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木彫中心に50点 本田 明二展

本道彫刻界に大きな足跡を残した本田明二氏(1919~1986年)が、来年生誕100年、没後30年を迎える。その回顧展。木彫を中心にブロンズなどの彫刻、素描、版画合わせて50点が展示され歩みをたどっている。
本田氏は空知管内月形町生まれ。札幌二中(現札幌西高)を卒業と同時に上京、彫刻の世界へ。本道出身の彫刻家が活動の拠点を東京に移していく中で本道に根を下ろし創作活動を続けた。
1952年から60年まで全道展事務局長を務め、新制作展で新作家賞、北海道秀作美術展で道立美術館賞、1981年には札幌市民美術賞を受賞した。
作品は『けものと男』『馬』『フクロウ』『トルソ』など多くを発表「具象を抽象の枠組みを超えた造形美」「自然を愛した生命力」「おおらかな造形に素朴さと美しさが共存している」と評されている。
展示作品は木彫から石こう、ブロンズ、テラコッタなど多彩。制作年月日不詳から1980代の作品まで幅広く、取り組んだ情熱が伝わってくる。
25日にスペシャルトーク12月11日に講演会などが行われる。
札幌市中央区宮の森4-12、本郷新記念札幌彫刻美術館本館で2019年1月17日まで。
◆写真は1982年制作の木彫『けものを背負う男』
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植物の生命力を力強く 『白鳥 洋一展』

「植物の生命力を描きたい」―。2016年から取り組んでいる『植物記』シリーズの新作5点を中心に小品8点を出品。新作の5点は、約2m×2mの大作。13回目の個展。
「特定の植物ではない」―。その植物を白い空間に黒や茶系を基調にシンプルに、だが堂々と描き込んでいる。
地中から何本もの植物が伸びている、地中にどっしりと根を張っている、2本の大木が天に伸びている…堂々とした生命力である。
キャンバスではなく“普通の紙”にアクリル絵の具を中心に描いている。しかも紙を数枚組み合わせて1点に仕上げている。
多色を使わず、構図もシンプルだが、植物の呼吸が伝わってくる。
札幌市中央区北1西28、ギャラリーレタラで18日まで。

「堂々とした植物の生命力を描きたい」。かつては、花火がモチーフだった。一級建築士で絵は独学。新道展で協会賞、ニッサン童話と絵本のグランプリ・絵画部門で優秀賞など。初個展は1938年。東北工業大学。新道展会員。1951年留萌市生まれ。札幌市在住。
◆写真は『ふたつの眠り』(縦×横約2m)
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自然の光景を広々と 『府川 誠展』

広々とした畑、その向こうの樹林、広がる空…大自然の光景を静的な情緒を秘めて描いたた版画(リトグラフ)46点、オイルパステル画17点を発表。東京では、ほぼ隔年で発表しているが、札幌では2011年以来の個展。
「基調は胆振管内喜茂別町、後志管内ニセコ町の風景です」。それを独自の感性でイメージの世界を展開している。広がる畑の手前で遊んでいる小さな子供、空は広々として画面の大半を占める…大自然を優しくきれいな色彩で展開している。
夏はグリーン、夕方はピンク系、冬はホワイトが基調。四季の変化を丁寧に表現している。
オイルパステル画は、牛乳パックをミキサーにかけ、ろ過した紙に描いている。版画とは違い重厚感があるが、雰囲気は版画同じ。取り組んで10年程という。数々の作品は、都会の騒音を忘れさせる。
札幌市中央区南1西3、大丸藤井セントラルで4日まで。

1998年に喜茂別町の旧羊蹄小学校に工房を、その後2002年にニセコ町にギャラリーと工房を移した。初個展は1975年東京で。以来全国で開催。春陽会、日本版画協会、日本美術協家連盟各会員。東京造形大学卒業、造形美術学校修了。1949年神奈川県生まれ。91年札幌市へ。ニセコ町在住。
◆写真はオイルパステルによる『地空』(6号)
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全室に多彩な作品 『島田 無響遺作展』

本道書道界に大きな足跡を残し、2015年4月3日、87歳の生涯を終えた作者の遺作展。「膨大な作品の中から選んだ」という大小の額装の漢字、かなの創作約50点を中心に折り状、短冊などが会場いっぱいに展示され在りし日をしのんでいる。
島田さんは1928年千葉県生まれ。早稲田大学卒業後サラリーマン生活に入り、57年に札幌市へ。
61年、33歳で日展に初入選、その後北海道書道展会員、創玄書道展、毎日書道展各審査会員、「鮎の会」結成など本道書道界発展に貢献した。
62年に初個展を開いて以来2007年80歳の記念展まで13回も開き存在感を示した。中国へも何度も訪れた。
展示作品は、1960年代から制作年が不明の漢字、かな、片仮名などの濃墨、淡墨…と多彩。折り状は「全長7~8m…」という『長江下り』『万葉集九巻』もあり、いかに幅広く活動を続けていたかを改めて印象付けている。実弟で書家の島田一獄さんは「書くことが一番好きな無響でした。無響らしい作品を選び展示した」と語っている。遺作集も発刊された。
札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で4日まで。
◆写真は展示されている数々の作品