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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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生命基調に独自の発想 『若林 洋子展』

 


 「楽しみながら描いています」。貝の形をカラフルに表現した『ロマンチック貝動』と油彩による『ミクロコスモス』のシリーズ17点を発表、独得の感性を見せている。個展は、2002年以来15年振り。昨年の道展に初出品で入選、その記念展とも言える。
 「ココロの宇宙にあそぶ」をタイトルに独自の世界を展開している。
 『ロマンチック貝動』は、モデリングペースト、アクリル絵の具で大小の貝殻を表現、その表面に帯状、線、うねりといった動きを描くように表し、生命を強調している。
 道展入選作と同じタイトルの『ミクロコスモス』は、画面いっぱいに動き回る細胞の生命力、呼吸を印象づけている。その動き、表現は人間の顔のようであったり、魚のようであったり、円の重なりであったり…入念、濃密な描き込み。小さな宇宙なのかも知れず、思わず引き込まれる。豊かな発想と描写力である。


 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで4月2日まで。


 P1070745_convert_20170330100829.jpg  若林 洋子(わかばやし・ようこ)さん
 「デッサンをせずイメージで描いて行きます」。『ロマンチック…』は2013年から取り組んでいる。師は美術家の阿部典英さん。創作グループ「むすびめ」で発表を続けている。北海道造形デザイン専門学校グラフィック科卒。1949年小樽市生まれ。札幌市在住。
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風景の魅力存分に 『坂元 輝行風景画展』

 
 「歩く、感じる、描く」シリーズを続けており、その第11回展。水彩画を中心に「かつて描いていた」という油彩27点と合わせ64点を出品、風景画展の魅力を見せている。
 水彩は札幌を始め石狩、小樽、余市、夕張、函館…道内各地と油彩は東京、福島、広島県など広範囲。主にバス、JRを利用、スケッチをし、写真を撮る。
 小樽運河、北大講堂、大通風景、石狩の灯台、留萌の港の秋、夕張の冬景色…明るい色彩と生き生きとした筆勢で描き上げている。
 黒い線描を生かし動的な空気感が広がっているのが特徴。描く早さが伺え画面いっぱいに展開している。人影は無い。「風景は、時間と共に変わる。自分なりに感じる風景です」―。リズム感のある描写力も特徴。訪れるファンの心を捉えている。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で4月2日まで。

 ◆写真は水彩の『ニセコ盛夏』(10号)


 P1070738_convert_20170330100721.jpg  坂元 輝行(さかもと・てるゆき)さん
 毎年精力的に個展、グループ展を続けており、4月6日から小樽・運河のやどふる川でも。5月にグループ展も。1997年に札幌・真駒内中学校を最後に37年間の教職を終え、以来絵筆ひと筋。さっぽろくろゆり会会員。北大水産学部卒。1936年旭川市生まれ。札幌市在住。

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珍しい左右対称の構図 『内藤 克人版画展』

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 「YOSAKOI」をモチーフに鏡刷りという技法で左右対称の作品を発表している。「この技法では初めてです」。モノクロ調の濃淡で躍動感あふれる女性ダンサーを画面いっぱいに描いた横1・80㍍×縦70㌢の大作7点を中心に11点を発表。2011年以来4回目の個展。
 本道では数少ないリトグラフ(石版画)の作品。薄く透明の雁皮紙を使用、一色一版で仕上げた作品は左右対称の構図になっているのが特徴。しかも大作。
 『街・路・舞』のシリーズ、シャープな線の走りで大勢のダンサーが、空中に舞うように生き生きと描かれている。「リトグラフで鏡刷りの手法による作品を発表する作家は、本道では他にいません」。左右対称でリズミカルな表現。踊るダンサーの気迫、喜びがあふれている。

 札幌市中央区北1西28、ギャラリーレタラで4月9日まで。

 ◆写真は『街・路・舞』シリーズの大作


 P1070705_convert_20170324101518.jpg  内藤 克人(ないとう・かつひと)さん
 「YOSAKOIの大作をいずれ発表したいと思っていた。刷りに入るまでが大変でした」。会場で制作の工程をビデオで見せている。道展で新人賞、佳作賞、会友賞、国展で新人賞、準会員優秀賞、2001年には北広島市文化奨励賞を受賞。道都大学教授だったが、現在は非常勤講師。国画会、道展会員。1957年札幌市生まれ。北広島市在住。

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発会を祝い38点 『グルッペ空展』


 「楽しく豊かな創作活動を」と、新たに発足したグループの第1回展。18人が油彩、水彩画を中心に陶芸を含め、一人1点から4点合わせて38点を展示、スタートを飾っている。
 「大空に高くどこまでも広がっていきたい」という願いを込めてグループ名を「空」に。メンバーは札幌市在住を中心に登別、室蘭、夕張市からも。
 絵画は50号以下。具象を基調に風景、花、人物など多彩。それぞれが個性を発揮しており道内、本州の公募展で活躍している人も。26日には批評会と実技研修会も開かれる。
 日下康夫代表は「個々の作品を尊重し、学び合い、信頼関係を深めながら新たな創造性を追究していきたい」と語っている。第2回展は1年後に予定されている。

 札幌市中央区南2西1、山口中央ビル・アートスペースで28日まで。

 ◆写真は展示されている作品の一部

 

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大自然を大きなスケールで 『柴崎 康男展』



 上から見下ろすような、あるいは見上げるような大きなスケールで海と山を画面いっぱいに描いた油彩15点を発表。道内と海外の風景。空気感に富み、描く気迫が伝わってくる。サムホールから20号。連続6回目の個展。
 「若い時に道内を回り、海外にもよく行った」。道東の浜中町の霧多布岬、室蘭のトッカリショなどを始め、海外はギリシャ、スイス、ドイツなどの海と山の風景を一体化するように展開している。
 基調はブルーの濃淡。ペインティングナイフでぐいぐい描き込み迫力がある。画面の半分以上が海、あるいはその逆で半分以上が山…という思い切った構図。重厚なマチエールも特徴。大自然の呼吸が広がっている。

 札幌市厚別区中央2条5丁目、デュオ2 5階・新さっぽろギャラリーで20日まで。

 ◆写真はギリシャの風景を描いた油彩『青い壁』(20号)



 P1070696_convert_20170316101220.jpg  柴崎 康男(しばさき・やすお)さん
 20歳代に画家の故熊谷善正氏に師事。「熊谷先生無くしては、今の私はない」。二科展で1991年特選、93年会友、新道展で2005年佳作賞、06年会友、08年会員、09年伊達市芸術文化賞受賞。4月に札幌で二科北海道支部展、9月に新道展がある。1952年室蘭市生まれ。伊達市在住。

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多彩な独自のアート 『内海 眞治個展』

 
 「作品をどのように作るかを考えるのが楽しい」―。『童夢の世界』をタイトルに楽しく、夢のある作品を会場いっぱいに展示、独得の感性を発揮している。展示総数約150点。毎年札幌を中心に個展を続けている。
 陶芸家だが素材は粘土とは限らない。もちろん粘土による器などの家庭用品もあるが発泡スチロール、ガラス、鉄、れんが…廃材も活用するなど素材は多彩。
 発泡スチロールで形を作り、アクリル絵の具で彩色したマリオネット、鉄とガラスを組み合わせた鳥、れんがを活用した家、ガラスをデザインした飾り物…アイディア作品かいっぱい。首や腕が動く作品も。
 全体にカラフル。デザインも独得。「作る前にデッサンはしない」―。自由奔放に楽しく制作しているという印象を受ける独自のアートである。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで19日まで。

 ◆写真は発泡スチロールによる作品 マリオネットなど


 P1070686_convert_20170316101022.jpg  内海 眞治(うつみ・しんじ)さん
 毎年テーマを決めて発表。広告代理店に勤めていたが、1989年に39歳11ヶ月で退職、独学で陶芸の世界へ。90年、札幌から砂川市に転居「浮浪工房」を開窯して独立。レストランも開いている。明治大学文学部卒。1948年宮城県石巻市生まれ。砂川市在住。

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80歳の記念展 『鈴木 喜景展』

 
 「私の絵は線描が特徴です」。人物、風景を中心に花を力強い筆勢と色彩豊かに描いた油彩20点、木版画60点を発表。80歳を迎えた記念展で7年振りの個展。
 「色々考えて非現実的なものを描いた」。美しい風景や人物(主に女性像)ではない。牛と裸婦、カラスの口の中にサクランボ、トンネルを中心に海や山、魚の目と裸婦…独特の組み合わせでストーリーを込めて描き上げている。発想が豊か。
 線の走りが独得、油彩は削るなどして深いマチエール。絵の具も独自に工夫しているという。木版画はモノクロ調が1点だけある以外は、水彩絵の具も使った手彩色。独自の取り組み。
 個性豊かな作品群の中に、小学校2年生のお孫さん・那乃花ちゃんの油絵も。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で12日まで。

 ◆写真は、海を描えた木版画4点


 P1070680_convert_20170309100731.jpg  鈴木 喜景(すずき・よしかげ)さん
 絵は20歳代から殆ど独学で始めた。東京から勤めていた会社の転勤で札幌に住んで52年。1997年、定年退職した年に初個展。白日会準会員だったが現在は無所属。1937年群馬県伊勢崎市生まれ。札幌市西区在住。

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自然の光景を神秘的に 『石垣 渉水彩画の世界展』

 

 「太陽のある風景」をタイトルに広々とした大地や雪原の向こうから太陽が昇る光景を情緒豊かに描いた水彩画16点を発表。きれいなマチエールと美しい色彩が魅力。4号から150号。通算28回目の個展。
 「昇る朝日が好きで…」。一部ホワイト不透明水彩も使うが透明水彩で『朝の牧場』『日の出』『大地』といった作品を大きな自然のスケールとすっきりとした空気感で描き上げている。入念な描写力。人影のない自然の情景を、神秘的とも言える美しさで展開している。
 150号の大作『分岐点』は、広大な雪原に車輪の跡が何本も走り、ドラマを作り出している。「写真ですかと聞かれる」と言うほどリアルな水彩画の美である。

 札幌市中央区大通西4、道銀本店ビル・らいらっくぎゃらりぃで5日まで。

 ◆写真は大きなスケールの水彩『分岐点』(150号)



 P1070612_convert_20170301094412.jpg  石垣 渉(いしがき・わたる)さん
 初個展は2002年。6月に東京でも。11年に約3ヶ月をかけ地球一周の船旅で18ヵ国を回った。道展で15年新人賞、16年佳作賞。16年には水彩連盟展で水彩連盟賞。日本イラスト協会、日本透明水彩会、水彩連盟道支部、サッポロ未来展会員。水彩画教室「蒼の会」主宰。札幌大学卒。1979年北見市生まれ。札幌市豊平区在住。

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個性豊かな造形美 『陶3人展』


 北海道陶芸展で2014年以来入賞、入選を続けている井川ゆきな、金子しおり、若山翔子さん(札幌市)の初の3人展。「終わらないかたち」をタイトルに、それぞれが個性豊かな立体造形作品を発表。1人3~5点。
 いずれも20歳代。師は陶芸家で北海道陶芸展実行委員長の下沢敏也氏。「これから先、未来を感じてもらえるような作品を」と、取り組んだ。
 井川さんは「生命の根源は何か」をテーマに女体を思わせる曲線の美を強調、金子さんは「劣化が始まり変化しながら生きる姿を」と、白い壁が、はがれ落ちそうな造形美。ラテン語で「兆し」を意味する「SIGNA」のシリーズ。
 若山さんは「溶ける粘土を使った」とのことで粘土が流れているような造形。天に向かって大きな口をあけたような作品『海鳴り』は生命感を思わせる。三者三様の取り組みである。

 札幌市中央区南9西6、GALLERY創で5日まで。

 ◆写真は金子しおりさんの作品

 
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