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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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独自の絵画の夫婦展 『植田 莫・ようこ作品展』

 

 油絵、日本画などではない。染料、墨、日本画の顔料などで描く独自の絵画を発表している夫婦の作品展。ご主人の莫さんは「30年は続けている」という放浪の俳人種田山頭火(山口県生まれ、1882~1940年)が残した句をモチーフにした絵41点、ようこ夫人は風景や花などを描いた14点を発表。6月にも札幌で2人展を開く。
 洋紙、和紙、中国産の木綿などにハケや筆で描く独特の手法。キャリア40年以上。手染めキルト絵と呼んでいる。
 山頭火は、家の没落と共に家を捨て禅僧姿で全国放浪の旅に出た俳人。その俳句を基に絵を描いている。「山頭火句紗絵」のシリーズ。
 夕焼けを背に、枯れ木の中を、タンポポが咲く中を行く姿、あるいは一人で酒を飲んでいる山頭火を哀愁を込めて描いている。ストーリーが秘められている。
 ようこ夫人は「イメージの世界です」という『村祭り』『満月の夜に』など優しい情緒。陶芸家の多田昌代さん(札幌)が制作した額装に納めていて気品がある。
 莫工房は札幌市西区に。

 札幌市東区本町1条1丁目、茶廊法邑で6月3日まで。

 ◆写真は植田莫さんの作品『山頭火句紗絵』
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風景中心に大作、力作 白日会北海道支部展

 
 1924(大正13)年に結成され、今年3月第94回展を開いた伝統の美術団体の第52回道支部展。小堀清純さん(札幌)ら4人の会員、関建治さん(恵庭)ら準会員、会友、一般入選者合わせて13人のほか東京本部から2人が合わせて28点を出品している。今年の本展に出品、入選した作品が中心。
 白日会は“具象”と言わず「見えるものを通して見えないものを描く」ことを理念に“写実の美”を追究している。道支部展は、油彩を中心に水彩、パステルも。会員芳賀文明さん(網走管内美幌町)の『峠の初春』、会友中村富志男さん(十勝管内清水町)の『十勝平野初夏』など大きなスケールの風景を中心に人物、静物、花…と個性豊か。8号から120号。
 今年、塚原貴之さん(江別)が新会員に。水彩の島田光宏さん、油彩の沼田宏典さん(共に札幌)が初出品で入選、はずみをつけている。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで27日まで。


 ◆写真は会員中矢勝善さん(札幌)の油彩『冬の頃』(100号)

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生き生きとした筆勢で33点 林田 理栄子水彩画展

 

 生き生きとした筆勢で画面いっぱいに描き込んだ風景、静物、女性像、花の作品33点を発表。キャリア35年。独自の画風で内面の深さを追究している。サムホールから30号。2年振りの個展。
 透明、不透明水彩絵の具、墨も使い、思い切った筆の走り。心象の世界とも言える展開である。
 花は画面いっぱいに生き生きと描き、風景は広々とした構図で空気感が広がっている。静物はワインカラー調、ブルー調の空間に同じような色彩で花びんなどを描く、といった個性を見せている。
 肉太の筆勢でぐいぐいと描き込み生命感が伝わってくる。きれいな水彩画とは、ひと味違った魅力がある。展示作品は、22日から全面的に入れ替える。

 札幌市西区二十四軒4条3丁目、ギャラリー北のモンパルナスで31日まで。


 DSC01832_convert_20180517103407.jpg  林田 理栄子(はやしだ・りえこ)さん
 描くのが早い。「作品によっては30分で仕上げることも…」。風景は現場でスケッチをする。個展、グループ展は多数。3ヵ所で水彩画教室を開いている。師は故八木保次、伸子夫妻。道彩展で優秀賞。道彩展会員。北海学園大学経済学部卒。1953年福岡県生まれ。札幌市在住。


 ◆写真は『翠のソーダー瓶』(20号)

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88歳、歩みをたどる展示 『平山 幹昌個展』

 

 「展示作品は、私のこれまでの歩みです」。88歳の作者が油彩の風景を中心に水彩画、木版画合わせて35点を発表。40歳代からの作品。肉太のタッチで描き込み、風景は空気感が広がっている。6号から10号が中心。一昨年に次ぐ個展。
 「秋の景色が好きで、夏は海を描いてきた」。オホーツク、十勝、知床方面を中心に山、川、平原を広々と重厚な筆勢で展開している。「特別な師はいない」と語り大学時代から油絵を。60年以上のキャリア。
 「もう現場で描くのは無理…」だが、展示作品は現場主義で自然の四季と向き合ったものばかり。風が通り抜けるような臨場感がある。風景に人影は全くない。
 スコットランド、カナダなど海外の風景も。「思い出の多い作品ばかりです」。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で20日まで。


 DSC01846_convert_20180517103259.jpg  平山 幹昌(ひらやま・みきまさ)さん
 帯広中学(現帯広柏陽高校)時代は水彩画を。十勝で育ったことから自然の魅力を追究。札幌啓北商業高校の英語の教師だったが50歳で退職、画業に専念。1988年日展に入選、89年日洋展で奨励賞。画集も発刊。小樽商大卒。1930年十勝管内足寄町生まれ。札幌市南区在住。

 ◆写真は油彩の『知床連山と湖』(10号)

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鉄の彫刻を独自の絵画に 『片桐 三晴個展』

 

 スペインの鉄の彫刻家フリオ・ゴンサレス(1876~1941年)の作品に魅せられ、独自の感性で再現した色彩豊かな油彩を中心にモノトーン調の作品、立体作品合わせて38点と壁面を飾ったインスタレーションを発表。2015年以来3年振り16回目の個展。
 「ゴンサレスを遊ぶ」をテーマにした油彩(6号~50号)は非常にカラフル。彫刻家ゴンサレスの作品の基調は女性像。その姿を独得の視点と解釈で彫刻の基調を生かしながら独自の“片桐アート”に仕上げている。
 頭部が向き合う、横顔を立体的に、人体が弓なり状に、あるいは母と子…そんな構図をカラフルに立体感と共に動的に描かれている。それらの絵の元になっている鉄の彫刻の原図も展示され理解しやすい内容に。
 4点の立体作品は、頭部を三角状に作り上げるなど作者の個性が伺える。
 「立体作品を平面化するという“遊び”を試みた」という。

 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラで13日まで。


 DSC01810_convert_20180511110606.jpg  片桐 三晴(かたぎり・みはる)さん
 「東京で開かれたゴンサレスの彫刻展を見て心に響いたものです」。専ら個展主義。海外旅行が豊富で2000年にはニューヨークでも開催。武蔵野美術大学造形学部卒。札幌市生まれ。同時在住。

 ◆写真は展示されている数々の作品

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上空からの大作中心に 『山崎 亮個展』

 

 「20以上はモチーフにしている」という上空から大地を望んだ130号、120号の大作をはじめ水彩画を含め22点を発表。大学を卒業した1976年に初個展を開いて以来2年に1回のペースで開催、今回で22回展。
 セスナ機から見下ろした地上の風景『手稲山のアンテナ群を望む』は、雄大なスケール。林立する大小のアンテナ、数々の家、その向こうに広がる山々…リアルに入念に画面いっぱいに描き上げた光景は、そこから何か物語が生まれそうな雰囲気。丁寧な描写力である。『夕暮れの丘珠空港』は、幻想的でさえある。
 水彩画は花、風景、女性像…と多彩。その中で看護師7人の表情を描いた作品は、それぞれの個性を捉えており興味深い。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで13日まで。



 DSC01816_convert_20180511110423.jpg  山崎 亮(やまざき・りょう)さん
 大作はアクリル絵の具。120号の大作は3ヶ月で仕上げた。大学時代に道展に初出品してHBC賞、その後札幌市教育長賞、会友賞、道教職員美術展で特選、奨励賞など相次いで受賞。道展会員。道教育大学札幌校特美卒。1952年旭川市生まれ。札幌市西区在住。


 ◆写真は雄大なスケールの『手稲山のアンテナ群を望む』(120号)

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受賞記念の“紙の彫刻” 加藤 宏子展

 

 昨年行われた50歳未満の彫刻家を対象にした公募の本郷新記念彫刻賞展で記念賞を受賞した作者の作品展。作品は「このような彫刻はあまりない」と言われている生命感に富む“紙の彫刻”。2013年から近作まで大小15点を出品、ファンを魅了している。
 素材は、和紙の原料である楮(こうぞ)。これを厚く重ねたり、逆に薄くしたりして風合いを出し重さと強度を調整するという。「新しい立体造形作品」と評価され「あらゆる地球上の生命力を表現したい」と、独自に創作を続けている。
 作品は羽を広げて飛び立つ、大きく花びらを広げている、羽が風になびいている…そんなイメージの白い造形作品が床面、壁面に展示され、天井からも吊り下げられている。色彩は一切ない。いずれも大作。
 清そさと共に生命感があふれている。

 札幌市中央区宮の森4-12、本郷新記念札幌彫刻美術館で6月17日まで。一般500円、65歳以上400円、高・大学生300円、中学生以下無料。


 DSC01804_convert_20180504100939.jpg  加藤 宏子(かとう・ひろこ)さん
 かつては石の彫刻だった。10年ほど前から“紙の彫刻”に。個展、グループ展は数多いが「今回のような大がかりな個展は初めてです」。道展で佳作賞、会友賞。道展会員。道教育大学札幌校芸術文化課程美術工芸コース卒。1968年札幌市生まれ。同時在住。


 ◆写真は横、奥行き3・6mの大作
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Author:chikuwapan
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