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本道の風景を雄大に 『金澤 巌自選展』

「北海道で行かないのは日高ぐらい」―。本道の風景を描き続け、これまでに「北の自然を描く」をテーマに発表してきた。今回も風景を中心にした油彩31点(0号~80号)のほか水彩画7点と女性像を描いたパステル画10点の合わせて48点を出品。パステル画では「初めて発表する」という笑子夫人を描いた作品も。一昨年に次いで11回目の個展。
「海岸線をマイカーで回り知らない所はないくらい」―。海、山を中心に雄大なスケールの油彩が人目を引く。上から見下ろすような積丹の風景、十勝岳を望んだ見上げるようなスケール、遠くに羊蹄山を展望する構図、花、畑を手前に広々とした美瑛の丘…自然の表情を魅力たっぷりに展開している。
山々を見上げる、海、湖を見下ろす…そんな光景を入念に空気感いっぱいに描き込み迫力がある。1点1点に思いが込められており、20年以上も前の作品と新作を揃え歩みをたどっている。
札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で30日まで。
◆写真は十勝岳温泉から望んだ油彩『崖尾根の秋』(50号)

「個展は、多分これが最後になると思い自選展にしました」。描く風景は現場主義。2002年札幌市民芸術展で佳作賞。初個展は1995年。93年札幌・福井野中学校を最後に退職。道学芸大学(現道教育大学)札幌校卒。1932年砂川市生まれ。札幌市手稲区在住。
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14人が55点を出品 『北海道抽象派作家協会展』

「抽象作品の魅力を発進したい」―。1974年に第1回展を開いた抽象派作家協会の第44回展。第1回展からの同人で会長の今荘義男さん(岩見沢)ら11人を推薦作家3人の14人が、大作を中心に55点を出品、その魅力を競っている。
作品は油彩を中心にパステル、水彩、版画、ミクストメディア、インスタレーションなど多彩。いずれも大作。今年初めて出品している推薦作家の田中郁子さん(浦河町)も100号の油彩4点を出品。
会場中央に展示されている同人・田村純也さん(苫小牧)のインスタレーションは5・5㍍×2・3㍍の大作で訪れるファンの足を止めている。
個性豊かで独自の展開を見せている。事務局では「表現力、オリジナリティ豊かな作品を楽しんでほしい」と語っている。
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで23日まで。
◆写真は中央が田村純也さんのインスタレーション
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協会賞は本田操さん 『第44回美工展』

1974年に第1回展を開いた北海道美術工芸協会(山谷智子事務局長)の公募展。協会賞は、初出品の本田操さん(50)=根室市昭和町4-233=の陶芸『原生花園の主』が受賞した。
作品は組紐、金工、木工、押し花、ペーパークラフトなど16ジャンルに及び多彩。入選の29点を会員、会友、会員で昨年他界した高木晶子さん(皮革)玉川佑子さん(刺しゅう)=札幌=の遺作合わせて71点が展示されている。
出展は東京、富山市からも。協会賞を受賞した本田さんの陶芸、花器、象がんによる色彩豊かな手法の作陶で事務局は「インパクトの強い作品」と称している。各分野で力作がそろい充実した展示になっている。
22日午後6時半から札幌グランドホテルで授賞式・懇親会が開かれる。
協会賞以外の受賞者は下記の通り(敬称略)
▽佳作賞 橋本昌司(江別) ▽新人賞 谷次喜恵子(恵庭) 加藤海地(小樽) ▽奨励賞 三浦秀子(札幌) ▽会員推挙 福崎俊美(室蘭) 三浦秀子(札幌) ▽会友推挙 常本幸子 吉田房子(以上札幌) 山田光代(東京) 橋本昌司(江別)
札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで23日まで。
◆写真は展示されている多彩な作品
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風景を洗練された色彩で 『中吉 功展』

深く洗練されたブルー系を基調にした風景15点と花を描いた油彩9点と委細が6点を発表。2015年2月15日、77歳で他界した和子夫人が撮っていた写真10点も展示している。
風景は羊蹄山、恵庭岳など山を中心にした作品もあるが、川や海を手前に、その向こうに建物などが連なるように描いた大きなスケールの構図が心を捉える。札幌の豊平川を手前に描いた『湖畔愁想』、海を中心にした留萌の風景『朝の港』(ともに80号)は雄大な展望。
その色彩は、濃いブルー系を基調にきれいなマチエールで入念に描き込んでいる。「現場を見て雰囲気や感じたことを独自に解釈して絵を描いている」と語り、幻想性さえ感じさせる。色彩もソフトで気品がある。サムホールから80号。
札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで16日まで。
◆写真は豊平川を手前に描いた油彩『湖畔愁想』(80号)

和子夫人とは、2人展を開いたことも。1963年に初個展を開いて以来、個展、グループ展は多数。道展で63年知事賞、69年会友賞。道展会員、グループ環事務局長。札幌北高卒。1943年小樽市生まれ。札幌市清田区在住。
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色彩豊かに「T」シリーズ 外山 欽平油絵個展

1998年にローマ字の「A」で始まったアルファベットシリーズの油彩。今回で連続20回目の「T」シリーズ。色彩豊かに描き上げた100号12点を中心にサムホール7点、シルクスクリーン4点、天井から吊るしたオブジェ3点を出品。「学生時代から抽象絵画ひと筋…」で、ほぼ50年のキャリア。
「T」の文字が、大画面の中でまるで踊っているかのように描かれている。深いグリーン、ブルー系の色彩空間の中で両手を広げたり、体をひねったりしているようなフォルムが動的に表現されている。しかも赤、オレンジ、紫系といったカラフルな色調。全体がリズミカル。
筆は一切使わない。キャンバスを置き絵の具を流すという手法。絵の具をたらす、飛ばす、時には火もつける…など独自の手法で仕上げる。深いマチエールと色彩の美しさも魅力でもある。
札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラルスカイホールで16日まで。
◆写真は色彩豊かな「T」シリーズの油彩(ともに100号)

「デッサンをしているうちに踊り子のようなイメージがわいた」。既に来年の「U」シリーズの構想に。毎年、函館でも発表しており、かつては北海道抽象派作家協会展でも発表していた。武蔵野美術大学卒。1937年函館市生まれ。同市在住。
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大作中心に48点 『末永 正子展』

「ある日の風景から」をタイトルに、道展で1998年に協会賞を受賞した油彩『二人の風景』から新作まで48点をそろえ、意欲的な取り組みを見せている。100号から100号2枚を合わせた大作が中心。市立小樽美術館主催の「小樽・美術家の現在」シリーズの作品展。
「今、語りだす線を見よ」のキャッチフレーズが示すように、作品は色彩豊かに、一見自由自在とも思わせる線の走りで、心地よい響きを感じさせる。当初は、作品『女』『風・花・女』など人や花を表現する取り組みだったが、2004年の作品『空・女・風』あたりから抽象構成へ。洗練された明るい色彩と「筆だけで描く」というリズミカルな線の走りが心地よい。基調は「窓から見える海など小樽の風景…」だが具象ではない。ブルー、ワインカラー、ホワイトなど多彩な色彩空間に軽快な線描で末永アートをつくり上げている。3月18日に開かれたアーティストトークには、100人のファンが訪れたという人気だった。
小樽市色内町1、市立小樽美術館で23日まで。
◆写真は新作の油彩『華と水の景』(100号2点)

「1点仕上げるのに1ヶ月から1ヶ月半かかります」。“抽象風の作品”と言われている。札幌で2005年、15年に個展。昨年、中国・ハルビン市で開かれた「阿部典英と北海道作家展」に出品。道展、小樽美術協会会員。札幌大谷短大卒。1951年小樽市生まれ。同市在住。
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白を基調に清そな陶器 『嶋貫 郁美陶展』

「白が好きです」―“春の息吹”をキャッチフレーズに白を基調にした大小のうつわ、皿、花器30点を中心に桜の花びらを散りばめた造形的な作品、小さな桜の花びらの作品をそろえ、春を迎えた喜びが広がっている。2013年に京都で初個展を開いて以来2回目。
角状の高さ約45㎝の花器、茶系の柱状に桜の花を散りばめた11本の造形作品以外の花器などは白が基調。その表面は、ひび割れ状の文様がリズミカルに表現され、内面は釉薬による淡いブルー、グリーン系が輝いている。清そで気品がある。皿は、うず巻き状の文様。
『春』を強調するように展示されている作品の間に小さな桜の花の作品をさり気なく置き、花をつけた枝も6本吊り下げるなど優しい気配りの展示になっている。
札幌市中央区大通西23、ギャラリー円山で8日まで。
◆写真は白を基調にした数々の作品

円山陶房の陶芸教室で指導している。北海道陶芸展で2010年奨励賞、11年協会大賞、12年会友賞。16年現代陶芸奨励賞展に入選。師は陶芸家の下沢敏也さん。北海道陶芸展会員、北海道芸術デザイン専門学校卒。1982年福島県生まれ。札幌市在住。