までの入賞・入選作品799点を始め会友、役員の作品合わせて855点が展示され、力量を競っている。会友の部の大賞き佐藤昌弘さん(札幌)準大賞は三上ちよさん(江別)が受賞。
 公募は課題と創作部門に2千点を超える応募があった。「個性を尊重する」が基調で、堂々とした筆勢の書が壁面いっぱいに展示され、迫力感が広がっている。硬筆部門もあり団体賞は北人支部(旭川)が最優秀賞に。役員の36点も個性豊かで多彩。
 12日に表彰式が行われる。

 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで12日まで。


 ◆写真は壁面いっぱいに展示されている入賞・入選作品

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木綿に描いた独自のアート 『植田 ようこ作品展』

 


 天竺(てんじく)木綿に染料で描き、顔料を施して仕上げる独自のアートに取り組んで30年以上―。『夢のカタチ』をテーマに花、鳥を表現した作品を中心にスペインの風景など16点を発表。毎年グループ展で発表しているが、個展は久し振り。
 ご主人の植田莫さんと共に木綿に染料で描く手法の作品を発表しており「この種の作品を制作する人は、他にいないかも…」。今回も明るく優しい色彩の額装と立体像の作品をそろえている。
 「夢を見るように楽しんでもらいたい」。表現されている花や鳥は、デフォルメされ、作品『黄色い花』『白い花』には小鳥も表現され、作者独自の世界。色彩もソフト。
 布、水彩紙に描いた風景の他、ガーゼを3枚重ねて表現したという作品も。非常に手が込み、しかも丁寧に仕上げており、ホットな雰囲気。



 札幌市北区北8西1、石の蔵ぎゃらりぃはやしで14日まで。その後16日から21日まで墨と顔料による作品を発表する。


 ◆写真は顔料で描いた『白い花とテングウオ』(45㎝×35㎝)


P1070537_convert_20170205101117.jpg  植田 ようこ(うえだ・ようこ)さん
 元々は染色家だった。ご主人と莫工房を主宰、道内を始め本州各地で発表。今年も小樽、東京などで。海外取材も豊富。女流工芸一の会会員。1948年札幌市生まれ。同市在住。本名・洋子。

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女性の内面性追究 『高梨 美幸個展』

 
 「描く基調は、人間と植物の生命力です」。女性像を中心に神秘感をにじませた油彩を中心に22点を発表。100号から0号。2015年6月以来2回目の個展。
 描く女性像にモデルはいない。何かを追究するように目を見開いている女性像もあるが、多くは大木や草花の中でじっと目を閉じている表情。大作『6月の譜』は水たまりの中で傘を手に、『夜明けの予感』は大木の根で何かを夢想するような愁いを秘めた表情である。
 入念な描き込み。ホワイト調の空間に浮き出るような女性像であり、いろいろな想像をかきたてる深い内面性を秘めている。
 作品『生命の賛歌』『夜の女王』など生命とストーリーが協調されている。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで5日まで。

 ◆写真は油彩の『夜明けの予感』(60号)


 P1070529_convert_20170205101018.jpg  高梨 美幸(たかなし・みゆき)さん
 「作品は、ここ数か月で仕上げました」。札幌で小学校の教壇に立っていたが退職以来3年。本格的な絵筆は退職後という。5月にプラハに行き制作、11月には再度個展。道教職員美術展で入賞・入選。2008年新道展で佳作賞。新道展会員で事務局担当。道教育大学岩見沢校卒。札幌市生まれ。同市在住。
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Author:chikuwapan
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