~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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「境界」テーマに大作 『駒澤 千波展』

 
 日本画。「境界」をテーマに今回の個展は13回目。
 「境界」というと「分かれ目」など物理的なイメージを持つが、作者は「夢とうつつ」「日常と非日常」といったあいまいさや薄皮1枚の別世界…といった独自の感性で描いている。
 壁面に巻き物のように展示された全長13mの大作は「少女が入った不思議な世界」でストーリーが始まり制作しており、大作の幅45㎝×全長13m、縦180㎝×横90㎝の3点を中心に多数の小品を展示、心地よいストーリーを展開している。精力的に個展、グループ展を続け、ウサギ、水牛、フクロウ、ライオンなどの世界に迷い込み、楽しい物語をつくり上げている。
 「構想から1年かかった」という入念な描き込み。縦180㎝×横90㎝の作品は「真夜中のサーカス」のシリーズ。開演前の出を待つライオン、フクロウなどがじっと正面を向いている表情にユーモアさえ感じさせる。創造性豊かな取り組みである。

 札幌市中央区北1西28、ギャラリーレタラで6月12日まで。

 ◆写真は全長13mの日本画『空宴』


 P1070920_convert_20170523101140.jpg  駒澤 千波(こまざわ・ちなみ)さん
 「薄皮1枚で別世界が存在するのでは、という期待感を幼い頃から感じていました」。日本画は大学時代から。道展で2002年服部賞、04年佳作賞、06年会友賞。06年に初個展。10年に道教職員美術展で記念大賞。道教育大学札幌校教育研究科修了。道展、北の日本画展会員。1980年美唄市生まれ。石狩市在住。
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リズミカルな鉄彫刻 『國松 明日香の今日展』

 
 1980年代半ば頃から金属を素材にした彫刻に取り組んでおり、今回も彫刻10点、壁面にドローイング6点を発表。個展は2008年に札幌芸術の森美術館で開いて以来9年振り。
 「剛い素材を柔らかく、動きのないのを動きのあるように」―。一見冷たさを感じさせる鉄彫刻だが水、風、光といった「自然」を根底にリズミカルな作品に仕上げている。
 素材はステンレスと鉄。銀色に輝く、あるいは赤さびた大小の円形が細い鉄線上で軽快に響き合っている…全長3・8mの大作『星雲』を始め『水の柱』『水面の風』など心地よい軽快感が広がっている。
 壁面に展示されている『北の星』などは天空に浮いているようなイメージ。「空間に直接デッサンするように制作する」という作品は、会話でもするような心地よさである。

 札幌市中央区北1西4、札幌グランドホテル内グランビスタギャラリーで6月13日まで。

 ◆写真は中央が全長3・8mの作品『星雲』


 P1070914_convert_20170523100946.jpg  國松 明日香(くにまつ・あすか)さん
 実父で画家の故國松登氏が「水」をテーマに発表していた。「父へのオマージュ(敬意)でもある」。活動の初期は版画だったが1978年頃から彫刻へ。83年に室蘭市に野外彫刻を設置以来パブリックアートが多数。89年本郷新賞、93年札幌市民文化奨励賞、98年道文化奨励賞。東京芸大大学院彫刻専攻修士課程修了。1947年小樽市生まれ。札幌市中央区在住。

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明るくさわやかな36点 『渋谷 幹男水彩画展』

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 本職は司法書士だが水彩画を描き続け、今回で第26回展。これまでに創作してきた「マイカレンダー」の原画を中心に、国内外を旅行して描いた風景、花の作品合わせて36点を発表。透明感に富む明るい色彩で、さわやかに描いている。
 「マイカレンダー」は、1993年以来独自に制作、各方面に無料で配布している。今回は、97年に函館市のハリストス教会を描いた原画から今年の札幌市のエドウィン・ダン記念館を描いた原画までを展示。いずれも建物を中心にグリーンがさわやかな風景をみずみずしく描き上げている。
 よく海外へも。フランス、イタリア、ロシア、アメリカ…各国の風景を異国情緒たっぷりに入念に描き込んでいる。
 花は、バラが中心。09年以来の作品8点。それぞれ色彩が微妙に違い美しく丁寧に描いている。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で21日まで。

 ◆写真は、今年のマイカレンダーの原画『エドウィン・ダン記念館』(6号)


 P1070904_convert_20170519102019.jpg  渋谷 幹男(しぶや・みきお)さん
 小、中学校時代は描いたが高校、大学時代は一切絵筆を手にしなかった。特別な師はいない。1967年12月に司法書士事務所を札幌に開設して以来今年で50周年。2014年に黄綬褒章を受賞。98年に還暦記念展を開いた。中央大学法学部卒業。1938年美唄市生まれ。札幌市中央区在住。

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水面の表情を美しく 『山田 恭代美展』

 
 水面に浮く木の葉や花がゆらゆらと揺れている…「みずとひかり」をタイトルに入念に描き込んだサムホールから100号の作品15点を発表。リズミカルな自然の表情である。一昨年に次いで13回目の個展。
 「とても時間がかかります」。油絵や水彩画ではない。アクリル絵の具で描き、シルクスクリーンの技法を加え、さらに和紙を張る。という独自の技法を何度も繰り返して仕上げる。
 「ウォーターフラワー」「森の水面」「ひかりの花」のシリーズ。赤系のアネモネが水面に揺れる以外はグリーン、ブルー系の濃淡の水面に木の葉やスイートピー、アネモネなどが光と影をともなって揺れている…。
 夕暮れや四季の変化による水面の微妙な表情を心地よいリズム感で揺れている。透明感に富む色彩も美しい。思わず水面をのぞき込むような…そんな作品である。

 札幌市中央区南5西20、ギャラリーミヤシタで28日まで。

 ◆写真は『森の水面~瞑想』(100号)


 P1070864_convert_20170513145829.jpg  山田 恭代美(やまだ・きよみ)さん
 2005年から「自然」をテーマに発表。「水面のいろいろな表情を組み合わせて作品にしています」。1993年の初個展以来毎年個展、グループ展を続け東京でも。6月には北広島市でグループ展がある。99年から08年まで道展に入選。札幌大谷短大美術科卒。1971年札幌市生まれ。同市在住。

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カーニバルを情熱的に 『竹岡 羊子展』


 イタリアのベネチア、フランスのニースなどヨーロッパのカーニバルを描き続けてほぼ50年。今回も色彩豊かに情熱的なカーニバルの表情を描いた200号から100号の大作6点を中心にパステル、コラージュの作品合わせて19点を出品、熱い思いが広がっている。個展は60回以上。今回は2013年に福岡市美術館で開いて以来4年振り。
 多くの男女が歌い踊り、花火を楽しみ、ワイングラスを傾ける…そんな熱狂的なカーニバルの喜びを躍動感いっぱいに展開している。非常にカラフル。
 真っ赤な衣装の女、ドラムをたたく女性、派手な衣装で踊る人々…熱気であふれる光景を、作者もその輪の中にいるような雰囲気で描き込んでいる。そこには歓喜と平和な世界が広がっている。そして楽しいストーリーが込められている。
 個展のサブタイトルは「見果てぬ夢を追い求め」。描く情熱は尽きない。

 札幌市中央区南1西2、大丸藤井セントラル7階スカイホールで14日まで。

 ◆写真は油彩の『CARNAVAL de NICE』(200号)


 P1070851_convert_20170513145734.jpg  竹岡 羊子(たけおか・ようこ)さん
 3年前にもベネチア、ニースへ。「何回行ったか…」。現地の人と文通もしている。個展は1968年以来札幌、東京、福岡などで多数。海外展も。受賞歴も多く2012年には紺綬褒章も。独立展、全道展会員、女流画家協会委員。福岡県太宰府市生まれ。札幌市在住。

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黒を基調に気品の器類 『中島 勇作陶展』

 


 「黒色が好きなのです」。黒の釉薬が神秘的に輝く大小の皿、コーヒーカップ、花器、徳利やオブジェなど60点を出品。個展、グループ展は数多く、今回は2014年に京都で開いて以来の個展。
 「陶器ですか、とよく聞かれます」。一見、木を素材にした作品のような優しい黒の輝きと曲線の美しさである。素焼きの後にペーパーで入念に磨き、釉薬をかけて電気窯で焼き上げる。
 黒がてかてかしている訳ではない。内面ンの深さを感じさせ盛った料理や生け花を一層引き立たせそう。比較的薄地でもある。気品があり思わず手に取ってみたくなる数々の作品である。


 札幌市中央区大通西23、ギャラリー円山で8日まで。


 ◆写真は黒を基調にした数々の作品


 P1070833_convert_20170505102028.jpg  中島 勇(なかじま・いさむ)さん
 陶芸家だった実母シズエさんの影響で小学校時代から作陶。1999年北海道陶芸展で札幌市教育長賞を受賞以来陶芸協会特賞、大賞、審査員特別賞、会員優秀賞など次々に受賞。初個展は2008年。シズエさんと10年に親子展も開いた。北海道陶芸展会員。1978年札幌市生まれ。同市中央区在住。

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鉄彫刻中心に多彩な催し 『浅井 憲一作品展』

 


 1980年以来鉄彫刻に取り組んで37年。「作家の息遣いとその結果を見て欲しい」という意味を込めた「イキノアリカ」をテーマに工房と野外に鉄彫刻を展示。合わせて数々のイベントが行われ、楽しい内容に。幸子夫人もスケッチ展を開いている。
 「森の工房」の周囲は、白樺や松などの樹林がうっそうと繁り、山奥にでも入ったような環境。笹もびっしり広がっている。
 工房は2階建て。鉄を切り、溶接するなどして作り上げた女性像、石山軟石を使ったアリをイメージした作品が床面、壁面にいっぱい。動めくような雰囲気。野外には球体状の大小の作品。
 これらの作品に合わせて初日の3日に続き7日もアーテイスト、音楽会、舞踊などが行われ作品展を盛り上げる。


 札幌市南区石山1039-5、AZプロジェクトで7日まで。


 ◆写真は鉄彫刻の女性像(全長1・60m)


 P1070824_convert_20170505101804.jpg  浅井 憲一(あさい・けんいち)さん
 元々は油彩だった。1980年道展に鉄彫刻を出品して新人賞。90年にAZプロジェクトを設立。札幌、東京で「真夜中のサーカス」をテーマに発表。1952年大阪市生まれ。札幌市南区在住。

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本道の風景を雄大に 『高橋 哲夫油彩画展』

 
 2006年4月、江別市から現在の石狩管内当別町にアトリエと画廊を開設して10周年を迎えた記念展。描き続けている本道の風景を中心に60点を展示、その魅力を存分に見せている。サムホールから20号。
 「風景は頭の中に入っている」―。変化に富んだ四季の表情を、ペインティングナイフ1本でぐいぐいと描き込んでいる。展望する冬の大雪山や積丹半島の海、空にくっきりと浮く利尻富士、グリーンが響き合うような鮮やかな白樺林…大きなスケールで空気感いっぱいに描き上げている。
 濁りのない明るい色彩でコントラスト豊か。「書き出したら一気に仕上げる」と語り、生き生きとした描写力である。
 当別町字金沢316-3、高橋画廊で7日まで。

 ◆写真は大きなスケールの油彩『利尻富士』(20号)


 P1070814_convert_20170505101702.jpg  高橋 哲夫(たかはし・てつお)さん
 絵は独学。30歳代後半から描き始め今年で40年以上。1984年道展に初出品で入選、以来プロの道に。毎年道内、本州で個展を開き今年も1月に水戸、3月青森、4月函館の各地で開催、更に7月札幌、9月八戸、12月福島市で予定。2015年に北洋銀行のカレンダーを担当した。1935年伊達市生まれ。当別町在住。
プロフィール

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