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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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最高賞に島田さん 『第36回書究院展』

 

 書究文化書芸院(山田太虚院長)が1982年に第1回展を開いて以来続けている書道展。中国からの招待作家、招待審査員、審査会員、会員を始め会友、一般入選者の作品246点が展示され力量を競っている。
 最高賞の道知事賞は島田美紀子さん、大賞の札幌市長賞は江口紫雲さん、準大賞は瀬川恵泉さん(いずれも札幌市)が受賞。
 古典の臨書から創作まで幅広く、漢字を中心にかな、墨象を濃墨、淡墨で筆を走らせ個性豊か。大作、力作が書の魅力を見せている。出品者の最高齢は88歳。
 「実用硯の世界」が特別展示され、すずりの種類や歴史が分かるようになっている。会場中央には、折り状も。
 高校生以下と一部一般も加えた第2回書究文化展も開かれており、27日に表彰式・祝賀パーティーが開かれる。

 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで27日まで。


 DSC01148_convert_20170825101845.jpg  山田 太虚(やまだ・たいきょ)さん
 書の文化向上と底辺の拡大に情熱を注いでいる。1978年に書究文化書芸院を創立。翌年札幌西高教諭を退職、書業に専念。96年還暦展、06年古希記念展など多数。10年に北海道文化団協議会芸術賞受賞。毎日書道展審査会員、北海道書道展会員、虚心会会長。1936年空知管内栗山町生まれ。札幌市西区在住。


 ◆写真は各賞を受賞した作品
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深い内面性と大きな構図 『北山 寛一展』

 

 「2003年以降に描いた作品です」―。道内と海外の風景、花、女性像を描いた幅広い分野の油彩を中心に32点を発表。深いマチエールで入念な描き込み。サムホールから100号。個展、グループ展は数多い。
 「削っては色を塗る、を繰り返す」独自の手法。内面性の深い表現力が心を捉える。
 石狩管内厚田地区の海を望んだ大作『潮騒』『海を望む丘』は雄大なスケール。スイス、イタリアの風景なども展望のきいた構図。
 「静物を見ながら風景をイメージする」そうで女性像や猫の向こうに広々とした風景…などストーリーを秘めている。イタリアの『アッシジ眺望』は、歴史性を秘めている。
 「今回はミニ個展。あと2回は開きたい」。初画集も近く出版する。

 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階スカイホールで27日まで。


 DSC01141_convert_20170825101726.jpg  北山 寛一(きたやま・かんいち)さん
 17年間パリの美術展に出品、受賞するなど海外取材が豊富。スペインの作家に影響を受けたという。学生時代の1970年に赤光社展(函館)で協会賞。その後全道展で会友賞など受賞、会員になったが94年に退会。日仏現代美術展、北海の美術イメージ展、安井賞など多数に出品。グループ環会員。道教育大学函館校卒。1947年空知管内新篠津村生まれ。札幌市中央区在住。

 ◆写真は油彩の『アッシジ眺望』(50号)

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水高さん、2年連続協会賞 30日から新道展



 第62回新北海道美術協会展(新道展)の入賞・入選者が発表され最高賞の協会賞に、恵庭市の水高和彦さん(63)のミクストメディア(複数の素材を組み合わせた作品)『2017コンポジションⅡ』が選ばれた。昨年も協会賞を受賞、2年連続の栄冠となり会友に推挙された。
 応募総数は408点。会友と一般応募の作品171点が入賞・入選した。
 30日から札幌市民ギャラリーで始まる同展には会員108点と合わせ279点が展示される。水高さんの受賞作は、188×188㎝の大作。胆振管内勇払海岸に流れ着いた廃材を画面いっぱいに組み合わせ「素材を大切にしたい」と、自然のエネルギーを強調している。
 9月10日までの会期中にチャリティー小品展(熊本地震義援金)、ロビーコンサート、ギャラリートークなどが行われる。

 主な受賞者下記の通り(敬称略)
 ▽佳作賞 小原邦子、楓月まなみ(札幌市) 金子俊一(石狩市) 鈴木麻美(江別市) 高木美智子(千歳市) 中川雅章(恵庭市) 林正重(岩見沢市) 柴田邦子(函館市) 島広子(苫小牧市) 南條仁子(浦河町) 高橋是(鹿部町)
 ▽新人賞 河口真哉、山下絵里奈(札幌市)


 DSC01131_convert_20170820102231.jpg  水高 和彦(みずたか・かずひこ)さん

 「昨年協会賞を受賞しているのでプレッシャーがかかりました」。2年連続の協会賞受賞は、1975年、76年の鈴木秀明さん(函館)以来。使っている廃材は単なる流木ではなく家や船に使われていた素材。1986年の31回展に初出品で佳作賞、その後しばらく休んでいたが2016年から再出品。恵庭市役所に勤務、会計室長、契約課長を歴任、15年に退職。恵庭市文化協会事務局次長、恵庭美術協会理事。1954年恵庭市生まれ。

 ◆写真は水高和彦さんの受賞作『2017コンポジションⅡ』(188×188㎝)

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美しい色彩の版画 『矢崎勝美・渋谷美求展』

 

 版画界で活躍しており、2013年に次ぐ2人展。矢崎さんは『COSMOS(宇宙)』シリーズ21点、渋谷さんは人物像を心象的に表現した『笑う人』などの銅版画を中心に17点を発表。
 矢崎さんは日本美術家連盟会員、渋谷さんも会員で全道展でも会員。
 30年近い取り組みの『COSMOS』シリーズはセリグラフ、エアブラシ、コラージュといった技法を駆使、ぼんぼりのような星や月、雲や星の流れを思わせるフォルムを美しい色彩で表現している。色彩が響き合うような宇宙のドラマである。
 渋谷さんは『藍色の女』『抱擁』といった女性像を深いブルーの空間に浮き立たせている。「木をイメージした」と語り、藍染め文様の人体像を至って心象的に浮き立たせている。幻想的でもある。
 共に個展、グループ展は数多く渋谷さんは9月26日から十勝管内鹿追町でも個展を開く。矢崎さんは札幌芸術賞、札幌市から感謝状などを受けている。共に札幌市西区在住。

 札幌市西区山の手7-6-25、ギャラリー山の手で9月7日まで。


 ◆写真は矢崎勝美さんの『COSMOS』シリーズの版画

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2期に分かれ8人が出品 北海道・光州美術交流展

 
 「美術を通して人と人との交流を」―。北海道と韓国・光州のアーティスト8人が個性豊かな作品を発表、美の魅力を競っている。初日の8日には、光州からの作家も参加、シンポジウムもおこなわれた。
 展示は、8日から2期に分かれ1期は光州の鄭明敦さんが冬景色を広々と、しかも細密に描いた『待つ』シリーズ、魏振守さんは画面いっぱいに白い梅の花を散りばめた『雪中尋梅』のシリーズを発表。いずれも水墨画、日本画のイメージ。
 本道からは美術家の阿部典英さん(小樽)が『ネエダンナサンあるいは…』シリーズの造形作品と道展会員の日本画家石田眞理子さん(千歳)がモクレンを画面いっぱいに描いた『生々流転』のシリーズを発表。いずれも大作。
 交流展実行委員会(吉田茂代表)主催で北海道文化財団が共催している。
 2期は、26日から光州の作家の陶芸と彫刻、本道側から彫刻家で今年、本郷新記念札幌彫刻賞を受賞した加藤宏子さん(札幌)、美術家で今回展の吉田茂実行委員長が出品する。
 阿部典英道文化団体協議会長は「韓国の作家との交流は1984年から続いている」と語り、11日から18日まで旭川で北海道・全羅南道国際美術交流展があり、10月24日から光州で開かれるアジア国際交流展に本道からは15人の参加が予定されている。

 札幌市中央区北1西28、ギャラリーレタラで第1期展は24日まで、2期展は26日から9月14日まで。


 ◆写真は第1期展で展示されている阿部典英さんの作品『ネエダンナサンあるいは北・風』(横1・83m×高さ1m)

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赤を基調に気迫の筆勢 『大和田 主税展』

 
 札幌西高卒で静岡県で制作を続けており、油彩43点、水彩14点を発表。「気持ちの色…」という赤を思い切って使った山、川を中心にしたスケールの大きな風景を生き生きとした筆勢で描き上げている。本道では、一昨年に次いで15回目の個展。3号から30号。
 赤、黄色、白を基調にぐいぐいと描き込んでいる。「アトリエから見える」という富士山を描いた油彩が16点。描く時間や季節によって表情が微妙に違うが、存分に使う赤をうねるような筆勢で描き堂々とした風格に。
 「北海道には毎年来ている」とのことで積丹、美瑛、手稲山、様似といった各地の風景も赤色を中心に筆とナイフで描き込んでいる。
 すべて現場主義。描くのも早い。数点ある『希望』というタイトルの作品は、画面の半分以上が空を描いているなど空気感が広がっている。描く気迫が伝わってくる。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で6日まで。

 ◆写真は大きなスケールの油彩 『富士山』(30号)


 DSC01120_convert_20170804101556.jpg  大和田 主税(おおわだ・ちから)さん
 札幌では隔年で個展を開き、1982年以来東京・銀座でも。地元静岡でも。2007年の札幌展では、実母和喜さんが押し花の作品を発表していたが、今年6月99歳の生涯を終え「札幌が遠くなりました」。09年に画集を出版。武蔵野美大卒。1943年旧満州生まれ。静岡県函南町在住。
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Author:chikuwapan
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