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『心和む動物、植物の木彫』 ~岩間 隆作品展~
~岩間 隆作品展~
「木と遊んだり遊ばれたり、彫刻刀を風のように走らせるのが心地よい」―。木彫の世界に入って44年目。大作のチェスと(たんす)、椅子・テーブルセットを始め『時を忘れて』シリーズのフクロウ、猫を彫った時計、ブドウの葉を形取った大小の皿、キャベツなど野菜の木彫レリーフ…大小80点を発表。会場にホットな雰囲気が広がっている。個展、グループ展は数多く、昨年も1月に三越札幌店で個展を開いた。
フクロウ、ブルドック、犬、猫…「モチーフにして20年ぐらいになる」という動物を中心にバラの花、各種野菜、麦の穂、ブドウの葉などを大小の彫刻刀を使い分けて彫り上げている。中でも動物は、その表情に愛きょうがあり親近感が漂う。
ブルドックの大作『哲学するブル・親父』は、堂々とした風格の中にもユーモアを秘め、「自宅で飼っている」という猫をモデルにした作品『すやすや』『ぽかぽか』は、心を和ませ、フクロウなどの時計は、目の表情がほほえましい。素材はクルミが中心。花、野菜、りんごなどは染料で彩色してアクセントをつけているなど木のぬくもりと同時に作者の優しさが伝わってくる。
札幌市中央区南1西3、9階三越ギャラリーで18日まで。
◆写真は、猫の背にバラの花が見える木彫 『ぽかぽか』(27㌢×30㌢)
いわま たかしさん
「最近は、木の声を聞きながら森と対話するような感じで作品と向き合っている」。1966年に木彫を始めたベテラン。1974年から85年まで道展に入選、89年に名古屋で開かれた世界デザイン博に入選、97年日象展に入賞。個展、グループ展を毎年続け、今年も2月に三越広島店、3月同名古屋店でグループ展がある。プロ作家の創作集団『サッポロクラフトTAG』を05年に結成、代表に。定山渓病院(札幌)、千歳総合福祉センターなどの壁面レリーフを制作。アトリエ十夢(とむ)主宰。1945年札幌市生まれ。札幌市西区琴似4条5丁目4の26。
(美術ジャーナリスト 五十嵐 恒)