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~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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深い内面性秘めた大作 『川上 直樹展』

 

 続けている「国境地帯」シリーズの100号から130号の大作8点を中心に高校時代に描いた静物、20歳代に描いた海をイメージさる油彩合わせて18点を出品。大作は深い内面性を秘めストーリーが込められている。1昨年に次いで9回目の個展。
 「国境」は、国の境だが作者は物理的な境界ではなく「人間の価値観の違いや生活上の不安定感を表現したい」としている。
 黒色を基調にした大きな空間構成の中に古城が浮いている、卵や赤いザクロ、グリーンのナシが浮いている、あるいは横になった白い角材の上にザクロ…そこには不安定感、危うさ、風化といったいわば社会現象が強調されている。
 入念に下地をつくり、その後ハケで描き、布などでふき取るなどして仕上げる大作は深いマチエール。一部にコラージュも。

 札幌市西区山の手7条6丁目4-25、ギャラリー山の手で8月9日まで。

 DSC02029_convert_20180726165533.jpg  川上直樹(かわかみ・なおき)さん
 「これまで絵筆を捨てずきてよかった」。師は札幌東校時代に指導を受けた木嶋良治氏。2009年一線美術展で新人賞、12年会友賞。道展で13年、15年に佳作賞、16年会友賞。道展会友。芦別市芸術の郷しんじょうにアトリエがある。中央医療技術学院放射線学科卒。1935年札幌市生まれ。同市手稲区在住。

 ◆写真は『国境地帯~ちいさなひとたちへ』(130号)
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現代感覚の備前焼 『恒枝 直豆作陶展』

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 2016年8月まで富良野市で作陶を続け、その後岡山県に転居した作者の札幌展。作品は備前焼。大小の皿、鉢、ぐい飲み、コーヒーカップなど家庭用食器から十二支のえとの動物まで約200点を出品。
 「現代の生活に合う使いやすい備前焼を」―。伝統の備前焼は、地が厚く、こげ茶色系で荒々しい感じだが、発表しいる備前焼は地が薄く、色彩も明るい。大小の皿、には、緋だすきという手法で稲わらが焼けた後の紋様も。
 穴窯てせ焼き上げており、木炭などによる自然釉による焼き締めの作品。現代感覚の独自の備前焼といえる。

 札幌市北区北8西1、石の蔵ぎゃらりぃはやしで31日まで。


 DSC02054_convert_20180726165416.jpg  恒枝 直豆(つねき・なおと)さん
 2001年から15年間富良野市に築窯した穴窯「楽葉窯」で作陶を続けた。02年初窯の個展。以来札幌、旭川、東京などで多数。全陶展、道展などに入選した。愛媛大学工学部工業化学科卒。1971年岡山県倉敷市生まれ。現在の陶房は倉敷市の郊外という。

 ◆写真は、展示されている数々の作品

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74人が多彩に 夏まつり「お化け展」

 

 さいとうgalleryの企画展で今回で23回目。74人が「お化け」をイメージした油彩を中心に水彩、版画、立体造形、金工、陶芸を出品、個性を競っている。
 「お化け」の受け取り方が、それぞれ違い、作品はバラエティーに富んでいる。水戸麻記子さんのスイカの顔の侍、小堀清純さんのお化けカボチャ、阿部典英さんのめがねをかけた馬、福島靖代さんのお化けがそろった女子会…思わず笑みがもれる。
 そんな中で柿崎煕さんの立体造形『アッカンベーお化け』は、アベケの晋三、ウソの太郎、おばけの金太郎の3体が、それぞれのヒモを引くと表情が変わり時代の風刺を思わせる。
 出品作家は、美術団体を問わず滝川、小樽、岩見沢、江別などからも。夫婦、親子も。気軽に楽しめる。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで22日まで。

 ◆写真は柿崎煕さんの作品 『アッカンベーお化け』

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16人が研さんの成果発表 アトリエ金曜会展

 

 新道展会員香取正人さん(札幌)の指導を受けている教室展。今回が29回展。代表幹事の藤井勇吉さんら16人が油彩、水彩45点と香取さんが2点賛助出品、1年間の研さんの成果を見せている。
 最高齢は、95歳の山内貞子さんで水彩画3点を発表。中心は油彩。工藤靖子さん、佐藤克子さん、寺地須美子さんが100号の油彩を出品、意欲的な取り組み。この3人と芳村朋子さんが新道展に入選しいる。
 作品は風景を中心に花、人物、静物と多彩。金曜会は毎年5月と10月にスケッチバスで道内を回っており今年5月に胆振管内安平町の菜の花畑をスケッチした時の作品も。それぞれの個性が楽しめる。
 来年の30回展へ、いろいろな計画が練られている。

 札幌市中央区南1東6、札幌市民ギャラリーで22日まで。

 ◆写真は安保史代さんの水彩画『アルテピアッツァ美唄』(10号)

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本道とヨーロッパの風景 『高橋 哲夫洋画展』

 

 1984年に道展に初出品で入選以来34年。風景をすっきりとした空気感と雄大なスケールで描くことに定評があり、今回は「北海道の風景を歩く」「ヨーロッパの旅」の2週に分けて出品している。
 「北海道の風景は頭に入っている」―。函館の夜景、十勝連峰、ノサップ岬など道内各地の四季の風景を生き生きとした筆勢で描いている。ペインティングナイフでぐいぐいと描き込む。描き上げる時間も短く、気迫が伝わってくる。サムホールから30号。
 11日からの「ヨーロッパの旅」は、31年前の1987年にスケッチ旅行に行った時の思い出の作品。2週間フランス、オランダ、スペイン、ベルギーを回り「スケッチブック30冊は描いた」という精力的な取り組みだった。
 これまでも発表はしてきたが、ヨーロッパの風景を描いた油彩だけ33点(0号~50号)をそろえたのは珍しい。『パリの街角』など建物を中心にした風景を重厚なタッチで力強く描き込み、描く喜び、気概が伝わってくる。

 札幌市中央区北5西7、大丸札幌店8階美術画廊で17日まで。

 DSC02001_convert_20180712161926.jpg  高橋 哲夫(たかはし・てつお)さん
 絵は独学。小、中学校時代から得意。個展、グループ展は数多く今年12月に函館、来年1月には水戸市でも。1988年に初個展。「自信をもって自分の絵を」がモットー。1935年伊達市生まれ。石狩管内当別町在住。

 ◆写真は油彩の『パリの街角』(8号)

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風景を生き生きと 『糸塚 章子個展』

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 今年4月、勤めていた職場を退職した記念の初個展。水彩画。風景、花、静物を描いた58点を出品、意欲的な取り組み。全出品の半分を占める風景は生き生きとした筆勢。サムホールクラスから40号。
 キャリア32年。2013年の道彩展で北海道新聞社賞を受賞した40号の静物以外は新作。中でも「現場主義で描いている」という風景は、描く気迫が伝わってくる。
 函館、小樽、美瑛の風景を描いた作品もあるが、多くは中島公園、植物園、月寒公園など札幌市を中心にした春から秋の光景。「10号クラスなら2時間で仕上げる」という早さ。
 花はヒマワリ、ダリアなど多彩。優しい色調で、その特徴をよく表現している。2室に展示、初個展とは思えない姿勢である。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で15日まで。


 DSC02014_convert_20180712161521.jpg  糸塚 章子(いとづか・しょうこ)さん
 「絵が好きで集中力で描きます」。小学校時代から得意。高校時代は美術を専攻。34歳で故八木伸子さんに師事、現在の師は道彩展代表の小堀清純さん。スケッチにを続けている。道彩展会友。渡島管内・八雲高校卒。1952年八雲町生まれ。札幌市在住。

 ◆写真は植物園で描いた『ムラサキの木』(20号)

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人間の内面性追及 『高橋 伸個展』



 「人間には不思議な存在感がある」―。男女を描いた人物画と風景を描いた油彩15点を発表。このうち100号から200号が5点。意欲的な取り組み。個展は2013年にロシア・ノボシビルスク国立美術館で開いて以来5年振り。
 大作の男性、女性像は、いすれも内面性を追究、厳しい表情。笑顔はない。200号の『裁く者』は「最高裁の裁判官の表情…」で、正面を向いている、横を向いている、目を伏せているなど苦悩の表情。女性一人を描いた130号の大作も何かを叫びたいような厳しい表情。
 悩み、苦悩といった人間の内面性が強く伝わってくる。
 風景は、勇払原野がモチーフ。朝焼けや冬の表情を、空が画面の半分以上を占める大きなスケールで展開している。そこには自然の美しさ、厳しさがある。入念な描き込みである。

 札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラルで8日まで。


 DSC01995_convert_20180707142047.jpg  高橋 伸(たかはし・しん)さん
 人物、風景は学生時代から描いている。武蔵野美大大学院修了後パリ国立美術大学に留学。独立展で独立賞、中山賞、安田火災美術財団奨励賞など受賞。個展、グループ展は多数、札幌武蔵野美術学院学院長でサッポロ未来展を企画。来年3月苫小牧で個展を予定。独立展会員。1950年苫小牧市生まれ。千歳市在住。

 ◆写真は油彩の『裁く者』(200号)

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明るく澄んだ色彩が魅力 『三明 伸個展』

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 今年80歳を迎え、記念の作品集を発刊した。その記念展。作品は水彩画。明るく澄んだ色彩が魅力の風景、花を描いた30点を発表。個展は毎年開き「数え切れない」。
 「明るくきれいに描き心に響く風景や花を」をモットーに描き続け、風景は青空に白い雲が浮く快晴の光景。札幌の中島公園、余市のニッカ工場、ニセコの尻別川などを透明感に富む色彩とすっきりとした空気感で描き上げ心地よい。
 「最近は多くなった」という花の絵が全体の半数。桜、コスモス、ハマナスなどの表情をアップ、色彩豊かに描き込み生き生きしている。
 ザ・サップグリーンという絵画教室を開いており、指導を受けている12人も35点を出品、水彩画の魅力を見せている。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で8日まで。


 DSC01987_convert_20180707141912.jpg  三明 伸(みあけ・しん)さん
 2001年6月、44年間のサラリーマン生活を終えた年に初個展を開いて以来17年。東京、仙台、函館、旭川などで個展。さっぽろ窓辺展で札幌市民賞、札幌市長賞。さっぽろ古き建物を描く会会員。1938年宮城県生まれ。札幌市在住。

 ◆写真は水彩画『夏の記憶(おたる高島)』(縦50㎝×横90㎝)

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米の陶芸家招き個性豊かに 『北海道陶芸会50周年記念展』

 


 1968年に創立された北海道陶芸会(中村裕会長、36人)が創立50周年を迎え、2004年から交流を続けている米ポートランド市のオレゴン陶芸協会の会員を迎えて開かれている記念展。タイトルは「陶・創造者たち―北の大地と共に―」。
 オレゴン陶芸協会の陶芸家を招いての作品展は、2009年の40周年に次いで2回目。今回は36人の会員が112点と東京、静岡からの招待作家2人の2点、オレゴン陶芸協会から35点の合わせて149点が展示され、豊かな造形美を競っている
 オレゴン陶芸協会から21人が札幌入り国際色豊か。作品は、穴窯による焼成が多く気品と風格が広がっている。
 会期中茶席、作家による作陶の実演や講習会、ワークショップ、ギャラリートークなどが行われ、中村会長は「オレゴン陶芸協会とのきずなを一層深めたい」と語っている。

 観覧料一般600円、団体500円、大学生以下無料。
 札幌市南区芸術の森2、札幌芸術の森美術館で7月16日まで。


 ◆写真はオレゴン陶芸協会の皆さんの作品

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“白の世界”の魅力追究 『菊地 眞悟展』

 

 「しばれ雪描く」をテーマに発表を続けており、今回も油彩35点は全て雪景色。「雪景色には生活や歴史が秘められている」―。道内各地を回って描いている。昨年に続き3回目の個展。6号から50号。
 落下する滝、海を望んだ光景、降ってくる雪そのものを描いた作品もあるが、多くは人影の全くない樹林、連山を望む農村の雪景色。それらを天候や時間の変化、移り行く情景を入念に描き込み空気感が広がっている。
 『農道』『村道』といった広々とした雪の道、快晴の『早春』、光と影がゆらめくような『樹影』…吹雪の表情もあるが、森閑とした“白の世界”を大きなスケールで展開している。樹林の向こうに太陽が沈む光景には、大自然のロマンが広がっている。
 一貫して“白の世界”の魅力を追究、ファンの心を捉えている。

 札幌市西区山の手7条6丁目、山の手ギャラリーで7月14日まで。


 DSC01977_convert_20180701103003.jpg  菊地 眞悟(きくち・しんご)さん
 「雪景色だけを発表する作家は、他にいない」と言われている。描くのが早く「2~3日で1点仕上げる」という。同じところに3回はスケッチに。道展で1985年能勢賞、86年佳作賞。2015年東京で初個展。13年赤平市に元気の丘ギャラリー開設。1944年旧樺太生まれ。赤平市在住。

 ◆写真は油彩の『村道』(50号)
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Author:chikuwapan
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