~北海道で活躍している作家さんたちを紹介しています~  五十嵐 恒

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今回が最後の支部展 『大洋会北海道支部展』

 
 具象系の絵画を基調にした公募展・大洋会(本部、東京)の第34回道支部展。11人と2人の協力出品者の油彩25点、水彩8点が美を競っているが高齢化などで出品者が年々減り、道支部展は今回で幕を閉じることに。
 大洋会の本展は、毎年東京で9月か10月に開かれている。昨年は石本興治さん(札幌)が秋の積丹を描いた油彩で新人賞を受賞した。だが原田富弥道支部長は「かつて本部会員だけで33人いたが、今は7人に。高齢化や体調の問題などで出品者が少なくなった」と語り、道支部を解散することに。東京本展への出品は続けるという。
 最後の道支部展は、豊川陽子さん(札幌)の冬景色を描いた3点など四季を描いた作品を中心に大作、力作が最後を飾っている。
 今後は「楽しく豊かな創作活動を続けていくために」と、道支部の皆さんを中心に多くのアーティストに呼びかけ『グルッペ空展』を結成、発表を続ける。16人が参加、3月23日から札幌で第1回展を開くことも決まった。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で22日まで。


 ◆写真は原田富弥さんの奈良・明日村を描いた油彩『棚田のある風景』(100号)

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心が和む多彩な造形美 『渡辺 一夫木彫の世界』

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 木彫ひと筋50年―。動物や音楽、優しい少女像、気品に富む女性象などをモチーフに制作することで定評があり、今回も詩情豊かに心和む立像、レリーフ45点を発表。釧路市にアトリエを構え日本各地で個展を続けており、札幌では3年連続の新春展。
 「見てくれる方の心に響く作品を」―。カツラ、シナ、ニレ、最近はケヤキも素材に仕上げる作品は、ホットな情緒で思わず手に取ってみたくなるものばかり。少女3人が空を見上げる『星ぞら』、5人の『ひだまり』、少年2人の『小枝のかたまり』からスマートな女性像、愛らしいフクロウ、更にレリーフの絵のような『バラの香』『踊り子』など多彩。優しく心に響いてくる。
 作者自身ギターを弾き、さらにクラシック音楽を聴きながら制作することもあってか静かなメロディーを感じさせるのも特徴。笛を吹く少女像『風の調べ』といった作品が象徴している。ほのぼのとした温かさが伝わってくる。

 札幌市中央区北5西4、大丸札幌店8階美術画廊で17日まで。

 ◆写真は展示されてる数々の作品


 P1070491_convert_20170114103619.jpg  渡辺 一夫(わたなべ・かずお)さん
 木彫は独学。画家を目指して上京、そこで日本を代表する木彫家を目指して上京、そこで日本を代表する木彫家平櫛田中氏(故人)の作品を見て感銘、木彫の世界へ。福島、仙台、東京、福岡などで毎年のように個展を開き、今年6月地元釧路でも6年振りに開く。1996年釧新郷土芸術賞を受賞。1948年釧路市生まれ。同市在住。

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数々の花をより美しく 『安栄 容子日本画展』

 

 「野生の草花を描いて20年以上になります」―。バラ、ハマナス、カタクリ、桜…数々の花を美しく、しかも丁寧に描いた日本画20点を発表。0号から100号。昨年9月に次いで5回目の個展。
 「新春を迎えたので明るくしました」。ピンク、黄、白といったカラフルな花の表情を優しく、明るく画面いっぱいに描いている。同時に空気感があり、花が風に揺れるような情緒でもある。
 「山へ行ったら草花の名前は全部分かる」と言うほど花に詳しい。花への思いが込められている。『はれの日に』『ささやき』『陽をあびて』といったタイトルで生き生きといとおしむように愛情を込めて描き込んでいる。
 会場で花に囲まれていると心が和む。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで15日まで。

 ◆写真は、桜を描いた『はれの日に』(45㎝×1m)



 P1070482_convert_20170111112226.jpg  安栄 容子(あんえい・ようこ)さん
 下絵を、制作する絵と同じ大きさの紙に描く。「大作は1点仕上げるのに3ヶ月はかかります」。日本画を描いて28年目。自宅の庭に数々の花も。今年は既にグループ展に出品、4月にも個展がある。初個展は2002年。13年に小樽で母娘孫3人展を開いた。道展で1999年新人賞、2000年佳作賞、09年会友賞。道展会員。道教育大学大学院修了。小樽市生まれ。札幌市在住。

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気迫の筆勢で100点 栖原 武正展

 

 「やっていることはインスタレーションと変わりはない」―。これまでに『大地開墾』をテーマに各種廃材によるインスタレーションを発表してきたが、今回は『墨による大地開墾』。「いわゆる書を書いたのではない」と言うダイナミックな筆勢の作品100点が会場いっぱいに展示され、気迫が広がっている。
 段ボールやベニヤ板などに新聞紙を何枚も張り合わせ、白い塗料を塗りその上に文字を書く。『太陽』『日の出』『積雪』『馬』…中には海あるいは原野の向こうから太陽が昇る絵のような作品も。横3・2m天井でまで届く大作から額装の小品まで多彩。
 「頭に浮かんだ文字をぶっつけ本番で書いた」と言う各種作品は気迫にあふれている。そのエネルギーが、じかに伝わってくる。このような作品を発表するのは初めてで「やり切った感じです」。独自の世界を展開している。

 札幌市中央区大通西5、大五ビル・ギャラリー大通美術館で15日まで。

 ◆写真は会場いっぱいに展示されている作品



P1070474_convert_20170111112123.jpg 栖原 武正(ならはら・たけまさ)さん
 「何の制約も受けず吐き出すように書いた」。インスタレーションもダイナミックな筆勢の展開に定評がある。1976年の初個展以来個展、グループ展は数え切れない。1978年新道展で知事賞、85年行動展で行動美術賞、86年北海道の美術イメージ群で新人賞など多数。1942年十勝管内広尾町生まれ。札幌市中央区在住。

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鮮やかな色彩で動的に 『亀井 由利小品展』

 
 「テーマは生命、生きるです」。赤、グリーン、ブルー、ホワイト、黒…鮮やかな色彩と動的な筆勢で描き込んだ抽象構成の油彩16点を発表。サムホールから20号。新春展は今回で連続8回目。
 「色彩は美しくなければ」―。新春らしく『初日』『福袋』『たこあがれ』といったタイトルの作品は、輝くような色彩のコントラストと空間を生かした描き方で“語り”を感じさせる。
 ブルーやグリーンの中に赤が、白の中に黒がうねるように、あるいは球体状が宙に舞うように生き生きと展開されている。油絵の具が中心だがモノトーン調はアクリル絵の具で重厚なマチエール。作品の多くに『赤』が使われ生命、情熱感が広がっている。

 札幌市北区北8西1、石の蔵ぎゃらりぃはやしで10日まで。

 ◆写真は油彩『女』(4号)


 P1070470_convert_20170106105549.jpg  亀井 由利(かめい・ゆり)さん
 毎年精力的な取り組みを続け、個展、グループ展は数え切れない。今年も4月の5人展に続き6月には郷里室蘭美術館で個展を開く。高校時代から油絵を描き故熊谷善正氏に師事。1980年に二科展、93年サロン・ド・トンヌに入選。97年新道展で佳作賞。新道展、日本美術家連盟会員。室蘭栄高校卒業。1952年室蘭市生まれ。札幌市在住。

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69人が思いを込めて 2016年~17年展

 

 サル年からトリ年へ。さいとうgallery恒例の「ゆく年くる年展」。69人のアーティストが思いを込めて多彩な作品を発表している。今年で22回目。
 美術団体を問わず道内在住の69人は札幌を中心に稚内、岩見沢、小樽など幅広い。夫婦、親子も。石垣渉、丸藤真智子さん(札幌)、高野理栄子さん(小樽)が初出品。
 作品は油彩、水彩、日本画、陶芸、立体など具象から抽象まで幅広い。
 羽山雅愉さん(小樽)の雪降る中で1羽の鳥を描いた『除夜の雪』、川本ヤスヒロさん(石狩)の横笛を吹く女性の『元日の朝』、野崎嘉男さん(岩見沢)の「福」「寿」の鶏を中心にした立体作品『西謹賀新年』、泉修次さん(札幌)のおみくじの作品…楽しく拝見出来る。
 21日にオープニングパーティーが開かれた。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで1月8日まで(26日、29~31日、1月1日は休廊)。

 ◆写真は阿部典英さん(小樽)の作品『トリくん・トリさん2017』

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多彩な動物の陶器 『世界の動物たち展』

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 「動物だけをそろえたのは初めてです」―。もみじ窯の香西信行さん、霜月窯の石川直子さん、桜花窯の櫻井実奈子さん(共に札幌市)による動物だけをそろえた陶芸展。売り上げの30%を北海道盲導犬協会に寄付することにすており、こうした取り組みは初めて。
 「動物の助けを借りる人のために身近なところから協力したい」と企画された。香西さんは穴窯、石川さんは登り窯、櫻井さんはガス窯で作陶しており、日頃はあまり動物の作品は作らないという。
 作品はキリン、ライオン、鹿、象、カバ、羊…数え切れない程多彩。その表情、姿など皿に乗っているものから堂々とした風格、思わず手に取ってみたくなる作品まで個性豊か。楽しい”動物の世界”であり、香西さんは「出来れば来年も開きたい」―。

 札幌市中央区大通西4、道銀ライラックギャラリーで25日まで。


 ◆写真は展示されている多彩な動物の作品

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220人が大作、力作 『北海道書道連盟展』



 北海道書道連盟(本間狐峯正啓理事長)主催の第45回展。総勢220人が感性豊かに書の美を競っている。
 年1回の連盟最大のイベントと言われ全道の会員から大作、力作が寄せられている。今年8月11日、90歳の生涯を終えた佐藤満さんの遺作の淡墨『天女花』を始め顧問の我妻緑巣、小川東洲、島田青丘、中野北溟、藤根凱風、松本映子さんら多彩な顔ぶれ。
 濃墨、淡墨の多字数、一文字、縦書き、横書きの気迫の筆勢、気品と流麗なかな、さらにカラフルな料紙、扇面の作品のほかに篆刻の美も。 書の魅力を存分にみせており、本道書道界の存在感を強調している。
 9日には、ホテル札幌ガーテンパレスで祝賀会も開かれた。

 札幌市中央区南2東6、札幌市民ギャラリーで11日まで。

 ◆写真は展示されている大作、力作

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ギャラリーの閉館惜しみ83点 「佐藤 武自選展」

 
 「私は、このギャラリーで育てられた」―。今月24日で閉館する時計台ギャラリーを惜しみA、B、C3室に1970年の作品から新作まで大作中心に53点を展示、歩みをたどっている。同ギャラリーだけで29回目、合わせて87回目の個展。
 A室の新作15点は、かつて栄華を誇った大都市の廃虚の跡を広大な砂漠の空間に描き込んでいる。『旅の終わり』のシリーズが中心。白と黒を基調に静寂な余韻を広げている。
 広がる空間に縦または横に鋭い1本の線が走り、さらに上空に大きな石柱が石棺のように浮いているのも特徴。
 B室は、栄華を誇ったであるう建物を中心に精密な描写力を見せている。C室は『時計のある室内』など1970年から2011年の作品を展示、歩みを振りかえっている。

 札幌市中央区北1西3、札幌時計台ギャラリーで10日まで。

 ◆写真は大作の『旅の終わり~雪降る頃』(2枚屏風)


 P1070410_convert_20161209170935.jpg  佐藤 武(さとう・たけし)さん
 1967年にインド、ネパールを訪れて以来”静寂、不安と崩壊”をテーマに。11歳から独学で油絵を。1967年から札幌、大分、岐阜、横浜、東京で個展。北海道の美術イメージ動展でグランプリ、青木繁記念大賞展で優秀賞などを始め2009年に紺綬褒章受章。詩画集、エッセイ集も。1947年千歳市生まれ。札幌市北区在住。

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大作の風景中心に31点 『合田 早苗江水彩画展』

 

 山や海を望んだ大きなスケールの風景を中心に花を描いた作品31点を発表。2年半振り9回目の個展。0号から80号。
 「初めて見た方から油彩ですか、と聞かれます」。透明、不透明水彩などでぐいぐい描き込んでいる。至って動的。ふる里・釧路の夕景を描いた作品以外は、グリーンの濃淡を基調に釧路湿原の『眺望』、海が広がる『春採の丘から』などを雄大な構図で生き生きと描き上げている。空気感がある。水彩画とは思えない深いマチエールも特徴。
 風景の多くは、釧路を描いた大作。気迫が伝わってくる。花の作品はバラ、アジサイなどを明るく優しく描いている。『ランプとアマリリス』は、しゃれた色彩である。

 札幌市中央区南1西3、さいとうgalleryで4日まで。

 ◆写真は釧路湿原を描いた『眺望』(80号)



 P1070404_convert_20161202154410.jpg  合田 早苗江(ごうだ・さなえ)さん
 新道展会員のご主人合田典史氏と一緒にスケッチに回る。2004年と11年に夫婦展も。昨年は、手作りの数々の飾り作品「クリスマス・デコレーション展」も開いた。道彩展で道彩展賞、会友努力賞。道彩展会員。道教育大学札幌校卒。釧路市生まれ。札幌市在住。
プロフィール

Author:chikuwapan
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『北海道を彩るアーティスト』
絵画、版画、彫刻、工芸、陶芸、立体、書道など各分野で活躍している北海道のアーティストを、写真入りで分かりやすく解説しています。

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