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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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穴窯で現代感覚の作品 『恒枝 直豆初窯展』

 

 昨年8月富良野市から岡山県に転居、今年4月に完成させた穴窯で焼き上げた備前焼きの作品を会場いっぱいに展示。いわば“里帰り展”。火のあたり具合によって微妙に変化する明るい茶系と黒っぽい色調が調和、スマートな作品に。
 岡山県倉敷市出身だが、富良野市で16年間備前焼きの作品を発表していた。その基調は「現代生活に合う使いやすい作品」。
 出展は大小の皿、マグカップ、花入れ、徳利などからかわいい犬、猫まで多彩。全長約8mの穴窯で赤松をたいて焼成した作品は、淡い茶系が基調。各種皿は、中央が赤っぽく稲わらを載せて焼き、微妙な線紋様が走っている緋だすきの手法が特徴。
 穴窯による作品は、肉厚で重厚…というイメージだが、出展の作品は薄地でスマートな現代感覚。岡山県は登り窯が中心で、穴窯は殆ど無いという。

 札幌市北区北8西1、石の蔵ぎゃらりぃはやしで8月1日まで。

 ◆写真は出展されている数々の作品


 DSC01112_convert_20170728101927.jpg  恒枝 直豆(つねき・なおと)さん
 今年6月に倉敷市で初窯展を開き、8月3日から富良野市でも。穴窯は2ヶ月かけて完成させた。その写真も展示。たく赤松は自身で切って割る。岡山からワゴン車でやって来た。富良野時代は個展、グループ展多数。「来年も札幌でやりたい」。愛媛大学工学部卒。1971年岡山県生まれ。同県浅口市在住。
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本道の風景色彩豊かなに 『合田 典史展』

 

 残雪の頃から秋にかけての道内各地の風景を中心に花を描いた油彩合わせて39点を発表。風景は、主に山と海を中心に明るい色彩とともに空気感に富んでいる。0号から100号。一昨年に次いで6回目の個展。
 知床、留萌、富良野、十勝、ニセコ…マイカーで回り「楽しんで描いています」。その風景は季節感に富み、透明感と共に色彩豊か。川の向こうに手稲区を望んだ『手稲区』は大きなスケールであり『留萌港』は画面の半分が空という展開。
 「特定の場所ではなく、どこにでもあるような風景を描く」と語り『湿原の秋』は広々と、『オンネトー』は雌阿寒岳を画面いっぱいに…など本道の魅力を存分に見せている。「今回初めて発表する」という花の作品はパンジー、クロッカスなどを描いている。

 札幌市北区北9西3、ギャラリーエッセで30日まで。

 ◆写真は油彩の『留萌港1』(100号)


 DSC01107_convert_20170728101824.jpg  合田 典史(ごうだ・のりふみ)さん
 「北海道の風景は、変化に富んでいて面白い」。常にスケッチブックを手に、「描いているのが楽しい」。今年は6月にグループ環展で発表、8月に新道展がある。早苗江夫人は水彩画家で道彩展会員。新道展事務局長、グループ環会員。道教育大学札幌校卒。1951年札幌市生まれ。同市手稲区在住。

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画業45年の記念展 『鈴木 秀明油彩展』

 

 1972年に新道展に初出品して受賞以来45年―。その記念展。「今回は、親しみやすい身の回りの風景や人形、花などを描いた作品をそろえた」と語り、美しい色彩と生命力に富む描写力の29点を出品。0号から50号。今年既に3回目の個展。
 公募展では、幻想的なストーリーを秘めた独得の大作を発表しているが今回は花、風景が中心。花はチューリップ、ボタン、バラ、アジサイなど多彩。それらをアップしながら風景の中に美しく生き生きと描いている。
 バラの向こうに函館山や旧函館公会堂を望み、アジサイの向こうに大沼公園が見え、空には鳥…など大きな展望。廃船の上空にハイビスカスが飛ぶ構図など花の生命力が強調されている。
 筆とハケで入念な描き込み。色彩が美しい。金箔の中にボタンが浮き出るような作品は日本画のよう。
 色彩豊かな多くの花が、風景を背景に何かを語りかけるようだ。

 札幌市中央区北4西2、さっぽろ東急5階美術画廊で26日まで。

 ◆写真は『早朝の旧函館公会堂』(20号)


 DSC01073_convert_20170723102740.jpg  鈴木 秀明(すずき・ひであき)さん
 「絵に興味はなかった」そうだが根室市の小学校に赴任したのがきっかけで初めて油絵を。26歳で才能を開花。新道展、美術文化展、安田火災美術財団奨励賞展などで次々受賞。美術文化展、赤社社展会員、新道展審査部長。個展、グループ展は多数。道学芸大学函館校卒。1948年旭川市生まれ。函館市在住。

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個性豊かに78点 夏まつり「花」展

 


 さいとうgalleryの企画展。テーマは「花」。1995年に第1回展を開いて以来連続22回目。美術団体を問わず78人が、バラエティーに富んだ作品を発表している。
 油彩、水彩、版画、日本画、パステル、金工…幅広い。夫婦、親子もおり水彩の小堀清純さん(札幌)油彩の鉾井直作さん(砂川)が初出品。稚内、北見、岩見沢、小樽など道内各地からの出品、競っている。
 ひと口に「花」といっても具象の美から抽象、立体造形まで多彩。野崎嘉男さん(岩見沢)の『花物語』は額装、その中の作品も花、宮地明人さん(同)の『夏の花』は花模様の和服を着た女性像、羽山雅愉さん(小樽)の『白い家』は白い家の前の白い空間に一輪の花…など取り組みは様ざま。
 作家の個性が楽しめる。作品は50㎝×50㎝以内。


 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで16日まで。


 ◆写真は個性豊かな花の作品

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個性豊かで多彩 『小笠原み蔵・植田莫展』

 
 木彫家小笠原さんと木綿や和紙に染料などで描いた独自の絵画を発表している植田さんの2人展。個性豊かでユーモアもありホットな雰囲気。2人展は道内外で数多く9月には山口県でも。
 共に70歳代。「いまだにスローに制作する2人…」とのことだが、常に意欲的な取り組み。個展、グループ展も多数。
 小笠原さんの木彫は独学。40年近いキャリア。「木彫三昧…」で人物像からトランペットを吹くゴリラ、ペンギン、フクロウなど大小様ざまな表情の作品がいっぱい。思わず手に取ってみたくなる。素材はシナの木が中心。楽しい展示である。
 植田さんの染料で染め、細部は顔料も使って筆で描く独自の技法を確立して48年。放浪の俳人・種田山頭火を描いた作品「句抄絵」、「老夫婦の夕焼け」シリーズ、「森のトリ」「幸せのフクロウ」シリーズなど多彩。色彩がソフトでストーリー性を秘め、温かい情緒を広げている。合わせて39点。
 小笠原さんは、渡島管内福島町生まれ、植田さんは兵庫県生まれ。共に札幌市西区在住。

 札幌市北区北9西3、ギャラリーエッセで16日まで。


 ◆写真は展示されている2人の作品

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ご主人の歩み描く 『鈴木 京子墨彩画展』

 


 毎年テーマを決めて発表しており、昨年の「やさしい辞典」に続き今回は「私の好きな先生」。モデルは、小樽市内の小学校の教師だったご主人・直樹さん。1959年に小学校に赴任した時から99年の最後の卒業式、その翌年の卒業生との再会まで41年間の歩みを描いた50点を発表。29回目の個展。
 「当時の小学校の様子と社会を背景に描きました」。ご主人の取り組み、歩みと児童の表情、行動を生き生きと描いている。『バスで通勤』『ラジオ体操』『海浜の遠足』から『音楽発表会』『卒業式』…2000年9月23日の『稲穂小学校卒業生との再会』まで墨の濃淡と顔料で描いている。
 スキー、水泳、音楽…幅広く指導を続けたご主人の情熱が画面にあふれており、校舎を中心にした大作『教職一筋』には思いが込められている。


 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で9日まで。


 ◆写真は『私の好きな先生~最後の卒業式を終えて~』(12号)


 DSC01051_convert_20170709104908.jpg  鈴木 京子(すずき・きょうこ)さん
 師は日本画家の故本間聖丈氏。1985年から指導を受けた。「絵は全く知りませんでした」。91年に『子どもの四季』をテーマに小樽で初個展。以来連続。現代水墨画協会展で秀作賞、奨励賞、佳作賞。小樽市在住。

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自然の魅力存分に 『藤田 敏次水彩展』

 

 「水彩画だけの個展は初めてです」―。公募展、個展で油絵を発表していたが、今回は透明水彩絵の具による38点を出品。道内各地と一部海外と本州の風景を空気感に富み、明るい色彩で描いている。5回目の個展。
 礼文、美瑛、石狩、十勝…道内各地の初春から秋にかけての風景を生き生きと描いている。「礼文島出身ということもあって海の絵が多い」とのことで明るくさわやかな『利尻の漁港』、大きなスケールの『初夏の利尻』、画面の殆んどが海から望んだ岩の風景など多彩。
 一方『十勝残雪』、上富良野の雄大な構図の『唐松の大地』といった取り組みも。濁りのない色彩で自然の魅力を見せている。
 「まだ行っていないのは釧路町…」で、すべて現場でスケッチ。臨場感に飛んでいる。南フランス、イタリア、千葉、長崎県を描いた作品も。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で9日まで。

 ◆写真は利尻の風景『猫岩と桃岩』(6号)


 DSC01043_convert_20170709104806.jpg  藤田 敏次(ふじた・としつぐ)さん
 油絵は独学だが1994年から示現会展、2003年から道展に入選を続けている。「水彩画も習ったことはありません」。1957年、北電に入社した年に油絵の用具一式を購入、示現会会員。苫小牧工業高校卒。1939年宗谷管内礼文町生まれ。札幌市北区在住。

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廃材に生命感 『高橋 博昭展』

 

 「存在価値がなくなった物たちに再び光を」―。続けている「生存」のシリーズの抽象絵画23点を発表。素材は各種廃材だが、白を基調に内面性の深い取り組み。0号から100号。一昨年に次いで7回目の個展。
 「素材と格闘しながら30年かかってここまできました」。使用する素材は木、布、ベニヤ板、段ボール、紙、テープ…すべて廃材。それらを「黒で汚した」という発泡スチロールに張ったり、ひっかいたりしてイメージを高め最後にローラーで絵の具を重ねて仕上げる。
 表面は洗練されたホワイト。多彩な素材が自由自在といった感じで重なり合い深い内面性を秘めている。「作ろうとしてはダメ。偶然性があり、素材を楽しみながらイメージを高めています」。廃材に生命感と美しさをよみがえらせている。

 札幌市中央区南5西20、ギャラリーミヤシタで7月9日まで。

 ◆写真は『生存』のシリーズの0号6点


 DSC01025_convert_20170630153330.jpg  高橋 博昭(たかはし・ひろあき)さん
 「すぐ取りかかれるのもあるが、半年かかる作品も」。元々抽象絵画。道展で1990年会友賞、翌年会員に。90年まで美術文化展、道抽象派作家協会展に出品。佳乃子夫人も抽象絵画を発表、道展会員。奈良芸術短大美術科卒。1954年岩見沢市生まれ。同市在住。
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Author:chikuwapan
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