~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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最高賞は辻晶子さんの大作に 『北海道シニア陶芸展』

 


 60歳以上を対象にした陶芸の公募展(北海道陶芸協会主催)で第35回記念展。これまでに最も多い110点の応募があり、最高賞の道陶芸協会賞・道知事賞は、登別市の辻晶子さん(71)の作品『イナウ(神)を持つエカシ(長老)』が受賞した。
 60歳から94歳の女性まで90人から応募があり秋田、福島県からも。初出品は17人。平均年齢は75歳。
 辻さんの受賞作は、高さ68㎝のアイヌの長老像を入念に焼き上げた大作で会員にも推挙された。1昨年は奨励賞を受賞している。
 会場には、出品された全作品が展示され多彩な内容。年齢には関係のない技術と感性を競っている。記念展の図録も発刊される。

 辻さん以外の主な受賞者下記の通り(敬称略)
 ▽最優秀新人賞・札幌全日空ホテル賞 玉池由紀子(上士幌町) ▽札幌市長賞 芹田典子 ▽北海道新聞社賞 松井茂樹 ▽道教育長賞 八巻正夫 ▽札幌市教育長賞 媚山則彦 ▽土泡賞 西尾敏明 ▽審査員特別賞 熊谷哲子 ▽STV賞 杉山厚子 ▽道火災共済協同組合賞 山本恒雄 ▽DCMホーマック賞 吉岡三江子(以上札幌市)


 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで26日まで。


 ◆写真は手前が辻晶子さんの受賞作品
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美しく生き生きと 『酒井 芳元水彩画展』


 
 「展示している作品の90%は、この2ヶ月で描いた」という風景、花の水彩画34点を発表。透明感に富み生き生きとした筆勢。毎年精力的な取り組みを続けており、今年既に3回目の個展。指導している教室展も合わせると10回目の発表に。
 風景は道内を中心に京都やチェコのプラハの表情を季節や時間の移り変わりを色彩豊かに描いている。札幌の真駒内公園の紅葉、はるかに函館山を望んだ光景、光に揺れる道庁の池…色彩が美しく情緒豊か。
 描くのが早く軽快感さえ感じる。
 花は、バラを中心にボタンも。その表情はあくまでも優しく色彩が美しい。「日曜日もなく、1年に250点は描く」という情熱。サムホールから20号。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で26日まで。


 DSC01441_convert_20171123101416.jpg  酒井 芳元(さかい・よしもと)さん
 絵画グループ「かおり」を主宰150人を指導している。「生徒から学ぶことが多い」。風景はスケッチと写真で。高校2年で三軌展に入選、1988年安田火災美術財団奨励賞、92年奨励賞。個展は東京、京都、大阪でも。東海大学教養学部芸術学科美術課程卒。1960年倶知安町生まれ。札幌市西区在住。


 ◆写真は『蓮のある池 道庁前庭』(20号)

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在りし日をしのび72点 『竹田 博自画像展』

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 画家、デザイナーとして活躍していたが、2007年11月28日、66歳の生涯を終えて10年―。在りし日をしのび描き残した自画像を中心に72点が展示され、思いを新たにしている。
 竹田さんは、札幌商業高校を卒業後広告会社に入社、その後デザイン事務所を設立、1982年にはギャラリーたぴおを開設、自らも絵を描き個展、グループ展で発表、アートひと筋に歩んでいた。
 展示されている自画像は、1962年の22歳から亡くなる2年前の64歳までに描いた油彩を中心にスケッチも。中には両親や理美子夫人を描いたのもあるが大半は自身の表情。
 食事をしている時の光景もあるが、多くはじっと前方を見つめている表情。その目は鋭く何かを求め、訴えているよう。
 企画したボレアスジャパン代表のM・ババッチさんは「独自の美学やスタイルにこだわりを持っていたが66歳で力尽きた。これほど多くの自画像をさろえた作品展は他にないと思う」と語っている。作品集も発刊された。

 札幌市中央区南2西1、山口中央ビル・アートスペース201で21日まで。


 ◆写真は展示されている数々の自画像

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東日本大震災テーマに 『大地康雄の油絵展』

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 「東日本大震災で被害にあった方々を精神的に支援したい」―。角状のキャンバスではなく、ダイヤ型の大作『大震災の象徴』シリーズを中心に風景の油彩も含み24点を発表。サムホールから200号。1965年の初個展以来49回目。
 独特の世界。これまで扇型の構図だったが「緊張感がない」と、昨年からダイヤ型に。その中に扇図を描き、その中心に白い人体を浮き立たせている。
 それは女神。「被害者を救う救世主として表現した」と語り、その周囲に海や山など自然を描き込んでいる。「人命を救いたい」というストーリーが込められている。
 石こうの粉末、塗料なども使い重厚なマチエール。画面の扇型を赤色で浮かせているのも印象的。風景の『洞爺湖畔』などはモザイク的な描き方なども特徴。ダイヤ型のキャンバスは作者自身が製作した。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで19日まで。

 DSC01408_convert_20171117150541.jpg  大地 康雄(おおち・やすお)さん
 東日本大震災への取り組みは、発生した翌年の2012年から。「人命を救いたいという思いから生涯のテーマにしたい」。来年は80歳で50回記念展に。全道展で奨励賞、独立展で奨励賞、独立賞、道教職員美術展で特選など。全道展、独立展会員。岩手大学学芸部卒。1938年岩内町生まれ。札幌市手稲区在住。


 ◆写真は油彩の『大震災の象徴』(200号)

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31人が個性豊かに 『北海道陶芸会展』


 
 1968年に陶芸家16人で発足した北海道陶芸会(中村裕会長)の第49回展。会員30人と相談役小山耕一さん(東京)が個性豊かな多彩な作品を発表、陶芸の魅力を発信している。
 会員は、30歳代から84歳の中村照子(札幌)まで幅広く札幌を始め釧路、旭川、十勝管内鹿追町、網走管内美幌町など各地で作陶を続けているリーダー的な方ばかり。
 大小のつぼ、皿、花器、水指など一人7種類までを出展。堂々とした風格の焼き締め、美しい釉薬による気品、青磁や白磁…高度な技術によるバラエティーに富んだ作品が並び、本道陶芸界のレベルの高さを示している。
 11日午後2時から日本酒を用意した月見の宴も開かれる。
 来年は創立50周年を迎え、6月に札幌芸術の森美術館で米・オレゴン陶芸家協会会員を招き、記念展を予定している。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で12日まで。

 ◆写真は展示されている多彩な作品

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リズミカルな抽象絵画 『高橋 佳乃子個展』

 

 抽象絵画に取り組んで35年―。明るいブルー系を基調にリズミカルな表現力の100号、120号の大作3点を中心に9点を出品。すべて今年の新作。2015年に次いで5回目の個展。
 「色彩は、自然環境にかかわりがあるかも…」。高校までオホーツク海に近い道東で、現在は田園風景が広がる空知で生活、そうした環境が色彩や空気感となってキャンバスに。
 絵筆は使わない。ローラーで地塗りしたキャンバスむに絵の具を流しながら制作していく。タイトルは『ブルーグレー』『グリーンライト』など色彩。ブルー調の大画面に赤やピンク系のラインでいくつもの“窓枠”が表現され、そこから向こうの景色が見えるような、しかもリズミカルに描かれている。
 心地よい響きを感じさせる。色彩が明るく透明感に富んでいるのも魅力。楽しいメロディーさえも感じさせる。

 札幌市中央区南5西20、ギャラリーミヤシタで12日まで。



 DSC01392_convert_20171103141323.jpg  高橋 佳乃子(たかはし・かのこ)さん
 キャンバスを床面に置いて描く。「好きな色にひかれます」。元々は具象だった。道展で1980年新人賞、81年佳作賞、85年会友賞。初個展は99年。道展会員。ご主人の博昭氏も道展会員。道女子短大工芸美術科卒。網走管内女満別町(現大空町)生まれ。岩見沢市在住。

 ◆写真は油彩の『ブルーグレー』(100号)

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明るくさわやかに 三明 伸水彩画展

 

 「いかにしてきれいに仕上げるかです」―。風景を中心に明るく澄んだ色彩で描いた水彩画35点を発表。さわやかな空気感が広がっている。2001年の初個展以来毎年のように発表「数え切れません」。サムホールから0号。
 透明水彩で丁寧に情緒豊かに描いている。雲などホワイトは、画用紙の白を生かす手法。
 札幌、千歳、小樽市を始め道内各地と郷里・仙台の風景やボタン、キキョウなど花を透明感に富みすがすがしく描いている。風景は快晴の光景。
 作品『花とサイロ』『こもれび(道庁)』など風景は、建物を中心にグリーンの広がりが心地良い。奥行きのある構図と共に空気感が広がっている。
 指導しているザ・ザップグリーン教室展も同時開催している。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で5日まで。


 DSC01398_convert_20171103141222.jpg  三明 伸(みあけ・しん)さん
 2001年6月、44年間のサラリーマン生活を終える前から水彩画を描いていた。個展は東京、仙台、函館などでも。スケッチで英国、オランダ、ドイツなどへ。さっぽろ窓辺展で03年札幌市民賞、04年札幌市長賞。11年に書家の靖子さんと2人展を開いた。1938年宮城県名取市生まれ。札幌市在住。

 ◆写真は『ガラスの美術館(箱根)』(6号)
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